魂の寄る辺、生きる寄す処   作:少彦名

14 / 14
今日は宿儺に連れられてなぜか神社に向かっていた
ここしばらく、夜に外出してた理由らしいけどなんでだろ

「着いたぞ」

「ここ?」

「ああ」

なんだろ
嫌な感じがする
これ、呪詛…!

「!」

「神を呪おうなぞ。随分と物好きな術師がいたものだ。来るぞ」

宿儺の視線の先
狼犬の背にしがみつき、こちらに向かい走って来るのは子供たち
なんでいるの!?
しかも、その、子供たちの背を追う異形

「っ、」

拳を構える
子供たちが脇をすり抜けていく

「《解》」

宿儺の一撃で粗方が切り刻まれる
ここ、神社の境内だよね!?

「ちょ、いいの!?」

「はっ。知らん」

「はぁ?!」

「そら、集中しろ。吾子らを食い殺しに来るぞ」

「ああ!もう!!後で良い酒御供えに来るからな!!」

次いで、俺に向かい顎を開いた異形に、アッパーと同時に黒閃をくらわせる
ニヤニヤニヤニヤ笑いやがって!

「ちょっとは手伝え!バカ!」

「俺が出るまでもない。吾子らの守りをせねばなるまい?」

「ほんと、むっかつく!」

八つ当たり?
上等だわ!


逃げるなら引きずりこむまで

うわぁ

 

「りゅうだ」

 

「おめめないないなる」

 

「ぴかぴかだ」

 

いや、人の身をとってるんだけどね

その向こうに、白銀の龍神が透けて見えてる

 

「おや。珍しい。稀人か」

 

「えっ」

 

散々、いわゆる妖を倒しまくった悠仁がポカンとその龍神を見上げた

弟は大興奮してるけども

ここは弟が読んでいたラノベの世界らしいからな

 

「ほう?神が姿を見せるか」

 

「えっ。神様ァ!?うわ、うわわっ、すみません!境内を汚してしまって…!」

 

「よい。後で良い酒を持って来るのだろう?」

 

「はい!コイツ用に用意してたんですけど、神様に上げます!」

 

「は??」

 

「ハッハッハッハ!妻の尻に敷かれておるのか、そこな鬼人は」

 

誰かが近づいてくる足音

振り向けば如月だった

 

「神社に向かうと聞きまして。こちらを」

 

あ、酒?

ちゃんと杯もある

 

「ありがとう!こちらどうぞ!」

 

「ふむ……そこな坊や。注いでおくれ」

 

「あい!」

 

如月の手を借りて、酒を注いだ弟が杯を掲げ持つ

 

「頂こう」

 

「…………どうですか?」

 

「良い酒だ。目端が効くものがいるのだな」

 

二杯目は推しのストップが入った

裏梅に探させてたらしい酒が飲めなくなったのもあるけど、悠仁が神に近づくのが嫌なんだろう

 

「かみさま!かみさま!」

 

「良かったねぇ」

 

「うろこきれい」

 

「きらきら、ぴかぴか」

 

もう一度大笑いした龍神は、何かをこちらに投げてくれた

 

「……っ、うろこ!!!!」

 

うわ、デッカ

悠仁の手のひらくらいある

俺たち全員にくれんの?

とんでもない加護ついてんじゃないか?

 

「くれてやる。見たところ、神代の遥かに先の時代(とき)を生きているようだが、ここまで純粋な信心は妙なるものだ。いつまでも、その気持ちを忘れることなきようにな」

 

「あいあとーござます!」

 

「本当に、ありがとうございます」

 

「そろそろ帰るといい。そこな偉丈夫に睨まれるのは勘弁だ」

 

「それでは。御前を失礼致します」

 

扇子をひらり、ひらり

花吹雪に目を閉じる

目を開けばそこには屋敷

本当に便利だな、この転移術

 

「ささ。早くお屋敷へ。夕餉のお支度もできております」

 

「お帰りなさいませ」

 

「ああ」

 

あれ、誰か…

着いてきてる?

 

「隠れ鬼でも致しましょうか、若様。おーにさんこーちら、ですよ」

 

とことんまで、隠すことに特化した鬼なんだな

捨て置かれたのがバレないよう、隠されていたと言っていたっけ

しかも、如月はおそらく藤原家に属する娘が非業の死を遂げて鬼と化した

その話が広がることを、よしとしないものは多いだろう

如月に隠され、屋敷の奥へと進む

数多の鬼たちが屋敷の中で首を垂れる

 

「追い出しやれ。無作法者を許すわけにはいかぬ」

 

おっと?




「……つまり、稀人ということでございましょうか」

「然り」

「この私めに。長き旅の供をせよ、と」

ふるりと、身を震わせ
喜びが溢れたと言わんばかりの笑みを浮かべて
深く深く、頭を下げた如月

「御意に。不肖ながら、必ずやお役に立って見せまする」

きっと、俺との時間を長く取るためなんだろーなー
俺が面倒を見る時間が少なくなると、お前にイニシアチブあるもんね
まぁ、俺も
宿儺と共に入れるのは嬉しいんだけどさ
でもさぁ

「ゆうじー?」

「…そろそろ子供たちのお昼寝の時間なんだけど。離して?」

俺のこと、ずっと抱き上げたままにするのは心底やめて欲しい
お前のデレの破壊力凄まじすぎてキツい
徐々にして、徐々に
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

伏黒恵の調和 (タイトル変更)(作者:ゲダツ)(原作:呪術廻戦)

伏黒恵に憑依した。男は呪いのはびこってる呪術廻戦の世界に転生した 男は両面宿儺に体を乗っ取られないため 全力で未来を回避する


総合評価:656/評価:6.36/連載:22話/更新日時:2026年05月22日(金) 16:48 小説情報

立ちて死すとも心火は消えず(作者:巌颪)(原作:呪術廻戦)

護廷の開祖が今一度、目を覚ます。▼呪いが廻る混沌とした世界で・・・


総合評価:145/評価:-.--/連載:4話/更新日時:2026年05月05日(火) 17:00 小説情報

これは俺が呪術廻戦での最強の炎使いになるまでの物語(作者:華々)(原作:呪術廻戦)

呪術廻戦の炎使い純粋な炎使いが漏瑚しかいないという悲劇。炎使いランキング1位の宿儺は斬撃ペチペチマン。▼3位は…まあパッとしないちょろ火刀。▼そんな訳で最強の炎使いとしてランキングを塗り替えるため主人公が頑張る。そんな話。


総合評価:266/評価:6.22/連載:5話/更新日時:2026年03月19日(木) 01:14 小説情報

苦労人転生者はヒーローの世界へ(作者:鬼塚虎吉)(原作:僕のヒーローアカデミア)

これはもしもの話、隻眼の黒竜との決戦にてベル・クラネル達を守って命を落としてしまった藤堂ケンマは死後の世界と行くと思われていたが、たどり着いたのは【僕のヒーローアカデミア】の世界だった。▼この世界に転生したのかは解らないが、ヒーローへの道を歩いて行くのだった。▼タグは順次追加予定


総合評価:516/評価:5.78/連載:12話/更新日時:2026年02月17日(火) 16:00 小説情報

呪術廻戦υ(ユプシロン)(作者:ホシカワ)(原作:呪術廻戦)

夜の杉沢第三高校。▼そこで同じ学校の先輩を助けるために両面宿儺の指を飲み込んだ。▼だが両面宿儺が現れない。▼しかし膨大過ぎる呪力を帯びる肉体。▼更に先ほどまでのあどけなく呪術界の事を全く知らなかった少年もいない。▼少し大人びた表情の虎杖悠仁。▼彼は後方にいる伏黒恵を見て微笑む。▼「伏黒――若いな……」▼しかし呪霊が虎杖を喰らおうと襲い掛かる。▼「せっかく旧友…


総合評価:7811/評価:8.06/連載:13話/更新日時:2026年05月22日(金) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>