1917年1月。第一次大戦の只中、西部戦線では終わりの見えない塹壕戦が続いていた。砲撃と泥と死に満ちた戦場の裏側で、各国の軍と魔術師たちはある極秘計画を進めていた。――英霊を召喚し、聖杯を巡って争わせる「聖杯戦争」。それは戦争を終わらせるための戦争だった。

フランス軍の後方陣地では、徴兵されたばかりの青年ジルが半ば強制的にマスターとして選ばれ、英霊ジャンヌ・ダルクを召喚する。活動資金だけを渡され、西部戦線のどこかに存在するという聖杯を探す任務を背負わされたジルは、聖女とともに泥と砲火の戦場へと踏み出す。

一方その頃、帝政ロシアの首都ペトログラード。魔術師たちの監督下で、一人の不良中年が聖杯戦争への参加を命じられていた。半ば厄介払いのように送り出されたその男は、コーカサスの英雄をライダーとして召喚する。新年早々巻き込まれたこの戦争に愚痴をこぼしながらも、与えられた条件と報酬のために聖杯を目指すことを決める。

西部戦線へ向かう列車の中で、男は肩をすくめて呟く。
「戦争を終わらせるための戦争、ねえ。」

砲火に覆われたヨーロッパの大地で、国家、革命家、そして英霊たちの思惑が交錯する新たな聖杯戦争が始まろうとしていた。
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