エロ同人RPG系勇者ちゃんVSヒロピン好きの俺VSダークライ 作:らっきー(16代目)
とりあえず第2部導入編
唐突だが、この世界には上位存在が実在する。俺が転生したのがその証明……なんてわけではなく、単純に勇者ちゃん言うところの女神様のことである。
神様なんて御神籤引いた時に凶とか大吉とか教えてくれたり、お賽銭投げてとりあえずなんか言ってみたりするぐらいの存在だった前世とは違って、『勇者』に神託を授けたり信者に奇跡を授けたりと色々精力的に活動しているのだ。
だからこの世界では神は存在するのか、なんて論争は起こらない。『奇跡は魔法の一種であり、女神の恩寵など関係無い』などと主張すれば狂人扱いだ。
代わりに起きるのが、女神の加護を受けられる人間とはどのような人間なのかという論争。聖典の解釈で日々激論を交わしているらしい。暇そうで羨ましいね。
ささやかな幸運も女神の加護ということにされるこの世界では、加護を疑う人間はいない。それでも例えば奇跡──要は回復魔法──を扱える聖職者や、それこそ『勇者』と他の人間は何が違うのかという話で。今の王族なんかはそれを利用して血族での統治を当たり前にしている。
まあ実際『勇者』が王族の血統以外から出たことは無いらしいんだけど……これ、後で血統捏造されただけだったりしない? 日本の源氏平氏の末裔理論みたいにさ。詳しくは征夷大将軍の条件とかで調べてみてくれ。俗説だが面白いぞ。
まあ王族は一旦置いておくとして、聖職者はなんなんだろうな。教会で働いてる神父やシスター(正式名称は分からん)は基本、最低限の回復魔法……じゃない、癒しの奇跡は使える。新人一日目でもだ。
だがそこから上位の奇跡を習得できるかどうかになると、これが本当に人による。何十年も教会で働いているのに精々解毒ぐらいしか覚えていない人も見たことがあるし、教会で預かっている孤児を性的に食い荒らしていたような神父やシスター(男女平等だね)がかなり高位の癒しの奇跡を使っているのも見たことがある。女神様、どういう基準で加護を授けてるんですかね。
話が逸れてきたな。
ともかくこの世界は絶対的な一神教であって、解釈による対立こそあれ、掲げる神を巡っての争いは起こらない……と思っていたのだが。
「まあ邪神とか破壊神とか、ゲームじゃ定番だけどさ……」
「どうしました? ウーさん」
「神様がいっぱい居たらどんな世界かなって考えてたとこ」
「また凄いこと言いますね……」
でもゲームによってはバリバリ多神教だったりもするか。豊穣神とか愛欲神とか戦神とか居たり。日本に限らずギリシャとか北欧の神話も多神教だもんね。
さて、なんで急にドラゴンなクエストのラスボスについてみたいなことを言い出したのかと言えば、カマエルの……つまりてるてる坊主共の最終目標のせいだ。
共用文字を知らないのか、なんかそういう決まりでもあったのか分からないが、貰った資料が古代文字で書かれていたせいで解読は大して進んでいない。そもそも聖典の翻訳として渡された辞書に無い単語が多すぎるのだ。全部固有名詞って訳でもないだろうし。あいつら造語で記録残してるんじゃないだろうな。
ともかくそれでも何とか読み解けたてるてる坊主共の資料の中に、奴らの最終目標が書いてあった。
曰く、今の女神を殺して彼らが崇める■■様とやらを新たな神の座に据えるのだそうだ。
……うん、まあ、女神って殺せるの? とか、結局■■様ってなんなんだよとか、新しく神にするって何? とか、突っ込みたいことは色々とあるのだけど、とにかく最終目標はそれらしい。女神様、何やらかしたの?
でもとりあえず、勇者ちゃんが神託を貰った理由は分かった。そりゃ自分を殺そうとしている集団が居れば、止めてくれる人を探しもするわな。
そんなわけで、資料の解読を頑張ったり勇者ちゃんとのふれあいコーナーをしたりしながら、女神を守るためにもと神託に従って魔石の回収を進めていた……のだけれど。
「なんかここ最近平和だねぇ……」
「普通の魔物退治ぐらいしかしてませんもんね、私達」
最近は神託もストップ中。『ちょっと強い魔物』の討伐依頼なんかがある時は優先して受けてもいるのだけど、文字通り『ちょっと強い魔物』が居るだけだ。勇者ちゃんが最近得意技にしつつある内側からの爆殺を使わなくても勝てるぐらいの相手。せめてエロ技を身に付けてから出直してきてくれ。強制発情魔法とかでもいいぞ。
まあおかげで楽に報酬を得ることができて、ちょっとした贅沢をする余裕が生まれるぐらいの暮らしが出来ている……とはいえこの世界に大した贅沢は無いのだけれど。ピザポテトとコーラが懐かしいぜ。貴族がよくやってる、奴隷を痛めつけるのよりよっぽど心の癒される贅沢なのだが。
そうして魔物を退治したり、勇者ちゃんに膝枕してもらったり、ドラゴン……と見間違えられたワイバーンを殺しに行ったり、『ウーさんちゃんと腹筋割れてるんですね……』とぺたぺた触られたり、古代文字の読み方を改めて聞きに行ったり、『膝枕は別にいいんですけど、お腹側向かれるのはなんか凄く恥ずかしいというか……!』と言われたりしながら日々を過ごしているとついに──
「ウーティスさん、昨晩女神様からお告げが来たんですけど……」
「お、ようやく」
忘れられたかと思ってたぞ。それか女神を殺せないまでも封印に成功したとか。単に時間がかかっていただけらしい。魔石の気配の隠し方でも見つけたのだろうか。
「あの、赤い川の向こうへ行きなさいって言われたんですけど、ウーさん心当たりあります? この辺川なんて無いですよね? しかも赤いのなんて」
「うん? あー……そういえば村の出身だもんな。見た事ないか」
「もしかして田舎者って言われてます?」
「まあ……」
「まあ!?」
解読作業のお供の紙とインクを引き寄せる。丁度近くにあって良かった。最悪地面に指で書いてもいいんだけどな。
「ものすごーく簡略化した世界地図を書くとこうなる訳だが、見た事は……無さそうだな」
横に長い楕円を書いて、それをTで3つに分ける。メルカトル図法よりよっぽど簡略化しているが、この世界における世界地図を書こうとするとこうなる。なおあんまり見る機会は無い。生まれた村で生涯を終える人が大半だし、外に出る商人やら冒険者やらにしたってある程度の範囲の街ぐらいまで分かれば十分だからね。
「この3つに別れた内の上にあるのが魔物の大元……って言われてる場所。山向こうって山脈付近の人は呼んでる」
なんか魔物の領域といえば北部のイメージあるよね? 俺だけかな? 俺達が今いる王国も北は魔物の世界と接している、と言われていて防備が固くなっていたりする。実際魔物がどう湧いてるのかは解明されていないんだが。案外山脈の向こうには何も無いかもしれない。少なくとも北部山脈はゴブリン程度じゃ越えられそうにないのだけは確かだ。
「そんで右下が俺達が今いる所。オーレルヴェイン王国……まあ単に王国としか呼ばんなみんな」
何せ他に王国がある訳でもないし。区別をつける必要がないのだ。
「こっちのもっと右側はどうなってるんですか?」
「未開拓領域。海が広がってる……事になってるが、案外渡ったら別の大陸があるかもな」
何せ船を出しても帰ってこないのだ。水棲の魔物は居るしどのくらい遠くまで行けば陸地があるのかも分からないしで最早誰も確かめに行こうとしない。海辺ですら危険地帯だしなこの世界。俺もちょっとだけ行ってみたが、少なくとも個人で辿り着ける範囲には陸地は無かった。
「夢がありますね……?」
「なんで疑問形? まあいいや、そんでこの左側がアルゲントゥス帝国……これも誰も呼んでないな。帝国で通じる」
何せ他に以下略。そもそもなんで帝政と王政を隣り合わせに作ってるんだこの世界は。最初帝国の配下として王に封じられてるのかと思ったぞ俺は。
「国って他にもあったんですねぇ……」
「海を渡ればもっとあるかもしれんが……まあこの大陸には2つだけだな。そんで王国と帝国を分けてるこの真ん中の線が『赤い川』」
「水が赤いんですか? ちょっと怖いですね」
「いや、川幅は凄いが水は普通だぞ。上流の方行けば多分透き通ってるんじゃないかな」
「え。じゃあ何が赤いんです?」
「大昔に領土を広げる為にってこの近辺で大戦争をしてたらしい。死体の山で川の水が赤く染まったから『赤い川』って」
「魔物が居るのに……?」
「魔物が居るのに」
人間って愚かだね。もしかしたら当時は魔物の脅威が今より小さかったとかあるのかな。女神様、お告げよりこの世界の設定資料集をくれ。
「じゃあ赤い川の向こうって帝国に行けってことですかね?」
「多分なぁ……帝国かぁ……」
「なんか不味いんです? あ、許可が無いと川を渡れないとか?」
いつぞやのおっぱい要求衛兵を思い出すね。でも残念ながら違うんだ。
「この図を見てもらえば分かると思うんだけど、帝国に行こうとしたら川を渡るしかないんだよね」
「まあ、山を越えては無理でしょうしね」
「実はこんだけでかい川なのに橋が1つしか無くてな」
「橋が無くてな、って言われるのを覚悟してたのでちょっとマシに思えますね……」
「そんでその橋を渡る条件が、帝国側の衛兵をぶっ倒すことなんだよ」
「野蛮人国家!?」
ちなみに王国側には自由に来れる。まあ来る人ほぼ居ないんだけど。商人ぐらいかな? 多分。文化の違いをわざわざ越えようとするのは少数派なのである。
「あの、気づいちゃったんですけど、もしかしてそれ不法入国って言うんじゃ……」
「面白いこと言うね勇者ちゃん。誇り高き帝国の衛兵が橋を守れないはずなんて無いでしょ。もし通したらそれは通行許可が降りてるのを知らなかった不幸な行き違いだよ」
「そういう建前になるってことですよねそれ!?」
何せ徹底的な実力社会だからなぁ帝国は。現皇帝をぶち殺せばその瞬間そいつが次の皇帝になるぐらいには。
「まあまあ、1度入っちゃえば大丈夫だから。言葉も通じるし、女神様を信じてるのも同じだし」
「不安しかないよぉ……」
貨幣は違うしなんなら種族も違うけどまあそんなのは些細な問題だろう。
アルゲントゥス帝国。獣人やら森人やらが住んでいる、亜人種の国である。
今後ともお付き合いの程とお気に入りと高評価よろしくお願いします。モチベになります
カマエルを──
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夢の中だけでも幸せならいいと思います
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眼を背けても本当に傷が癒える日は来ません