どこで間違ってしまったのだろう、ナルトを前にしてヒナタは自問自答した。
物心付いた時からNARUTOの世界にTS転生したことには気付いていた。
自分が日向ヒナタであることには絶望した。
自分は推しに挟まれたい人間ではなく壁になりみたいタイプの人間だったからだ。
TSした事も適応するのに大変だった。
女言葉は使えず、苦し紛れで敬語で使うことにした。
どうやってヒナタを演じようか頭を抱えていたところ、いつまたっても白眼が発現せず、日向家を追い出されることになった。
追い出された後、どうやって原作再現するか悩んでいると人の魂が視えることに気付いた。
術式も知覚出来てしまった。
「無為転変じゃねぇか」
本当に頭を抱えた。
一応里的に死んでも大丈夫だろという人物を選び、無為転変を試す。
俺的には人とはNARUTOの世界のネームドキャラのことで、無為転変の実験は虫で遊んでいる感覚しかなく、人を殺している感覚はなかった。
今思えば既に狂っていたのだろう。
しかし俺的にはまだ人を殺したと思っていないので、一応原作通りに進めるように努力した。
既に狂ってはいたが、決定的に狂ったのはカンクロウ戦だったと思う。
自分の術を確かめたくて色々やっていたらかなりハイになり無為転変を短時間で何度も使い、頭が完全におかしくなったのだろう。
そこからはもうナルトのネームドキャラを殺したくて殺したくて仕方がなくなってしまった。
誰で童貞(殺人)を卒業するか、俺はそればかり考える様になってしまった。
俺はヒナタなのでナルトで卒業したかったが、内に九尾を持つナルトは無意識に魂を知覚し、俺を殺せる可能性がある。
最初の殺し合いはナルトに捧げると決め、不本意ながら、童貞をサスケに捧げることに決めた。
終末の谷でサスケに童貞を捧げた時のナルトの反応はとても良かった。
NTRものが好きな人の気持ちが良く理解出来た。
股ぐらが熱くなるのを感じ、TS転生して勃つものがない事に神を呪う。
もう里には戻れない、大蛇丸か暁にでも会えればいいなと思う。
ナルトに殴られると案の定、ダメージを食らった。
ナルトの童貞と俺のセカンド童貞を掛けた戦いが今始まる!
◇◇◇
ナルトは咄嗟にしゃがむとヒナタの指が伸び、ナルトの顔があった場所を通過していた。
ナルトは足の裏のチャクラを爆発させ、距離を詰める。
ナルトの顔面に当たる瞬間、顔面が右手に変わり拳を掴む。
ヒナタの肩からヒナタの顔が生えてくると同時にナルトの身体に激痛が走る。
ヒナタの腹が針のように伸び、ナルトの腹部を突き刺していた。
「油断大敵ですよ」
そう言った瞬間にヒナタの顔面にナルトの頭突きが炸裂した。
ヒナタは後ずさりし、意識が飛んだのか動きが鈍い。
ナルトは螺旋丸を出すために影分身を2体出すが、「流石にそんな時間はないですよ」とヒナタの伸びた足に影分身ごと蹴り飛ばされた。
ヒナタは右手を刃物の様に変形させると、ナルトを突き刺そうとした。
ナルトは胴体で受けると構わずヒナタの顔面を殴る。
更に殴ろうとしたところでナルトの体から無数の棘が飛び出る。
ヒナタはナルトの体内の剣から棘を出したのだ。
致命傷でありヒナタは左手の掌でナルトに触れる。
「バイバイ、ナルト君」
ヒナタが無為転変と呟くとヒナタの左腕が吹き飛んだ。
◇◇◇
『ワシに触れるなぁぁぁぁ!愚物がぁぁぁぁぁ!』
ヒナタがその声と九尾の姿を知覚すると同時に
ヒナタの左腕が吹っ飛んだ。
マジかと思い、右腕を元に戻しナルトから距離を取る。
ナルトには無為転変が通用しない可能性も考えていたが、実際に通用しないとやはりショックではあった。
ナルトは致命傷ではあるがこのままでは終わらない確信はあった。
左手を再生しようとするが何故か上手くいかない。
ナルトを確認すると、四つん這いながらも、鬼の形相でこちらを睨んでいる。
恐らく九尾のチャクラで復活するなと思っていると案の定、九尾のチャクラがナルトを覆い、傷はあっという間に回復したようだ。
「詰み、ですね」
ナルトの世界で領域展開出来るかは不明であるが、したところで九尾に破られることは目に見えている。
こちらの攻撃は全て回復される。
あちらの攻撃は自分に効き、あのチャクラ量で殴られたら確実に死ぬだろう。
ここで殺されるのは悪くないが、もっと人(ネームド)を殺して、ナルトと今度こそ本当の殺し合いをしたい。
撤退を決断すると、ヒナタは10倍以上に膨れ上がる。
ナルトが警戒するとヒナタは「バイバイ」と言い破裂した。
ヒナタはスライムのような軟体形状になり川と滝を使って逃走した。
ある程度時間が立ち、大丈夫だろうと岸に上がった。
人間になろうとするがなる事が出来ない。
(何が起こっている!?)
ヒナタは混乱の極みにあったが、人に戻れないのはチャクラが枯渇したからかと思った。
ヒナタは知るよしもないが九尾の攻撃によりヒナタの魂は致命的なダメージを負っていた。
ヒナタのチャクラは回復したが、身体を治すことは出来ない。
肉体と魂の関係を切り離しているが故、魂が死を迎えることはなく、意識は常にはっきりしている。
あるとき森を彷徨っていたところ獣に食われた。
消化され、糞として排出された後もヒナタの意識ははっきりしていた。
《終》
ヒナタにTS転生して無為転変したいと言う一発ネタで突っ走りました。
逃げ切るエンドにしようかと思いましたが、惨めになったほうが良いと思いこの終わり方になりました。
九尾は便利枠。
ご愛読ありがとうございました。