鹿目まどかの兄だった   作:紡縁永遠

4 / 4
今回、まどマギ要素はほとんどありません。
刀語に対する独自解釈がかなり含まれます。
物語シリーズにおいても同様です。


つるぎヴァンプ

 「と言っても、出会いの方法に関しては、(せつな)から聞いたことになる。

 

 あの日、五年前に俺は事故にあったらしい、つまりその時はまだ鹿目つるぎだったというわけだ。

 問題はあの日が日の光を通さないほどの曇天であり、俺の血はかなり特殊なものらしい、血液そのものはその時は普通だったんだが、時たまに、吸血鬼が喰らう人間には極上とも言える存在がいるらしい、

 今から600年くらい前には俺よりもさらに極上と言える存在がいたらしい、喰えば最後、その人間しか食べられないくらいの偏食になるらしい。けど、そんな残酷童話はこの件とは無関係だ、まだな。

 極上の肉体を持っていた俺の血を、たまたま、この国に来ていた吸血鬼の一人が喰らってしまったんだ。

 偶然だ、意図したことではないけど、その時あの場にいたのが、後の瞬、無心にして迅速にして剛情の吸血鬼である、キスターチス・アイゲンズィニヒ・リヒトシュヴェアトだ。

 それでも口に入ったのは飛び散った数滴だ。

 たった数滴、それでも瞬にとっては何事にも代えがたいもので、その日の夜俺が入院している病室に忍び込み、攫った。これが五年前に起きた鹿目つるぎが行方不明になったあらましだ。

 

 ここからが、俺が八花つるぎとなっても覚えている時間になる。

 

 あの時、確かに俺は生きていた。虫の息と言えるほどに弱っていたけど、それでも生きていた。

 問題は、キスターチスが俺を生かそうとしたことだ。

 吸血鬼の血というのは、文献に記されている通り回復、再生を表徴するものと言える。

 さっき、鹿目に血を飲ませたけど、本物である、もどきになる前の吸血鬼の血なら、回復を主軸としない吸血鬼の血でも、傷は治る。延命できるんだ。

 キスターチスは回復を主軸とする吸血鬼だな。

 でも、その力を持つ筈のキスターチスは、ソレをしなかった。俺の血を限界まで吸って、鬼にした。

 まだこの時は鹿目ということも覚えていたかな……

 吸血鬼の吸血には二種類ある。食事と眷属をつくる、この二つ、食事は文字通り、でも眷属づくりは吸血鬼にとって、性行為に近い、人間で表すと子を作るということだから。

 キスターチスだってむやみに眷属を作る吸血鬼じゃない。

 吸血鬼の始祖が産み出した、後ろから、二人目の吸血鬼だ。そういう意味では似通ってたのかもな、何せ、キスターチスも極上と言われる人間だったみたいだから。

 始祖が最後に作った吸血鬼ら600年前の極上と言える人間だった。さで言えば、ソッチのほうが上みたいだ。

 その時の俺には知る由もなかったけどな。

 ここからは、俺が経験したことの再現になるかな……

 

 「今日で二週間です。まだ、鬼であることを否定しますか?」

 「……当たりま?!グッ……」

 「食べれば変わりますよ、その考えも……」

 

 二週間、俺はキスターチスが根城にしている屋敷で蹲っていた。現実逃避をしていたんだ、その二週間のうちに自殺をしようとしたさ、けど、無駄だった。

 回復を主軸とする吸血鬼なだけあって、瞬時に死ぬことはできなかった。その時はキスターチスにバレて、連れ戻されたさ。火傷痕もきれいに無くなった。まるでそんな事実がなかったように。

 

 「わかったでしょう、貴方は鬼です、そうですね、名前でも考えてあげましょうか?私の名もそうやって今の―――

 「あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」

 「沈丁花」

 「かハッ……」

 「これでも、あの国にはいろいろと恩義とかもあるんですよ、慈悲というものです。さぁ食べなさい。これは命れi「沈丁花」?!―――今のは……」

 

 見様見真似だった。その時の関係は少し歪だった。吸血鬼になった時、眷属として縛りるんだ。でもそんなこともなくて、対等とまでは行かないけど、見えたんだ。形だけの、不格好で、歪で花に失礼な技だった。でも届いたんだ。

 沈丁花は、キスターチス届いて、その身体を切り裂いた。瞬きすればその身体に傷はなかったけど、その時が、始めての抵抗だった。

 

 「まさか、見稽古?ありえない、アレは―――七代目の破門生の技!なぜ使えるの?いえ、違うわね、明らかに咲ききっていない、よくて二分咲き、それでも咲いた、咲かせた」

 「食べない、俺は人間だ!」

 「いえ、貴方は刀です、鈍らですが、一月一度、チャンスをあげましょう、その時に一度でも私に攻撃を与えればいい、ソレを十二ヶ月続けなさい、人に戻る方法を教えましょう、後十一ヶ月、人であり続けられるかはあなた次第ですが、」

 

 これが、俺が人であろうとし続けた一年だ、考えてみれば、この話もキスターチスの策略だったんだろうな。沈丁花を始めとして、多くの技を見続けた。休みなく、挑み続けた。

 

 「菊」

 「ぐぅぁ゙ぁ゙」

 「今日はおしまいです」

 

 腕を破壊され、それでも食らいつこうと、必死に見続けて、昼を除いて、俺は主に挑み続けた。

 

 「牡丹」

 「がっぁ」

 「また明日」

 

 吹き飛ばされて、尚見続けて、吸収していった。

 

 「牡丹!」

 「桜及び薔薇」

 「ゲほっ…」

 「ずいぶんさまになった牡丹じゃないですか」

 

 見様見真似を繰り返して、使用できた技も簡単に往なされて、結局、俺は二回目の一ヶ月を見稽古に使った。つぎ込んだ。

 

 「おや、鈴蘭ですか、綺麗ですね」

 「鏡花水月!」

 「?!」

 

 それが、挑み続けて始めて、まぐれでもなく、真正面から打合い、もぎ取れた一本だった。

 虚刀流一の奥義、鏡花水月、一番最初に覚えた奥義、残る十ヶ月は他の技を覚えて、過ぎ去って行った。この頃には鹿目つるぎという人間は消えていたかもな。

 今のつるぎという名は虚刀流のあらましからだから、

 人間であることに固執し続けて、どんな人間かなんて忘れてしまったたんだ。

 

 「これで、最後です、明日は貴方が鬼となった日です、」

 「そうだな……」

 

 この時には、キスターチスなりの優しさを理解できるようにかっていた、無心で剛情ではあるけど、それでも優しかったんだ。眷属にはな、

 吸血鬼が眷属を作るのは性行為に近いって言ったな。実際そのとおりだ、恋人という関係ともちょと違うな、親子、これがあの時の関係に近いかな。

 主人と従僕であり、師匠と弟子であり、親と子でもあったんだ。

 けど、俺の存在が専門家に知られてしまったんだ。

 

 「動くな、リヒトシュヴェアトとその眷属よ」

 「……」

 「……」

 「眷属がいるとはいえ、「うるさいですね、今日で最後です」?その言葉に耳を貸すとでも思うのか?」

 「私の妹が、無害認定を受けたそうですね、今日一日までは、ソレを適応してほしいものです、人を捨てなかった、子の、弟子の、最後の一日ですので」

 「そうか、いいだろう、だが僭越ながらこのドラマツルギーが開戦の号砲を上げよう、我儘を聞くのだから、それくらいは許されるだろう」

 

 専門家、ドラマツルギー、いや、専門家だと間に立ち、話し合い、交渉をする方も含まれるから、この場合は、ハンターといったほうがいいかな。

 吸血鬼を追うハンター、ヴァンパイアハンターだ。

 持っていた拳銃を上に掲げて引き金を弾いた、それが最後の合図だった。

 乾いた音がなった瞬間に、キスターチスと俺は走り出したんだ。

 

 「七花八裂!」

 「打撃混成接続」

 

 七花八裂、虚刀流にある七つの奥義を同時に放つ技だ、最速の技である鏡花水月から始まり、七の奥義、落花狼藉のかかと落としで締めくくる技だ。

 まぁ、弱点もあるけどな、同時に放つと言っても、七つの工程を素早く行うだけだから、それに四の奥義、柳緑花紅には溜めがあるから、ソレを知るキスターチスには効かない。

 けど、これには一つ裏技がある、味方によっては八花九裂になるけどな。

 

 「杜若、」

 「?!」

 「からの……改」

 

 七の構え、杜若。これは前後の自由移動に対応する構え。移動速度に緩急をつける変幻自在な足運びが可能なんだ、打撃混成接続をずらしたんだ。

 雛罌粟から沈丁花まで打撃技混成接続、七花八裂を崩す技、けどあくまで、柳緑花紅の時に撃たなければならないんだ。だげと、キスターチスは俺の動きの初動に合わせて撃ってくれた。

 此処から、七花八裂・改に入り直して、攻撃を通した。

 柳緑花紅に溜めがあるのなら、一番最初に持っていけば隙がなくなる。

 俺はキスターチスに勝てたんだ。殺すことはできなかった。吸血鬼は不死だし、それでも人であれば確実に死ぬ攻撃をたたき込めたんだ。

 

 「ふふっ……合格ですね、」

 「なら……」

 「私を喰らいなさい、」

 「はっ?」

 「私を喰らえば、人に戻れます」

 

 本来、主人に従うべき従僕が、逆に主人に害をなした時、その主従関係は崩壊する。

 従僕は従僕たる資質を剥奪される。

 俺は主人であるキスターチスの血を、吸血鬼が吸血鬼たる存在意義である血液を全て喰らうことで、人間に戻れる。

 筈だった。

 俺はもう、人であろうとする意思だけを残し、人である事実を失っていた。さっき言ったが、人としての名前を失っていたんだ。

 名は体を表す、怪異はこの縛りが大きい、名前を失った俺は人間に戻れず、主人を中途半端に喰らって、人間もどきの吸血鬼もどきで、互いに互いを縛り合う仲になった。

 日の下に出れるかわりに、その力を極端に減らして、無害認定を受け取った。

 そして新たに、日本人であることから、キスターチスと同じように、リヒトシュヴェアトの意味と同じように、刃を冠する名を作った。

 それが、今の俺の名前、八花(やばな)つるぎだ。

 もちろん、力を失うにあたり、キスターチス・アイゲンズィニヒ・リヒトシュヴェアトという名も失った。そうして今の(せつな)になった。

 

 「……そうか、やはり王となれる素質を持つ吸血鬼は他と違うな……」

 

 ドラマツルギーは、名を失った俺に、俺達に新たなる場をくれた。

 

 ウニばーさる全滅します

 吸血鬼のみんなで組織

 主席猟師

 ドラマツルギー

 

 これは、その時にもらった名刺だ。

 翻訳サイトを使ったやつだから、間違ってたけどな。テロリストと共闘して、吸血鬼を倒したこともあったな。まぁ幾つかの誤算といえば、虚刀流が使えなくなったことかな。

 虚刀流を使うにあたり、刀を、武器を扱う才能が無いことが必要なんだ。鬼の力では大半の武器は使えない、だから虚刀流も覚えられた。

 けど、人間としての鹿目つるぎには刀を扱う才能があった。それも、虚刀流とは対を成す全刀流の才能が。

 棒状のものであればどんなものでも刀として扱える。これがその全容であるが不完全だった。

 そもそも、虚刀流は虚刀・鑢という一本の刀たる流派だった。四季崎記紀という鍛冶師が1000本造り、その内、後ろから12本、完成形変体刀十二本を全て淘汰して辿り着ける、これが虚刀流の行き着く先。完了形変体刀だ。

 淘汰というのは、刀に飲まれないことが上限であり、変体刀を使えない剣士、もしくは、その場にあるもの全てを刀できる、変体刀を否定できる剣士であることが条件。

 つまりは、全刀流となる、これも全刀・錆という一本の刀たる為の流派だったらしい、

 瞬は吸血鬼を削がれても、虚刀・鑢であった。今の俺は、全刀・錆、二人とも、刀であることだけは辞めれなかった。

 それに気づいたのは、日本に来る時だった。猟師序列、共に首席と次席に着いた俺達は、日本にいる専門家の伝で新たな戸籍を取得、変体刀のあらましを知る。

 変体刀1000本は全てオーパーツ、どうやって残したかはしらないが、1000本全ての設計図を専門家が所持していた。一部完成形に出来そうなものもあった、保管場所はしんげつ荘などの、月の名を冠する民宿であり、特殊な術で現代まで残されている。

 これが俺が使っている武器についてだ、

 

 「孵卵器。君達にはこれらを追ってほしい」

 

 日本に来た理由は、インキュベータを追うためだった。そもそが、魂に干渉する外法を扱う存在、宇宙を救うという大義名分を掲げているが、人間にそんなことは関係ない、そんな外側の、理解の外に対するものまで気にする必要はない。

 自身のことで問題が起きているなかで、怪異の、それも鬼に近いし特性を持つ少女が増えるのは問題であり、尚且つ、孵卵器は専門家の目の前に現れない。

 現在、孵卵器が関わる場所で最も危険とされる国、それが日本であり、この町、見滝原だった。

 見滝原中学校に入学して二年と少し、その間で二人の魔法少女にあった。そう巴だ。もう一人は隣町に移ったから、暁美ではない。

 とまぁそう言うった理由で魔女を殺し続けてきたわけだ。

 

 これが、俺が知る五年間になる」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

異次元の魔導士(作者:麵魔)(原作:FAIRY TAIL)

どうもおはこんばんにちは▼ここ最近ヒロアカ作品に没頭していましたが、気分を変えて投稿していこうと思って書きました。▼ヒロアカ方面のネタに行き詰まったらこっちのほうを進める予定です。▼この作品は、フェアリーテイルの無印作品が終わった後に起きた▼予期せぬ出来事、新たな竜と新たな人物▼そこから始まる物語、お楽しみに


総合評価:37/評価:-.--/連載:7話/更新日時:2026年04月24日(金) 23:56 小説情報

魔法科高校の神代魔法使い(作者:ちゃがまくら)(原作:魔法科高校の劣等生)

時は第三次世界大戦が集結してから数十年後…▼四葉から一校へ行くように指定された司馬達也、司波深雪の2人はそれぞれ、風紀委員と生徒会に入り世間話に花を咲かせていた。▼七草真由美曰く「あの子、自分の使う魔法は上手いけどはそれ以外は基礎以外、からっきしなのよね〜」とのこと。▼渡辺摩利曰く「真の魔法使いは誰か、と言われればアイツしかいない」とのこと。▼十文字克人曰く…


総合評価:39/評価:-.--/短編:1話/更新日時:2026年06月02日(火) 10:46 小説情報

1万の竜に滅ぼされる世界に転生した。(作者:絶望の未来)(原作:FAIRY TAIL)

▼フェアリーテイルをエクリプス編の途中まで見ていた少年がフェアリーテイルの世界に落とされる話。


総合評価:643/評価:7.69/連載:5話/更新日時:2026年03月29日(日) 14:42 小説情報

素敵なボーイフレンドを求めて!Traveler of newcomer!(作者:THE・STRENGTH)(原作:ONE PIECE)

 グランドラインに存在する島の一つ、カマバッカ王国に一人の赤子が流れ着いた。そこで新人類の寵愛を受けた赤子は成長し、やがて島を離れる決意をする。▼ 恋人を求めて!▼ これは新人類の寵愛により魔改造された青年の物語。


総合評価:351/評価:8.8/連載:8話/更新日時:2026年06月03日(水) 17:44 小説情報

貴殿転生 元の知識で本気出す(作者:MENOUENOTANKOBU)(原作:無職転生)

無職転生の世界に転生した男子高校生がパウロの弟ピレモンの息子として生きていくお話▼ほぼワンピースの知識しか使いません▼初めて小説書くので抜けている部分があったら教えてほしいです▼結構都合いい展開ありますのでそこは寛大な心で許してください▼あとアニメと原作が混合しています ▼感想でモチベーション爆上がりするので、是非お願いします▼以前の名前は既存の題名の作品が…


総合評価:717/評価:7.36/連載:78話/更新日時:2026年06月10日(水) 21:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>