刀語に対する独自解釈がかなり含まれます。
物語シリーズにおいても同様です。
「と言っても、出会いの方法に関しては、
あの日、五年前に俺は事故にあったらしい、つまりその時はまだ鹿目つるぎだったというわけだ。
問題はあの日が日の光を通さないほどの曇天であり、俺の血はかなり特殊なものらしい、血液そのものはその時は普通だったんだが、時たまに、吸血鬼が喰らう人間には極上とも言える存在がいるらしい、
今から600年くらい前には俺よりもさらに極上と言える存在がいたらしい、喰えば最後、その人間しか食べられないくらいの偏食になるらしい。けど、そんな残酷童話はこの件とは無関係だ、まだな。
極上の肉体を持っていた俺の血を、たまたま、この国に来ていた吸血鬼の一人が喰らってしまったんだ。
偶然だ、意図したことではないけど、その時あの場にいたのが、後の瞬、無心にして迅速にして剛情の吸血鬼である、キスターチス・アイゲンズィニヒ・リヒトシュヴェアトだ。
それでも口に入ったのは飛び散った数滴だ。
たった数滴、それでも瞬にとっては何事にも代えがたいもので、その日の夜俺が入院している病室に忍び込み、攫った。これが五年前に起きた鹿目つるぎが行方不明になったあらましだ。
ここからが、俺が八花つるぎとなっても覚えている時間になる。
あの時、確かに俺は生きていた。虫の息と言えるほどに弱っていたけど、それでも生きていた。
問題は、キスターチスが俺を生かそうとしたことだ。
吸血鬼の血というのは、文献に記されている通り回復、再生を表徴するものと言える。
さっき、鹿目に血を飲ませたけど、本物である、もどきになる前の吸血鬼の血なら、回復を主軸としない吸血鬼の血でも、傷は治る。延命できるんだ。
キスターチスは回復を主軸とする吸血鬼だな。
でも、その力を持つ筈のキスターチスは、ソレをしなかった。俺の血を限界まで吸って、鬼にした。
まだこの時は鹿目ということも覚えていたかな……
吸血鬼の吸血には二種類ある。食事と眷属をつくる、この二つ、食事は文字通り、でも眷属づくりは吸血鬼にとって、性行為に近い、人間で表すと子を作るということだから。
キスターチスだってむやみに眷属を作る吸血鬼じゃない。
吸血鬼の始祖が産み出した、後ろから、二人目の吸血鬼だ。そういう意味では似通ってたのかもな、何せ、キスターチスも極上と言われる人間だったみたいだから。
始祖が最後に作った吸血鬼ら600年前の極上と言える人間だった。さで言えば、ソッチのほうが上みたいだ。
その時の俺には知る由もなかったけどな。
ここからは、俺が経験したことの再現になるかな……
「今日で二週間です。まだ、鬼であることを否定しますか?」
「……当たりま?!グッ……」
「食べれば変わりますよ、その考えも……」
二週間、俺はキスターチスが根城にしている屋敷で蹲っていた。現実逃避をしていたんだ、その二週間のうちに自殺をしようとしたさ、けど、無駄だった。
回復を主軸とする吸血鬼なだけあって、瞬時に死ぬことはできなかった。その時はキスターチスにバレて、連れ戻されたさ。火傷痕もきれいに無くなった。まるでそんな事実がなかったように。
「わかったでしょう、貴方は鬼です、そうですね、名前でも考えてあげましょうか?私の名もそうやって今の―――
「あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙」
「沈丁花」
「かハッ……」
「これでも、あの国にはいろいろと恩義とかもあるんですよ、慈悲というものです。さぁ食べなさい。これは命れi「沈丁花」?!―――今のは……」
見様見真似だった。その時の関係は少し歪だった。吸血鬼になった時、眷属として縛りるんだ。でもそんなこともなくて、対等とまでは行かないけど、見えたんだ。形だけの、不格好で、歪で花に失礼な技だった。でも届いたんだ。
沈丁花は、キスターチス届いて、その身体を切り裂いた。瞬きすればその身体に傷はなかったけど、その時が、始めての抵抗だった。
「まさか、見稽古?ありえない、アレは―――七代目の破門生の技!なぜ使えるの?いえ、違うわね、明らかに咲ききっていない、よくて二分咲き、それでも咲いた、咲かせた」
「食べない、俺は人間だ!」
「いえ、貴方は刀です、鈍らですが、一月一度、チャンスをあげましょう、その時に一度でも私に攻撃を与えればいい、ソレを十二ヶ月続けなさい、人に戻る方法を教えましょう、後十一ヶ月、人であり続けられるかはあなた次第ですが、」
これが、俺が人であろうとし続けた一年だ、考えてみれば、この話もキスターチスの策略だったんだろうな。沈丁花を始めとして、多くの技を見続けた。休みなく、挑み続けた。
「菊」
「ぐぅぁ゙ぁ゙」
「今日はおしまいです」
腕を破壊され、それでも食らいつこうと、必死に見続けて、昼を除いて、俺は主に挑み続けた。
「牡丹」
「がっぁ」
「また明日」
吹き飛ばされて、尚見続けて、吸収していった。
「牡丹!」
「桜及び薔薇」
「ゲほっ…」
「ずいぶんさまになった牡丹じゃないですか」
見様見真似を繰り返して、使用できた技も簡単に往なされて、結局、俺は二回目の一ヶ月を見稽古に使った。つぎ込んだ。
「おや、鈴蘭ですか、綺麗ですね」
「鏡花水月!」
「?!」
それが、挑み続けて始めて、まぐれでもなく、真正面から打合い、もぎ取れた一本だった。
虚刀流一の奥義、鏡花水月、一番最初に覚えた奥義、残る十ヶ月は他の技を覚えて、過ぎ去って行った。この頃には鹿目つるぎという人間は消えていたかもな。
今のつるぎという名は虚刀流のあらましからだから、
人間であることに固執し続けて、どんな人間かなんて忘れてしまったたんだ。
「これで、最後です、明日は貴方が鬼となった日です、」
「そうだな……」
この時には、キスターチスなりの優しさを理解できるようにかっていた、無心で剛情ではあるけど、それでも優しかったんだ。眷属にはな、
吸血鬼が眷属を作るのは性行為に近いって言ったな。実際そのとおりだ、恋人という関係ともちょと違うな、親子、これがあの時の関係に近いかな。
主人と従僕であり、師匠と弟子であり、親と子でもあったんだ。
けど、俺の存在が専門家に知られてしまったんだ。
「動くな、リヒトシュヴェアトとその眷属よ」
「……」
「……」
「眷属がいるとはいえ、「うるさいですね、今日で最後です」?その言葉に耳を貸すとでも思うのか?」
「私の妹が、無害認定を受けたそうですね、今日一日までは、ソレを適応してほしいものです、人を捨てなかった、子の、弟子の、最後の一日ですので」
「そうか、いいだろう、だが僭越ながらこのドラマツルギーが開戦の号砲を上げよう、我儘を聞くのだから、それくらいは許されるだろう」
専門家、ドラマツルギー、いや、専門家だと間に立ち、話し合い、交渉をする方も含まれるから、この場合は、ハンターといったほうがいいかな。
吸血鬼を追うハンター、ヴァンパイアハンターだ。
持っていた拳銃を上に掲げて引き金を弾いた、それが最後の合図だった。
乾いた音がなった瞬間に、キスターチスと俺は走り出したんだ。
「七花八裂!」
「打撃混成接続」
七花八裂、虚刀流にある七つの奥義を同時に放つ技だ、最速の技である鏡花水月から始まり、七の奥義、落花狼藉のかかと落としで締めくくる技だ。
まぁ、弱点もあるけどな、同時に放つと言っても、七つの工程を素早く行うだけだから、それに四の奥義、柳緑花紅には溜めがあるから、ソレを知るキスターチスには効かない。
けど、これには一つ裏技がある、味方によっては八花九裂になるけどな。
「杜若、」
「?!」
「からの……改」
七の構え、杜若。これは前後の自由移動に対応する構え。移動速度に緩急をつける変幻自在な足運びが可能なんだ、打撃混成接続をずらしたんだ。
雛罌粟から沈丁花まで打撃技混成接続、七花八裂を崩す技、けどあくまで、柳緑花紅の時に撃たなければならないんだ。だげと、キスターチスは俺の動きの初動に合わせて撃ってくれた。
此処から、七花八裂・改に入り直して、攻撃を通した。
柳緑花紅に溜めがあるのなら、一番最初に持っていけば隙がなくなる。
俺はキスターチスに勝てたんだ。殺すことはできなかった。吸血鬼は不死だし、それでも人であれば確実に死ぬ攻撃をたたき込めたんだ。
「ふふっ……合格ですね、」
「なら……」
「私を喰らいなさい、」
「はっ?」
「私を喰らえば、人に戻れます」
本来、主人に従うべき従僕が、逆に主人に害をなした時、その主従関係は崩壊する。
従僕は従僕たる資質を剥奪される。
俺は主人であるキスターチスの血を、吸血鬼が吸血鬼たる存在意義である血液を全て喰らうことで、人間に戻れる。
筈だった。
俺はもう、人であろうとする意思だけを残し、人である事実を失っていた。さっき言ったが、人としての名前を失っていたんだ。
名は体を表す、怪異はこの縛りが大きい、名前を失った俺は人間に戻れず、主人を中途半端に喰らって、人間もどきの吸血鬼もどきで、互いに互いを縛り合う仲になった。
日の下に出れるかわりに、その力を極端に減らして、無害認定を受け取った。
そして新たに、日本人であることから、キスターチスと同じように、リヒトシュヴェアトの意味と同じように、刃を冠する名を作った。
それが、今の俺の名前、
もちろん、力を失うにあたり、キスターチス・アイゲンズィニヒ・リヒトシュヴェアトという名も失った。そうして今の
「……そうか、やはり王となれる素質を持つ吸血鬼は他と違うな……」
ドラマツルギーは、名を失った俺に、俺達に新たなる場をくれた。
ウニばーさる全滅します
吸血鬼のみんなで組織
主席猟師
ドラマツルギー
これは、その時にもらった名刺だ。
翻訳サイトを使ったやつだから、間違ってたけどな。テロリストと共闘して、吸血鬼を倒したこともあったな。まぁ幾つかの誤算といえば、虚刀流が使えなくなったことかな。
虚刀流を使うにあたり、刀を、武器を扱う才能が無いことが必要なんだ。鬼の力では大半の武器は使えない、だから虚刀流も覚えられた。
けど、人間としての鹿目つるぎには刀を扱う才能があった。それも、虚刀流とは対を成す全刀流の才能が。
棒状のものであればどんなものでも刀として扱える。これがその全容であるが不完全だった。
そもそも、虚刀流は虚刀・鑢という一本の刀たる流派だった。四季崎記紀という鍛冶師が1000本造り、その内、後ろから12本、完成形変体刀十二本を全て淘汰して辿り着ける、これが虚刀流の行き着く先。完了形変体刀だ。
淘汰というのは、刀に飲まれないことが上限であり、変体刀を使えない剣士、もしくは、その場にあるもの全てを刀できる、変体刀を否定できる剣士であることが条件。
つまりは、全刀流となる、これも全刀・錆という一本の刀たる為の流派だったらしい、
瞬は吸血鬼を削がれても、虚刀・鑢であった。今の俺は、全刀・錆、二人とも、刀であることだけは辞めれなかった。
それに気づいたのは、日本に来る時だった。猟師序列、共に首席と次席に着いた俺達は、日本にいる専門家の伝で新たな戸籍を取得、変体刀のあらましを知る。
変体刀1000本は全てオーパーツ、どうやって残したかはしらないが、1000本全ての設計図を専門家が所持していた。一部完成形に出来そうなものもあった、保管場所はしんげつ荘などの、月の名を冠する民宿であり、特殊な術で現代まで残されている。
これが俺が使っている武器についてだ、
「孵卵器。君達にはこれらを追ってほしい」
日本に来た理由は、インキュベータを追うためだった。そもそが、魂に干渉する外法を扱う存在、宇宙を救うという大義名分を掲げているが、人間にそんなことは関係ない、そんな外側の、理解の外に対するものまで気にする必要はない。
自身のことで問題が起きているなかで、怪異の、それも鬼に近いし特性を持つ少女が増えるのは問題であり、尚且つ、孵卵器は専門家の目の前に現れない。
現在、孵卵器が関わる場所で最も危険とされる国、それが日本であり、この町、見滝原だった。
見滝原中学校に入学して二年と少し、その間で二人の魔法少女にあった。そう巴だ。もう一人は隣町に移ったから、暁美ではない。
とまぁそう言うった理由で魔女を殺し続けてきたわけだ。
これが、俺が知る五年間になる」