まぁ、公式カードゲームが日本上陸した記念って事で…
「え~…申し訳ありませんが、こちらのミスで貴方は死んでしまいました。お詫びに貴方を他の世界に転生「よっしゃああぁぁぁぁ!!神展開Ktkr!!」うわ五月蠅っ!?」
俺は目の前のなんか輝いてる幼女のセリフを待たずに思わずそう叫んだ。叫ばずにはいられなかったのだ。
何故なら、ずっと待ち望んでいた展開がようやく俺にも舞い降りたのだから。
「じゃあ早速転生させて貰おうじゃないか」
「あ、あのっ!色々すっ飛ばしてますけど貴方はそれでいいんですか!?突然元居た場所とは違う場所に連れて来られて正体不明のよく分からない人に良く分からない事言われてるんですよ!!もっとこう……それらしい反応とかあるでしょう!?」
「はっ?そんなのいらなくない。大方、あんたは幼女の姿をした神様的な存在でこの全体的に雲の中っぽい場所は天国的な場所。それでそちらのミスで俺はトラックに轢かれて死んだけど元の世界に蘇らせるわけにはいかないから他の世界に転生させてあげようとかそんな感じだろ」
「えぇ…ほぼ100点満点の正解じゃないですか……何この人怖い…」
俺の答えにドン引きする幼女神。失敬な、こんなの異世界転生系の小説が普及しまくっている現代日本ではお約束の展開なんだ。普及しすぎてもはや義務教育の域だぞ。今さらそんな説明長々と垂れるのなんてタイパ最悪である。
それに、こういう時自分の名前とか今までの生活暦とかの自分語りや転生についての詳しい説明を長々と語るのだろうが、そんなの誰も興味とかないだろうから自らスキップしてあげてるのだ。むしろ感謝して欲しい位である。
「それで、転生する世界って選べる系?転生はこのままで転移する感じ?それとも赤ちゃんからスタート?俺、出来れば赤ちゃんスタートがいいんだよね~。あっ、もちろんステータスとか能力はチートにして貰えるんだよね?あとそれから……」
「怖い怖い怖いッ!こっちが説明してない事既に分かってる事も怖いし平然と話進めてるのも怖いですぅ!!」
「まぁまぁまぁ、落ち着こうぜ神様よぉ。深呼吸だ深呼吸。ほれ、ヒィヒィ、フゥー」
「貴方が仕切らないでくださいッ!!後それは出産する時のです!?」
「ハァ、ハァ」と肩で呼吸する神様。
……何でそんなに興奮してんだろ?
「貴方のせいですッ!……と言うか貴方、生前とキャラ変わってないですか?たしか事前情報で生前は当時ハマってた中二病全開キャラに憧れて高校デビューの時に真似してたら痛い子扱いで孤立。その後中退して数年引き籠った後『これじゃ駄目だ!』と思い立ち近所のスーパでアルバイトを始めるも同僚の10歳年下の女の子と関わっていく中で自分に気があると勘違いしてアプローチをし始める。しかし緊張と対人能力の低さからどもったり変な話しかけ方したりした結果ハラスメント扱いで店長に怒られ、その後居心地が悪くなりすぐにバイトをやめる。それがトラウマとなってその後はずっと引き籠り続けていたが家に暴走トラックが突っ込んで現在に……」
「……あのっ、人の過去晒すのやめて貰っていいですか?」
「あっ…すみません」
急にテンションが下がった俺を見て顔を引きつらせながら謝る幼女神。
……なんだよ、別にいいだろ人の過去なんてっ!俺がヒキニート続けていい年になった話なんていいだろ別にぃ!
それに確かに俺は生前よくコミュ障発動してたけど心の中では陽キャのノリだったんだい!だから別にキャラは変わってないんだい!!
「それ陽キャっていうよりただイキってるだけでは……あっ、何でもないんで泣かないでください」
俺の反応を見て幼女神は言葉を止めた。
……べ、別に泣いてねぇし。目から汗が出ただけだし。
「コホンッ!……き、気を取り直して本題へ戻りましょう。先程説明した通り、貴方はこちらのミスで死んでしまいました。本来なら色々と説明するところですが、色々とこちらの事情にお詳しい様なのでシンプルに……お詫びとして転生の権利を差し上げます。もちろん転生先の希望、持って生まれる能力等についても最大限配慮させていただきます」
幼女神は気まずそうに咳払いをして再び最初の話をしてきた。
そ、そうだよ!確かに生前の俺の人生はクソみたいなものだったかもしれないっ!だがこれからは違う!!
なんたって人生やり直しの権利を――――転生する権利を得たのだから!!
転生。
それはどんな最悪な人生を送った奴でも一発逆転できるやり直しイベント。
元の世界とは別の世界へ行き、そこで新しい人生を始められる最高の権利。おまけに転生先も選ばせてくれるのであればもう万々歳だ。あのクソみたいな現実とは全く違うファンタジーな世界やサイバーパンク的な世界でもいい。まさに夢の空想世界への入場チケットだ。
『生活を0から始めるのってキツくない?』と思われるかもしれないが、ご安心を。持って生まれる能力まで最大限保証してくれるというありがたい言葉までいただいているのだ。つまりどんなにチート能力も思うがままと言っても過言ではないだろう。
いや~、今までのゴミみたいな人生はこの瞬間への乱数調整だったんだね!ついに俺の時代が来たね!!
さて、どんな世界に転生しようかな~……って、もう決めてるんだけどね。
「それじゃあ……版権作品の世界への転生って可能です?」
「版権作品……あぁ、生者の紡いだ物語、小説や漫画がベースとなった世界という事ですね。それを望むならそのようにしましょう」
俺は幼女神の言葉に思わずガッツポーズをした。
よっしゃ!それならずっとあこがれてたアレを実現させられるぞ!!
「それじゃ―――――」
「―――――ウマ娘の世界が良いです!!」
俺は高らかに宣言した。
ウマ娘。正式名称は『ウマ娘 プリティダービー』というスマホゲーである。
まぁ、平たく言えば現実世界の競馬で活躍していたウマたちを可愛い女の子に擬人化させ、自分好みに育て、レースで競い合うという育成ゲームである。
その奥深さやこだわりのストーリー、魅力的なキャラクターたち等様々な理由で大人気の作品であり、俺も生前ハマっていたゲームの一つである。懐かしいなぁ…俺もハルウララで有馬優勝狙ってた時期があったっけ?結局無理だったけど…
……さて、何故俺がウマ娘の世界への転生を希望するかと言えば話は簡単だ。
それは―――
(―――――キャラが可愛いからな!!)
―――――完全に性欲である!
ウマ娘のキャラは本当に魅力的な娘が多い。
元気っ娘、アホの娘、僕っ娘、俺っ娘、お姉さん、妹、ロリっ娘、ギャル、ダウナー、姉御、ヤンデレ、クーデレ、ツンデレ、おっぱい、スレンダー、ゴルシ……もはや属性過多とも呼べる数の魅力的な女の子が揃っている。
色々な属性の女の子が集う作品と言うだけで、ぶっちゃけエッチだと思う。
だが悲しきかな、ウマ娘で公式ガイドラインでエッ!な作品の投稿は禁止されており、そう言った作品を投稿した者たちは残らず消えていった。
しかし、俺はウマ娘ちゃん達でエロい事を考える事をやめることが出来ず、ずっと頭の中でピンク色の妄想を続けていた。
(あぁ、ウマ娘の世界に転生出来たら絶対エッ!なハーレム作るのに…)
そんな事を思いながら自分を慰める情けない毎日。……今思い返しても惨めすぎて自分でも泣けてくる。
だがっ!俺はついにあの時の悔しい気持ちに報いる時が来たのだ!!
ウマ娘はエロ禁止? 知るかッ!これは俺の、俺だけの転生物語だ!誰にも邪魔されず、俺好みのウマ娘スケベハーレムを作るというあの時の妄想を実現させるんじゃアアァァァ!!
「うま、むすめ……?」
しかし、俺の宣言に対して帰って来た返答は疑問の声であった。
あ、あれ……?
「……あっ、ご存じでない?」
「は、はい…恥ずかしながら人類の娯楽は多くてすべて把握するのは不可能に近いので……詳しく教えていただけますか?」
そう申し訳なさそうにいう幼女神。
……まぁ、そうだよね。自分が知ってる事が常識とは限らないもんね。これは俺も悪かったよ。
さて…ウマ娘に関しての説明か……ここでオタク特有の早口で長々とウマ娘という作品の説明をするのは簡単だが、これまでのこの幼女神の反応を見るにあまりこう言った場を経験していない様子。まくし立てた説明は逆に理解されにくいだろう。というか可哀そうだ。
俺も紳士だ。ここはスマートかつ簡潔な説明が良いだろう。
そうだな…ウマ娘を短く表すならば……
「ウマの(擬人化した)女の子がいっぱい出てくる作品です!」
「う、馬?……は、はぁ…」
考えた末、俺はそう答えた。
こういう時、ゲーム内容とかストーリーの説明は蛇足だ。概要だけ言えば伝わるだろうと踏んだ結果この説明になったのだ。
ふっふっふ…あまりにも分かりやすい説明過ぎて俺自身の説明能力の高さに震えるぜ…!
「えっと、参考までに何故その世界に転生したいかを教えていただけますか…?」
自分の才能の高さに酔っていると、幼女神がおずおずといった様子で俺に問いかけてきた。
転生の目的か……普通は日本人のスキルを最大限発揮して本音を隠しつつ建前でガードを固めるのだろうが、こういう時に誤魔化すと逆に後々コレジャナイ感が出るのも面倒だ。今回はあちらのミスで俺は有利に立てる立場でもあるし、ここは攻めの姿勢で自分の欲望を全て伝え、最大限それに合わせて貰う方向に誘導しよう。
「モテモテになってウマの(擬人化した)女の子達とイチャラブチュッチュでドスケベな関係になりたいからです!!」
「馬の女の子とッ!?!?」
俺の言葉に幼女神は驚愕したように叫ぶ。
あー…流石に引かれたか?
判断ミスったな……でも、ここまで来てしまっては誤魔化しも効かないし、もうはっちゃけるか。だって俺の方が有利な立場だしな!
……あっ、後ウマ娘ちゃん達に好かれたいけど、トレーナーになるのはちょっとめんどくさいな…せやっ!ウマ娘に貢いでもらえるくらいに好かれるような能力頼めば安泰やね!!あの世界のウマ娘ちゃん、レースの賞金とかでガッポガッポだろうしね!
「えぇ、出来ればハーレム作りたいです!だからウマの女の子にモテモテになれるような加護ください!」
「ハーレム!?馬の!?!?」
「それはもう、ウマの女の子が俺に全てを貢いでも良いと思えるくらいに好かれたいです!」
「ヒモになろうとしてらっしゃるッ!?馬の!?!?」
「はいっ!……あっ、後その子たちといっぱい子作りするので絶倫の能力は欲しいです!あと出来れば安産祈願関係で何かあればそれも」
「子ども作ろうとしてるぅ!?!?馬と!?!?」
「? はい! あっ、あと転生は人間の赤ちゃんからスタートがいいです!幼少の頃は幼馴染のウマ娘ちゃんとイチャイチャして、成長した後に俺の周りにウマ娘ちゃん達が増えてヤキモチからちょっとヤンデレちゃんになるウマ娘ちゃんに『大丈夫、僕にとっては君が一番さ(キリッ!)』というムーブしつつ浮気はやめず最終的には『しょうがないなぁ~…』的な感じで呆れられつつも全員合意の上で関係続けるハーレム系クズ男ロールしたいので」
「なんか凝った設定まである!?しかもサラッと言ったけど人間への転生をご指定されてる!?!?」
……なんか、この神様いちいち反応がオーバーすぎない?
確かにウマ娘に対してのエロはいけない事だけど、ウマ娘の事知らない人がそんなに驚く要素あるかなぁ…?あれかな、ケモミミとか尻尾あるだけで性的対象から外れる系の人的な…俺は許容範囲だけどな!
「へ…変態です……私はとんでもない変態さんに転生の権利を与えてしまいました…!」
幼女神は頭を抱え、そんな事をおぼろげに呟いた。
えぇ…擬人化って今では結構ノーマル性癖だけど……ジェネレーションギャップかな?
「いやいや、現代では割とノーマルですよ(擬人化モノ)」
「ノーマル……これが???(獣姦)」
なんかもう関わりたくないという気持ちを表情に隠しきれなくなってきている幼女神。
はて、ドン引きする要素あったかな?それとも注文が多すぎたか?
「……あっ、後イレギュラーな事とか起こって転生ライフが台無しになるのは嫌なので念のため自衛の為の能力も色々下さい。世界観合わなくなるからあんまり使いたくないけど…魔法とかそういう系の―――――」
「あーー!!はいはい、わかりました!!何でも差し上げますからもう何も言わずに転生してください!!」
幼女神はそう言って手を振るうと、俺の目の前に光輝く扉が現れた。どうやらこの扉を潜り抜ける事で転生が始まるらしい。
おぉ、いよいよ転生か!なんか最後の方塩対応気味だったけど、もう最高の状態での転生権は勝ち取ってるからモーマンタイ!後は良い感じにやってくれるっしょ!!
「わっかりましたぁ! じゃあ後は良い感じでお願いしますねー!!」
これから約束されているであろう薔薇色人生に胸とイチモツを膨らませながら俺は扉に飛び込んだ。
ふははっ!ここから先はガイドラインでの制限なんてない、俺だけの世界!!
公式なんて怖くねぇ!誰にも俺は止められねぇぜえぇぇぇぇぇ!
「待ってろよぉ俺のドスケベウマ娘ちゃんハーレムうぅぅぅ!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「やっと行きましたか…。うぅ…今までも変な転生者の方はいましたけど、彼は段違いの変態でした…もうさっさと仕事終わらせて彼の事は忘れましょう。えっと、お馬さんの女の子がいっぱい出て来る作品は……あっ、これですね!普通のお馬さんではなさそうですけど、最後の方に魔法がどーたら言ってたので間違いないでしょう。それにしてもこれ、見るからに女児向けのアニメですよね……も、もう考えるのはやめましょう!はい、転生完了!!」
「……う、うん?…しまった、寝てたわ」
転生の扉をくぐった瞬間、俺は目を覚ました。
うっわ、転生した時の夢とか懐かしいわぁ~…もう何年前の話だよってな。
あの頃の俺、性欲隠してなくて本当笑える。マジで脳とチ〇コが直結してたんだろうな。
そんな事を考えながら俺は視線を下ろすと、細かい文字がびっしりと書かれている本が開いたまま置いてあるのが見えた。
あ~…そう言えばこの本を読んでたんだっけ。そしてそのまま寝落ちしたと…
……良かった。見た感じ寝ている時に涎とか垂らしてないみたいだ。いや~本を汚すと
「あらっ、起きたのね」
本の汚れを確認していると、そんな声が耳に響いて来た。
風鈴の音の様な高く、そして優しい女性の声。聞いているだけで心の闇とかそういったものが浄化されそうな綺麗な声だ。
そして声だけで分かる。この声の持ち主は、それに見合うくらいに魅力的な女性であると。
「気持ちよさそうな寝顔だったからそのままにしておいたのだけど、ずいぶんいい夢を見たようね?」
「あ、あぁ…とても懐かしい夢を見ていたんだ」
俺は声の主に対して内容を少し濁して答えた。
流石に『とても懐かしい神様転生した時の事を夢に見ていました』なんて話したら頭がおかしいと思われるからね!
「懐かしい…あぁ、子どもの頃の夢?」
「あぁ、まぁ…そんな感じ」
そう答えつつ、俺は声の主へと視線を向ける。
まず、見えたのは頭から生えているウマの耳。
俺の様な人間の耳とは全く違う、長く尖った耳は俺の話に反応するかのように“ピクピク”と反応しており、見慣れているはずなのに思わず可愛らしいと思ってしまう。
「ふふっ、幼い頃に思いを馳せるなんておじいさんみたいね。……でも、気持ちは分かるわ。私も偶に貴方との思い出に浸りたい時があるもの」
次に見えたのはお尻から生えるウマの尻尾。
まるで筆の様にいくつもの長い毛が集まった尾は見るからにサラサラで、一度触れてしまえばクセになってしまうだろうという事を見ただけで察せてしまう。それ程までに美しいと感じた。
「思えば奇跡みたいなものよね。貴方と同じ時期に、同じ場所で生まれて、一緒に育って、勉強して、遊んで、ちょっと危ない冒険もしたわよね。……どれもこれもが大切な思い出」
そう言いながら俺を見る彼女の瞳はまるで夜空に瞬く星の様に輝いていて、少し気を抜けば吸い込まれてしまいそうだという錯覚を覚えてしまう。
「本当、うんと長い時間を一緒に過ごした―――――そして、今でも貴方は私の隣にいる。これは紛れもない奇跡よ」
そして、その視線から簡単に分かってしまう―――――彼女が俺に好意を抱いている事が。
(あぁ…本当に、本当に―――――)
(―――――最悪だ)
俺は心の中で歯噛みした。
転生の際に、俺は『ウマ娘に無条件で好かれてハーレムヒモ生活をしたい』と願った。
もし、これが小説か漫画で語られるとするならば、ここまでの描写を読み取ればその夢は叶っていると
しかし、俺の夢は最悪な形で裏切られてしまっているのだ。
「そ、そうだね……あっ、喉も乾いたしお茶入れて来るよ」
「いいわよ、寝坊助な貴方のために私がやったげる」
そう言った瞬間、彼女の頭の
するとどこからともなく可愛らしいデザインのティーポットとカップが現れ、空中でひとりでに動いてお茶を淹れ始めた。
「はい、どうぞ」
俺が生きていた現代ではありえない摩訶不思議な光景。しかし、彼女はまるで日常風景を見るかのようにスルーし、そのまま俺にお茶を差し出してきた。
「………ありがとう。それはそうとちょっと席外させて」
俺はホカホカのお茶を受け取り、机にそっと置いた後席を立つ。
…実はお茶を飲みたい地うのは建前で、本当はこの場から離れたかったのだ。
「あらっ、こんな夜遅くに何処かへ出かけるの?なら私も一緒に…」
「す、少し外の空気を吸うだけだから問題ないよ!」
俺は“パカパカ”と音を鳴らしながら
“パカパカ”って何の音だって? …それは彼女の
「あ、あらそう…でも夜の外は危ないだろうしやっぱり私も―――――」
「すぐに戻って来るからッ!」
「……分かったわ」
俺はそうまくし立てると、彼女も不服そうではあるが納得はしてくれた様子になる。
と、とりあえずは良かった。そうと決まれば早く距離を―――「ねぇ」
「ちゃんと、帰って来てね。私の隣に」
「………分かってるよ―――――トワイライト」
俺は彼女―――――ユニコーンのトワイライトスパークルにそう言って外へと出た。
“バタンッ”と音を立てて締まる扉。この扉は俺の魔法で防音性抜群の使用。中で爆弾が爆発しようと音は一切漏れないし、逆もまたしかりだ。
……ふうぅぅぅぅぅぅぅ―――
「―――――ウマ娘ってそっちじゃねぇよおおおぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!!!!!」
俺はウマ娘では似ても似つかない作品『マイリトルポニー』の世界に転生させやがった邪神に対して呪いの言葉を吐いた。
『マイリトルポニー』
それはアメリカで生まれ、今も人気の高い子供向けおもちゃの一種である。
簡単に説明すれば馬の人形のおもちゃで種類が豊富。なんならユニコーンやペガサスといった空想生物の人形まであり、その多種多様な種類から推しが必ず見つかると言っても過言ではない。
思わず集めたくなる可愛らしさに購買意欲が刺激されるというのも相まって今でも大人気のおもちゃシリーズである。
その人気から何度かアニメ化もされており、その中でも一番人気とも言えるのが『トモダチは魔法』というシリーズであろう。
友情をテーマとしたシリーズであり、可愛らしいキャラデザや偶に見せるカオスな内容、大人も思わず頷いてしまう様な人生の教訓めいたストーリーから老若男女、国籍問わず様々な層から大人気のアニメ作品である。
俺はそんなマイリトルポニーの世界に転生してしまったのだ。
……なんで!?ウマ娘の世界に転生希望したはずだよね!?それがどう間違えたらこんな女児向けホビーアニメの世界に転生させられてんの!?!?
いやね、確かに俺もちょっと不安だったよ?
あの神ウマ娘について知らないようだったから大丈夫かな~って、ワンチャンウマの獣人の女の子がいるファンタジー世界に飛ばされるんじゃいかな~って、それはそれで良いかな~って。
でッ!!いざ転生してみたら周りは馬、馬、馬ァ!な世界!!
似ても似つかない作品じゃん!カニカマを蟹と偽って出してるレベルに違いあるよコレぇ!?
「詐欺だよコレぇ!!馬がテーマぐらいしか共通点ないじゃああぁぁぁん!!!」
「おかえり、早く帰って来てくれて嬉しいわ♪」
「…ただいま」
一通り叫び終わった後、俺はトワイライトの元へと戻る。
トワイライトスパークル。マイリトルポニーのメインキャラの一人(匹?)であるユニコーンの女の子だ。
勉強が大好きで魔法も得意。真面目な性格もあってメインキャラ達のまとめ役を担当する事も多いキャラクターである。
……そして、俺の幼馴染である。
「ほらっ、早く隣に座ってよ」
「……うん」
過去話は色々と省くが、とあるポニーに育てられた俺はその関係で彼女と出会い、今もこうして一緒に過ごしているというわけだ。
幼馴染が馬ってお前……どーせ幼馴染になるならキタサトコンビとが良かったよ!!ここウマ娘世界じゃないから無理だけどねッ!!
「……ねぇ、こうして二人っきりで過ごすのって久しぶりじゃない?」
「あ、あぁ、そうかな…?」
「そうよ、最近はみんなと過ごす事が多かったもの。……友達と過ごす時間も悪くないのだけど、貴方と過ごすこういう時間も私は大好きよ」“スス…ッ”
そう言いながら俺の肩に頭を預けて来るトワイライト。
……俺は鈍感系主人公出ないから分かる。彼女、俺にめっちゃ惚れてます。
理由? そんなの決まってるだろ。転生特典としてウマ娘(ガチ)からの好感度上がり易くしてもらってんだもん。そりゃ惚れられるのも無理ないよね☆
(こんな変な事だけ律儀に叶えるなってえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)
何が悲しくてウマ娘じゃなくてポニーに好かれなくちゃなんねーんだよぉ!?
なんかこう…おかしいって思わんのか!この能力付与する時『こいつ馬に好かれようとしてるらしいけど、なんか変だな。確認するか?』とかいう発想はないんかああぁぁぁぁぁぁ!!!
「……ねぇ、今日は2人で一緒に寝ない?昔みたいに……ね♡」
やめろおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!俺にそんな熱っぽい視線を向けるなぁぁぁぁぁ!!!
俺はウマ娘ちゃんとエッチな事がしたいだけであって馬娘との獣〇交尾の趣味はねぇぇぇぇぇぇぇ!!
ちょ…脇の臭いを嗅ぐな!鼻息が…鼻息が……ってか何顔赤くしてんだよよお前ぇ!まさか匂い嗅いで発情して…!や、やめろぉ!これ以上は色々ヤバいってぇ!?!?
く、くそぉ…何で俺がこんな事に……
(神様ぁ!!今からでも俺をウマ娘の世界に連れてって!!助けて下さぁぁぁぁい!!!)
全体重を乗せて押し倒して来るトワイライトを何とか押し戻そうとしながら俺は心の中で叫びを上げた。
〇主人公
ウマ娘とエロい事をしようとするもコミュ力の足りなさと説明不足が祟りマイリトルポニーの世界に転生してしまった可哀そう(笑)な人。名前はまだない。
まさかの馬違いな転生に絶望し、転生特典の『馬に好かれやすい』が影響し色々なポニーたちにクソデカ感情向けられて更に絶望している。
まぁ、これもウマ娘とエロい事しょうとした罰なので因果応報である。これがざまぁ系主人公ですか…?
子どもの頃にとあるポニーに拾われすくすくと成長し、現在は幼馴染のユニコーンと一緒にポニービルで生活中。
〇トワイライトスパークル
『トモダチは魔法』の主人公ポジ(だった)ユニコーンの女の子。
主人公君とは幼馴染で、もはや一生一緒に居るのが当然というクソ重認識を何の疑いもなく持っているらしい。
なお、まだ子どもなのでソッチ系の知識は浅いので臭いを嗅いだりマーキングしたりで済んでいるが、もしソッチ系の知識を身に着けてしまった場合は獣〇逆レ〇プ祭りが始まる模様。
リハビリがてら性癖に任せて書いてみた。
マイリトルポニーはいいぞ…普通に内容面白いし、キャラクターも可愛い。正直良いケモ入門アニメだと思ってる。
そしてこれを朝っぱらから地上波で放送していた時期があるらしい。ケモナーの英才教育かな?
需要はないだろうけど、続くならメイン6の子たちを中心に主人公君を強制ハーレムを築かせる。続かないだろうけどなっ!(フラグ)
ここまでご拝読ありがとうございました