ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
「聞いてくださいマスター、わたし、今日初めて″トモダチ″ができたんですよ、素敵でしょ?」
彩南町のビルの屋上。
彩南高校の制服を着た赤毛の少女が虚空に向かって話しかける。
『…まさかお前まで、温い生活で本来の目的を忘れてはいないだろうな、メア』
「ふふっまさか♫ちゃーんと覚えてますよぉ、ヤミお姉ちゃんを元に戻す…そうでしょ?」
真っ黒な瞳で街を見下ろしながら、メアと呼ばれた少女は謎の声に言う。
『そうだ…現在の金色の闇では、私の目的を果たす役には立たない、本来の彼女に戻ってもらう必要がある…そのための方法は一つ…』
「金色の闇による結城リトの抹殺…そうだよね?マスター」
『…そうだ、だがその前に一人厄介な男がいる』
「…厄介な男?」
謎の声の言葉にメアは″私とマスターの相手になる人なんてあんまりいないよ?と言いながら、街を眺める。
『…金色の闇の牙を抜き、温い生活を与えた地球人…』
「ヤミお姉ちゃんを倒したって噂の?」
『クククッ…どうやら噂は本当だったらしいぞ?メア』
「…え?」
謎の声の言葉に驚きを隠せないメア、そんな中、謎の声は面白い物を見つけたように楽しそうに笑っていた。
『時雨優斗…金色の闇に光を与え、私に楯突いた地球人…気に入ったよ…』
「マスター?」
『…メア、時雨優斗を調べてくれ…』
「…いいけど、殺すの?」
『いや、殺さなくていい…ただ私がいつか──いや今は言わないでおこう』
「え?」
『クククッ…楽しみだよ、時雨優斗』
謎の声はそう言うと一匹のカラスが翼を広げて夜の彩南町へ羽ばたいて行った。
◇
~モモside~
優斗さんの部屋で優斗さんと昨日の出来事について話していた。
「金色の闇による結城リトの抹殺…」
「…それしかないだろうね」
「「………」」
私がそう言うと、優斗さんは私の言葉に肯定する。
…昨日の謎の声が言っていた事から考えられるのはそれしかないわ。
「敵は確実にヤミさんを挑発していました」
「…誰かわからないけど、ヤミを本来の″殺し屋″に戻そうとしてる」
「そうとしか考えられません」
「…せめて洗脳が溶けた猿山達から少しでも相手の情報が手に入ればよかったけど…」
洗脳が溶けた猿山さん達は何も覚えていないようで、情報は手に入らなかった。
敵の目的がヤミさんを殺し屋に戻すという事以外、何もわかっていない。
「心配なのは、あの敵の挑発を受けてヤミさんが心変わりしてしまう事です」
「…それはないよ、絶対に」
「ですが…」
「俺はヤミを信じてる」
「…優斗さん」
「…仮にそうなっても、俺が必ず止める」
もしそうなったら、優斗さんは命を賭けてヤミさんを暗闇から救い出す、その結果自分が死ぬことになったとしても…
───それでも…目の前で…助けられる人が…いるなら……俺は助けたい…それで…俺が…死んだと…しても…
…あの時もそうだった、関わりのなかった私とナナを命懸けで守って、優斗さんは一度死んでしまった。
(…嫌…それだけは絶対に)
「…モ…モ…?」
もし優斗さんが死んでしまったら、私はきっと立ち上がれない…きっと他の皆さんも…
「…優斗さん」
「どうしたの?モモ」
過去を乗り越えて前を向いても、優斗さんは助けられる人が目の前に居たら、どんな人でも手を伸ばすという考えはきっと変わらない、例え助けようとした人が悪人だったとしても…
「いざという時は私が優斗さんをお守りします、命にかけて」
優斗さんは絶対に死なせたくない、その為には無茶をしないように私達で繋ぎ止めないと行けない、降りかかる火の粉を私達で振り払わないといけない。
「ハーレム建設の前に…大切な優斗さんを死なせる訳にはいきません」
「…いや、それは」
優斗さんにとって特別に想える人が沢山いれば、優斗さんを止められるかもしれない、そして、私も愛して貰える、大好きだって言ってもらえる。
「優斗さんあっての″ハーレム計画″ですから♡」
「モモ、言ったはずだよ、俺にその資格は…」
「優斗さん次第で幸せになれる人は…今だけでも10人は居ますよ?もしかしたら…これからも増えるかもしれません…」
「っ!?」
ベッドに座っていた優斗さん腕に抱きついて、耳元で囁く、優斗さんの身体が一瞬ビクッと震えた。
可愛らしい反応…優斗さんはホントに耳が弱いですね♡
「わかってますよね?優斗さんの周りにいる女性はみんな、優斗さんを襲いたくなるほど、好意を抱いて居ることを…ふぅ〜」
「…っ!!?」
耳に息を吹きかけただけでこの反応、こんな反応みたら、誰だって襲いたくなりますよ、優斗さん。
「…モモ…耳は…やめて…」
「いい匂いがしますよ…女の子の花園というモノは…チロ───ッ…」
「んぁっ───…」
耳を舐めるだけでそんな可愛らしい反応するから襲われちゃうんですよ?
「モモ…辞め───」
「…やめません」
私は優斗さんの言葉を遮って身体を押し倒す、抵抗される前に優斗さん上に跨り両手を左手で抑えつける。
…美柑さんとナナは下にいる、たまには良いですよね?優斗さん
「…チュッ」
「ッ!?」
優斗さんの首筋に音を立てながらキスをする、優斗さんはデビルーク人との力の差を理解している為か、無駄な抵抗はせずに快楽を逃がそうと首を横に振る。
「ちゅ…ちゅぱ…チロッ───…」
「ぁっ…」
首筋にキスをしてから舐める、右手では優斗さんの大切な場所をズボンの上から触って、上下にゆっくり動かした。
「んっ…くちゃ…ちゅく…」
「ぁぁ──────っ!!」
再び、耳の中を舐めると優斗さんは身体が反るようにビクッと跳ね上がる。
以前、襲った時よりもかなり感度が上がっている気がしますけど…美柑さんや籾岡さんのせいですか?
「っ!?モモっ、そこは…」
優斗さんの静止を無視して下着の中に手を入れる、大きく硬くなった大切な場所を直接触り上下に動かすと優斗さんの身体はビクビクと震えてしまった。
「…お願…い…もう…やめ…て…」
「はっ…昨日、私の静止を無視しましたよね?」
「あれは…」
「そのオシオキですよ?優斗さん」
優斗さんの耳の中を舐め続けると、優斗さんの顔が次第にトロトロになって快楽に染まっていく。
「あっ…ぅ……」
少しすると優斗さんの上下に動かしていた大切な場所から水っぽい音が聞こえてくる、優斗さんの耳も真っ赤になってきた。
…そろそろ果てそうですね、優斗さん?
「っ!?待て…!今…早く…っ動かしたら…っ!!」
「ちゅっ…チロッ…」
「あ…ぁぁ…」
「…我慢は毒ですよ、優斗さん」
大切なところを触っている手はベタベタで限界が近い、優斗さんは身体は口を開けて声にならない声を上げ始めた。
そして優斗さんが───
「なぁユウト、勉強教えて欲しいんだけど……」
果てるまでもう少しというタイミングでナナが部屋に入ってくる、私達を見たナナは固まってしまった。
…どうしてナナはいつもタイミングが悪いのかしら?
「何してんだァァァァァァァ」
全てを理解した瞬間、ナナは大声で叫んだ、叫び声は近所にも聞こえるんじゃないかってほど大きく、下の階にいた美柑さんにも聞こえているだろう。
「離れろ、ケダモノ!!」
ナナは私に掴みかかり優斗さんから引き離す、優斗さんは肩で息をしながら、力なく倒れていた。
…今の優斗さんなら、行けるかもしれない。
「最近優斗に何もしてないって思ったらけど!遂にやりやがったな!モモ!!」
「ねぇ、ナナ」
「なんだよ!言い訳か!!」
「…あなたも私と一緒に優斗さんを襲わない?」
「…は?」
力なく倒れた今の優斗さんなら、既成事実を作る事ができる…そうなれば…
「…何…言ってんだ?」
「ナナ、今なら優斗さんを襲えるわ」
「…あたしはそんな事───」
「ホントは昨日の朝、私が優斗さんにキスした時、ナナだってキスしたかったんでしょ?」
「なっ!?」
「…今ならそれ以上の事もできるわ」
私は自分のベタベタになった手を、ナナに見せつけるように舐め取りながら言う。
ナナは私の手と顔がトロトロになった優斗さんを見て″ゴクリ″と音を立てながら、生唾を飲み込んだ。
「…それ以上…」
「皆さんよりも先に親密な関係になれるのよ、ナナ?」
ナナは恐る恐る優斗さんに近づき、優斗さんの服掴んで脱がし始める。
「はぁ……はぁ…ナ…ナ…」
「っ!?」
優斗さんそんな顔か行為を抱かれている相手の名前を呼んではダメですよ?誘っているようにしか見えませんから。
我慢できなくなったナナは優斗さんに跨り、胸板に顔を近づけて…
「うがぁぁぁぁあ!こんな事ダメに決まってるだろォォ!!」
顔を真っ赤に染め上げたナナが大声で叫びながら、部屋飛び出していく。
お子様なナナには少し早かったみたいね。
「優兄、大丈夫?」
下の階から、美柑さんの声が聞こえてくる、今日はこれが限界ね。
「…今日はこれくらいにしておきますね、その格好のままですと、部屋に来た美柑さんに襲われてしまいますよ」
「…モモ」
「優斗のハーレム計画、私は諦めるつもりはありませんよ」
私は優斗さんに伝えて部屋を出る、リビングに向かう為、階段を降りていると私を睨む美柑さんが居た。
「…モモさん、優兄に何かした?」
「何もしてませんよ?美柑さん♫」
美柑さんは、私の言葉を聞いても信用できなかったようで優斗さんの部屋に駆け足で向かって行った。
「フフ…信用されてないですね、私は…」
「…優斗を襲った人間を信用すると思いますか?」
「え?」
リビングに入るとキッチンから聞き覚えのある声が聞こえてきた、その声の主は先程優斗さんと話していた人物で…
「…ヤミさん」
「お邪魔しています、プリンセスモモ」
包丁を持ったヤミさんがキッチンに立っていた。
なんでヤミさんがここに…
「ヤミさんはここで何を?」
「優斗に聞きませんでしたか?今日泊まりに来ると…」
「…えっ?」
優斗さんはそんな話をしていなかったけれど…ヤミさんが泊まりに来るなんて、ハーレム計画を進める絶好のチャンス……もしかしてこうなるかもと思って、優斗さんはわざと私に言わなかった?
「…でもなんで包丁をもってキッチンにいるんですか?」
「美柑に地球の文化の事を尋ねたら、料理を勧められました」
「…料理?」
「それに…優斗と一緒に料理をする機会もあるかもしれませんから…」
「っ!?」
優斗さんと料理!その発想はなかったわ!!優斗さんの好みを知れば…胃袋を掴めるし…一緒に料理だってできる!
「モモさん!!優兄に何したの!!」
私が料理の事を考えていると優斗さんの部屋から戻ってきた美柑さんは鬼のような形相をしてキッチンに入ってくる。
美柑さんの後ろには平然を装っているが、微かに身体が震えて顔に熱がこもった優斗さんがいた。
美柑さんに襲われずに済んだのですね、優斗さん。
「私は何もしてませんよ?美柑さん」
「何もしてないのに優兄がこんな顔しないでしょ!!」
「…美柑、俺はいつも通りだよ」
「そうですよ?ただ一緒にお話とお勉強をしていただけで───っ!?」
言葉の途中で何かが私の顔の横を通り過ぎて行った、通り過ぎた方を見ると私の顔から数ミリ離れた壁に包丁が突き刺さっている。
「…すみません、手が滑りました」
「ウソですよね、ヤミさん!?わざとですよね!!」
明らかにわざとやったヤミさんを見て文句を言うと、美柑さんは″ヤミさん…もっとやっていいよ″と言って私を睨んで見ていた。
~優斗side~
(身体がまだ熱い…それに寸前で終わったから…色々ときつい…)
キッチンでモモが美柑とヤミに詰められているのを他所に、リビングにあるソファーへ向かう。
「あ…あたし…ユウトに…なんてことしようと…」
「………」
ソファーの上で顔を真っ赤に染めて、体育座りしているナナがいた。
いつもリトやモモ達にケダモノっと言っているナナが、モモに唆されて襲う寸前まで行ったのは少し驚いた。
「…ナナ」
「っ!?ユウト!!」
「隣座ってもいい?」
「あぁ…いいぞ…」
「ありがとう」
ナナから許可が出た為、隣に座るが先程の事もあり、お互いにしばらく無言が続いた。
「…ユウト、さっきはごめん」
「え?」
「あたし…どうかしてた…モモに襲われたユウト見てたら…なんか変な気持ちになったんだ」
ナナは体育座りで抱えていた手を強く握りしめて、涙目を浮かべながら不安そうな顔をする。
嫌われるのが怖いような…そんな顔だ。
「…嫌いになったよな…あたしの事…」
「そんな事で嫌いにならないから大丈夫だよ」
「…そんな事って、あたし、ユウトを襲おうとしたんだぞ?それなのになんで…」
「それで嫌いになったら、前に襲ってきた里紗達も嫌いって事になるけど?」
「…あ」
まあ、出来ればそういう事は恋人になった時にして欲しいが、襲われる俺にも問題がある…もしかしたら、心のどこかでみんななら良いと思っているのかもしれない。
「それに何があってもナナの事は、絶対に嫌いにならない」
「っ!?」
「俺が悪夢を見ている時に背中を摩って、助けてくれた人の事を嫌いになるわけがない」
前に進む為に睡眠薬を辞めて悪夢を見続けた俺をナナとモモは支えてくれた。
そんな人達の事を簡単に嫌いになるわけがない。
「…良いのか…今回みたいに我慢できなくなって…襲うかもしれないぞ?」
「…キスくらいなら」
美柑達に死ぬほどされているから…キスくらいなら、良いか…いや良いのか?もしかして美柑達に俺の感覚がバグらされてないか?
「じゃあさ…今キスしてもいいか?」
「…一回だけなら」
俺がそういうとナナの顔がゆっくり近付いてくる、俺とナナの距離は徐々に近づき後、数mmでお互いの唇が───
「なにしてるの、優兄?」
「…プリンセスナナ、あなたもですか」
俺とナナの唇が重なる前に二人の般若が俺の肩を掴んでナナから引き離される。
ナナは″あっ″という声を出しながら、悲しそうな表情で俺を見ていた。
…まずいな、まさか見られてるとは…
「見てるに決まってんじゃん、ここリビングだよ?」
「…私達が料理を作っている間、随分と楽しそうでしたね?」
美柑さん、頼むから俺の心を読むのやめてくれ、あと顔がすっごい怖いです。
「…ご飯が出来たから、食べ終わった後に話そうか?優兄」
「…はい」
そう言われた俺は食事が並べられたテーブルに向かうとそこには唐揚げやサラダ、肉じゃがに味噌汁にご飯ととても豪華な食事が並べられていた。
「ヤミ、初めて作ったんだよね?それなのによくこの量を作れたね、凄い───」
「…優斗がプリンセスナナとイチャついている間に作りました」
「すみませんでした」
ヤミは深紅の綺麗な瞳が真っ黒になるくらい怒っている、リトじゃなくて俺が殺されるのではないかと思うほど…
「と…とりあえず!食べようぜ!!」
ナナがそういうとみんなはそれぞれの場所に座り、手を合わせる。
「「「「「いただきます」」」」」
いただきますと言って食べようとした瞬間、両サイドにいた美柑とヤミが距離を詰めて、二人がもっていた箸がこちらへ伸びてくる。
「口を開けてください、優斗」
「優兄、あーん」
「…自分で食べれ──」
「「何か言った?(言いました?)」」
「………」
俺は二人の圧に為す術がなく、二人に食べさせられた、それを見ていたナナとモモは羨ましそうに見ていたが、俺はそれどころじゃない。
(あの、そのたい焼きの入った味噌汁は何ですか?)
ヤミの手に持っているお椀には、たい焼き入りの味噌汁が入っていた。
ヤミは明らかに異質な存在感を放つそれを俺に飲ませようとしてくる。
「…どうしましたか、優斗?」
「…いや、なんでもない」
俺の席にだけ、たい焼き味噌汁が置いてある事に気づいた俺は、ヤミが俺の為に作ってくれた物だということをすぐに察することができた。
…覚悟を決めよう、ヤミが俺の為に作ってくれた物だから。
「………」
口に入れた瞬間、なんて表現していいか分からない味が口の中に広がった、ただ、これくらいなら普通に食べられる、特殊部隊の訓練や任務で食べた物より圧倒的に美味い。
「…どうですか?」
「個性的な味だけど、美味しいね」
「…そう…ですか…」
ヤミは嬉しいそうにしながら、次々と食べ物を俺に食べさせてくる。
…出来れば、飲み込んでから食べさせて欲しいな?
「…そういえばナナさんとモモさんは、初めての学校どうだった?」
「…モモはクラスの男子にたくさん話しかけられてたぞ」
「私は下心丸見えの人達…というより優斗さん以外の殿方には興味ありませんよ」
″私が好きなのは優斗さんだけです♡″と言ってウィンクしてくるモモ。
それを見ていた美柑は俺の腕に抱きついて″絶対に渡さない″と言ってモモを睨む。
「あたしは友達ができたんだ」
「早速できたんだ、早いね」
「そいつがさ、動物と友達になれるあたしの能力の事″素敵″だっていうんだ」
友達の事を話しているナナはとても笑顔で嬉しそうだった。
そうか、ナナにはもう良い友達が出来たんだな。
「ナナ、良かったね」
「今度みんなにも紹介するよ!」
「楽しみにしてるよ」
ナナがこんなに笑顔になるんだ、きっと良い子なんだろうな。
「ヤミさんも彩南高に転入してみたら?」
「え…?」
「地球の文化もより深く勉強できると思うし……何より楽しいよきっと」
「そう…ですか…?」
ヤミが彩南高校に転入すれば、今までにない経験をすることができる…だって俺がそうだったから。
「ヤミ、俺はね、前世の時から学校にどうしても行ってみたかったんだ」
「…なぜですか?」
「輝が言っていたから″学校は恋や青春を味わうことができる最高な場所なんだ!″ってね、だから行ってみたかった、親友が見た世界を俺も見てみたかったから…」
前世で輝が話してくれた学校生活を聞いてからずっと通ってみたかった、そして俺の想像以上に学校生活は楽しかった。
皆に会えたのだって学校に通っていたからっていうのもある。
「だから、ヤミも通ってみない?」
「…私も」
「ヤミが来てくれたら俺も嬉しいからさ」
「っ!あなたは本当に平然とそういう事を言いますね……けど、そうですね…」
ヤミは少し悩んで俺を見る、箸をテーブルに置いてから俺の胸板を人差し指でなぞる。
「生徒になれば、あなたに近づく虫も追い払う事ができるかもしれませんね」
「…はい?」
「籾岡里紗達があなたを襲おうとしたら直ぐに止められます」
″隙があれば私も…″と小さな声でヤミは呟いた、やっぱりヤミは、リトや里紗の事を″えっちぃです″とか言えないと思う、それにえっちぃのは嫌いじゃないよね?絶対に…
ただそれよりも気になったのは、美柑がヤミに転入の話をした瞬間、モモの表情が微かに変わった気がした事…恐らく、ハーレム計画が進めるチャンスとか思っているのだろう。
◇
(…ご飯が食べ終わった後、話そうって言われたけど、なんも言われなかったな)
夕食を食べ終わった後、俺は風呂に入ってシャワーを浴びていた。
「完璧なタイミングだね、ヤミさん」
「…そうですね、美柑」
「え?」
シャンプーで洗った髪をシャワーで流していると、美柑とヤミが風呂の扉を開けてと入ってくる、少し前まで二人は身体を隠すタオルを持っていたのに、最近ではそれすら無くなった。
「私たちも入ります」
「いいよね?優兄」
「…聞いてくるけど、俺に拒否権ないでしょ」
「優兄、まだ洗ってないよね?」
「…髪だけ洗ったよ」
「身体を私達で洗いますよ、優斗」
「好きにしてくれ」
俺はそう言って手に持っていたボディタオルを渡そうと手を差し出すが、二人は何故か二人はボディタオルを受け取らない。
「優兄、ボディタオルは使わないよ?」
「…え?どうやって洗うつもり」
「こうするんですよ」
「っ!?」
二人は自分の手にボディソープをつけて、俺の身体を洗い出す、美柑は左からヤミは右から、いやらしく丁寧な手つきで胸板や腹部など、俺の身体を洗っていく。
「前は自分でやるって言ってるんだけど───っ!」
「…諦めなよ、優兄」
美柑の手は胸板の突起を摘みながら、コリコリと指でいじってくる。
「…それで、優斗はプリンセス達に何をされたんですか?」
「…ここでその話するの?」
「当たり前じゃん、その為にこうしてるんだから」
「………」
両サイドから体を押し付けられて、身体を触られた俺は完全に身動きが取れない。
そういう事か、風呂で尋問するから、食べ終わった後は何も言わなかったのか。
「っ!」
「どうしましたか、優斗?」
「もしかして、意識しちゃった?」
「…してない」
美柑は俺の様子を見てニヤニヤと笑みを浮かべながら、俺の腕に身体を擦り付ける。二人の胸とか身体の感触が直に…どうやればこの場から逃げられる?下手な事を話したら、俺は風呂場で卒業する事になるぞ。
「…んっ!」
「今、逃げようって考えたでしょ、優兄」
考えていた事が美柑にバレて突起を強く摘まれる、二人は完全に俺を逃がす気はないらしい。
「もう一度聞きます、プリンセス達に何をされましたか?」
再び尋問が始まった、ヤミは最後のチャンスだと言わんばかりにそう言うと、ボディソープをつけたヌルヌルした手で俺の身体を塗りたくる。
その手は、胸板から腹部、腹部から大切な場所へ向かって下に進んで行く。
「っ……耳を舐められた…」
「他には?」
「……押し倒されて…首筋を舐められた」
「…ふーん?」
美柑とヤミは俺が言ったモモのやった事を上書きするように同じ事をする。
「チロッ…つ───…」
「ちゅくっ…くちゅっ…」
「っ─────んっ───…」
ヤミは首筋を舐めて、美柑は耳を舐める。
快楽から漏れ出そうになった声を押し殺していると、気分を良くした二人の腰に巻かれたタオルを外そうと手を伸ばす。
「抵抗しないでください、ここを…プリンセスモモにも触られたんですよね?」
「前に襲った時に触ったんだし、今更でしょ?」
「……そういう…問題じゃ…」
抵抗しようと身体を動かすとヤミが腕に抱きついて体を擦り寄せる…まずい、さっきモモに舐められたり、触られたりした場所が敏感になっている、頭が真っ白で思考が働かない…このままだと…
「…いや…これ以上はダメだ」
俺は強引に立ち上がって二人から逃げ出そうとする。
二人は身体を使って押さえ込もうとするが、ボディソープで身体がヌルヌルしていた事で二人から何とか抜け出した俺は、そのまま脱衣所に逃げ出した。
「…逃げられましたか」
「…まあ、いいよヤミさん、しっかり上書きできたし」
風呂場から聞こえてくる二人の声を無視して身体をタオルで拭く。
身体がボディソープでヌルヌルする…今は無理だから、後でもう一度入り直そう。
◇
その後、美柑とヤミが出た後で何とか身体を洗い流せた俺はリビングに行くとパジャマを着た皆が何かを話していた。
「…優斗とは私達が一緒に寝るのでプリンセス達は部屋で寝てください」
「なんで二人は一緒に寝るんだよ!」
「しょうがないじゃん、布団がないんだから…」
「この前、ユウトが二人分の布団買ってたぞ!それ敷いて寝ればいいだろ!!」
話してなかった、めっちゃ言い争ってた。
「なら、皆で一緒に優斗さんと寝ませんか?」
「…この時期に五人で寝るの?」
「暑いし、狭いだろ」
「………」
「ナナ、布団を二枚くっつけて敷けば狭くないわよ?」
「…お願いだから、今日は各自で寝てください」
皆で寝たら、モモが何をするか分からない…それにこれ以上舐められたり、触られたりしたら、俺がおかしくなりそうだ。
俺の言葉を聞いた皆からブーイングが来たが、無視して買った布団を取り出す。
「…じゃあ、おやすみ」
「むぅ…」
「………」
布団を敷いた俺は捕まる前に部屋から逃げるように出ていった。
出ていくまで頬を膨らませて怒っていた美柑と無言でヤミが俺を見ていた気がするが気にしない事にする。
「ナナとモモもおやすみ」
「…ユウトと…寝たかったな…」
「おやすみなさい、優斗さん♡」
俺の部屋の前で二人にそういうと、ナナは少し落ち込んでいたが、モモは潔く部屋に戻って行った。
…モモは後でベッドに潜り込んでくるな?部屋の鍵は絶対閉めておこう。
「…さて」
部屋に入って鍵を閉めた俺は、携帯電話を取り出して南雲に電話をかける。
南雲の電話番号を持っている理由は俺の身体が治った時にタイムレインズカンパニーの事で御門先生の診療所に尋ねてきた南雲と電話番号を交換していた。
[貴方ねぇ…今、何時だと思ってんのよ?レディはこの時間は寝ないとお肌が荒れちゃうのよ!]
「悪いとは思ってますが、今くらいしか時間がありませんので…南雲さんに頼みがあります」
[…はぁ、しょうがないわねぇ、それで、要件は?]
南雲が御門先生の診療所に来た時に電話番号を交換していた。
まず、お前はレディじゃなくてゴリラだろってツッコミしたいんだけど、それを言ったらキレられそうなのでやめておく。
「5歳の時の俺、時雨桜の情報を俺に教えてください」
[…貴方、なんで自分の情報を欲しがるのよ…]
「…少し気になる所があるだけです」
───…ありえないわ、過去の情報とはいえ確かな物のはず…貴方は時雨桜として生まれた時から″右利きの筈″よ
南雲から聞いていた、この話がずっと気になっていた。
[わかったわよ、明日には資料をデータでおくってあげるわ]
「助かります」
[じゃあもういいかしらァ?]
「まだ…もう一つあります」
[まだあるの!アタシは早くしないとお肌がツルツルにならないわァ!]
「………」
…ツルツルになったゴリラの肌を誰が見たいと思う?
春馬さんと才培さんが見たら───春馬さんは分からないけど、才培さんは間違いなくドン引きするぞ?
[早く言って頂戴!明日は朝から天条院のお嬢様の朝食も作らないといけないのよぉ!]
「…天野穂風が持っていた刀が見つかった場所と─────────がないか調べて貰えませんか」
[…は?貴方は何言ってるの?]
俺の頼みを聞いた南雲は困惑していた。
[11年前って…それに───なんて見つかるわけ]
「…あるはずです、俺の予想が正しければ…」
[…そんなこと調べてどうするのよ?]
「…見つけたら、教えます」
[…わかったわ、探してみるけど…あまり期待はしない事ね?」
「よろしくお願いします」
電話を切ってベッドへ寝っ転がる、俺の予想が正しければ、そこにあるはず…
「俺が生まれ変わった理由が…」
俺は目を閉じて、眠りにつく…一人で寝る為、悪夢を見るかもしれないと覚悟をしていたが悪夢を見ることはなかった。
その理由は朝起きて気づく事になる。
朝起きると俺ベッドには、別の部屋で寝ているはずの四人が俺に抱きついていて眠っていた。
部屋の鍵閉めたはずなんだけどなっと思い、扉に顔を向けて見ると鍵をこじ開けられた痕跡があった。
「…私達が鍵を閉められた程度で諦めるわけないじゃないですか?」
声がする方を見ると、目を覚ましたモモが小悪魔の様な笑みを浮かべながら俺を見ていた。
すみません、セクハラシーンが多めになっちゃいました。
お気に入り、感想、評価等、誤字報告、ありがとうございます。