「博士、私は部品ですか? それとも、ただの消耗品(リソース)ですか?」

廃棄される寸前の002(ドゥー)が、俺に問いかけた。

システムは彼女たちを「失敗作」と断じ、焼却炉へと送る。
だが、俺の論理(ロジック)はそれを許さない。

連邦が捨てた命を、俺が拾い上げ、俺の私設軍隊として再定義する。

フォウ(4)だけが特別じゃない。0も、2も、11も。数字を刻まれた少女たちが、その数字を「誇り」へと変え、自分たちを使い捨てた世界を国有化し返す。

たとえ、それが薬理で作られた偽りの楽園であったとしても。

「笑え。今日からお前たちの名前は、この俺が決める」

「私の名前……。思い出したくないことばかりだった」

そう呟く彼女の脳内に、俺は今日も新しい「嘘」を精製して流し込む。

連邦の調整(チューニング)は、彼女の過去を漂白した。
ならば、その空白を俺の独りよがりな執着で塗り潰して何が悪い。

薬理によって自我を沈殿させ、部品として使い潰される運命。それを「国有化」という名の保護下で、俺だけの所有物として書き換える。

カミーユ・ビダン、君の出る幕はない。
彼女の魂を繋ぎ止めているのは、正義でも共感でもない。
俺が投与し続ける、甘く痺れるような「依存」という名のロジックだ。

これは、壊れゆく少女の隣で、彼女の絶望ごと愛そうとした一人の狂人の、極めて個人的な戦記。