ポルトガ王「大臣、黒胡椒だ!」
大臣「はいはい王様、朝食にお召し上がりになったでしょ」
ポルトガ王「大臣、黒胡椒だ!」
大臣「はいはい王様、昼食にお召し上がりになったでしょ」
ポルトガ王「大臣、黒胡椒だ!」
大臣「はいはい王様、夕食にお召し上がりになったでしょ」
ポルトガ王「大臣、黒胡椒だ!」
大臣「はいはい王様、夜食にお召し上がりになったでしょ」
朝から晩まで黒胡椒黒胡椒の王に大臣もうんざりしていた。
厨房のコック達も大変だ。
もういっそのこと黒胡椒だけ皿に盛ってそれだけ食べさせておけば良いかも知れない。
それ程までに王の黒胡椒好きは止まらない。
「疲れたな」
業務そっちのけで黒胡椒を連呼する王にほとほと疲れ果てた。
過去幾多の人間が王の命令で黒胡椒を求めてポルトガを旅立ち途中で挫折して帰ってくるか行方知れずになったか分からない。
アッサラームまで辿り着きノルドに王の手紙を見せれば東方への道は開ける
しかしそのアッサラームまで行く事が困難だ。
ポルトガ周辺のモンスター達は強い。
ドルイドはバギを連発してくるしデスフラッターは連続攻撃してくる。
さまよう鎧は装甲が硬く攻撃しても余りダメージを与えられないし痛恨の一撃を繰り出してくる。
ロマリア周辺は比較的モンスターも弱いが問題はアッサラーム周辺だ。
アッサラーム周辺はポルトガよりも強いモンスターが出ると聞く。
その厚い壁に阻まれアッサラームまで辿り着けないのだ。
流石に過酷な旅をさせたり死を伴う命令に王も反省して以後は黒胡椒を手に入れるための命令は出さずに半ば諦めかけていた様子だった。
そんなおりアリアハンから勇者がやってきた。
勇者オルテガの英雄譚は王も知っている。
その子ならば東方に行き黒胡椒を手に入れられるかも知れないと手紙を託し東方へ旅立たせた。
そして勇者は見事に王の期待に応えて黒胡椒を取ってきた。
全く大したものだ。
流石は勇者オルテガの子だ。
これならば…
大臣はある希望を見出す。
このポルトガには知名度こそ勇者オルテガのようには無いが凄腕の剣士がいた。
名前はカルロス。
カルロスはパートナーであり恋人である僧侶サブリナと共にこのポルトガに巣食うモンスター達を倒していた。
そしてモンスターの親玉がいる事を知り魔王を退治するために船に乗りネクロゴンドに向かった。
結果的には二人は敗北した。
魔王の呪いを受けた二人は何とかポルトガに帰ってきた。
魔王の呪いとは動物にされる事だ。
カルロスは昼間は馬に、サブリナは夜は猫になる呪いを受けた。
その呪いを解くには魔王を倒すしかないであろう。
勇者が魔王を倒せばカルロス達にかかった呪いは解ける…かも知れない。
それは微かな希望である。