おしっこを我慢するほど強くなる個性。   作:ひつまぶし太郎

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なんか自分の名前と個性にキレてるだけの1話に4つの感想と4つの高評価がつき怖くなりました。
これでもう勘弁してくださいという1話です。
背中押されてもおしっこみたいな文章しか出力されませんこのキャラ設定だと。
駄文加減にがっかりしていってください。


彼の名前は

 

 

「お前は偽物にしかならない───!」

 

そこは、戦場だった。

保須市という普段は小康状態というか、あまり誰も注目しないような街だったはずなのに、そんな街に多くの悲鳴と火の手が上がっている。

 

そして、その路地裏でも一つの戦いが行われていた。

兄を再起不能にされた飯田天哉と緑谷出久、轟焦凍が残酷な生存競争と滅私の奉仕をヒーローに求める犯罪者と相対している。

 

「そうかな、だとするならあんたの目はもう手遅れだ」

 

だが、そこに最強の有精卵が来る。

 

「眼科手術をお勧めするよ」

 

彼は、全ての悲劇を置き去りにする。

 

「…お前は…!」

 

なぜ、彼がここに来たのか。

時は数時間前まで遡る。

 

 

 

 

 

 

僕は絶望していた。

相も変わらずに、特に成長を見せることもなく。

 

お前の席しかねえからと言わんばかりの地獄のような入学式は終わり、教師の指示で教室に向かったら誰もいなかったという恐怖体験も今や昔。

 

後から参加した個性把握テストとやらで個性を使うことなくぶっちぎりの一位を取り、訓練で何故かオールマイトとマッチアップされて『ハハハ!なぜか調子が良くなってきたよ!兄弟!』とか言われ、救助訓練を受けるために来たはずの施設で頭の救助が必要な奴らに襲われ返り討ちにして、体育祭で余裕の優勝。

 

 

さぞ勝ちまくりモテまくりな学生生活を送ってると思っているそこのあなた、甘い甘い。

 

 

僕の名前は御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)だ。

 

 

勝ちまくりというかむしろ勝ちすぎで、敵とかおじさんヒーローたちからモテまくりって感じ。

なんなら体育祭で圧倒的すぎて、僕の名前と個性は一躍有名なものとなってしまった。

 

街を歩けば僕の名前が呟かれ、くすくす笑う声すら聞こえてくる始末。

身バレがエグい。

というか個性も名前も顔も世間に晒される雄英体育祭のコンプラってどうなってるんですか。

 

だから嫌なんだ、この名前と個性。

まじで許せねえよ、世界。

 

挙げ句No.2ヒーローに目をつけられてしまったのだから、僕の絶望はとどまるところを知らなかった。

 

No.2ヒーローのエンデヴァーってあれじゃん。

親友の轟くんが一時期闇落ちしてた原因じゃん。

中学の時メンケアならぬ麺ケアで立て直したとはいえ、僕からの印象は最悪なんだけど。

 

『お前も行くか?色々勉強にはなると思う』

『…そうだね…』

 

とはいえ、僕が唯一心を許している親友に誘われてしまっては断れない。

そんなこんなで、No.2ヒーローのところに職業体験に来て数日。

よーしパパ頑張っちゃうぞーと保須市に連れてこられて、救助訓練の時にも見た脳無に襲われたのまではギリギリ許そう。

 

 

───僕は絶望していた。

 

 

「焦凍、御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)交戦許可を出す、自衛のためにだけ戦え」

「ああ…分かってる」

「わかりました」

 

 

No.2ヒーローの後ろにいたら戦わなくていいと思ってたのに、僕はなんで普通に戦ってんだ?

 

 

「いい加減にしろや脳無コラァ!これ見よがしに人を襲うなんて卑怯だろうが!」

「ありがとう…君は…あっ(察し)」

「雄英高校の体育祭で優勝していたあの…!?」

「雄英高校襲撃事件で主犯を撃退したって聞いたぞ…!」

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)くんだ…!」

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)くんが来てくれたぞ…!」

 

 

 

襲われてる人を見たら反射で助けに入ってしまう自分を褒めればいいのか、泣けばいいのか。

僕はもう完全に自衛の範囲を超えて戦闘していた。

 

 

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)くん…!ありがとう!君は私たちのヒーローよ!」

「ありがとう御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)くん!」

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)、君の名前を背中に彫るよ!」

 

 

 

 

もうほんとやめてほしい。

これじゃあ、本名不詳系ヒーローになれないじゃんもう。

 

僕は絶望して、人目を避けるように路地裏に飛び込む。

 

そこには、何故かクラスメートたちが3人もいた。

しかも何故か僕が昔憧れたインゲニウムが馬鹿にされてた。

 

 

……なんで?

 

 

 

 

「そうかな、だとするならあんたの目はもう手遅れだ」

 

彼は、いつもかっこよかった。

 

「眼科手術をお勧めするよ」

 

薄暗い路地裏にあってもなお、華がある。

スラリと伸びた手足。

後ろで括られたプラチナの髪。

勝ち気に笑う口元。

 

神が贔屓して彼を生み出した、と言っても納得できるほどの美しさ。

 

「御疾狐ヶ万出くん…!」

「はっ、遅かったじゃねーか」

 

そして、悪に怯まず拳を構える姿の様になることよ。

 

「お前は…!」

「インゲニウムは素晴らしいヒーローだった。お前はどうだ?迷子の子どもがいて、それを迷子センターに連れて行くか?」

 

すでに、身動きが取れなくなっていたヒーローたちはこの路地裏にはいない。

彼の素早さは、本当にオールマイトを彷彿とさせる異次元さだ。

 

「しないよな、お前は。誰か一人を助けることは、みんなを助けることだって知らないんだ。誰かのために動くことを他人に求めるのに、自分は自分のためにしか動けない」

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)…!」

「気安く名前を呼ぶなよ犯罪者。僕はこれでも怒ってるんだ」

 

彼の両手には、無力化された脳無が3体。

その気迫は、あのヒーロー殺しすら怯ませるほどのものだった。

 

いつだったか、僕は御疾狐ヶ万出くんになぜヒーローを目指すのか聞いてみたことがある。

 

───僕はさ、ほんとはヒーローになんかなりたくないんだ

 

それは、もしかしたら予感してたかもしれない答えで。

 

───いつだって(膀胱炎とか尿路結石が)怖いし、(おしがま中は)震えが止まらない。

 

いつもよりも親しみやすい、照れたように笑う彼の言葉は今でも緑谷出久(ぼく)の中に刻まれている

 

───でも僕が(おしっこを)我慢するだけで助かる命があるなら、僕はこの力を正義のために(後ろ指さされないために)使いたい。

 

「……ハァ…!お前はなぜヒーローを目指す…!」

「みんなが(後ろ指をさしてくることに)怯えずに、幸せになるために(僕がおしっこを)震えて我慢しなくていい世界が欲しいから」

 

御疾狐ヶ万出喜多祢(おしっこがまんできたね)

 

いつか自分が個性を使わなくてもいいくらい平和な世界になってほしい、とか。

ナンバーワンヒーローの称号をもらって後ろ指さされない生活を送りたい、とか。

自分本位な理由をあげながらも、結局いざとなれば自分のコンプレックスもこだわりも命すら投げ捨てて人を助ける、根っからのヒーロー。

 

彼は弱きを助け、社会からはぐれてしまった誰かの手を迷わず握り、我慢したくないという気持ちに寄り添える優しさがあった。

 

 

「───あんたが弱さを罪だと言うなら、僕は誰かの分まで強くなってみせるよ」

「いい…!お前は、本物だ…!」

 

 

その日彼の名前は、希望として世界中の人々の胸に刻まれることになる。

 

 




伝説になった日、みたいな。
はい、本当の本当にこれで終わりです。
どうせおしがまチャレンジするなら金髪ポニテ勝ち気僕っ娘男の娘がいいなと思った夜。

もしこの小説で笑ってくれる人がいるのなら、この小説とは真反対のまじめなヒーロー物の『米花町には犯罪者が多すぎるって話。』もよろしくお願いします。
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