魔理沙「私はお前に勝てない。だから時間の無駄」
霊夢「私はそうは思わないけど」
私の諦観のこもった愚痴を霊夢は真っ向から否定した。
ほんと……そういうところだよ。
魔理沙「簡単に言うなよな。私がどれだけ時間をかけてもお前には勝てない。それが虚しいんだよ。」
霊夢「それ言ったら私は本気の紫に勝てないわ。あと月のあの二人にも」
私が本音をぶつけても、お前はそれっぽい理屈と安っぽい同情で跳ね返してくる。
私の気持ちが分かるわけないのに。
魔理沙「他の奴らなんてどうでもいいんだよ。私がお前に勝てないだけの話で」
霊夢「じゃあ私に勝てないのもどうでもいいじゃん。他人なんだし」
またひどい事言った。私とお前の付き合いなのに。他人だなんて。
私にはお前以外の目標なんて見えてないのに。
魔理沙「……もういい、今日は帰る」
霊夢「待ちなさいよ。夕飯、食べていきなさい」
他の誰かにご馳走する余裕なんてないだろうに。
私の事を慰めるつもりかよ。
魔理沙「やだよ。そんな気分じゃない」
霊夢「私がそういう気分なの。ほら、早く!」
私の気持ちなんか何も知らないくせに。
……ご馳走になります。
魔理沙「私も何か手伝うよ」
霊夢「良いから。あんたは座って待ってなさい」
そうは言われても。
そわそわしちゃうだろ。
魔理沙「料理がいっぱい……」
霊夢「一人で食べないでね」
大人しく待ってるって。
霊夢の作るご飯は美味しそうだなあ。
魔理沙「……おいしい」
霊夢「あんた、気持ち悪いくらい満面の笑みね」
むっ。気持ち悪いとはなんだ。
年頃の乙女だぜこっちは。
魔理沙「今日はごめんな」
霊夢「なんの話?」
お前はそうやって知らんぷりをする。
さすが博麗の巫女様だぜまったく。
魔理沙「しょうもない事で愚痴こぼして」
霊夢「覚えてないわ。ほら、ご飯食べたならさっさとお風呂!」
ありがとうな、霊夢。
一緒にお風呂は……いや、なんでもないぜ。
魔理沙「お風呂気持ち良かった。ありがとな」
霊夢「んー。それじゃ、私もお風呂入ってくる」
霊夢がお風呂に行って私は一人になった。
でも独りじゃない。それで心が満たされていく。
魔理沙「夜は良いよな。私の弾幕が凄く綺麗に映えるからさ」
霊夢「私とも夜戦えばいいのに」
それは違う。
霊夢は空を飛んでいるそれだけで綺麗なんだ。
魔理沙「……そろそろ眠くなってきたな」
霊夢「布団敷くから手伝ってー」
なんだか足元がふわふわする。
困ったことに心も同じくらいふわふわしてるぜ。
魔理沙「手、握ってもいいか?」
霊夢「仕方ないわね。今日だけよ?」
霊夢の手は冷たい。
心が暖かい人は手が冷たいというけど、間違いないな。
魔理沙「おはよう!霊夢!」
霊夢「今日は朝から元気ねー。昨日のめそめそまりちゃんはどこに行っちゃったのかしら?」
心配しなくてもいつも心の中にいるぜ!
意外と私は乙女なんだ。
魔理沙「吹っ切れた!これでしばらくは大丈夫だぜ!」
霊夢「あっそ」
魔理沙「クヨクヨするなんて時間の無駄!」