セブルス・スネイプの養女に魔法はかからない   作:秋峰霧女

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入学前 短編② フレッドとジョージ いろいろ 2

ある日の会話

 

 すっかり打ち解けた三人は、互いのことについてもよくお喋りをした。

 中でもウィーズリー家の話題は大家族なだけあって一生尽きることはなかった。上の兄たちの話や、弟のロンと妹のジニーの話。父アーサーの魔法省での仕事の話。親戚のおじさんやおばさんの話など。どれもこれも面白いネタしかない。

 同い年で、一緒に入学することになるロンの話を、ヴェルはよく聞いた。どんな子なのかが興味が湧いたが、話の大半は双子が弟に仕掛けたいたずらと、その反応、ロンが引き起こした事件などだった。双子がロンに破れぬ誓いを立てさせようとして、父に大激怒された件を聞いた時には血の気が引いたが。

 

「おれたちの家は『隠れ穴』ってんだ」

「なんにもない、ド田舎さ」

「でもマグルの目が少ないからクィディッチの練習ができたりする」

「リンゴでね」

 

「へ~楽しそう。私も遊びに行けたらいいのに。せめて休み中、手紙くらい書きたいんだけど」

 

「ホグワーツに入学した後なら大丈夫さ」

「遊びにおいでよ」

 

 二人は当然、ヴェルのことを家族や知り合いに言って漏らすのも禁止だった。ダンブルドアとの約束だ。だが、入学してからなら、ヴェルも学校の友達としてウィーズリーの家族にも会えるだろう。今からそれを楽しみに思った。

 

「そういえば、ヴェルの部屋はホグワーツのどこにあるんだい?どこで寝泊まりしてるんだい」

 

 フレッドが聞いた。

 

「スネイプ先生のところ」

 

 ヴェルが答えると、二人とも「「ひえ~」」としかめっ面をした。

 

「こりゃまたすげえや」

「いったいなんで?」

 

「ダンブルドア先生が決めたのよ」

 

「ふーん。あんな陰険な野郎と一緒でさ、頭おかしくなんないの?おれだったら初日でグレるね」

「おれも」

 

「……まあ、分からないではないけど」

 

 

 ヴェルは以前いた環境が最悪だったため、今の生活に不満は一つもなかった。むしろ願ったり叶ったりだった。

 

 ただまあ、ホグワーツに来て3年が経ったこの時には、スネイプの性格に難があるのも、生活力のなさにも気づいていた。さらに教師としての姿を見るようになってからは、彼が生徒に好かれていないことも否定する余地はなかった。

 

 しかし、なんだかんだ言って楽しいは楽しい。居心地も良い。それは何よりも、スネイプの閉心術のおかげで余計な雑音がなく、ストレスフリーだからだった。

 

 でも双子に開心術のことを自ら言うわけにはいかない。

 

 考えていると、ジョージが言った。

 

「ま、見方を変えてみれば、ヴェルを隠すにはって考えると、ダンブルドアの判断も妥当かもしれないぜ。好き好んでスネイプの部屋に近づくやつなんて普通いないからな」

 

「スリザリンのジャンキー(薬中毒)ども以外はな」

 

 そう言って二人は笑った。

 

「でもたまに、他の先生のところに泊まりに行くこともあるわ。マクゴナガル先生のとことか」

 

「へえ。ダンブルドアとかは?」

 

「あの人はいやよ。 あっ」

 

 ヴェルは言ってしまってから、周りをキョロキョロと見た。

 

「大丈夫だって。おれたちしかいないよ」

「なんで嫌なんだい?」

 

「だって、恋バナしようばっかりなんだもん。うんざりよ」

 

「恋バナぁ?」

「うわーおれも興味ないなー。しかも校長かよ」

 

「本とかもロマンス物ばっかり勧めてくるし……。私はもっとワクワクする話がしたいのに」

 

「じゃあマグルの冒険物とかミステリーはどうだい?うちのお古でよければ持ってきてあげるよ」

「パパが一時期マグルの本集めにハマってたからな。きっとヴェルでも読んだことないのがあるぜ」

 

「ほんと?ありがとう。楽しみ」

 

 その後、双子は何かとウィーズリー家(の父の倉庫)から見繕ってきたであろうマグルの本やおもちゃなどを持ってきてくれるようになった。もともとマグルの家にいたヴェルにとっては、かつての家に良い思い出はないにしても、懐かしさを感じることができた。

 

 ダンブルドアに見せると、思った通り面白がってくれた。

 マグル嫌いがにじみ出ているスネイプには、言わずもがな黙っていたが、意外にもマグルの本は(主に学術書だが物語もそこそこ)読むようだった。これはダンブルドアからの圧によるものと、ヴェルの体質もあってマグルの薬学の知識などの重要性も無視できないと思うようになったからでもあった。

 

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