グイード・ミスタ。イタリアのギャング『パッショーネ』の一員

4月の終わりごろ彼はとあるミッションに駆り出される。

それは彼の人生の中で最も4にあふれた4日間であった。



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グイード・ミスタ、最悪の4日間

グイード・ミスタは憂鬱だった。

 

自他ともに認めるラッキーマンである彼だが、嫌いなものがある。4だ、数字の4。

 

日本では発音から死を連想させる不吉な数字と呼ばれているが、彼の場合は実体験に基づくジンクスだ。

 

とにかく4という数字に関わると碌なことが起きない。だから4を避けるためにはなんだって行う。しかし人間ができる努力は限りがあるのだ。

 

今日は4月27日。ジンクスを大切にするミスタにとって最悪な月。

 

「ポルナレフさんよぉ。俺思うのなんで一年という単位は12ヶ月なのか?ってな。12回も細かく分けるから4月なんて厄月が生まれるんだよな」

 

グイード・ミスタは上司に呼び出され、朝早くから1人部屋で待つ。その間、亀に話しかけていた。

 

ココ・ジャンボ、幽霊を住まわせる亀だ。ココ・ジャンボの背中に埋め込まれた鍵から幽霊が抜け出しミスタを呆れた顔でみる。

 

「ミスタ。一年が12ヶ月なのは地球が生まれた時から決まった普遍的事実だ。それに難癖つけるのはタチが悪いぜ?」

「でもよぉー!そのせいで4月なんて不吉な月が生まれるんだ!もうさ俺思うんだ。12ヶ月じゃなくて3か月で一年にしてほしいって」

「4月以降はそれどうするんだ?」

「そこはあれよ!4月を2回目の1月って考えればいい!こうすれば4月がくることはないからなぁ!」

「なるほど、うっかり納得しかける考え方だぜ。だがなミスタ、ブラックホールのような落とし穴があるぜ」

「なんだよそれ」

「1年経つためには3か月が4回必要じゃないか」

「………あーもう!!!!なぜ12は4の倍数なんだよぉ〜っ!」

「別の惑星に引っ越せ」

「俺はイタリアがいいんだよ!!」

 

「議論白熱させてすみませんね。お待たせした」

 

ピタッと言葉の応酬がやむ。扉から入ってきたのは若い男だ。胸元が開かれた服を着こなし、てんとう虫のブローチをつけ、その髪型は大砲を三つつけた形の金髪。

 

ジョルノ・ジョバーナ。ミスタの上司にして、イタリア全土の裏社会を牛耳るギャング『パッショーネ』の頭目だ。

 

「へっ………たいして待ってねぇよ。日本人は5分遅れでも謝るもんなんだな」

「ハーフですけどね」

「おお、そうだった。割と礼儀正しいところもあるから時々間違えるぜ」

 

ミスタとジョルノはたがいに笑う。少しばかり冷えた空気が漂っていた。この2人は因縁がある。今の形に収まるまでも紆余曲折があったのだ。

 

「まあ冗談はさておき、ボス。一体俺になんのようだ?」

 

今回、ミスタはなぜジョルノに呼ばれたのかそのワケを聞いていない。朝一番に来るよう呼び出された。それだけで重要度の高い案件であることはうかがえた。

 

「………すみませんポルナレフ。ちょっと外してくれませんか?」

「おうよ。話終わったら呼んでくれよ」

 

ジョルノはココジャンボを両手に持ち、部屋の外へ放った。そのまま廊下に誰もいないことを確認し、扉の鍵を閉める。

 

「おいおいおいおいおい。一体どんなことを頼むつもりなんだ?」

 

ミスタはパッショーネが抱える問題を思い出す。政治家との関係、ゴミ処理、麻薬の一掃etc………

 

その時不意にミスタに天啓が降りた。それもとても嫌なものだ。

 

「大陸案件か?」

「ご明察だミスタ。やはりあなたは腕がいい」

 

外れてほしかった予想はドンピシャで命中してしまう。

大陸案件。

それはアメリカマフィア『グレートカルーソ』との抗争の隠語だ。

 

「ミスタは『B.O.W.』は知っていますよね?」

「ああ、ゾンビのことだろ?」

 

ミスタの顔は苦虫を潰した。『グレートカルーソ』は今一番勢いのあるアメリカ裏社会の帝王。アメリカを牛耳ったのち東征のためヨーロッパに力を広げていた。

 

その特徴はBio.Organic.Weapon。つまり生物兵器を使うことにある。ラクーンシティの惨劇によりその詳細が暴露されたそれを『グレートカルーソ』はまるでサーカスで鞭に従うライオンのように巧みに操り、敵対組織を壊滅させていた。

 

イタリアでも同時多発的にバイオ抗争が勃発。パッショーネ、BSAA、スピードワゴン財団が手を組み、どうにか均衡状態に持ち込んでいるのが現状だ。

 

 

「大陸案件で俺を直々に呼び出した。つまるところそれは………」

「はい、暗殺です」

 

ジョルノの言葉はミスタの予想通りだった。

[23:54]2026年4月1日 水曜日 23:54

グイード・ミスタ、彼は『パッショーネ』のNo.3であるが凄腕のガンマンでもある。そして最も得意なことは暗殺なのだ………

 

「全くよぉー。あと1、2日早かったらこんな仕事楽勝で片付けてやるってのに」

「すまない。特定に時間がかかりましてね。」

「まあ別に拒否はしねーよ?ちゃっちゃと掃除しなきゃ荒らされる一方だもんな。………でよ」

「なんでしょう?」

「俺1人か?」

「………流石に4月のミスタにチームメイトなしは考えてませんよ」

 

ジョルノはいつのまにか紙を持っていた。履歴書にも似ているそれを机の上にばら撒き、ミスタへ見せる。

 

「新生『暗殺者(ヒットマン)チーム』。ミスタ、あなたは彼らを統括してください。」

 

その紙の数にミスタは苦笑した。

 

◇◇◇◇◇

 

10時間後!

レストラン『シンシナティ』

 

ここはアメリカ人の移住者が開いたレストランで、カジュアルにリーズナブルにアメリカ料理を楽しめる店として少し話題になっている。

 

今夜は貸し切りということで、客は『4』人しかいない。全員が初対面だ。しかし全員『パッショーネ』の一員である。

 

「うめぇ、うめぇ、!」

シカゴピザを一心不乱に汚く食べる美女。これで8枚目だ。

 

「汚ねぇなぁ………!」

 

女の食い方にイライラするメガネをかけた男。何も頼んでおらず、水だけを飲んでいた。

 

「ビューンイン、バンバンっ!びちゅう!ビチュウ!ビュぃ〜ん!」

 

貸し切りをいいことにゲームをしながら効果音を口遊む男。ボタンはハンバーガーの油でベトベトだ。

 

「うん、うん、今日はごめんこれなくてさ。うん、うん、ちょぅっっとしばらくねうん、ごめん。帰ったらたくさんベッドで一緒になってあげるから、うん、うん………」

 

電話で相手を説得する髭の生えた男。ワインにステーキ、オーソドックスな食事だ。

 

「お前らあっ!!!!ここはレストランだ!しっかり料理を食べろよクソガキどもがヨォ!」

 

メガネの男がキレた。その拳は近くの美女に飛んでいく。武術やスポーツを齧ってない無軌道な振りだ。顔に迫る右拳を美女は人差し指一つで止める。

 

「なあっ、グゥぅっ?!」

「ウルセェのはお前の方だよ、なになんも頼んでねぇんだ、レストランの礼儀ってもんが、なってねぇよなぁっぁ!」

 

人差し指でメガネの男の拳を机に叩きつけ、伸びさせる。だがメガネの男も黙っていない。完全にキレた目で美女を睨んでいた。

 

「殺してやるっ、こんな有能で正しくて………真心あるオレの忠告を受け付けないなんて………殺す!殺してやる!」

「三流め、殺すって脅し文句あたし達の間で効くとでも?」

 

「ほらほらそこまでにしなよ♡君の綺麗な肉体が傷つくよ?」

「黙ってな伊達男。こいつはあたしがやらないとダメなんだ」

「もう………僕たちはこれから仲間として仕事をするんだよ?もう少しリラックスしないとさ?」

 

髭の生えた男は美女の格好を見ながら櫛で髪を整える。彼女のホットパンツにイタリア国旗のビキニはその豊満な肉体と相まって素晴らしいものだ。

 

男の言葉が響いたのか、美女は被ってたカウボーイハットを机に置き肩の力を抜く。その様子を見たメガネの男は完全に出鼻をくじかれワナワナ震えることしかできない。

 

「ダッセェぇぇ………っ!」

「しぃィィィい!!」

 

ゲームをしてた男に煽られ青筋が顔に三本入ったメガネの男。このままでは団結することなく殺し合いが起きるのは必須だ。

 

この殺伐とした空気をぶっ壊したのは、やはりこの男。

 

「うるせーぞおめえら!!!」

 

グイード・ミスタその人であった。

 

彼らは誰が集めたのか、なぜ集められたのかその理由を知らない。そこに現れた組織のNo.3は彼らの態度を劇的に改善させるのに十分である。

 

『お疲れ様です!!!!』

「そう畏るなよ、全員揃ってるな?俺たちは全員初めて会うんだ。これから点呼するから応えるんだ。」

『はい!!!!』

 

ミスタは手に持った紙を持ち名前を読み上げた

 

「ピスカ!」

「はい!」

 

メガネの男が勢いよく応える

 

「ヌメロ!」

「はい、!」

 

イタリア国旗ビキニの美女が胸を張って応える

 

「アロスト!」

「はいっっ!」

 

ゲームを置いた男が元気よく応える

 

「フォーイア!」

「はい」

 

髭の生えた伊達男が落ち着いて応える

 

「よし全員揃ったな?これから俺たちは新生『暗殺者(ヒットマン)チーム』だ。これからよろしく!さっそくだが、ミッションだ。その前に質問はあるか?」

 

ミスタの疑問に手を挙げたのはゲームを持った男『アロスト』である。

 

「あのミスタさんは『4』がお嫌いだと言う話は本当なんですか?」

「マジだぜおおまじ!俺は野球の4番打者に回ってきたらチャンネルを変えるし、四つのケーキから一つを選ぼうとも思わねぇ。」

「ボクたちその4人いるんですけど、ミスタさん的には………?」

「4が5になるからギリ妥協できる。3人なら絶対断ってた」

 

真顔でミスタは言い切った。この病的なまでにジンクスを信じるその姿勢は噂以上のものである。アロストはそう考えて、この男に好意を寄せた。

 

(なんて変な人なんだ………こんな人でも偉い幹部になれるなんて希望とやる気がむくむく湧き上がってくると言うものよ)

 

「他には………ねぇようだな?じゃあ早速だが俺たち『暗殺者(ヒットマン)チーム』の任務。その概要を説明してやる。」

 

ミスタが取り出したのは写真と地図。写真には誰だかわからぬ男の顔。地図はイタリアの地形ではないどこか別の国のものだった。

 

ミスタは写真の男を指差しながら説明を始める。

 

「名前は『エスター』、『グレートカルーソ』の頭目………ここまで言えばわかるだろ?」

「わかりません!」

 

食い気味に否定したのはメガネの男、『ピスカ』だ。その外見に見合わず、頭の方は残念な出来である。

 

「具体的に!具体的に説明を!抽象的に匂わすなんてそれが間違っていた時オレの責任になるんですよ!しっかり言ってください!」

「『エスター』を暗殺しにいくんだ俺たちは。わかったか?」

「なんのために!!!!」

 

(それもわかんねぇのかよ!?!?)

 

喉元までデカかった言葉は

 

「それもわからないのかお前は………」

 

イタリア国旗ビキニの美女、『ヌメロ』が代弁したおかげで出なかった。

 

「わからないものはわからん!!!!」

「はあ………いいかピスカ殿。あたし達は今この『グレートカルーソ』と敵対中なのだ。その頭目の場所がわかった。ならば殺しに行くって言うのが通りよ。わかったか?」

「あー………なんとなく!!!!」

 

ヌメロの目は引いていた。その肩に手を置く男が1人。髭面の伊達男、『フォーイア』である。

 

「まあまあカウガールそんな残念な顔をするな。お馬鹿さんは放っておいて先に進もうぜ⭐︎」

「お主………そうだな、ミスタ殿、あたし達のやることの先を教えてくれ」

「………あ、ああそうだな。」

 

ズレた路線をたてなおしたフォーイアに感謝しつつ、ミスタはミッションの概要を説明する。

 

「『エスター』はいまアメリカにいる。俺たちはとにかくアメリカに乗り込んで奴らの本拠地を襲い、『エスター』を殺す。それでおしまいだ」

「あのお………ミスタさん、殺すターゲットは『エスター』だけでいいんすか?」

「心配はねーぜアロスト。『エスター』を殺せば『グレートカルーソ』は壊滅したに等しいからな(信じるぜジョルノさんヨォ………)」

 

【『グレートカルーソ』が『B.O.W.』を使い潰せる理由は『エスター』にある】

 

それがスピードワゴン財団がつかんだ情報である。『グレートカルーソ』の強さは『B.O.W.』のおかげ。それをどうにかできればいいのだ。

 

「『グレートカルーソ』には色々と借りがある。是非とも晴らしたいところですねぇええ。」

 

フォーイアが唸る。

 

(このミッション。クリアすることでまた一つ出世につながるんじゃないだろうか?ウヒョォォ早く『エスター』ってやろうぶっ殺しテェぇ)

 

アロストが思案する。

 

「いいねぇ。アメリカには行ってみたかったところなんだよ。あたしもしっかりやりますわ!」

 

ヌメロが気合いを入れる。

 

「ふん!このミッションをクリアできたならオレの評価も上がるのだろ?ならば断る理由なんぞない!」

 

ピスカは断言する。

 

「よし………じゃあお前ら行くぞっアメリカっ!」

 

ミスタの言葉に4人は拳をあげた。

 

ガシャァァァァァンッッッッッ!!

 

その時店の窓が割れる。何が起きたと見る5人。

 

「ぶっしぁぁあ!!」

 

そこには化け物がいた。長い爪がある二足歩行のワニのような風貌。『ハンター』と呼ばれる『B.O.W.』だ。

 

割れた窓から『ハンター』が何匹も入ってくる。その数10匹。さらにその背後には数十匹のゾンビがノロノロと我先に入ってきた………

 

「おいおいおいいきなり鉄火場かよ!」

 

ミスタは4人に指令を出す。

 

「お前ら!新生『暗殺者(ヒットマン)チーム』の初陣だ!腐った肉を操る程度でなにかをした気になってるクズ野郎どもを打ち止めしたやれ!」

『了解!!』

 

『ぶっしゃあぁあ!!』

 

飛びかかる『ハンター』。ギラリ刀のように光る爪が5人を襲う。だがその爪が命を奪うことはなかった。

 

「こんなもの?期待外れも………いいところね!」

 

ヌメロが肩で『ハンター』の爪を止めていたのだ。その身体からは湯気が立ち上がり、周囲の空気を熱くする。

 

「ゴラァ!!」

 

ヌメロのパンチ!力任せのストレートが『ハンター』の顔を一撃で破壊した。半壊した『ハンター』の死骸からは湯気が立ち上る。完全に焼き焦げていた。

 

「おいおい、私にも出番をくださいな☆彡」

 

ヌメロの横を通り抜けフォーイアが飛び出す。

その背中から幽霊のようなものが飛び出た。

 

女性体系の幽霊である。イチゴ柄が入った黒ジャケットを着ており、その顔はポップコーンのように白く凸凹している

 

「『ポップコーンナンシー』」

 

フォーイアはその幽霊の名前を呼ぶと操る。

『ポップコーンナンシー』は近くにある机を掴むとゾンビに投げつける。

 

ビュゥゥゥゥパァーン!!

 

「ぎゃァァっすぅ!!」

 

机が『風船』のように膨らむと弾け飛び、周りのゾンビ達に突き刺さる。木製の手榴弾のようだ。この一撃でゾンビは頭や足を破壊され、半数が動けなくなっている。

 

「ああもう!ボクの獲物を減らさないでくれよ!」

 

悲鳴をあげるアロストの手にはいつの間にか銃が握られていた。メカニカルな黒い拳銃である。アロストがトリガーを引くたびにゾンビの身体が吹き飛んでいく。

 

「ゾンビは………点数が安いや。やっぱ大物狙わないと………」

 

ぶつぶつ呟くアロストの背後に『ハンター』。油断した獲物を捕らえようと爪を振り上げる。

 

「っあっちょぉ!!」

 

アロストは『ハンター』の爪を蹴り、頭を吹き飛ばす。そして銃の横を叩く。するとそこから画面パネルが現れた。

 

「おっしゃっ!!『ハンター』は点数が高いぜ!!」

 

画面パネルを叩くアロスト。一通り動作を終えると、彼の手にもつ銃の形が変化していた。さっきまでがハンドガンとすると今はショットガンである。

 

「まだまだ点数が足りねぇぜ。こいやぁ!!」

 

アロストはショットガンを連射。その度にゾンビが壁のシミに姿を変えた。

 

「野蛮極まりない!!誰が掃除するんだよこれを!!!!」

 

ピスカは3人の暴れ振りを見て怒りを覚えていた。その姿はあまりにも無防備で、『ハンター』がやってくる。

 

飛びかかる『ハンター』。だがその爪がピスカまで届くことはない。彼も幽霊を出していたのだ。

 

警備員のような蛍光色の襷を着た男性型の幽霊だ。『ハンター』の膂力を全く意に変えさず、押さえ込み………引きちぎる!

 

『ハンター』は悲鳴をあげた『はず』だ。断定ができないのは『ハンター』の声が聞こえなかったからだ。無言で揺れる『ハンター』を無視し、他の3人を襲ってる『ハンター』へ近づくピスカ。

 

走っているのに無音。『ハンター』が接近に気づいた時には遅く、その顔は床にキスして潰された。

 

「ぎゃァァっす?!」

ドタドタドタっ!!

ぐっチャァあ!!

 

音が遅れて聞こえた頃、店内は地獄絵図とかし、『B.O.W.』は奇妙な言い方ではあるが皆死んでいた。

 

5分足らずで起こった惨劇にミスタは眉を動かす、うなづく。

 

「うん、ムッチャクチャ強いなお前ら。無敵じゃない?」

 

その褒め言葉に反応しようとした4人は硬直した。何か得体の知れない雰囲気のものが来ていたからだ。

 

黒いトレンチコートに帽子。その身長は2mを優に超える。

 

『タイラント』、『B.O.W.』の傑作。『パッショーネ』はこいつのおかげでメンバーや協力者が多く死ぬこととなっている。

 

「いいもの見せてもらったからな。今度は俺の番よ」

 

臨戦態勢をとる4人をミスタは下がらせた。ズンズンと床を壊しながら近寄ってくる『タイラント』。その姿を光のない黒目で揺らぐことなく見つめるミスタ。

 

腰から武器を取り出した。

 

「いつもの銃じゃない?!」

 

アロストは驚愕する。聞いていた話と違う得物を持っていたからだ。

 

太い銃である。側から見てリボルバーであることはわかるが、その大きさはショットガンを思わせる重厚さだ。手に隠れて刻まれた羽根がミスタの掌とフィットし、ブレることがない。

 

『レクイエム』。それがこのリボルバーの名前だ。

 

ミスタはトリガーを6度引いた。反動を全く気にせず6発。正確に『タイラント』の胴体へ向かっていく。

 

その弾は象をも倒す、12.7×55mm。『タイラント』もひとたまりもない………と思われた

 

「なんだと………っ?」

 

フォーイアは驚愕する。胴体に命中し貫通した6発の12.7×55mmを全く気にせず、タイラントはこちらに迫ってきているではないか!

 

「ミスタ殿?!」

 

ヌメロの慌てる声をミスタは無視した。そして宣言する。

 

「いけっ『セックス・ピストルズ』!!」

 

『いいっやっはぁぁぁぁーー!!!』

 

甲高い小さな声が響いた。それはスタンドという種類の幽霊。ミスタのが持つスタンドは小さな6人の妖精たち。

 

『No.2!3!5!6!7!イックゼヤロォドモォオ!!!』

 

頭に1と数字が入った妖精が仲間の妖精と連携し、タイラントから飛び出た弾丸を蹴り返す。

 

その弾はタイラントの脳を正確にぶち抜き、華を咲かせた。だが、それだけでピストルズは終わらない。

 

『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』『パス!』

 

サッカーのパス回しの如く、何度も弾丸を蹴り返し、タイラントの身体を貫き続ける。ついにタイラントは物言わぬ肉塊へと姿を変え、沈黙。床へ突っ伏した。

 

『イエエイ!!』

『イエエイ!!』

『イエエイ!!』ばきっ『ウェーン!!』

 

「おい!No.3!またNo.5をぶち上がってだめだろ!」

 

ミスタは自分のスタンドに説教を始める。目を背ける肉片を作り出した張本人とは思えない呑気さだ。

 

その姿を見て4人はミスタという男を恐ろしく思えた。彼こそがまさにギャングの鏡と言える人物なのだろう。

 

そしてこの4人の中にいる『裏切り者』は思った。

 

(この男を殺せるのか?)

 

◇◇◇◇◇

 

「ミスタ、今回のミッションは『エスター』の暗殺だけではありません。この4人の中に『裏切り者』がいます。表向きはこのミッションにふさわしいスタンド使いだけを集めたということになっていますが、本当はこの4人が一番疑わしい人間なのです。ミスタ、これは信用できるあなたにしか頼めません。裏切り者を特定して始末してください。」

 

ジョルノの裏の指令を思い出すミスタ。その顔は若干暗い。

 

(くっそォォ4月、4月じゃなきゃぁなあ!!せめてもう少し後になってくれれば?!)

 

だが時間がないのも事実。ミスタは思った

 

(恨むぜぇジョルノ!この不安は裏切り者を見つけ出した時に存分にぶつけてやる………!)

 

ヘリコプターに揺られながらミスタは思う。

だが、ミスタのジンクスはこの後最悪の形で激突するのだった………

 

 

『プロローグ グイード・ミスタ、最悪の4日間』

 

裏切り容疑者

 

ピスカ

男性

17歳

メガネ

清掃チーム所属 

スタンド名『どON』

 

ヌメロ

女性

21歳

イタリア国旗ビキニ

密輸チーム所属  

スタンド名『楽園ベイベー』

 

アロスト

男性

14歳

ゲーマー

武装管理班所属  

スタンド名『スーパーシューター』

 

フォーイア

男性

22歳

既婚者

後処理班所属

スタンド名『ポップコーンナンシー』




Q.なぜバイオハザードとクロスオーバーしてるのですか?
A.ミスタにレクイエムを持たせたかったから。

Q.レクイエムって5発じゃない?
A.このレクイエムは6発撃てます…

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