夢想少女ノ魔女裁判   作:タイホくん

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日常パート その19

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───同日 12時15分 牢屋敷内 食堂───

 

(推奨BGM「迷宮の徒」♪8)

 

 本日2度目の自由時間がやってきました。囚人たち13人全員が食堂に集い、昼食を摂っています。

 

リナ

 「うげ~。相変わらずなんとも言えない味っしょ、マジで」

 

 「セリねえ、いらないならアタイがもらうぞ!」

 

リナ

 「頼んだわ~。特にこの緑のペーストがゲロマズだわ」

 

 炊事当番がまだ明確に定められていないため、私たちの食事は相変わらず例の不味い食事のままでした。ですが、それももう後少しの辛抱です。リクアさんの計画が成功すれば、食事の質は改善できるはずです。

 

クア

 「よし。みんな注目」

 

 やはり早々に食事を終えたリクアさんは、立ち上がると手をパンパンと鳴らして全員の注目を惹きます。

 

クア

 「本日午前中の自由時間で、計画に必要なものが概ね揃った」

 

クア

 「まず、倉庫から常盤クンの活躍で小麦粉が。ついでに、副産物として大量の舞台用照明が発見された」

 

 どこからともなく拍手の音が上がり、シヅハさんは照れ笑いを浮かべています。しかし、その表情にはやや陰りがあるようにも見えました。食事が不味いからでしょうか‥‥。

 

クア

 「また、これは現在進行中だが、牢屋敷近くのゲストハウスからマットレスを拝借することができた。これを使えば我々の硬いマットレスから柔らかいマットレスに交換することができる」

 

クア

 「これは早瀬クンと篠宮クンに手伝ってもらった。全員分の回収ができるまで、また誰かの手を借りると思うが、そのときはよろしく頼む」

 

 またも拍手の音が上がりました。早瀬さんは特に反応すること無く、腕を組んで目を閉じ平然とした様子です。

 

クア

 「そして最後に、サンルームおよび倉庫から野菜の種と農具を複数発見した。これで農作業に移れる」

 

 リクアさんはポケットから新しい野菜の種を取り出すと、私たちに示しました。

 

クア

 「したがって、今回の自由時間から計画を実行に移そうと考えている。ここまでで何か意見のある者は?」

 

 リクアさんは全体をグルリと見回します。

 

ナデ

 「では、1点伺いたいのですが」

 

 カナデさんが遠慮気味に手を挙げました。

 

ナデ

 「先ほど、舞台用の照明がどうの、と言っていましたが‥‥それはどのように使うつもりなのでしょう」

 

 実物を目にしていない人はもちろん、倉庫で実際に物を見た私でさえあの照明はどのように使うのか、想像がついていませんでした。リクアさんの返答に思わず体が少し前のめりになります。

 

クア

 「照明については‥‥この牢屋敷内に設置できる限り設置する予定だ。理由としては、牢屋敷全体を明るくするためだ」

 

クア

 「この数日間過ごしてきた人間なら誰でも感じていることだと思うが‥‥この牢屋敷は全体的に暗い。これでは無意識の内に気分が滅入ってしまうだろう」

 

クア

 「人間意外と“光”というものの存在は重要だ。この牢屋敷に中庭が設置されているのも、陽の光を取り込んで少しでも建物の中を明るくしようとした結果なのだろう」

 

クア

 「だが、2階にはほとんど窓がなく、心もとない照明しか無い。地下に至っては当たり前だが、そもそも窓がない。倉庫で発見した照明を用いることで屋敷全体を明るくするのが目的だ」

 

 「この牢屋敷、変なところでハイテクだから‥‥あちらこちらにコンセントがたくさんあるのを見ている。電源の供給もそれならなんとかなりそう‥‥」

 

クア

 「今の指摘のとおりだ。順次倉庫から照明を搬出し、設置。明日から一斉に稼働しようと考えている。これで疑問に答えられたかな?」

 

 リクアさんの言葉にカナデさんは軽く頷きました。フウ、と一息ついたリクアさんは続けます。

 

クア

 「と、いうわけだ。これから班分けを行い、作業に移りたいと思う」

 

 リクアさんは机の下から小さな箱を取り出しました。曰く、先ほどの拘束時間の間に作ったくじのようで、これを引いてランダムに班分けを行うとのことです。

 班は全部で3つ。屋敷内を掃除する係と、照明を搬出する係、そしてゲストハウスから寝具を運び出し、監房に配置していく係です。

 リクアさんの言われるがままに私たちは列をなし、1人1枚ずつくじを引いていきました。

 

クア

 「では、引いたくじの係として今日は行動してもらいたい。以上だ」

 

 くじの結果、私は掃除係に選ばれました。他のメンバーは、セリナさん、チサさん、ミトさん、シヅハさんの4人です。掃除が一番手間がかかりそうとのことで、他の班よりもメンバーが1人多いようです。

 

 食堂で班ごとに分かれて解散した後、私たちは監房から順番に掃除をして回りました。

 途中チサさんが『お腹が空いた』とごねだすのをセリナさん始め4人がかりでなだめるイベントが複数回発生しましたが、それ以外は何事もなく順調に事が進んでいきました。

 

 特にシヅハさんの影操作の魔法はかなり掃除に有効でした。1人で複数の掃除用具を操り作業が行えるため、単純に効率が3倍になるからです。

 初めて彼女の魔法を見た私以外の3人は、目を丸くして彼女の魔法をマジマジと見つめていました。縄が色んなところに動くたびに、3人ともつられて顔を動かしていたのがなんだか印象的で可愛らしかったです。

 

 掃除をしながら牢屋敷内の色々なところを周っている間にも、照明班が倉庫から照明を運び出している様子が度々見受けられました。

 中庭に照明は置けないのではないかと思っていましたが、長い延長コードで無理やり電源をつなぎ、雨対策にはどこかから見つけてきた傘をかけることで対応するようです。

 

 しかしながら、流石に感電の危険があるため、シャワールームへの照明の設置は見送られたようです。

 生活環境改善のはずなのに、うっかり事故が起こってしまっては本末転倒なので仕方のないことだと思いますが、道中出会ったリクアさんはシャワールームにも可能ならば照明を設置したいと語り歯噛みしていました。

 

 途中拘束時間を挟みましたが、掃除は順調に進んでいき、やがて日が落ちて行きました。

 それからしばらく経った頃、就寝時間の1時間半前、20時半頃にはその日の作業は終了となりました。

 寝具班のおかげで、いくつかの監房のベッドのマットレスが取り替えられました。これまたいつの間にかリクアさんが作ったくじ引きでランダムに配給がされたようで、私は対象外でしたが‥‥。早くあの柔らかいマットレスで眠りたいものです。

 

 こうしてその日の作業を終えた私は、掃除班のみなさんとシャワールームに向かい、今日1日の疲れを洗い流すことにしました。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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