私は現場となったシャワールームを訪れていました。入って左手に曲がり、シャワールームの一番奥のブースへと向かいます。
既に到着していたアキラさんとリヴィアさんに加えて、ミオリさんも捜査に加わっていました。ミオリさんはリクアさんの死体を前に合掌しています。
【リヴィア・ローゼンタール】
「みだりに死体には触れるな、ということでしたし‥‥写真でも撮っておきましょうか」
リヴィアさんがスマホを取り出して撮影しています。アキラさんはかがみ込んで、めぼしいものがないか探していました。
【篠宮 マコト】
「あ、あのー‥‥」
【早瀬 アキラ】
「ああ、篠宮か。お前も調べに?」
アキラさんの問いに私は軽く頷きます。
【篠宮 マコト】
「ええ。辛いですが‥‥今はとにかく情報の確保が急務です。私も手伝います」
【早瀬 アキラ】
「分かった。俺はザッとだが周辺の確認は行った。一旦場所を譲る」
アキラさんは立ち上がり、死体の前のスペースを開けてくれました。
さて‥‥では、現場検証と行きましょう。
私は死体の全体を観察します。リクアさんの死体は力なく倒れており、もう彼女が起き上がることがないという事実を改めて目の前につきつけられます。
【篠宮 マコト】
「これ‥‥死体には触れてもいいのでしょうか。可能ならば、簡易的な検視を行いたいのですが‥‥」
【倉科 ミオリ】
「マコト殿、検視なんてできるのですか!?」
【篠宮 マコト】
「ほんの少しだけ知識はあります。素人の真似事に過ぎませんが‥‥」
【早瀬 アキラ】
「まあ、《みだりに触るな》って言い方だったからな‥‥必要があるなら構わないんじゃないか?」
【リヴィア・ローゼンタール】
「既に写真は撮ってありますし、わたくしたちが立会人として見ているから問題はないでしょう」
【リヴィア・ローゼンタール】
「真相解明のため、という大義名分もありますし。‥‥よろしいんではなくて?」
一応、この場にいる全員の同意は得られました。一度深呼吸をした私は、意を決してリクアさんの死体に触れます。
私は時刻を確認し、首筋とみぞおちに指先をあてました。体幹はまだ温かく、肘や指はほとんど抵抗なく曲がりました。
背中側に薄い紫紅の沈みが出かけていますが、押すとすっと消えていきます。
瞼は半ば開いた状態で、口と鼻の縁に細かな泡が残っていました。
【篠宮 マコト】
「体はまだ温かいです。関節の固まり‥‥いわゆる“死後硬直”は出始める前段階。背側の色も固定していません」
【篠宮 マコト】
「口鼻の泡は溺死の可能性が高いことを示します。死因はおそらく溺死でしょう‥‥」
【篠宮 マコト】
「私たちがリクアさんと別れた時間も込みで考えると‥‥死亡推定時刻は、今から30分から50分ほど前。大体、14時ごろの死亡だと思います」
リクアさんの口からはわずかに泡が出ていました。
さらに、見開かれた目は充血しており、唇は青紫色に‥‥いわゆるチアノーゼが出ています。現場と死体が濡れている状況から、彼女の死因が溺死であることに疑いの余地はありません。
まだ温かい死体に触れると、生前のリクアさんの姿を思い出してしまいます。けれども、調べているうちにも彼女の死体は少しずつ冷たくなっていきます。
【早瀬 アキラ】
「14時前後‥‥井戸から上がって、すぐの時間帯だな」
私たちと分かれた直後に殺されたとみて間違いないでしょう。この情報はきちんとメモに取っておいたほうがいいですね。
・検視記録
被害者、真壁リクアの検視記録
※詳細※
被害者: 真壁リクア
死因: 溺死(推定)
死亡推定時刻: 4月10日 13時50分~14時頃
【篠宮 マコト】
(死体の大まかな検視はこんなところでしょうか‥‥)
一度立ち上がると、私は改めて死体の全体をザッと見回します。
排水溝の周囲は円を描くように少しだけ窪んだ形になっています。スケールの物凄く低いアリ地獄‥‥とでも言えばいいのでしょうか。周囲に集まった水を排水溝に誘導しやすい形になっているようです。
もし排水溝に何かが詰まっていれば‥‥きっとこのスペースに水が溜まるはずです。
リクアさんの死因は溺死‥‥自然に考えるなら、この窪んだ部分に水を溜め、顔を押し付けられて殺害されたはずです。
そのまま死体は放置され、発見されるに至った‥‥事件の筋書きはそんなところでしょう。
【篠宮 マコト】
(‥‥? なにか引っかかりますね)
自分の考えを反芻している内になにか違和感を覚えました。もう一度全体を見回します。
充血して見開かれた目、青紫色になった唇、口元に泡。死体は仰向けに倒れていて、服は全体が濡れている‥‥。一見すると、特におかしなところはなさそうです。
では、今の違和感は一体‥‥?
今はまだ分かりませんが‥‥この違和感の存在自体は忘れないようにしておいたほうがよさそうです。
【リヴィア・ローゼンタール】
「随分マジマジとご覧になられているようですが‥‥よろしければ、わたくしが撮った写真、篠宮さんもご入用かしら?」
後ろからリヴィアさんが話しかけてきました。そういえば、自分のスマホで現場写真を撮っていませんでした。せっかくですし頂いておきましょう。
【篠宮 マコト】
「ありがとうございます。スマホに送信してください」
すぐに通知音がなりました。これも魔女図鑑の方にファイルしておきましょう。
・現場写真
リヴィアが撮影した現場の写真。事件発覚時点の状態を正確に撮影したもの
※詳細※
・死体に現れた特徴: 見開かれた目が充血している・唇が青紫色に変色している・口元に泡がある
・死体の状態: 仰向けの状態で発見・衣服全体がビショビショに濡れている
死体をよく観察していると、リクアさんの顔の周りになにか妙な痕がついているのが確認されました。
その部分だけ、わずかにくぼんだような形跡があり、肌の色も少し変わっています。何かに強く押し付けられた痕だと見て取れました。
【篠宮 マコト】
「この顔の痕の形‥‥いったい何でしょう?」
【早瀬 アキラ】
「おそらくだが‥‥ここのタイルの溝の形じゃないか?」
アキラさんシャワールームの床を指差します。タイルはよくある四角いものを並べた作りになっていて、タイルとタイルの間には僅かに隙間があります。
カビが溜まりやすいんですよね、ここ‥‥今朝もセリナさんが苦戦していました。
そんなタイルの溝と同じ太さ、感覚の跡がリクアさんの顔に残っています。これは‥‥押し付けられた時についたのでしょうか。
死体に残った明確な人為的痕跡です。記録しておいたほうがいいですね。
・被害者の顔の痕
被害者の顔に残った特徴的な形の痕。押さえつけられた際についたと考えられる。
・シャワールームのタイル
現場のシャワールームの床材。死体の顔に残っていた跡に酷似している。
死体をよく見ていると、明らかな違和感に気が付きました。
【篠宮 マコト】
「皆さん、ここ、見てください。なにかアザのようなものが見えます」
死体の首の横側に細長い痕が見えました。私の言葉に反応して皆さん死体を覗き込みます。
【リヴィア・ローゼンタール】
「あら本当。でも彼女、確かチョーカーのような装飾品はお召しになられてなかったはず」
【早瀬 アキラ】
「そもそも、アザが付くくらいキツく締め付けるようなもんじゃねえだろ」
【倉科 ミオリ】
「影になって少々見づらいですが‥‥このアザ、後ろの方まで繋がっているようですな」
ミオリさんの言う通り、アザは首の後ろの方まで続いているようでした。
ほんの少し死体の顔を持ち上げ裏側を確認してみると、彼女の予想通りアザは裏側にもありました。途切れること無く、U字型のアザを形成しているようです。
【早瀬 アキラ】
「妙な形のアザだな‥‥首の周りについてはいるが、1周していない。何の痕跡だ‥‥?」
【篠宮 マコト】
「ともあれ、記録しておいたほうがよさそうですね」
私はスマホを取り出すと、アキラさんに死体を支えてもらっている間に撮影を行います。‥‥よし、うまく撮れました。情報を記録しておきましょう。
・首の周りのアザ
死体の首周辺についていたアザ。U字型になっており、首の後ろから側面にかけてついている。正面部には痕がない。
殺害される際に抵抗したのか、リクアさんの服は少しはだけていました。おへその辺りがほんの僅かに見えています。
その小さな隙間をよく見ると‥‥なにやら違和感がありました。
【篠宮 マコト】
「‥‥死体の腰周辺、なにかありそうです」
【倉科 ミオリ】
「そのようですな。リクアさんには申し訳ないですが‥‥失礼して」
ミオリさんが死体の服を少しずらすと、腰周辺に細長い痕が残っているのが見つかりました。
慎重に死体をひっくり返してみると、グルリと1周しているのが分かります。
【篠宮 マコト】
「この痕は‥‥」
私にはなんとなくこの痕に思い当たるフシがありました。
【早瀬 アキラ】
「鍬を拾いに行ったときの命綱の痕‥‥なのか?」
リクアさんの死の直前。私たちは、彼女の体にロープが巻き付けられる場面を見ていました。
実際この命綱はしっかりと機能を果たし、転落しそうになったリクアさんを釣り上げる役割も果たしました。
けれども‥‥リクアさんは一連の作業をすべて命綱任せにしていたわけではありません。力がない彼女なりに、なるべく自分の身体を使って降下作業を行っていたはずです。はたしてここまでしっかりとした縄の痕が残るのでしょうか‥‥?
アキラさんの反応も、この縄の痕の存在に疑問を呈しているように見受けられます。怪しい痕跡とみたほうが無難でしょう。情報をメモしておきましょう。
・腰の周りのアザ
死体の腰周辺についた縄のような細長い痕。身体全体を一周している。被害者の死亡直前に命綱として巻かれたロープの位置と太さに酷似している。
私は死体の足元に注目します。
【篠宮 マコト】
(泥はしっかりと落とされているようですね‥‥)
鍬を拾いに古井戸に降りた際、底の泥が想像よりも深かったため、リクアさんの足元は泥まみれになっていました。彼女が一時離脱したのは、降下の際の怪我の治療に加え、この泥を落とすためでもありました。
その泥は綺麗サッパリ洗い流されています。泥はどこにも残っていません。リクアさんが泥を流した後に殺されたのでしょうか‥‥それとも、殺害された後犯人が洗い流したのでしょうか‥‥。
今判別することは難しそうです。
死体のすぐそば、足元の辺りに固形石鹸が落ちていました。まだ形が崩れておらず、新品そのものと言ってもいいでしょう。
【篠宮 マコト】
「なんで石鹸が床に落ちているのでしょう」
【倉科 ミオリ】
「そりゃまあ‥‥シャワールームですし、あたりまえなのでは?」
【早瀬 アキラ】
「誰が床に石鹸なんか放置するんだよ。滑って転んじまうぞ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「そういえば、このブースの石鹸置き場、既に使用されている石鹸が置いてありますわね」
リヴィアさんがシャワーの栓の近くにある石鹸を手に取ります。こちらは既に使い込まれているようで、一回り小さくなっており全体が濡れてヌルヌルになっているようです。
一方で、床に落ちている石鹸を触ってみると‥‥。
【篠宮 マコト】
「‥‥あれ、おかしいですね。この石鹸、”裏面しか”濡れていません」
床の石鹸は、裏面‥‥すなわちタイルに接している方は濡れています。床が濡れているので当たり前の話ではあるのですが‥‥。
ところが表面は一切濡れていません。乾き始めているというレベルではなく、“全く濡れていない”と形容するのが一番ふさわしいと言えるくらいに。
‥‥そもそも、まだシャワーブースに石鹸が残っているのに新品の石鹸がここにあるのもおかしな話です‥‥。なぜこんなものがここにあるのでしょうか。記録を取っておいたほうがよさそうですね。
・床に落ちた石鹸
死体の足元付近に落ちていた石鹸。タイルに接している裏面は濡れてヌルヌルになっているが、表面は水がかかった形跡が一切ない。
リクアさんの死体の周辺を見ていると、排水路にほんの僅かに髪の毛が残っているのを見つけました。長さや髪色から見るに、リクアさん以外のものも混じっていそうです。
そういえば、今朝ここを掃除したときに、セリナさんが排水口に詰まっていた髪の毛を除去していましたね‥‥。
───────
セリナさんはシャワーの栓を捻るとアチラコチラに散水を始めます。3つあるシャワーブースにそれぞれ水が流れていきます。ところが、そのうち、一番奥にあるシャワーブースだけ水が流れていきません。
【星谷 セリナ】
「ありゃ? どうなってんだこれ」
同じく疑問に思ったセリナさんが近づいて確認します。
【星谷 セリナ】
「あちゃー。髪の毛めっちゃ詰まってるし」
私も排水口を覗いてみます。見ると、いろんな長さや色の髪の毛が複雑に絡み合って詰まっています。これでは流れるものも流れません。
【星谷 セリナ】
「そういや昨日もここ使ったけど、思い返せば流れにくかった気がすんな~。チサっちに気ィ取られて気がつかなかった」
セリナさんはしゃがみ込むとためらいなく排水口の金網を外して、中に溜まった髪の毛を取り除きます。ゴム手袋越しとはいえ、抵抗なく手を突っ込んでいます。
【篠宮 マコト】
「き、気持ち悪くないんですか‥‥?」
【星谷 セリナ】
「? いや、まあ掃除ってそんなもんっしょ」
【星谷 セリナ】
「あーし、家ではよくこれやってたし。女が多い環境ならしょっちゅう起こる現象だからね~」
確かに、ここに攫われてきているのは全員少女です。髪の毛が長い人も多いでしょう。詰まりやすいのも納得です。
髪の毛の除去自体はすぐに終わりました。溜まっていた水はゆっくりと流れていきます。
───────
あの時掃除した髪の毛が、まだ残っていたと考えるのが自然でしょうか。
‥‥一応、この情報もメモしておいたほうがいいかもしれません。
・排水口に詰まった髪の毛
現場となったシャワールームの一番奥のブースに詰まっていた髪の毛。水の流れを阻害していた。事件当日の朝、星谷セリナによって除去されている。
【倉科 ミオリ】
「おや? そういえばこの部分‥‥」
私が死体の観察を続けていると、ミオリさんが何かに気がついたようです。
【篠宮 マコト】
「ミオリさん、なにか気がつきましたか?」
【倉科 ミオリ】
「ええ。ここ‥‥えーっと、シャワーカーテンと言えばいいのでしょうか。これ、こんなに破れていましたっけ?」
ミオリさんが指さしたのは、プライバシー保護のために用意されたシャワーカーテンです。確かに、隣とそのまた隣のブースのカーテンは破れていません。
しかし、死体のあるブースのカーテンのみ、乱暴に引きちぎられています。
【リヴィア・ローゼンタール】
「被害者がもがいているときに、必死になって掴んだ結果破れた‥‥というのはどうかしら?」
【倉科 ミオリ】
「いえ‥‥物理的に距離があって被害者にこのカーテンを掴むことは、ほぼ不可能です」
死体からシャワーカーテンはバスタブ1つ分、物理的な隔たりがあります。確かに、被害者が掴んで破れた、という可能性は考え難いです。
では一体なぜこのカーテンは破られたのでしょう‥‥?
不可解な点ですし、記録に残しておくべきですね。
・破れたシャワーカーテン
死体があったブースのカーテンは破られていた。残る2つのブースのカーテンは対照的に破られていない。
【リヴィア・ローゼンタール】
「殺人事件‥‥起きてしまいましたわね」
【篠宮 マコト】
「ええ‥‥まさか、ゴクチョーさんの宣言通りになってしまうとは‥‥」
【リヴィア・ローゼンタール】
「殺人が発生した‥‥すなわち、わたくしたちの仲の誰かが大きく魔女化を進行させたということになります。一刻も早く事件を解決しなければ‥‥殺人衝動がさらに増幅して、とんでもない事態になりかねません」
【リヴィア・ローゼンタール】
「しっかりと、調査に励むことに致しましょう」
【篠宮 マコト】
(‥‥そうです。この事件をきちんと解決しないと‥‥犯人に寄って、また同じ事が繰り返されてしまいます。必ず謎を暴かないといけませんね‥‥)
【篠宮 マコト】
「事件について、何か気になったことはありますか?」
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥‥‥‥‥。ぱっと見た限りは、事故のように見えなくもありませんが‥‥はたしてどうなのでしょうね」
【リヴィア・ローゼンタール】
「今はまだ、何とも言えませんわ。わたくしも、こんな事件は生まれて初めて遭遇するので」
【篠宮 マコト】
(‥‥まあ、コメントの仕様がないですよね)
【早瀬 アキラ】
「つい数十分前まで生きていた人間が、死体になって発見される‥‥何度経験しても嫌な経験だな」
【篠宮 マコト】
「“何度経験しても”‥‥? アキラさん、人の死に直面するのは、これが初めてじゃないんですか?」
【早瀬 アキラ】
「‥‥言葉の綾ってやつだ。気にするな」
【篠宮 マコト】
「わ、分かりました‥‥」
(冗談には聞こえませんでしたが‥‥)
【篠宮 マコト】
「事件について、何か気づいたことはありませんか?」
【早瀬 アキラ】
「‥‥いかんせん捜査の経験不足が否めないことを痛感させられている」
【早瀬 アキラ】
「俺たちは捜査の素人だ。‥‥そんな俺らにこうやって捜査をさせる時点で‥‥運営側は、結果がどうなろうが知ったこっちゃないってことなんだろうな」
【篠宮 マコト】
(運営は、私たちの生死を気にしない‥‥ということですね。‥‥思うようには絶対にさせません‥‥!)
【倉科 ミオリ】
「うう‥‥創作の世界では殺人事件など日常茶飯事ですが‥‥いざ現実に起こられると、こう‥‥色々と体に悪いですな‥‥」
【倉科 ミオリ】
「まさか、本物の死体を‥‥それも知り合いの死体を、こんな形で見ることになるとは思ってもいませんでした」
【倉科 ミオリ】
「‥‥結構心に来るものがありますな」
【篠宮 マコト】
(あのミオリさんでさえ、事件を前に心がすり減っているようです。私も‥‥気をつけないといけませんね)
【篠宮 マコト】
「何か、気になったことはありませんか?」
【倉科 ミオリ】
「ううむ‥‥外と違って、ここではカガク捜査なんかが出来ないのがネックですな‥‥」
【倉科 ミオリ】
「カガクを用いて効率よく調べることができれば、犯人特定も容易なのでしょうが‥‥」
【倉科 ミオリ】
「それこそ、今回の被害者のリクアさんが生きていれば、あるいは‥‥惜しい人を亡くしました」
【篠宮 マコト】
(カガク捜査‥‥出来るなら、それに越したことはありませんが‥‥難しいでしょうね)
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥なんですの、それ?
【篠宮 マコト】
「あ、その‥‥私が身につけてるバッジです」
【リヴィア・ローゼンタール】
「なぜいきなり鼻先につきつけられたのかしら? くどいているのかしら?」
【篠宮 マコト】
「い、いや別にそういうわけでは‥‥」
【リヴィア・ローゼンタール】
「ふざけないでいただけるかしら、篠宮さん?」
【篠宮 マコト】
(‥‥怒られてしまいました)
【リヴィア・ローゼンタール】
「その方についてお話できることはございません。もっと建設的な話をなさって?」
【篠宮 マコト】
「わ、分かりました」
(特に情報は得られなさそうですね)
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥ふふ。‥‥んふふ」
【篠宮 マコト】
(意味深な笑いを浮かべたっきり、何も言わなくなってしまいました‥‥)
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
【早瀬 アキラ】
「‥‥どうした。死体を見たショックで気でも狂ったか?」
【篠宮 マコト】
「いえ! 私は至って正気です!」
【早瀬 アキラ】
「‥‥ならなんで唐突にバッジをつきつける‥‥」
【篠宮 マコト】
「それはその‥‥何となく、ですね」
【早瀬 アキラ】
「‥‥お前という人間が分からなくなってきたぞ、俺は」
【篠宮 マコト】
(‥‥呆れられてしまいました)
【早瀬 アキラ】
「‥‥まだ裁判は始まっちゃいねえ。今は誰が犯人か疑うのは辞めにしよう。‥‥捜査の目がくぐもっちまう」
【篠宮 マコト】
「わ、分かりました」
(特に情報は得られなさそうですね)
【早瀬 アキラ】
「な、なんで急にあいつの事を聞こうとするんだ‥‥! ‥‥今は関係ねえだろ」
【篠宮 マコト】
(そっぽを向かれてしまいました。‥‥やはり、リヴィアさんの話題には弱いようですね)
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
【倉科 ミオリ】
「‥‥やはり、バッジをつきつけるというのは、主人公の伝統なのですな!」
【篠宮 マコト】
「な、何のことでしょう‥‥」
【倉科 ミオリ】
「またまたァ! これ見よがしにムンズとつきつけておいて~。このこの~!」
【篠宮 マコト】
(ほ、本当に何が言いたいのでしょう‥‥ただバッジを見せただけなのに‥‥)
【倉科 ミオリ】
「‥‥なるほど。この方の魅力について語ればよろしいのですな?」
【篠宮 マコト】
「ち、違います! 何か情報があればなーと思っただけです!」
(ミオリさんには迂闊に他の人の話を振らないほうがよさそうですね‥‥)
【倉科 ミオリ】
「あ、あたしの話などしても何も面白くありませんぞ!」
【倉科 ミオリ】
「それよりも、我が最押しが1人、蓮見レイアさまの話を、この御尊像と共に‥‥と思いましたが、御尊像は没収されていたのでした‥‥ぐぬぬぬぬぬ」
【篠宮 マコト】
(長話を聞かされるところでした‥‥危なかったです)
【篠宮 マコト】
(‥‥ここで調べられそうなことは、このくらいでしょうか)
改めてリクアさんの死体の方を振り返ります。つい1時間ほど前まで、私たちと農作業に励んでいた彼女は何者かに殺されてしまいました。その命がもとに戻ることは‥‥もう二度とありません。
生き残っている私にせめてできること‥‥それは、彼女がなぜ死に至ったのか。その理由を解明することでしょう。もっと他にもできることはあるのかもしれません。ですが‥‥気持ちの整理が完全についていない現状では、きっとそれが精一杯でしょう。
リクアさんは彼女なりに、この牢屋敷での生活を改善できるよう精一杯の努力を惜しみませんでした。なら私も‥‥今、私ができることに尽力しましょう。
私は気持ちを改めて一歩を踏み出します。が‥‥。
【篠宮 マコト】
「きゃっ!」
踏み出した一歩が強すぎたのか、尻もちをついてしまいました。痛いです。
【早瀬 アキラ】
「大丈夫か、篠宮!?」
アキラさんが慌てて駆けつけました。
【篠宮 マコト】
「だ、大丈夫です‥‥ちょっと滑っちゃっただけです」
【リヴィア・ローゼンタール】
「このお部屋、濡れていてただでさえ滑りやすいのに、カビが生えて余計に滑りやすくなっていますわ。お足元には十分に注意なさって?」
【篠宮 マコト】
「は、はい。気をつけます‥‥」
‥‥思わぬところで恥をかいてしまいました。
顔を赤くしながら立ち上がった私は、まだ現場に残る3人に他のところを調べる旨を伝えると、事件現場を後にしました。
(7月5日解禁)