夢想少女ノ魔女裁判   作:タイホくん

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捜査パート その1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──4月10日 14時38分 牢屋敷内 ラウンジ──

 

(推奨BGM「吸われた祈り」♪6)

 

 ラウンジには生き残っている12人の少女たちが集まりました。誰もが、どこか気まずそうに目を合わさないようにしています。

 

リナ

 「ひっく‥‥ぐすっ‥‥なんで‥‥なんでリクアっちが‥‥」

 

 発見者であるセリナさんが泣きじゃくっていました。大半の人たちがまだ死体を見ていないなか、それを見てしまったショック。ましてや、第一発見者なのですから、その心痛は察するに余りあります。

 

 「‥‥‥‥‥‥」

 

 同じく第一発見者のチサさんの反応は対照的に静かなものです。普段の喧騒とは打って変わって、微動だにせず一言も言葉を発しません。その瞳は涙こそ流しませんが、明確に震えていて焦点があっていないように見えます。

 

コト

 (‥‥せめて私がそばについておきましょう)

 

 私は少しでも2人の気持ちが和らぐよう、彼女たちの近くに立ちます。殺人事件が起こったというのに、私は嫌に冷静でした。自分の周囲の人たちが動揺していると、逆に冷静になると言いますが、その現象が起こっているのかもしれません。一種の防衛反応のようなものでしょうか。

 

 ともあれ、私は冷静でいることに努めます。これからおそらく‥‥ゴクチョーさんからの説明が始まるのですから。

 

 予想通り、直後にゴクチョーさんが現れました。天井近くから羽ばたき音とともに、現れます。

 

クチョー

 「はあ‥‥殺人事件‥‥起きちゃいましたね‥‥。夕刻に、《魔女裁判》を開廷します」

 

クチョー

 「今いる囚人の中から必ず殺人犯を特定してください。その者は、《魔女》として処刑するので」

 

クチョー

 「やすやすと死なない魔女の活動を、確実に沈黙させる方法での処刑です。かなり酷いこととか‥‥しちゃうので」

 

クチョー

 「また、囚人全員への告知ですが、特定ができなかった場合は、全員処刑とします」

 

クチョー

 「私としても仕事が増えるんで避けたいんですが、もともと皆さんは危険人物として捉えられているので‥‥」

 

クチョー

 「ただ‥‥主が、いや‥‥まぁこの牢屋敷側の気持ちとしては、そんなのはあまりにかわいそうだと思っているんですよ」

 

クチョー

 「だから投票で確実に《魔女》を選んでもらって、《魔女》だけを排除しましょう」

 

クチョー

 「全員処刑措置は、あくまで《魔女》を選出できなかった場合にだけ適用します」

 

ナタ

 「少しいいかな」

 

 ヒナタさんが挙手しました。ゴクチョーさんは気だるげに羽を伸ばす、ヒナタさんを指し示します。

 

クチョー

 「はい、何でしょう? 私も忙しいので、質問は手短にお願いしますね」

 

ナタ

 「僕たちの中に潜む殺人犯を特定した後、《魔女》として処刑するとの事だそうだが‥‥」

 

ナタ

 「もし、その特定した殺人犯が真犯人でない‥‥すなわち“冤罪”だった場合はどうなるのかな?」

 

クチョー

 「その場合、通常通り魔女裁判は閉廷となります」

 

ナデ

 「さ、殺人犯を野放しにするってことですか!?」

 

 驚いたカナデさんが思わず叫びます。

 

クチョー

 「ええ、まあ‥‥そうなりますね」

 

クチョー

 「魔女裁判の目的は、あなた方の中から一人を《殺人犯》‥‥すなわち《魔女》であるだろうと“断定して”処刑することにあります」

 

クチョー

 「処刑された人物が“真犯人”かどうかは、問題ではありません。誰でもいいから一人、《魔女》を選出できれば、それで必要十分なのですよ」

 

キラ

 「ちょっと待て」

 

 続けて、アキラさんが異を唱えます。

 

キラ

 「お前、数日前には、『殺人犯とみなさん生活したくないでしょうから、魔女裁判を開きます』ってほざいてたよな? 話が違うんじゃねえか?」

 

クチョー

 「それはまあ‥‥言葉の綾、というやつです」

 

クチョー

 「これ以上文句が出ないよう改めて伝えますが‥‥魔女裁判では、《魔女》として指名された人物が“真犯人”であるか否かを問いません」

 

クチョー

 「あなた方の中から1人を差し出してくだされば、我々はそれで満足ですので‥‥」

 

クチョー

 「ですから‥‥投票の場面で変に馴れ合いとか、しないでくださいね? お互いに庇いあって投票がされなければ、皆さん‥‥死んじゃいますから」

 

オリ

 「罪の是非を問わず、魔女であると決めつけられたら問答無用で処刑‥‥なるほど、まさしく《魔女裁判》ですな。原義のそれに限りなく近いルールのようです」

 

ヅハ

 「ちなみに‥‥管理者側は、誰が犯人か‥‥分かっているんですか?」

 

クチョー

 「それが分かっていたら、とっくにその者を処刑しています。分かっていないからこそ、こうして捜査の時間を与えて、魔女裁判を開いているんですよ」

 

 ゴクチョーさんはヤレヤレとため息をつきます。

 

クチョー

 「まあ‥‥せいぜいがんばって犯人を特定してくださいね‥‥犯人を見つければ、生き残れるので‥‥」

 

クチョー

 「最悪、適当に怪しい人を指名してもらえれば、それで丸く収まりますから‥‥まあ、あの、前向きに楽しんでください」

 

クチョー

 「あ、あと捜査中に不正がされないように、みだりに死体に触れたりしないでください。現場はそのまま保持しておいてくださいね」

 

クチョー

 「では捜査をお願いします」

 

クチョー

 「あっ! どうせ難しいので、無理はしないでくださいね」

 

クチョー

 「分からなくても誰か1人が適当に処刑されるか‥‥あるいは、皆さん全員が死ぬだけなので‥‥」

 

クチョー

 「捜査の期限は魔女裁判開廷のアナウンスが入るまでです」

 

クチョー

 「業務中なら万が一気が向けば質問も答えますね‥‥たぶん」

 

 一方的な話を終え、ゴクチョーさんは去っていきました。

 

 裁判で誰かを真犯人として指名、そして処刑‥‥。血の気が引く感覚に襲われます。

 そもそも、この中に殺人犯が紛れ込んでいるという事実自体、受け入れがたいものでした。

 

 わずか4日間とはいえ、私たちは一つ屋根の下、共同生活を送ってきました。そうして過ごした時間、私たちは間違いなく“仲間”であったはずです。

 そんな仲間たちの中から、1人を処刑台に送り出さなければならない‥‥到底許容できない話です。

 

 その一方で、誰か1人を差し出さなければ、全員が処刑‥‥それもまた耐え難い事実です。

 けれども‥‥生き残るためだけに1人を差し出す理由がはたしてあるのでしょうか? 

 

 ですが、その差し出される人物はリクアさんを殺した殺人犯です。処刑は当然の報いとも言えますし‥‥。

 

 いくつもの複雑な考えが絡み合って、文字通りジレンマとして私の心を襲います。一体、どうすれば‥‥。

 

 少女たちは、お互いの腹を探り合うように誰もが視線を彷徨わせていました。

 

 

 そんな中真っ先に動き出したのは‥‥。

 

 

 

 

 

ヴィア・ーゼンタール

 「アキラ。行きますわよ」

 

キラ

 「行くってどこに‥‥」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「当然、“現場”ですわ。わたくし、まだご遺体を拝見していませんもの。連れていきなさい」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「現場すら見ずに、犯人を特定することなんてできませんから」

 

 ソファに腰掛けていたリヴィアさんは、スッと立ち上がると小さな手でアキラさんを引っ張ってラウンジを退出しようとします。

 

リス

 「ちょ、ちょっと待ってください、ローゼンタールさま!」

 

リス

 「誰が犯人かわかったら、それでその人を処刑させるつもりですか!?」

 

 慌てた声でエリスさんはリヴィアさんを引き止めます。その声には焦りの色がにじみ出ていて、私も思わず焦燥感に駆られます。彼女の魔法が作用しているのでしょう。

 

ヴィア・ーゼンタール

 「当然です。いわれのない事で全員処刑なんて、たまったものではありません」

 

 リヴィアさんは振り向くと毅然とした態度で答えます。そばについているアキラさんは何も言わずにジッと立ち尽くすのみです。

 

ヴィア・ーゼンタール

 「それに‥‥殺人犯がわたくしたちの中にいるのは、どうやら確実なようです」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「あらゆる側面において、犯人を選出しない理由などない。そうではなくって?」

 

 エリスさんは押し黙ってしまいました。反論する様子がないと見たリヴィアさんは踵を返すと、アキラさんを伴い先んじて現場の方へと消えていきました。

 

リス

 「うっ‥‥うわあああああああんッ!」

 

 エリスさんは大声で泣き始めました。犯人探しはもはや止められないという事実に絶望したのでしょう。

 この牢屋敷生活で彼女が発した声の中で、一番の声量かもしれません。魔法がこの場に残った全員に共鳴していっているのか、すすり泣く声が聞こえ始めました。

 

 この雰囲気が耐え難いと感じたのか、ミトさん、ミオリさん、カナデさん、ナノカさんは何も言わずにラウンジを出ていきます。

 未だ泣きじゃくるセリナさんは、チサさんと共に医務室に向かうと告げて去っていきました。

 

ナタ

 「‥‥僕たちも捜査に出よう」

 

ナタ

 「ローゼンタールさんの言うように、ひとまず真犯人を見つけないことにはあらゆる意味で話が始まらない」

 

コト

 「‥‥そうですね」

 

ヅハ

 「ハッ‥‥ハッ‥‥」

 

 ヒナタさんのそばでシヅハさんが荒い息を上げています。リクアさんとよく一緒にいた彼女ですから、亡くなった事実をまだ受け入れられていないのかもしれません。

 泣き続けるエリスさんの魔法も相まって感情がかなり揺さぶられているようです。

 

ナタ

 「彼女のそばには僕がついておく。‥‥篠宮さんは大丈夫かい?」

 

コト

 「‥‥ええ。大丈夫です」

 

 無理をしてでも気丈に振る舞おう。私はそう決意しました。そうでなくては‥‥前に進めません。

 

 私もラウンジを後にしました。この事件の犯人は‥‥私が必ず見つけてみせます。

 

 

 

───捜査パート選択肢───

 

1階

【シャワールーム】

【医務室】(6月29日解禁)

【物置】(7月1日解禁)

【裏庭】(7月3日解禁)

 

地下1階

【焼却炉室】(7月5日解禁)

 

(※作者注:捜査パートでは、◎のついた選択肢は最低限選択するようにお願い致します。それ以外の選択肢は、おまけテキストのようなものなので、任意で読んでいただければと思います。

なお、一部の◎の選択肢は、選んだ後そのまま捜査パートが終了するものも混ざっています。おまけテキストが見たい方は、◎を選ぶ前に先に読んでおくことを推奨します)

 

 

【全ての場所を調べ終わったらこちらへ】

(7月5日解禁)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───これより下へのスクロールを禁ずる───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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