夢想少女ノ魔女裁判   作:タイホくん

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裁判パート その1

 

 

 

 

 

 

 

 

(推奨BGM「Kei-Plne Co-Jundic」♪53)

 

ナデ

 「裁判をする‥‥と言われても、

  何から始めればいいんでしょう」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「あら? 先ほどゴクチョーさんから

  説明があったではありませんか」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「魔女‥‥すなわち、

  この事件の犯人を探すこと」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「それがこの裁判の目的にほかなりませんわ」

 

リス

 「え、えっと、まずその点について

  疑問があるのですが‥‥」

 

リス

 「今回の事件って、そもそも本当に‥‥

  “殺人”と呼べるものなのでしょうか」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「あら? どういう意味かしら」

 

リス

 「言葉通りの意味でございます。

  事件現場の状況‥‥」

 

リス

 「要するに真壁さまが亡くなられていた

  その状況に、違和感があるのです」

 

リナ

 「違和感? 

  あーしは特に何も感じなかったけどな‥‥」

 

 「アタイも‥‥」

 

キラ

 「まあ‥‥

  2人とも捜査どころじゃなかったしな」

 

ナデ

 「それで三条さん。

  現場にある“違和感”とは一体‥‥?」

 

リス

 「みなさんは今回の事件を、

  “殺人”と断定されていますが‥‥」

 

リス

 「私は今回の事件に、

  “事故”に思える点があると考えています」

 

オリ

 「ちょーっと待ってください!」

 

オリ

 「リクアさんがただの事故で死んだなんて考え、

  あたしには到底受け入れられないです!」

 

オリ

 「あの人は、そんな不注意で

  命を落とすような人じゃないですよ!」

 

 「う、うん‥‥倉科さんの言うこともわかる。

  真壁さんって、几帳面だったから‥‥」

 

 「彼女が水場で足を滑らせるなんて、

  ちょっと信じられないかな」

 

ヅハ

 「‥‥私は事故死だと思います」

 

ヅハ

 「最初に現場を見た時、

  直感的に事故だと思いました」

 

ヅハ

 「現場は結構滑りやすそうな環境でしたし」

 

ノカ

 「‥‥議論していく上で重要な話ね」

 

ノカ

 「現場を“事故死”と見るか“殺人”と見るかで、

  議論の方向性が大きく変わるはずだから」

 

キラ

 「ひとまずのテーマが提示されたみたいだな。

  俺達が最初に話し合うべき内容‥‥」

 

キラ

 「それは、真壁の死が“事故”だったのか、

  それとも“殺人”だったのか‥‥という点だ」

 

キラ

 「俺自身、この中に殺人鬼がいるなんて

  信じたくないからな」

 

キラ

 「まずはその点をはっきりさせたほうがいい」

 

キラ

 「こちらとしても‥‥

  そのほうが《覚悟》が決まる」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「あら? “殺人鬼がいると

  信じたくない”だなんて‥‥」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「‥‥随分と優しいのですね、アキラ?」

 

キラ

 「チッ‥‥。

  いちいち煽ってんじゃねえ」

 

ナデ

 「ふ、2人とも落ち着いてください。

  まずは‥‥話し合いましょう」

 

ナデ

 「この先の裁判の方針を決めるために‥‥!」

 

コト

 (‥‥これから、裁判が始まります)

 

コト

 (私達の中に紛れ込む殺人鬼を

  炙り出すための‥‥避けられない儀式が)

 

ナタ

 「‥‥大丈夫かい、篠宮さん」

 

コト

 「ひ、ヒナタさん。ええ、大丈夫です」

 

ナタ

 「また体が震えている。ほら、深呼吸だ。

  初日に真壁さんに教えてもらったやり方で」

 

コト

 「は、はい」

 

コト

 (4秒吸って、4秒止めて、

  8秒かけて吐き出す‥‥)

 

コト

 (‥‥落ち着きました。

  これでもう大丈夫)

 

ナタ

 「よし。大丈夫だね」

 

ナタ

 「それじゃあまずは‥‥

  事件の概要から確認していこうか」

 

ナタ

 「被害者の亡くなった状況について、

  議論の前に情報を共有すべきだからね」

 

コト

 「あ、ではその点は、

  私から報告させていただきます」

 

谷セリナ

 「お、マコトっち‥‥

  もしかして検視とかできる感じ?」

 

コト

 「え、ええ。

  少し齧った程度ですが、知識はあります」

 

 「ん? 検視を”カジる”‥‥? 

  ‥‥検視ってもしかして新手の食い物か?」

 

キラ

 「んなわけねえだろ」

 

キラ

 「検視ってのは、簡単に言えば

  死体の状況を把握する作業のことだ」

 

 「なんだ、食べられるものじゃないのか」

 

コト

 「え、ええと。話をさせてもらいますね」

 

(推奨BGM「気任せの蝶」♪34)

 

コト

 「‥‥今回の被害者は真壁リクアさん。

  死因は窒息によるものです」

 

コト

 「死体の目の充血具合や、

  唇に現れた青紫色の変色‥‥」

 

コト

 「いわゆる、“チアノーゼ”がそれを示しています」

 

コト

 「現場がシャワールームであったことから、

  恐らく溺死させられたと考えられます」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「“息”について一家言を持っている彼女が、

  息ができずに亡くなってしまうとは‥‥」

 

ヴィア・ーゼンタール

 「‥‥実に皮肉な話ですわね」

 

コト

 「死体の発見時刻は14時半。死亡推定時刻は、

  発見時からおよそ30分の間です」

 

 「つまり、真壁さんは14時ごろに

  殺害された‥‥ということになるね」

 

コト

 「あくまでも素人の真似事ですので、

  死亡推定時刻にある程度の幅はあります」

 

コト

 「ですが、概ねこれであっている‥‥はずです」

 

コト

 「以上が、被害者の検視の結果になります」

 

ナタ

 「ありがとう、篠宮さん。

  ‥‥じゃあ次に進もうか」

 

ナタ

 「三条さん。君が事件について抱いた

  違和感について、話してもらえるかな?」

 

リス

 「しょ、承知しました。‥‥うう、緊張する」

 

コト

 (‥‥どうやら裁判が本格化するのは、

  ここからのようですね)

 

コト

 (うう。さっき深呼吸したはずなのに、

  また緊張してきました)

 

コト

 (エリスさんの魔法を通じて、彼女の緊張が

  こちらに伝わっているのかもしれません)

 

ナタ

 「篠宮さん、落ち着いて」

 

ナタ

 「‥‥僕が思うに、これから皆の間で

  事件についての《議論》が始まるはずだ」

 

ナタ

 「けれども僕を含めて、

  みんな、犯罪捜査のプロじゃない」

 

ナタ

 「だから、みんなの話を聞いていく中で

  発言に“気になるところ”が出てくるはず」

 

ナタ 

 「もし、証拠品なんかとムジュンする明確な

  “気になるところ”を見つけたら‥‥」

 

ナタ

 「その発言に《反論》してみると良いと思うよ」

 

ナタ 

 「もし“気になるところ”を放置したままじゃ、

  議論はおかしな方向に向かってしまう」

 

ナタ

 「それを正すためにも、ツッコミを入れられそうな

  発言がないか注意を払うべきだと思うんだ」

 

ナタ 

 「これは僕の無責任な勘に過ぎないけれど‥‥」

 

ナタ 

 「篠宮さんなら、きっと皆の議論を

  正しい方向に導ける。そんな気がするんだ」

 

コト

 「ヒナタさん‥‥」

 

コト

 (ヒナタさんの言うとおりです)

 

コト

 (なにか気になる点があったら、

 《反論》してみましょう)

 

コト

 (魔女図鑑の証拠品も

  きちんと確認しないといけませんね‥‥!)

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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