【常盤 シヅハ】
「さっきも話したように、私たちの衣服は一日一回、シャワールームのロッカーに支給されます。
犯行時、水を被ってしまった白川さんは未使用だったロッカーの中の囚人服に着替えました」
【鳳月 カナデ】
「で、でも証拠がありません。
白川さんが着替えたという証拠はあるのですか?」
【常盤 シヅハ】
「‥‥捜査中に全員のロッカーを確認しました。
白川さんの服は既に持ち出された後であったことを確認しています。
その時、南雲さんも一緒にいて確認していたはずです。そうですよね?」
【南雲 ヒナタ】
「うん。確かに白川さんの服はロッカーに残っていなかったね。
けれども、それは何人かの他の人も同じだった。
何人かの服はまだ残っていたけれども、【数名分は既に持ち出された後だった】。
これをもって白川さんを疑うのは少し短絡的じゃないかな」
【倉科 ミオリ】
「そ、そうです! 私なんかも、配られた瞬間に“着替えよっかな〜”って持ち出したりするし‥‥。
【ロッカーに無いってだけで犯人扱いは乱暴】すぎるんじゃ‥‥」
【三条 エリス】
「わ、わわわ、私もそう思います!
服を持ち出した理由なんて人それぞれですし」
【常盤 シヅハ】
「誰の服がロッカーに残り、誰の服がロッカーから持ち出されていたか。
そんなことは問題になりません。
重要なのは、“白川さんの服がロッカーから持ち出されていた”点。
それで疑う理由に十分なり得ます」
【白川 ミト】
「じゃ、じゃあ、濡れた服はどこに捨てたと言うんですか‥‥」
【常盤 シヅハ】
「シャワールームにはダストシュートが取り付けられています。
そこに【捨てれば問題ないでしょう】。
証拠の隠滅も容易です。ダストシュートは焼却炉に繋がっているのですから。
既に捨てられている他の服に紛れ込んでしまえば、発見は困難となります」
【早瀬 アキラ】
「理屈としては確かに通るな‥‥。
大量の服に紛れ込んだら、こちらには追いようがない」
【三条 エリス】
【常盤 シヅハ】
「総合すると、魔法、証拠隠滅の二つの路線において犯行が可能だった人物は、白川さん。あなたしかいないんです」
【篠宮 マコト】
(どうしましょう‥‥)
【篠宮 マコト】
(見たところ、私の手元にある情報だけでは、
この場を乗り越えることは難しそうです)
【南雲 ヒナタ】
「情報がない‥‥。それなら、
みんなの意見を《ゆさぶる》しかないね」
【南雲 ヒナタ】
「これまでみたいに、誰かが知っていても
誰かが知らない情報はあるはずだ」
【南雲 ヒナタ】
「情報の共有を行えば、
活路が見いだせるかもしれない」
【篠宮 マコト】
(皆さんの意見を聞く‥‥やってみましょう!)
【南雲 ヒナタ】
「うん。確かに白川さんの服はロッカーに残っていなかったね。
けれども、それは何人かの他の人も同じだった。
何人かの服はまだ残っていたけれども、【数名分は既に持ち出された後だった】。
これをもって白川さんを疑うのは少し短絡的じゃないかな」
【倉科 ミオリ】
「そ、そうです! 私なんかも、配られた瞬間に“着替えよっかな〜”って持ち出したりするし‥‥。
【ロッカーに無いってだけで犯人扱いは乱暴】すぎるんじゃ‥‥」
【常盤 シヅハ】
「シャワールームにはダストシュートが取り付けられています。
そこに【捨てれば問題ないでしょう】。
証拠の隠滅も容易です。ダストシュートは焼却炉に繋がっているのですから。
既に捨てられている他の服に紛れ込んでしまえば、発見は困難となります」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「何名かの服は持ち出されていた、
とのことですが‥‥」
【篠宮 マコト】
「誰の服が既に回収されていたのでしょう」
【南雲 ヒナタ】
「僕が確認した限りだと‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「白川さん、ローゼンタールさん、鳳月さん、
常盤さん、真壁さん、倉科さんの六人だね」
【南雲 ヒナタ】
「早瀬さん、星谷さん、朝雛さん、
三条さん、黒部さん、篠宮さん‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥そして僕の分はまだロッカーに残っていた」
【南雲 ヒナタ】
「恐らく、夜に着替えたい派と、
朝に着替えたい派に分かれた結果だろうね」
【星谷 セリナ】
「あれ、でもミトっち、
着替えるのは夜じゃないっけ」
【星谷 セリナ】
「昨日シャワー浴びたときは、
夜に着替えてたよね?」
【常盤 シヅハ】
「その点も踏まえての私の主張です」
【常盤 シヅハ】
「普段は夜に着替えるはずの白川さんが、
何故か今日だけは夕方に服を着替えていた‥‥」
【常盤 シヅハ】
「‥‥その理由は犯行を行ったから。
それ以外ありえません」
【白川 ミト】
「
【白川 ミト】
「ち、違う‥‥!」
【白川 ミト】
「確かに今日はたまたま朝にシャワーを
浴びて着替えたけれども‥‥」
【白川 ミト】
「‥‥犯行の時に服が濡れたから
着替えたんじゃない!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「では、それを証明することはできますか?」
【白川 ミト】
「う、うう‥‥今朝は1人で浴びたから‥‥
誰にも目撃されてないと思う」
【常盤 シヅハ】
「ならば、単なる言い訳に過ぎませんね。
犯行時に着替えた可能性は捨てきれません」
【篠宮 マコト】
(意見は2人の間で真っ二つのようです‥‥)
【篠宮 マコト】
(一体どちらが本当のことを
言っているのでしょうか‥‥)
【篠宮 マコト】
「ミオリさんの言うとおりです!」
【篠宮 マコト】
「ロッカーに服が無いってだけで、
犯人扱いするのはやっぱり乱暴だと思います!」
【倉科 ミオリ】
「そうそう!」
【倉科 ミオリ】
「あたしだって“あ、今日はめんどいし
夜に着替えるのでいいかな〜”とか‥‥」
【倉科 ミオリ】
「そういう軽い理由で持ち出したりしますし!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「‥‥軽い理由? そんな曖昧な動機で
片付けられると思っているんですか?」
【篠宮 マコト】
「えっ‥‥?」
【常盤 シヅハ】
「問題は“服が無かった”
という客観的な事実です」
【常盤 シヅハ】
「そこに至った経緯が
どうであろうと‥‥結果は1つ」
【常盤 シヅハ】
「白川さんは濡れた服を処分し、
新しい服に着替えた」
【常盤 シヅハ】
「それ以外の解釈は成り立ちません」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥篠宮さん。言いにくいけど、
その指摘は推測の域を出ない」
【南雲 ヒナタ】
「反論としては弱いよ」
【篠宮 マコト】
(どうやら、単なる感覚論に
乗っかってしまったようです‥‥。
【篠宮 マコト】
(もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん。
それでもまだ問題は残っています」
【常盤 シヅハ】
「そうなのですか‥‥?」
【篠宮 マコト】
「それを示すのは‥‥」
──────────────────
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
──────────────────
──────────────────
・検視記録【つきつける】
被害者、真壁リクアの検視記録。
※詳細※
被害者: 真壁リクア
死因: 溺死(推定)
死亡推定時刻: 4月10日 13時50分~14時頃
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
リヴィアが撮影した現場の写真。事件発覚時点の状態を正確に撮影したもの。
※詳細※
1.死体に現れた特徴: 見開かれた目が充血している・唇が青紫色に変色している・口元に泡がある。
2.死体の状態: 仰向けの状態で発見・衣服全体がビショビショに濡れている。
──────────────────
──────────────────
・被害者の顔の痕【つきつける】
被害者の顔に残った特徴的な形の痕。押さえつけられた際についたと考えられる。
──────────────────
──────────────────
・首の周りのアザ【つきつける】
死体の首周辺についていたアザ。U字型になっており、首の後ろから側面にかけてついている。正面部には痕がない。
──────────────────
──────────────────
・腰の周りのアザ【つきつける】
死体の腰周辺についた縄のような細長い痕。身体全体を一周している。被害者の死亡直前に命綱として巻かれたロープの位置と太さに酷似している。
──────────────────
──────────────────
・シャワールームのタイル【つきつける】
現場のシャワールームの床材。死体の顔に残っていた跡に酷似している。
──────────────────
──────────────────
・排水口に詰まった髪の毛【つきつける】
現場となったシャワールームの一番奥のブースに詰まっていた髪の毛。水の流れを阻害していた。事件当日の朝、星谷セリナによって除去されている。
──────────────────
──────────────────
・床に落ちた石鹸【つきつける】
死体の足元付近に落ちていた石鹸。タイルに接している裏面は濡れてヌルヌルになっているが、表面は水がかかった形跡が一切ない。
──────────────────
──────────────────
・破れたシャワーカーテン【つきつける】
死体があったブースのカーテンは破られていた。残る2つのブースのカーテンは対照的に破られていない。
──────────────────
──────────────────
・焼却炉の状況【つきつける】
直近、めぼしい物証が捨てられた形跡はなし。シヅハ、ヒナタにより内部の調査が行われたが、処分された衣服の下にも物証が隠された形跡はなし。
──────────────────
──────────────────
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
──────────────────
──────────────────
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
──────────────────
──────────────────
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
──────────────────
──────────────────
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
──────────────────
──────────────────
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。【透明化】の魔法を持つ少女。
自己と自己が触れているものを透明にすることができる。
──────────────────
──────────────────
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。【分身】の魔法を持つ少女。
自分と同じ見た目の分身を1体作り出せる。分身とは視覚が共有され、本体の意思で自由に動かし声を発することができる。
ただし、分身には実体がなく物に触れることができない。
──────────────────
──────────────────
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
──────────────────
──────────────────
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
──────────────────
──────────────────
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
──────────────────
──────────────────
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
──────────────────
──────────────────
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
──────────────────
──────────────────
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。【変身】の魔法を持つ少女。
知っている人間の姿に変身することができる。
ただし、声と身につけている服は変化しない。また、人間以外に変身することはできない。
──────────────────
──────────────────
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
──────────────────
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「これが、問題点を示しています!」
【常盤 シヅハ】
「それが、一体何の問題を
指し示すっていうのですか‥‥?」
【篠宮 マコト】
「あれ、できませんかね?」
【常盤 シヅハ】
「‥‥問題があるのは、
どうやらその《思考回路》のようです」
【篠宮 マコト】
(頭に問題があると言われてしまいました‥‥。
もう一度考え直しましょう)
【三条 エリス】
「‥‥? 焼却炉には、確か‥‥」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「エリスさん。今の発言、
少しよろしいでしょうか」
【三条 エリス】
「あ、ははははい!
い、今の発言ででですかッ!?」
【篠宮 マコト】
「落ち着いてください。焼却炉でなにか
見かけたと言ったように聞こえたのですが」
【三条 エリス】
「あ、ああ、はい。焼却炉ですね」
【三条 エリス】
「実は私、物置でマコトさんと別れた後、
焼却炉を調べてみたんです」
【篠宮 マコト】
(シヅハさんとヒナタさん以外も、
あそこを調べていたんですね‥‥)
【篠宮 マコト】
「そこで何か見かけた、ということですか?」
【三条 エリス】
「はい。そこには、今朝着替えたであろう方たちの
お洋服が捨ててありました」
【三条 エリス】
「そして‥‥その中に、
白川さまのものもあったんです」
【篠宮 マコト】
「それはまあ‥‥そうでしょうね」
【篠宮 マコト】
「シャワールームのダストシュートから、
脱いだ服を捨てていますし」
【三条 エリス】
「はい。ですが‥‥その服は
“濡れていなかったんです”」
【篠宮 マコト】
「‥‥! 重要な情報です。
発言に追加してください」
【三条 エリス】
「わわ、わかりましたッ!」
【篠宮 マコト】
(私は焼却炉に入って中を調べていません。
故に、知ることができなかった情報です)
【篠宮 マコト】
(‥‥あれ。でもシヅハさんも
焼却炉に入って確認したはずです。
【篠宮 マコト】
(なぜ、シヅハさんはその点について
触れないのでしょうか‥‥)
【篠宮 マコト】
(‥‥ともあれ、捨てられていた服が濡れていない
‥‥これは大きな意味を持つはずです!)
【常盤 シヅハ】
「さっきも話したように、私たちの衣服は一日一回、シャワールームのロッカーに支給されます。
犯行時、水を被ってしまった白川さんは未使用だったロッカーの中の囚人服に着替えました」
【鳳月 カナデ】
「で、でも証拠がありません。
白川さんが着替えたという証拠はあるのですか?」
【常盤 シヅハ】
「‥‥捜査中に全員のロッカーを確認しました。
白川さんの服は既に持ち出された後であったことを確認しています。
その時、南雲さんも一緒にいて確認していたはずです。そうですよね?」
【南雲 ヒナタ】
「うん。確かに白川さんの服はロッカーに残っていなかったね。
けれども、それは何人かの他の人も同じだった。
何人かの服はまだ残っていたけれども、【数名分は既に持ち出された後だった】。
これをもって白川さんを疑うのは少し短絡的じゃないかな」
【倉科 ミオリ】
「そ、そうです! 私なんかも、配られた瞬間に“着替えよっかな〜”って持ち出したりするし‥‥。
【ロッカーに無いってだけで犯人扱いは乱暴】すぎるんじゃ‥‥」
【三条 エリス】
「わ、わわわ、私もそう思います!
服を持ち出した理由なんて人それぞれですし」
【常盤 シヅハ】
「誰の服がロッカーに残り、誰の服がロッカーから持ち出されていたか。
そんなことは問題になりません。
重要なのは、“白川さんの服がロッカーから持ち出されていた”点。
それで疑う理由に十分なり得ます」
【白川 ミト】
「じゃ、じゃあ、濡れた服はどこに捨てたと言うんですか‥‥」
【常盤 シヅハ】
「シャワールームにはダストシュートが取り付けられています。
そこに【捨てれば問題ないでしょう】。
証拠の隠滅も容易です。ダストシュートは焼却炉に繋がっているのですから。
既に捨てられている他の服に紛れ込んでしまえば、発見は困難となります」
【早瀬 アキラ】
「理屈としては確かに通るな‥‥。
大量の服に紛れ込んだら、こちらには追いようがない」
【常盤 シヅハ】
「総合すると、魔法、証拠隠滅の二つの路線において犯行が可能だった人物は、白川さん。あなたしかいないんです」
【三条 エリス】(追加発言)
「で、でも焼却炉には、リクアさんの服が濡れていない状態で残っていました。
これは大きな意味を持つはずです!」
【篠宮 マコト】
(エリスさんの意見を追及した結果、
重大な事実がわかりました)
【篠宮 マコト】
(これが指し示す事実‥‥
それはミトさんの無実を示すはずです!)
【篠宮 マコト】
(“つきつける”としましょう‥‥
シヅハさんにこの情報を!)
【南雲 ヒナタ】
「うん。確かに白川さんの服はロッカーに残っていなかったね。
けれども、それは何人かの他の人も同じだった。
何人かの服はまだ残っていたけれども、【数名分は既に持ち出された後だった】。
これをもって白川さんを疑うのは少し短絡的じゃないかな」
【倉科 ミオリ】
「そ、そうです! 私なんかも、配られた瞬間に“着替えよっかな〜”って持ち出したりするし‥‥。
【ロッカーに無いってだけで犯人扱いは乱暴】すぎるんじゃ‥‥」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「何名かの服は持ち出されていた、
とのことですが‥‥」
【篠宮 マコト】
「誰の服が既に回収されていたのでしょう」
【南雲 ヒナタ】
「僕が確認した限りだと‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「白川さん、ローゼンタールさん、早瀬さん、
常盤さん、真壁さん、黒部さんの六人だね」
【南雲 ヒナタ】
「鳳月さん、星谷さん、朝雛さん、
三条さん、倉科さん、篠宮さん‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥そして僕の分はまだロッカーに残っていた」
【南雲 ヒナタ】
「恐らく、夜に着替えたい派と、
朝に着替えたい派に分かれた結果だろうね」
【星谷 セリナ】
「あれ、でもミトっち、
着替えるのは夜じゃないっけ」
【星谷 セリナ】
「昨日シャワー浴びたときは、
夜に着替えてたよね?」
【常盤 シヅハ】
「その点も踏まえての私の主張です」
【常盤 シヅハ】
「普段は夜に着替えるはずの白川さんが、
何故か今日だけは夕方に服を着替えていた‥‥」
【常盤 シヅハ】
「‥‥その理由は犯行を行ったから。
それ以外ありえません」
【白川 ミト】
「
【白川 ミト】
「ち、違う‥‥!」
【白川 ミト】
「確かに今日はたまたま朝にシャワーを
浴びて着替えたけれども‥‥」
【白川 ミト】
「‥‥犯行の時に服が濡れたから
着替えたんじゃない!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「では、それを証明することはできますか?」
【白川 ミト】
「う、うう‥‥今朝は1人で浴びたから‥‥
誰にも目撃されてないと思う」
【常盤 シヅハ】
「ならば、単なる言い訳に過ぎませんね。
犯行時に着替えた可能性は捨てきれません」
【篠宮 マコト】
(意見は2人の間で真っ二つのようです‥‥)
【篠宮 マコト】
(一体どちらが本当のことを
言っているのでしょうか‥‥)
【篠宮 マコト】
「ミオリさんの言うとおりです!」
【篠宮 マコト】
「ロッカーに服が無いってだけで、
犯人扱いするのはやっぱり乱暴だと思います!」
【倉科 ミオリ】
「そうそう!」
【倉科 ミオリ】
「あたしだって“あ、今日はめんどいし
夜に着替えるのでいいかな〜”とか‥‥」
【倉科 ミオリ】
「そういう軽い理由で持ち出したりしますし!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「‥‥軽い理由? そんな曖昧な動機で
片付けられると思っているんですか?」
【篠宮 マコト】
「えっ‥‥?」
【常盤 シヅハ】
「問題は“服が無かった”
という客観的な事実です」
【常盤 シヅハ】
「そこに至った経緯が
どうであろうと‥‥結果は1つ」
【常盤 シヅハ】
「白川さんは濡れた服を処分し、
新しい服に着替えた」
【常盤 シヅハ】
「それ以外の解釈は成り立ちません」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥篠宮さん。言いにくいけど、
その指摘は推測の域を出ない」
【南雲 ヒナタ】
「反論としては弱いよ」
【篠宮 マコト】
(どうやら、単なる感覚論に
乗っかってしまったようです‥‥。
【篠宮 マコト】
(もう一度考え直しましょう)
【常盤 シヅハ】
「シャワールームにはダストシュートが取り付けられています。
そこに【捨てれば問題ないでしょう】。
証拠の隠滅も容易です。ダストシュートは焼却炉に繋がっているのですから。
既に捨てられている他の服に紛れ込んでしまえば、発見は困難となります」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん。
それでもまだ問題は残っています」
【常盤 シヅハ】
「そ、それは‥‥」
【篠宮 マコト】
(シヅハさんも、先ほどの話を聞いて
もう分かっているようです)
【篠宮 マコト】
「この人の得た情報が、それを示しています!」
──────────────────
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
──────────────────
──────────────────
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
──────────────────
──────────────────
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
──────────────────
──────────────────
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
──────────────────
──────────────────
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。【透明化】の魔法を持つ少女。
自己と自己が触れているものを透明にすることができる。
──────────────────
──────────────────
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。【分身】の魔法を持つ少女。
自分と同じ見た目の分身を1体作り出せる。分身とは視覚が共有され、本体の意思で自由に動かし声を発することができる。
ただし、分身には実体がなく物に触れることができない。
──────────────────
──────────────────
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
──────────────────
──────────────────
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
──────────────────
──────────────────
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
──────────────────
──────────────────
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
──────────────────
──────────────────
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
──────────────────
──────────────────
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。【変身】の魔法を持つ少女。
知っている人間の姿に変身することができる。
ただし、声と身につけている服は変化しない。また、人間以外に変身することはできない。
──────────────────
──────────────────
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
──────────────────
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「これが、問題点を示しています!」
【常盤 シヅハ】
「それが、一体何の問題を
指し示すっていうのですか‥‥?」
【篠宮 マコト】
「あれ、できませんかね?」
【常盤 シヅハ】
「‥‥問題があるのは、
どうやらその《思考回路》のようです」
【篠宮 マコト】
(頭に問題があると言われてしまいました‥‥。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「それはもちろん、エリスさんが焼却炉で
確認したミトさんの服です!」
【篠宮 マコト】
「確かに、焼却炉にミトさんの服は
捨てられていました」
【篠宮 マコト】
「けれども‥‥その服は濡れていません」
【常盤 シヅハ】
「ぐっ‥‥!」
【篠宮 マコト】
「もしミトさんが犯人なら、
捨てられていた服は濡れている必要があります」
【篠宮 マコト】
「しかし‥‥事実は真逆だった!」
【篠宮 マコト】
「この情報はシヅハさんの主張と、
決定的にムジュンしています!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「‥‥い、いえ。まだです。
まだ可能性はあります」
【早瀬 アキラ】
「まだなにかあるってのかよ‥‥」
【リヴィア・ローゼンタール】
「往生際が悪いですわね」
【鳳月 カナデ】
「さっきまで白川さんを
疑っていたあなたが言いますか‥‥」
【常盤 シヅハ】
「さっきも言ったように、私たちの服は1日1回、
その日の朝に支給されます」
【常盤 シヅハ】
「ならばあらかじめ服を1着、予備として
保存しておいたと考えるのはどうでしょうか」
【常盤 シヅハ】
「犯行後、自分の監獄にでも
隠しておいた服と着替えれば‥‥」
【常盤 シヅハ】
「濡れた服を脱ぎつつ、焼却炉に乾いた服が
残っていることにも説明がつきます!」
【倉科 ミオリ】
「それならまあ、
分からなくはないですけれども‥‥」
【倉科 ミオリ】
「‥‥ミトさん、意外にも風呂キャン界隈の
民なのでしょうか‥‥」
【白川 ミト】
「人を不衛生な人みたいに言わないで‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「かなりの極論な気もするけれど、
それなら辻褄が合わないでもないね」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥篠宮さんはどう思う?」
【篠宮 マコト】
(数日前に回収していた服を隠し持ち、
犯行後にその服に着替え直した)
【篠宮 マコト】
(どうでしょう、
まだ問題は残っているでしょうか‥‥)
【篠宮 マコト】
「‥‥確かに。
シヅハさんの言う通りだと思います」
【篠宮 マコト】
「予備の服を隠しておけば、
今のムジュンも説明できる‥‥」
【篠宮 マコト】
「だから‥‥もう問題は無いのかもしれません」
【白川 ミト】
「ま、待ってよ篠宮さん‥‥!
私はそんなことしてない‥‥!」
【常盤 シヅハ】
「ふふ‥‥そうでしょう?
やはり篠宮さんは理解が早いですね」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥篠宮さんは本気でそう思うのかい?」
【南雲 ヒナタ】
「服の件は確かに一理あるかもしれないけど‥‥
それだけで全てを納得するのは危ういと思う」
【早瀬 アキラ】
「‥‥そうだな」
【早瀬 アキラ】
「まだ詰められる部分は残っているはずだが‥‥
これじゃ進展は無いか」
【篠宮 マコト】
(‥‥安易に結論を受け入れてはいけませんね。
‥‥もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
(シヅハさんの主張はこうです)
【篠宮 マコト】
(数日前に回収していた服を隠し持ち、
犯行後にその服に着替え直した)
【篠宮 マコト】
(どうでしょう、
まだ問題は残っているでしょうか‥‥)
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん。
まだ問題は残っています」
【常盤 シヅハ】
「な‥‥そんなはずは!」
【篠宮 マコト】
(‥‥一度冷静になりましょう)
【篠宮 マコト】
(これまでの時系列を並べていけば、
おのずと答えは導けるはずです)
【篠宮 マコト】
「まだ残っている問題点。それは‥‥」
【篠宮 マコト】
「予備の服を用意するのが難しい‥‥
その障壁が犯行を不可能にするのです!」
【リヴィア・ローゼンタール】
「篠宮さん、これまでの議論をお忘れで‥‥?」
【黒部 ナノカ】
「私たちの服は1日1回、朝に用意されているわ」
【黒部 ナノカ】
「1日分着替えを我慢すれば、
予備の服を用意することは可能‥‥」
【黒部 ナノカ】
「つい先程、常盤シヅハが指摘したとおりね」
【リヴィア・ローゼンタール】
「証言台から1歩も動いていないのに、
忘れてしまうなんて‥‥」
【リヴィア・ローゼンタール】
「一度、鳥かごに頭を突っ込んで朝6時きっかりに
コケコッコーと鳴くことを習慣づけなさい」
【リヴィア・ローゼンタール】
「少しはマシになるでしょう」
【篠宮 マコト】
(鳥以下だと言われてしまいました‥‥。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
(‥‥一度冷静になりましょう)
【篠宮 マコト】
(これまでの時系列を並べていけば、
自ずと答えは導けるはずです)
【篠宮 マコト】
「まだ残っている問題点。それは‥‥」
【篠宮 マコト】
「まだ問題は残っています。それは‥‥
濡れた服を隠す場所がない、という点です!」
【常盤 シヅハ】
「‥‥隠す場所がない?
本気でそう思っているんですか?」
【篠宮 マコト】
「えっ‥‥?」
【常盤 シヅハ】
「隠すだけなら、監獄のベッドの下でも、
ロッカーの奥でも、どこでも捨てられます」
【常盤 シヅハ】
「候補はいくらでも存在するんです」
【常盤 シヅハ】
「問題は“濡れていたかどうか”であって、
“隠す場所”ではありません」
【黒部 ナノカ】
「‥‥確かに。それでは根拠としては弱いかも」
【篠宮 マコト】
(‥‥問題を取り違えてしまいました!
もう一度考え直しましょう‥‥)
【篠宮 マコト】
(‥‥一度冷静になりましょう)
【篠宮 マコト】
(これまでの時系列を並べていけば、
自ずと答えは導けるはずです)
【篠宮 マコト】
「まだ残っている問題点。それは‥‥」
【篠宮 マコト】
「未だ残る問題‥‥それは、
服を着替えるタイミングがない、という点です」
【常盤 シヅハ】
「そ、そんなことはないです。
どこかのタイミングで必ず‥‥!」
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん」
【篠宮 マコト】
「ミトさんは、捜査中カナデさんと
ナノカさんと一緒にいました」
【篠宮 マコト】
「彼女に服を着替えるタイミングはありません!」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「なら、犯行後に着替えればいいだけの話です。
それならなんら問題はないです!」
【篠宮 マコト】
「‥‥あっ!」
【篠宮 マコト】
(うっかりしていました‥‥!)
【篠宮 マコト】
(死体が発見されるまでの間なら、
着替えられてしまいます‥‥!)
【倉科 ミオリ】
「
【倉科 ミオリ】
「ふっふっふ‥‥。
それは拙者が否定させていただきましょう!」
【常盤 シヅハ】
「な‥‥一体、何をッ‥‥!」
【倉科 ミオリ】
「あたしたちは事件発生前、花畑にいました」
【倉科 ミオリ】
「メンバーはあたし、エリスさん、ナノカさん、
そしてヒナタさんです」
【倉科 ミオリ】
「14時5分頃、ヒナタさんが
あたしたちのパーティから離脱しました」
【倉科 ミオリ】
「その後、14時10分頃のことです」
【倉科 ミオリ】
「暇だからという理由でミトさんが
フラリと我々の元を訪れました」
【倉科 ミオリ】
「つまり、ヒナタさんと入れ替わる形で、
ミトさんが合流したのです」
【倉科 ミオリ】
「マコト殿‥‥ここまで言えば、
もうお分かりですね?」
【篠宮 マコト】
(14時10分にミトさんが
花畑にいた人たちに合流した‥‥)
【篠宮 マコト】
(‥‥なるほど、そういうことですか!)
【篠宮 マコト】
「ええ。理解しました」
【倉科 ミオリ】
「さすがッ! やはり、
“マコト”の名を冠するだけはありますな!」
【常盤 シヅハ】
「白川さんが14時10分に
花畑にいた人たちに合流した‥‥?」
【常盤 シヅハ】
「そんなことでは、
状況は何も変わりません!」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん。
今のミオリさんの証言は重要な意味を持ちます」
【常盤 シヅハ】
「ば、バカなッ‥‥!」
【篠宮 マコト】
「一度、時系列を整理しましょう」
【篠宮 マコト】
「死体が発見されたのは14時半」
【篠宮 マコト】
「簡易的な検視から、死亡推定時刻は
発見から30分以内と判明しています」
【篠宮 マコト】
「つまり、早くても14時には
犯行が行われているわけです」
【南雲 ヒナタ】
「被害者を取り押さえ、
床に溜めた水に押さえつけて溺死」
【南雲 ヒナタ】
「その後偽装工作をして着替えるとなると‥‥
最低でも10分は時間がほしいね」
【早瀬 アキラ】
「牢屋敷から花畑までは少し距離がある」
【早瀬 アキラ】
「14時に殺害して、10分以内に偽装工作をして
倉科たちに合流するのは‥‥」
【早瀬 アキラ】
「‥‥時間制限的に少々厳しいな」
【篠宮 マコト】
「ええ。ところで、ミオリさん。
ミトさんの服は濡れていましたか?
【倉科 ミオリ】
「いいえ、まったく!
水が滴らなくとも、ミトさんはいい女なので!」
【白川 ミト】
「‥‥なんか恥ずかしい」
【篠宮 マコト】
「そして‥‥死体発見後に万が一全員が、
服が濡れているのを見落としていても‥‥」
【篠宮 マコト】
「‥‥その後彼女に
服を着替えるチャンスはありません」
【篠宮 マコト】
「なにせ、ミトさんは捜査中、カナデさんと
ナノカさんと共に行動していたのですから」
【リヴィア・ローゼンタール】
「もっとも、全員が共犯なら話は別ですが‥‥
まあ、今回はおそらく単独犯でしょう」
【リヴィア・ローゼンタール】
「その可能性は否定しておいて
問題なさそうですわね」
【篠宮 マコト】
「つまり、仮に予備の服を何処かに用意しても、
それを着替える機会がなかった」
【篠宮 マコト】
「つまり、もしミトさんが犯人なら
今も服が濡れていないとおかしいのです」
【篠宮 マコト】
「けれども、彼女の服は乾いています」
【篠宮 マコト】
「したがって‥‥ミトさんが犯人とする
主張はムジュンを抱えているんです!」
【常盤 シヅハ】
「ぐっ‥‥ぬうッ!」
【南雲 ヒナタ】
「どうやら、これで白川さんが
犯人である可能性は無くなったようだね」
【倉科 ミオリ】
「し、しかし、
それでは一体誰が犯人なのでしょう」
【早瀬 アキラ】
「‥‥思えば、ここまで一度も
全員のアリバイを確認していなかったな」
【早瀬 アキラ】
「一度確認する機会を設けるべきだろう」
【南雲 ヒナタ】
「それもそうだね」
【南雲 ヒナタ】
「さっきの篠宮さんの発言も加え入れつつ、
時系列を確認し直そう」
【三条 エリス】
「ええと‥‥」
【三条 エリス】
「まずは真壁さまが生きているのを最後に
確認された時間を確認すべき‥‥ですよね?」
【早瀬 アキラ】
「13時50分までの生存は確定で間違いない」
【早瀬 アキラ】
「俺に加えて、篠宮、星谷、朝雛が裏庭から
医務室へ向かっているところを確認している」
【リヴィア・ローゼンタール】
「4人もの人間に確認されているなら、
問題ありませんわね」
【篠宮 マコト】
「では、13時50分から事件発生までの
アリバイを確認していきましょう」
【篠宮 マコト】
「私とアキラさん、セリナさん、チサさんは、
4人で牢屋敷裏で農作業を行っていました」
【篠宮 マコト】
「お互いのアリバイは証明できます」
【三条 エリス】
「わ、私と倉科さま、黒部さまはお昼ごろから
14時半までずっとお花畑にいました」
【三条 エリス】
「この3人は犯行ができません」
【南雲 ヒナタ】
「僕は14時5分まで花畑にいたけど
白川さんが来る少し前に離脱した」
【南雲 ヒナタ】
「牢屋敷に帰る最中、白川さんとすれ違ったね」
【南雲 ヒナタ】
「そして、14時10分に医務室の外扉から
牢屋敷に戻って、常盤さんに出くわしたんだ」
【南雲 ヒナタ】
「それ以降は彼女と一緒にいたから、
概ねアリバイありといっていいと思うよ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥残念なことに、わたくしにはアリバイを
証明してくださる方はいらっしゃいませんわね」
【リヴィア・ローゼンタール】
「ずっと図書室に1人でこもっていましたから」
【常盤 シヅハ】
「わ、私は‥‥14時10分からは、
南雲さんと一緒にいました」
【常盤 シヅハ】
「けれどもそれより前には‥‥
誰とも会っていません。1人で監房にいました」
【白川 ミト】
「私はさっきの話にもあったけど、
14時10分からはアリバイがある‥‥」
【白川 ミト】
「‥‥それより前は1人だった」
【鳳月 カナデ】
「‥‥1人で音楽室のピアノを調律して、
その後1人でピアノを弾いていました」
【鳳月 カナデ】
「その間‥‥音楽室には誰も来ていません」
【南雲 ヒナタ】
「つまり、アリバイがないのは‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「ローゼンタールさん、常盤さん、
白川さん、そして鳳月さんの4人」
【南雲 ヒナタ】
「ただし、先ほどの議論から考えると、
白川さんには犯行が不可能」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥したがって、被疑者は3人に絞られるね」
【リヴィア・ローゼンタール】
「あら、わたくしをお疑いで?」
【常盤 シヅハ】
「ち、違う。
私じゃありません‥‥!」
【鳳月 カナデ】
「もちろん私でもありません」
【早瀬 アキラ】
「‥‥まあ、犯人が自ら名乗り出るわけないか。
全員否定して当たり前だ」
【三条 エリス】
「ま、またたた、皆さんのことを
疑わないといけないんですかッ!?」
【リヴィア・ローゼンタール】
「やむを得ないでしょう。アリバイがない以上、
疑うのは必然ですから」
【リヴィア・ローゼンタール】
「気にしなくてもよろしくてよ?」
【黒部 ナノカ】
「‥‥では、議論していきましょう。
この中の誰なら犯行が可能だったかについて」