【篠宮 マコト】
「それでシヅハさん。
あなたの言う現場に残されたムジュンとは、一体何なんですか?」
【常盤 シヅハ】
「‥‥そもそも。
今回の事件は排水口に水を溜め、そこに顔を押し付けることで溺死させた、という前提で私たちはこれまで議論を続けてきました」
【黒部 ナノカ】
「厳密には、排水口の排水機能が髪の毛が詰まる前の状態に戻っていたから、シャワーで給水しながら排水口に水を溜め続けた、ということだったわね」
【常盤 シヅハ】
「ええ。けれども‥‥それはかなり苦しい論調ではありませんか?」
【三条 エリス】
「ど、どどどどういう意味でしょう」
【常盤 シヅハ】
「考えてもみてください。排水口からは水が絶えず流れ出ていきます。
それを【シャワーごときの量の水ではたしてカバーしきれますか?】」
【倉科 ミオリ】
「た、確かに言われてみれば難しい気もしますな~」
【南雲 ヒナタ】
「シャワーの水だけでは排水を上回れない‥‥それが常盤さんの言い分、ということだね?」
【常盤 シヅハ】
「そうです。いくら給水したところで、【同じ速度で流れ出していくのなら水は溜まりません】。
つまり“水たまり”を作ること自体が不可能なのです」
【朝雛 チサ】
「けどさー、現場は確かに水浸しだったじゃん。
あれは一体どう説明すれば‥‥」
【常盤 シヅハ】
「“水浸し”だったからといって、“水たまりができていた”とは限りません。
現場が濡れていたことが、それすなわち水が溜まっていたというのは論理的に飛躍しています」
【常盤 シヅハ】
「ですから、そもそも“溺死”という死因自体が間違いだった。
そのようにも考えられるのです」
【早瀬 アキラ】
「じゃあ、真壁は何が原因で死んだっていうんだ。
少なくとも、絞殺の線はついさっき否定されたばかりだぞ」
【常盤 シヅハ】
「さあ? 一体何でしょうね。真壁さんは体の弱い方でした。
もしかしたら私たちの知らない【持病】を持っていたかもしれませんし、突然の【心臓麻痺】で死んだのかもしれません」
【常盤 シヅハ】
「いずれにおいても‥‥【排水口に水を溜め続けるのは、シャワーの水のみでは難しい】。それが私の主張です。
このような状態では、溺死させることは不可能だった‥‥いかがでしょうか、篠宮さん?」
【篠宮 マコト】
(既に解決したと思った話が、
また話題に上がってきました‥‥)
【南雲 ヒナタ】
「‥‥常盤さんの主張、苦し紛れだけども
一応の理屈としては通っている」
【南雲 ヒナタ】
「ここを崩さないと、
逃げ切られる可能性は否めないね」
【篠宮 マコト】
「じゃ、じゃあ一体どうすれば‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「僕たちがこれまで考えてきた
推理に穴があった結果‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥常盤さんは
その穴から脱出を試みている」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥ならばいっそ“その穴を塞ぐ”。
それしか方法はないんじゃないかな」
【篠宮 マコト】
「あ、“穴を塞ぐ”‥‥?」
【南雲 ヒナタ】
「排水口から流れ出る水を
逃さず塞ぐ方法‥‥何かあるはずだ」
【篠宮 マコト】
(‥‥どうやら、今一度証拠品を
確認する必要がありそうです)
【篠宮 マコト】
(シヅハさんの逃げ道になる穴‥‥
排水口ごと塞いでしまいましょう!)
【常盤 シヅハ】
「考えてもみてください。排水口からは水が絶えず流れ出ていきます。
それを【シャワーごときの量の水ではたしてカバーしきれますか?】」
【常盤 シヅハ】
「そうです。いくら給水したところで、【同じ速度で流れ出していくのなら水は溜まりません】。
つまり“水たまり”を作ること自体が不可能なのです」
【常盤 シヅハ】
「さあ? 一体何でしょうね。真壁さんは体の弱い方でした。
もしかしたら私たちの知らない【持病】を持っていたかもしれませんし、突然の心臓麻痺で死んだのかもしれません」
【常盤 シヅハ】
「さあ? 一体何でしょうね。真壁さんは体の弱い方でした。
もしかしたら私たちの知らない持病を持っていたかもしれませんし、突然の【心臓麻痺】で死んだのかもしれません」
【常盤 シヅハ】
「いずれにおいても‥‥【排水口に水を溜め続けるのは、シャワーの水のみでは難しい】。それが私の主張です。
このような状態では、溺死させることは不可能だった‥‥いかがでしょうか、篠宮さん?」
【篠宮 マコト】
「ちょっと待ってください!」
【篠宮 マコト】
「シャワーの水1つでまかないきれないなら、
複数使えばいいんじゃないでしょうか」
【鳳月 カナデ】
「‥‥残念ですが篠宮さん。
それは少し無理があると思います」
【篠宮 マコト】
「で、でも水の量を増やしさえすれば、
この問題は解決できるはずです」
【鳳月 カナデ】
「シャワーブースはある程度の距離があります」
【鳳月 カナデ】
「そして、各シャワーブースに、
それぞれの排水口が設置されています」
【鳳月 カナデ】
「これでは、犯行に用いたシャワーブースに
水が届く前に、個別の排水口に流されます」
【鳳月 カナデ】
「あまり現実的な方法とは言えません」
【篠宮 マコト】
「そ、そんな‥‥」
【常盤 シヅハ】
「だから私はシャワーの水では
まかない切れない、と主張したんです」
【常盤 シヅハ】
「理解いただけましたか、篠宮さん?」
【篠宮 マコト】
(反論としては弱かったみたいです。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「持病で死んだなんて‥‥
そんなこと、ありえません!」
【常盤 シヅハ】
「“ありえません”? 篠宮さん、
真壁さんの健康診断結果でも見たんですか?」
【篠宮 マコト】
「えっ‥‥い、いえ、それは‥‥」
【三条 エリス】
「も、もしかしたら、血圧が高いとか、
軽い持病があったかもしれませんよね‥‥?」
【倉科 ミオリ】
「わかる〜。私も毎回“健康優良児”って
診断されたいけど、実際は三日坊主だからな〜」
【早瀬 アキラ】
「いやお前の生活習慣の話はどうでもいい」
【三条 エリス】
「で、でも確かに持病がないと
断言するのは難しいですよね‥‥」
【常盤 シヅハ】
「そのとおりです。根拠もなしに
“絶対にない”と決めつけるのは軽率すぎます」
【篠宮 マコト】
「うっ‥‥」
【篠宮 マコト】
(‥‥勢いで言い切ってしまいました。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「心臓麻痺で死んだなんて‥‥
そんなこと、あるはずがありません!」
【常盤 シヅハ】
「おや? 随分と強気ですね」
【常盤 シヅハ】
「篠宮さん‥‥
被害者の心臓を直接見て調べたんですか?」
【篠宮 マコト】
「い、いや‥‥それは‥‥」
【鳳月 カナデ】
「でも、急に心臓が止まるのは、
全くありえない話ではないと思います」
【鳳月 カナデ】
「‥‥ニュースとかでもよく聞きますし」
【白川 ミト】
「うん‥‥」
【白川 ミト】
「心臓麻痺は絶対ないって言われても‥‥
それこそ無理がある気がする」
【早瀬 アキラ】
「だな。可能性がゼロとは言えねえ。
完全否定は強がりにしか見えねえぞ」
【三条 エリス】
「し、心臓麻痺は絶対ない!
なんて‥‥それこそ根拠がないですよ‥‥」
【常盤 シヅハ】
「ほら。強引に否定するのは、
かえって説得力を失うんですよ」
【篠宮 マコト】
「ぐぬぬ‥‥」
【篠宮 マコト】
(もう一度考え直してみましょう‥‥)
【篠宮 マコト】
「被害者の顔が栓の代わりになった
可能性はないでしょうか?」
【篠宮 マコト】
「それなら、殺害の間だけは水が溜まっていて、
殺害後は水が引いたことにも説明がつきます」
【リヴィア・ローゼンタール】
「篠宮さん‥‥真壁さんのお顔、
よくご覧になられたかしら?」
【篠宮 マコト】
「え、ええまあ。
なにか異常な点があったらいけないですし」
【早瀬 アキラ】
「よく見ろ篠宮。お前の推理どおりなら、
排水口の丸い形が真壁の顔に残るはずだろ」
【篠宮 マコト】
「‥‥あ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「篠宮さんを責めないであげて、アキラ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「きっと篠宮さんはこれまでの推理が
こんがらがってしまったのですわ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「だから、周りをよく見ないで
頭ごなしの意見が出てしまった」
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥そうですわよね、篠宮さん?」
【篠宮 マコト】
「‥‥きちんと見てませんでした。
反省します‥‥」
【篠宮 マコト】
(うう、早とちりして
しまいました‥‥)
【篠宮 マコト】
(もう一度考えましょう)
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「いいえ、シヅハさん。
水は同じ速度で流れ出ることはなかったんです」
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「そ、そんなわけありません」
【常盤 シヅハ】
「シャワーの水の量と、排水口から流れ出る
水の量は圧倒的に後者のほうが上です」
【常盤 シヅハ】
「水を溜められるわけがありません!」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「‥‥いいえ。他にも方法はあります」
【篠宮 マコト】
「犯人が水を排水口に水を溜めた方法
‥‥それは!」
【篠宮 マコト】
「犯人はシャワーの水圧を上げたんです」
【篠宮 マコト】
「それなら、流れ出る水よりも、
供給される水の量のほうが多くなります!」
【倉科 ミオリ】
「時に‥‥マコト殿」
【倉科 ミオリ】
「仮にマコト殿の推理が正しいとして‥‥」
【倉科 ミオリ】
「‥‥犯人はどのようにして、
シャワーの水圧を上げたのですかな?」
【篠宮 マコト】
「え、ええっとそれは‥‥
水道管を工事したとか、でしょうか」
【常盤 シヅハ】
「‥‥私にそんな技術力はありません」
【早瀬 アキラ】
「というか、常盤に限らず、
全員そんな専門的な作業なんて出来ねえだろ」
【リヴィア・ローゼンタール】
「それにわたくし、調査の際に
シャワーの水を出してみましたが‥‥」
【リヴィア・ローゼンタール】
「‥‥水圧はいつもどおりでしたわ」
【篠宮 マコト】
「あ、あれ‥‥?」
【黒部 ナノカ】
「それに水道管の工事をして水圧を上げれば、
シャワー以外の水道設備にも影響が出るはず」
【黒部 ナノカ】
「けれども、
そのような異常は報告されていないわ」
【篠宮 マコト】
「‥‥ええっと」
【白川 ミト】
「‥‥これ以上皆から“圧力”をかけられる前に
考え直すべきだと思う」
【篠宮 マコト】
「そ、そうします‥‥」
【篠宮 マコト】
(どうやら見当違いのようです。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「犯人が水を排水口に水を溜めた方法‥‥それは!」
【篠宮 マコト】
「‥‥犯人が水を溜めた方法。
それは‥‥排水口を壊したんです!」
【篠宮 マコト】
「水が出ないように壊してしまえば、
何も問題はありません!」
【鳳月 カナデ】
「いや、問題しかないと思うのですが‥‥」
【常盤 シヅハ】
「‥‥そんな荒っぽい真似をすれば、
現場に明確な破壊の痕跡が残るはずでしょう?」
【常盤 シヅハ】
「実際には、排水口は何の異常もなく使えました。
論外ですね」
【早瀬 アキラ】
「だな。そんな跡が残ってりゃ、
捜査中にすぐ気づいてる」
【三条 エリス】
「そ、そそそそうです‥‥!
壊すなんて、真っ先に疑われる行動ですし‥‥」
【篠宮 マコト】
「うっ‥‥た、確かに‥‥」
【篠宮 マコト】
(流石に無理がありましたね。
もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
「犯人が水を排水口に水を溜めた方法‥‥それは!」
【篠宮 マコト】
「犯人が取った方法‥‥
それは、“栓”を用意することです」
【白川 ミト】
「せ、“栓”を‥‥?」
【篠宮 マコト】
「今回の事件が突発的に起こったか、
それとも計画されて行われたものか‥‥」
【篠宮 マコト】
「‥‥それは証拠からは判断できません」
【篠宮 マコト】
「しかし、栓の代わりになっていた髪の毛は
今朝取り除かれていました」
【篠宮 マコト】
「つまり、事件が突発的であろうと、
計画的であろうと‥‥」
【篠宮 マコト】
「犯人は排水口を塞ぐための栓を
用意する必要がありました」
【篠宮 マコト】
「そして、掃除後にシャワーを使った人が
栓の存在に気がついていない以上‥‥」
【篠宮 マコト】
「排水口を塞いだ栓は犯行の際、
急ごしらえで用意されたはずです」
【南雲 ヒナタ】
「もし栓を先に挿しておいたら、遅くとも被害者が
シャワーを浴びる時に気づくはずだしね」
【南雲 ヒナタ】
「そこで違和感を覚えられると
犯行に差し障る可能性もある」
【南雲 ヒナタ】
「篠宮さんの推理は
筋が通っていると言えるはずだ」
【三条 エリス】
「
【三条 エリス】
「で。でも、排水口の穴にあう形の
ゴム製の栓は、ここの備品にはありません」
【三条 エリス】
「‥‥一体、犯人は何を
栓の代わりにしたのでしょう?」
【篠宮 マコト】
(排水口を塞いだ穴は
急ごしらえで用意したもの‥‥)
【篠宮 マコト】
(となると、シャワールームにあったものに
絞られるはずです)
【篠宮 マコト】
(そして、それを示す証拠品は‥‥
既に私の手元にあるはずです)
【篠宮 マコト】
「犯人が栓の代わりに使ったもの‥‥それは!」
──────────────────
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
──────────────────
──────────────────
・検視記録【つきつける】
被害者、真壁リクアの検視記録。
※詳細※
被害者: 真壁リクア
死因: 溺死(推定)
死亡推定時刻: 4月10日 13時50分~14時頃
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
リヴィアが撮影した現場の写真。事件発覚時点の状態を正確に撮影したもの。
※詳細※
1.死体に現れた特徴: 見開かれた目が充血している・唇が青紫色に変色している・口元に泡がある。
2.死体の状態: 仰向けの状態で発見・衣服全体がビショビショに濡れている。
──────────────────
──────────────────
・被害者の顔の痕【つきつける】
被害者の顔に残った特徴的な形の痕。押さえつけられた際についたと考えられる。
──────────────────
──────────────────
・首の周りのアザ【つきつける】
死体の首周辺についていたアザ。U字型になっており、首の後ろから側面にかけてついている。正面部には痕がない。
──────────────────
──────────────────
・腰の周りのアザ【つきつける】
死体の腰周辺についた縄のような細長い痕。身体全体を一周している。被害者の死亡直前に命綱として巻かれたロープの位置と太さに酷似している。
──────────────────
──────────────────
・シャワールームのタイル【つきつける】
現場のシャワールームの床材。死体の顔に残っていた跡に酷似している。
──────────────────
──────────────────
・排水口に詰まった髪の毛【つきつける】
現場となったシャワールームの一番奥のブースに詰まっていた髪の毛。水の流れを阻害していた。事件当日の朝、星谷セリナによって除去されている。
──────────────────
──────────────────
・床に落ちた石鹸【つきつける】
死体の足元付近に落ちていた石鹸。タイルに接している裏面は濡れてヌルヌルになっているが、表面は水がかかった形跡が一切ない。
──────────────────
──────────────────
・破れたシャワーカーテン【つきつける】
死体があったブースのカーテンは破られていた。残る2つのブースのカーテンは対照的に破られていない。
──────────────────
──────────────────
・焼却炉の状況【つきつける】
直近、めぼしい物証が捨てられた形跡はなし。シヅハ、ヒナタにより内部の調査が行われたが、処分された衣服の下にも物証が隠された形跡はなし。
──────────────────
──────────────────
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
──────────────────
──────────────────
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
──────────────────
──────────────────
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
──────────────────
──────────────────
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
──────────────────
──────────────────
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。【透明化】の魔法を持つ少女。
自己と自己が触れているものを透明にすることができる。
──────────────────
──────────────────
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。【分身】の魔法を持つ少女。
自分と同じ見た目の分身を1体作り出せる。分身とは視覚が共有され、本体の意思で自由に動かし声を発することができる。
ただし、分身には実体がなく物に触れることができない。
──────────────────
──────────────────
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
──────────────────
──────────────────
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
──────────────────
──────────────────
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
──────────────────
──────────────────
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
──────────────────
──────────────────
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
──────────────────
──────────────────
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。【変身】の魔法を持つ少女。
知っている人間の姿に変身することができる。
ただし、声と身につけている服は変化しない。また、人間以外に変身することはできない。
──────────────────
──────────────────
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
──────────────────
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「犯人はこれを使って、
排水口を塞いだんです!」
【鳳月 カナデ】
「‥‥とてもそうは思えないのですが」
【篠宮 マコト】
「そ、そんな事はありません!
これを排水口にこういうふうにはめ込めば‥‥」
【倉科 ミオリ】
「ま、マコト殿ー‥‥」
【倉科 ミオリ】
「今のそなたの行動は、排水口じゃなくて、
議論の流れを塞いでしまっていますぞー‥‥」
【倉科 ミオリ】
「‥‥なんつって」
【常盤 シヅハ】
「言われてますよ、篠宮さん。
妄想も大概にしていただきたいですね」
【篠宮 マコト】
(“議論の流れを止める栓”はお前だ、
と言われてしまいました‥‥)
【篠宮 マコト】
(もう一度考え直しましょう)
【篠宮 マコト】
(排水口を塞いだ穴は急ごしらえで用意したもの‥‥)
【篠宮 マコト】
(となると、シャワールームにあったものに
絞られるはずです)
【篠宮 マコト】
(そして、それを示す証拠品は‥‥
既に私の手元にあるはずです)
【篠宮 マコト】
「犯人が栓の代わりに使ったもの‥‥それは!」
──────────────────
・向日葵バッジ【つきつける】
篠宮マコトが身につけているバッジ。
──────────────────
──────────────────
・検視記録【つきつける】
被害者、真壁リクアの検視記録。
※詳細※
被害者: 真壁リクア
死因: 溺死(推定)
死亡推定時刻: 4月10日 13時50分~14時頃
──────────────────
──────────────────
・現場写真【つきつける】
リヴィアが撮影した現場の写真。事件発覚時点の状態を正確に撮影したもの。
※詳細※
1.死体に現れた特徴: 見開かれた目が充血している・唇が青紫色に変色している・口元に泡がある。
2.死体の状態: 仰向けの状態で発見・衣服全体がビショビショに濡れている。
──────────────────
──────────────────
・被害者の顔の痕【つきつける】
被害者の顔に残った特徴的な形の痕。押さえつけられた際についたと考えられる。
──────────────────
──────────────────
・首の周りのアザ【つきつける】
死体の首周辺についていたアザ。U字型になっており、首の後ろから側面にかけてついている。正面部には痕がない。
──────────────────
──────────────────
・腰の周りのアザ【つきつける】
死体の腰周辺についた縄のような細長い痕。身体全体を一周している。被害者の死亡直前に命綱として巻かれたロープの位置と太さに酷似している。
──────────────────
──────────────────
・シャワールームのタイル【つきつける】
現場のシャワールームの床材。死体の顔に残っていた跡に酷似している。
──────────────────
──────────────────
・排水口に詰まった髪の毛【つきつける】
現場となったシャワールームの一番奥のブースに詰まっていた髪の毛。水の流れを阻害していた。事件当日の朝、星谷セリナによって除去されている。
──────────────────
──────────────────
・床に落ちた石鹸【つきつける】
死体の足元付近に落ちていた石鹸。タイルに接している裏面は濡れてヌルヌルになっているが、表面は水がかかった形跡が一切ない。
──────────────────
──────────────────
・破れたシャワーカーテン【つきつける】
死体があったブースのカーテンは破られていた。残る2つのブースのカーテンは対照的に破られていない。
──────────────────
──────────────────
・焼却炉の状況【つきつける】
直近、めぼしい物証が捨てられた形跡はなし。シヅハ、ヒナタにより内部の調査が行われたが、処分された衣服の下にも物証が隠された形跡はなし。
──────────────────
──────────────────
・篠宮マコト (しのみや まこと)【つきつける】
囚人番号27番。15歳。【治療】の魔法を持つ少女。
怪我を一瞬で治すことができる魔法。
──────────────────
──────────────────
・南雲ヒナタ (なぐも ひなた)【つきつける】
囚人番号28番。15歳。
──────────────────
──────────────────
・常盤シヅハ (ときわ しづは)【つきつける】
囚人番号29番。14歳。【影操作】の魔法を持つ少女。
影を捉えることで、縄の形になった影を操ることができる。大きな物を軽々と持ち上げるほどの力を持つ。
──────────────────
──────────────────
・真壁リクア (まかべ りくあ)【つきつける】
囚人番号30番。15歳。【空気圧縮】の魔法を持つ少女。
狙った対象の周囲の空気を圧縮することができる。
4月10日、何者かによって殺害された。
──────────────────
──────────────────
・白川ミト (しらかわ みと)【つきつける】
囚人番号31番。14歳。【透明化】の魔法を持つ少女。
自己と自己が触れているものを透明にすることができる。
──────────────────
──────────────────
・鳳月カナデ (ほうづき かなで)【つきつける】
囚人番号32番。14歳。【分身】の魔法を持つ少女。
自分と同じ見た目の分身を1体作り出せる。分身とは視覚が共有され、本体の意思で自由に動かし声を発することができる。
ただし、分身には実体がなく物に触れることができない。
──────────────────
──────────────────
・倉科ミオリ (くらしな みおり)【つきつける】
囚人番号33番。14歳。【空間ポケット】の魔法を持つ少女。
ポケットの中に何でも自由に出し入れできる魔法。
──────────────────
──────────────────
・星谷セリナ (ほしたに せりな)【つきつける】
囚人番号34番。16歳。【幻聴】の魔法を持つ少女。
聞いたことのある人の声を再現し、耳元で再生することができる。
──────────────────
──────────────────
・朝雛チサ (あさひな ちさ)【つきつける】
囚人番号35番。13歳。【暴食】の魔法を持つ少女。
魔法のおかげで何でも食べることができる。
──────────────────
──────────────────
・早瀬アキラ (はやせ あきら)【つきつける】
囚人番号36番。16歳。【血液操作】の魔法を持つ少女。
血液を硬化させたり、硬化させた血液の形を自由に変えたりすることができる。
ただし、体内にある血液を硬化させることはできない。
──────────────────
──────────────────
・リヴィア・ローゼンタール【つきつける】
囚人番号37番。17歳。【時間停止】の魔法を持つ少女。
魔法の発動中は自分以外の全てのモノの時間が止まる。
──────────────────
──────────────────
・黒部ナノカ (くろべ なのか)【つきつける】
囚人番号38番。15歳。【変身】の魔法を持つ少女。
知っている人間の姿に変身することができる。
ただし、声と身につけている服は変化しない。また、人間以外に変身することはできない。
──────────────────
──────────────────
・三条エリス (さんじょう えりす)【つきつける】
囚人番号39番。16歳。【感情共鳴】の魔法を持つ少女。
自己の感情を他人に伝染させる。本人の意志にかかわらず発動し、魔法を操作することもできない。
感情が伝染するか否かは個人差がある。
──────────────────
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「犯人が栓代わりに使ったもの‥‥
それはこれです!」
【早瀬 アキラ】
「それは‥‥シャワーカーテンか」
【篠宮 マコト】
「はい。このカーテン、
今朝は破れていなかったはずです」
【篠宮 マコト】
「けれど、事件発覚後、
捜査の時点では破れていました」
【篠宮 マコト】
「犯人は犯行の際、これをとっさに破いて
栓の代わりにしたのではないでしょうか!」
【南雲 ヒナタ】
「事実、シャワーカーテンは被害者の
ブースのものだけが破れていた」
【南雲 ヒナタ】
「犯行の際に使用したと考えるのが自然だね」
【常盤 シヅハ】
「‥‥‥‥‥‥」
【篠宮 マコト】
「シヅハさんの魔法は、
確か最大で3つの影を操れたはずです」
【篠宮 マコト】
「まず、最初にあなたは影の縄を
腰に巻き付けて行動の自由を奪いました」
【篠宮 マコト】
「その後、被害者の首根っこを捕まえると、
排水口に顔を押さえつけ溺死させようとした」
【篠宮 マコト】
「けれども、その時‥‥
問題が発生しました」
【白川 ミト】
「シャワーの水の量に対して、
排水口から流れる水の量が多かった‥‥と」
【篠宮 マコト】
「その通りです。慌てたあなたは
栓の代わりになるものを探しました」
【篠宮 マコト】
「そこで、近くにあった
シャワーカーテンに目をつけた」
【篠宮 マコト】
「影のうちの1つを使って‥‥」
【篠宮 マコト】
「あるいは自らの手でシャワーカーテンを破り、
影を使って排水口の穴に埋めて即席の栓とした」
【篠宮 マコト】
「その後、水のかからない距離から
影で被害者を抑え続けた」
【篠宮 マコト】
「こうしてあなたは、
被害者を溺死させたのです!」
【常盤 シヅハ】
「‥‥‥‥‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「常盤さん‥‥」
【篠宮 マコト】
(‥‥これ以上の反論は流石に厳しいはずです。
これで‥‥)
【常盤 シヅハ】
「
【常盤 シヅハ】
「ま、まだです‥‥」
【篠宮 マコト】
「‥‥!」
【常盤 シヅハ】
「そ、その推理には‥‥
まだ欠けている点があります!」
【篠宮 マコト】
「‥‥欠けている点」
【常盤 シヅハ】
「そうです。篠宮さんの推理は
一見すると整っている」
【常盤 シヅハ】
「けれども‥‥証拠がありません」
【白川 ミト】
「しょ、証拠‥‥?」
【常盤 シヅハ】
「“犯人がシャワーカーテンを破って栓にした”」
【常盤 シヅハ】
「ならば当然、その“破かれたカーテンの切れ端”が
見つかっていなければならないはずです」
【常盤 シヅハ】
「ですが、そんなものは
どこにも存在していません」
【三条 エリス】
「えっ‥‥!
そ、それって確かに‥‥!」
【星谷 セリナ】
「捜査で分かったのは
“カーテンが破れていた”という事実だけ‥‥」
【星谷 セリナ】
「切れ端そのものは‥‥
たしかに見つかってないみてーだな」
【倉科 ミオリ】
「むむむっ!」
【倉科 ミオリ】
「となると、マコト殿の今の推理は、
そもそも根拠が薄いってことになりますな!」
【早瀬 アキラ】
「‥‥ちっ。確かに言われてみれば、
証拠が無いんじゃ反論の余地が出てくるな」
【早瀬 アキラ】
「常盤の言い分は強引だが、
穴を突かれたのは事実だ」
【鳳月 カナデ】
「では、私たちが今持っているのは、
“破れたカーテン”という状況証拠だけで‥‥」
【鳳月 カナデ】
「犯人がそれを使ったかを裏付ける証拠はない、
ということになるのですね」
【黒部 ナノカ】
「証拠がなければ、推理は推測のまま‥‥」
【黒部 ナノカ】
「このままでは常盤シヅハを
告発するのは難しい」
【リヴィア・ローゼンタール】
「ふふ。せっかく華麗に追い詰めたと思ったのに、
肝心な“決め手”が抜け落ちているなんて」
【リヴィア・ローゼンタール】
「篠宮さん、
まだまだ詰めが甘いのではなくて?」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥でも逆に言えば、
ここさえ突き止められれば全てが決着する」
【南雲 ヒナタ】
「残るは1点‥‥」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥“破かれたシャワーカーテンは
どこに行ったのか?”」
【南雲 ヒナタ】
「これを証明できれば、
常盤さんの主張は崩れる」
【篠宮 マコト】
「シャワーカーテンの切れ端‥‥
それが見つかっていない理由‥‥」
【常盤 シヅハ】
「見つかっていない以上、
あなたの推理は“空論”に過ぎません」
【常盤 シヅハ】
「どうぞ‥‥ここで終わりにしてください」
【篠宮 マコト】
「
【篠宮 マコト】
「‥‥終わらせません。
必ず見つけ出してみせます」
【篠宮 マコト】
「あなたが破ったシャワーカーテンの行方を!」
【南雲 ヒナタ】
「‥‥どうやら、
議論もいよいよ大詰めのようだ」
【南雲 ヒナタ】
「篠宮さん。
最後まで気を抜かないで」
【篠宮 マコト】
「‥‥もちろんです」
【篠宮 マコト】
(消えた最後の証拠‥‥
その在処、必ず探し出してみせます!)