初投稿ですので誤字脱字、おかしな部分があればぜひご意見ください。
「いってきます」
白髪の少年はもう返ってくることのない返事に寂しさを覚えながら扉を閉め、背を向けて歩き出した。
亡き祖父の笑い声が耳に残響しているような錯覚を受けながら、それらを振り払うように小走りで村を発つ馬車に乗った。
長年育ってきた村が遠ざかっていく光景には眦に涙が溜まるが少年はそれをぬぐいこれからに思いをはせる。
「オラリオか、どんなところなのだろう」
「そうかベルはオラリオの行くのははじめてか」
ぽつりと漏れ出た独り言だったが横に座る男には聞こえていたみたいだった。
「オラリオには何でもあるぞ、夢も希望も女も英雄も」
「英雄...」
「ははっ!そういえばお前は英雄譚が好きだったもんな。だが気をつけろよ?オラリオじゃあいろんな考えを持った奴らがいくらでもいるからな」
忠告をしてくれる男の声はすでに少年・ベルの耳には届いていなかった。
「おいベル、起きろ」
いつの間にか眠ってしまっていたらしく重く閉じていた瞼を無理やりこじ開けた
「あれがオラリオだ」
その言葉にバッと体を起こし指をさされた方角を見るとまだ距離が開いているはずなのにやけに大きく見える壁に囲まれた巨大な塔が目に入った。
「あれがオラリオ!!」
ベルはまだ寝起きで重い体を無理やり動かし馬車から身を乗り出しその光景に強く鼓動がなった。
「英雄の街!!!」
城壁で行われていたガネーシャファミリアの検問を無事済ませ、世話になった男にお礼を言い城壁内に入った。
そこはベルの居た村とは比べることのできないほど賑わった街だった。
そこ行く人皆が笑いながら道を歩いていた。
今にも走り出したい衝動を抑えベルは自分を受け入れてくれるファミリアを探すことにした。
意気揚々とファミリアを探し始めて三日何の進展も無く路銀も尽きたベルの姿がそこにはあった。
「どうしよう...」
メインストリートから少しそれた路地裏でベルは途方に暮れていた。
膝を抱えしゃがみ組んだ腕に顔をうずめながら漏れ出すため息を抑えられずにいた。
「だ、助」
へこんでいたベルの耳にかすかに女性の悲鳴が聞こえた。
ベルは恐怖心を抑えながら声の聞こえたほうに向かって駆けた。
着いたそこは広場になっていた。
たどり着いたベルがまず目にはいったのは、男が女性を抑え込んでいる様子だった。
「な、何をしているんですか」
ドッドッと恐怖心から高鳴る鼓動を抑え掠れるような声を発した。
「あ?なんだガキとっととどっか行けよ」
まさしく冒険者然とした男の発する言葉に圧を感じ逃げ出したくなるベルだったが、ベルのほうに救いを求めている女性を無視できなかった。
「その女性を解放してください」
強く発した言葉に男は眉をひそめ立ち上がった。
「なんだガキ、お前俺に指図してんのか?」
「い、いやそうゆうわけじゃなくて」
「じゃあなんだ嘗めてるってことか?てめーみたいなガキが?」
男は言い終わるや否やこちらに駆け出してきた
「ひー。お、落ち着いてください」
「てめーが発端だろ!」
そういいながらこぶしを振るってきた男のこぶしをよける。
しかし振り向きざまに払ってきたこぶしにあったてしまい壁に飛ばされる
頭を打ったからなのか視界がぼやけてきた
(ここで僕もおわりかなー、おじいちゃん最後に女の人の助けになれたかな?)
朦朧とした意識の中最後に見えたのは正義の剣と翼が描かれているエンブレムと真紅な髪を束ねた女性の駆ける姿だった。
(女神さまかな、きれい)
ベルは意識を手放した。