「苦労した…ね。それはどういう意味で?」
そう言いながら男子生徒を
「言葉通りの意味さ。そいつを
それをいとも簡単にさぁ。ひどいと思わない?」
やれやれ、と
「…5年前、あの時
「うん。そうだよ?」
なんの悪びれもなくそういう。
嘘はない。それどころかどこか誇らしさすら見える。
─つまりこいつはあの日の件に関わっている。
お母様が死んだ百鬼夜行に…。
そう思う前に体が反射的に動いていた。
──チャキ、と男子生徒の首筋にアヤメ(刀)を当てる。
「おい
私の明らかな殺気を感じ取ったのか
それのおかげで少しだけ冷静さを取り戻した。
「血の気が多くて困っちゃうよ」
やれやれ、と首を振る。
こんな状況というのに冷静さを欠かない。何かあるのだろう。
「っ!
一瞬遅れて何かが私の頭があった所を過ぎ、続けてパァンッ!という発砲音がした。
「あ~あ、惜しかったなぁ」
特段驚くでもなくそう言う男子生徒。
発砲音がした方向を確認すると
アハハ、と笑う男子生徒。
「いいでしょ?こいつは依頼で死んじゃった子なんだけどね、ランクで言うとA。いい掘り出し物だったよ」
まるで子どもがおもちゃを自慢するようにそう言う。
「たす…けて。こんなこと…したくないのに…」
目に涙を浮かべる女子生徒の霊。
「…ちょっと安心したよ。そこまで清々しいクズだとやりやすくて助かる」
「同感だぜ。よく分からんがこいつぶっ飛ばしゃ解決なんだろ?」
パシッ!と
「さっきの一件の続きってことにしといてやるよ」
「へぇ~、意外と太っ腹なんだね」
そんな軽口を叩きながら私は女子生徒の霊、
「な~んかやる気みたいだけど誰も用意してる戦力が1人とは言ってないんだよね〜」
パチン、と男子生徒が指を鳴らすと同時に
...目算で20数体。
鎧を着込んだやつに、獣の霊。ちらほら強そうなやつもいる。
「死人に口なし、だからね。みんな頑張ってね〜」
ニヤリ、と笑ってひらひらと手を振る。
「これはちょ〜っと面倒くさいかな〜」
苦笑する私に
「こんくらいならなんとかなるだろ?」
と軽く返してくる
多勢に無勢なこの状況をわかっていないのか...。
と思ったのだが口元が笑っている。
どうやらこの状況を楽しんでるらしい。
私も大概だがこいつもかなりの戦闘狂らしい。
「んじゃまぁもう一件、ちゃちっと片付けますか!」
天宮《あまみや》につられ私も少し頬を緩ませながらそう宣言するのだった。