「というか、私のこと調べたみたいだけどどこまで私のこと知ってるの…?」
「そんなに知らんぞ?なんでかお前の情報すくねぇからさ。
教官ボコして首席入学したくせに今はE。最低ランクだとか。
主に刀と焔を使って戦うとか、嘘を見抜ける力持ってるとか。
後は......基本的な身体データくらいだな」
私の情報が少ないのは意図して消してるからだろう。
あんまり知られたくないこと多いし。
思い出しながら言う
......あれ?何も見えない?
おかしい。今までそんなことはなかった。
人によって見えやすい、見えにくいはあった。
でも、どれだけ霊力が高い人であっても嘘か本当かを見ることは出来ていた。
「んだよ。そんなに
と嫌そうに言う
──やっぱり何も見えない。
(あぁ、朝からめんどくせぇ)(あいつ死なねぇかなぁまじで)(はぁ、ホントに
感情を見ようと集中しすぎたせいでいろんな人の感情が頭の中になだれ込んでくる。
とっさに目を閉じたのだが先ほどまで見ていたものが頭の中でぐるぐると回り続ける。
(死にたい死にたい。死んで死んで。だるい、めんどくさい。死ねばいいのに。なんで私が…)
どうにも負の感情というものは見えやすいらしい。昔からそうだ。
頭の中が他の人の感情がぐちゃぐちゃに混ざる。
どれが自分の感情なのかが分からなくなってくる。
──息が荒くなる。
「お、おい。大丈夫か?」
「──うるさいっ!私のことなんてほっといてっ!」
パシッ!と伸ばされた
「私なんか、私…なんか…。
うわぁぁぁっ!」
一種のパニックを起こして暴れそうになる私をギュッと抱きしめる
「安心しろ、大丈夫だ。
...ほら、もう何も見えないだろ」
「あっ...」
思わず声が漏れる。
──見えない。見えないのだ。
負の感情だけじゃない。感情そのものが。
黒く渦巻いていたものも、明るく光り続けるそれも見えない。
見たくもなかったそれらが今は全く見えない。
ただそれだけ、それだけのはずなのに
「──こんなに、こんなに綺麗なんだね...」
ポロリ、と涙が
感じたことのなかった静かな世界。
初めて見る綺麗な世界。
そんな私の言葉に
「あぁ」
と短くそう返してくれた。
少しして私が落ち着いた後、
「悪かったな。いきなり抱きついたりして」
そう言って離れようとする
「待って──」
ぎゅっ、と私から抱きつくようにして止める。
「もう少し、もう少しだけこのまま…」
何でこんな事を言ったのか自分でも分からない。
そんな私を見ても
とても温かくて優しい。
そして懐かしい気持ち。
全然違うのに、似ている。
嫌でも思い起こされる。
(お母様…)
なぜか
本当、何やってるんだろ。私。