しばらくの間無言の時間が過ぎる。
お互いにアクションを待っている状態、硬直状態と言うやつだ。
観客が何やらわーわーと騒いでいる。
どんだけ血気盛んなの…。
やれやれ、と呆れてしまう。
硬直状態を終わらせたのは私。
「......ねぇ、
「ん?なんだ?」
「──君はさ、この世界をどう思ってる?」
優しい声でそう問いかける。
私は
私と正反対のやり方である全員を救おうとするその心を。
だからこれは、懐かしいあの夢を見たときから聞いてみようと思っていた事だ。
「そう...だなぁ。ムカつくことだらけだし、理不尽だし、どうしようもないことばっかりだし、クソみたいだなってそう思ってるよ。
でも、それでも、悪い世界。...なんてのは口が裂けても言えないかな。
──だから...そう、そういうことは仕方ないって割り切ってるよ」
力強くそう言い切る。
「......うん。そうだね。私も、その通りだと思うよ。」
不条理で、不平等な世界を仕方ないって割り切る。
その中で幸せを見つけていく。そうするしか無い。それがこの世界だ。
「でもさ、もし。
もしどうしようもない運命があって、それがどうしても気に入らなかったらあなたはどうする?」
いつの日かお母様にもした質問。
そう、確かあの時お母様は──
『そうね、私なら──』
「そうだな、俺なら──」
『「─そんな運命はクソ喰らえってそう叫んでぶっ壊す」わ』
あの時のお母様と同じようにどこまでも純粋で、楽しそうな笑顔でそう言った。
──ドクン
心臓が高鳴る。
...あぁ、この人だ。
この人しかいない。お母様が言っていた運命の人っていうやつは。
そう確信する。
そのことが妙に嬉しくてくすくすと笑ってしまう。
......きっとこれは、私の中のゴミみたいな運命とやらが起こした、数少ない良い運命と言うやつなのだろう。
「ねえ、
私、今から変なこと言うね」
自分でも見たことのない満面の笑みを浮かべる私。
「──私と、一生一緒にいてください」
私がそう言うとかぁぁぁぁぁっ!と顔を真っ赤にする
「あ~もうっ!」ガリガリと後頭部を掻く。
「わーってるよ!最初からそのつもりだっての!
てか!その言葉、絶対に
「うん。君以外に言うつもりなんてないよ?」
くすくすと笑う私に対して
「お前、なぁ...」
はぁ、と呆れたようにため息をつく。
「つうか、そうなるとお互いのわだかまりがなくなって戦う理由もなくなっちまった訳だが...。
どうするんだ?まだやるか?」
「何言ってるの?ここから、でしょ?」
私はそう言い放ち、桜の髪飾りを外す。