キルヒアイス生存if二次創作を書こうと思い、まずは方向性を短編小説として示し、読者様のご感想を伺おうと考え、執筆しました。

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ジークフリード・キルヒアイスが生きていたら

 銀河帝国軍ラインハルト・フォン・ローエングラムは、その手腕を以て門閥貴族との内戦を終結させた。

 だが、ヴェスターラントでの民衆暴動においては、ブラウンシュバイク公爵が逆上し核攻撃を実行。それを食い止めようとするラインハルトに、パウル・フォン・オーベルシュタインはあえて核攻撃を実行させそれを門閥貴族のむごさとして喧伝することで内戦の終結を早めるよう工作した。

 内戦の早期終結は、オーベルシュタインの策謀であったのだ。

 

 時に、ガイエスブルク要塞での捕虜引見の式典。

「ローエングラム公、我が主君、ブラウンシュバイク公の仇をとらせていただく!」

 携帯式ランチャーを構えたアンスバッハに、キルヒアイスが即座にブラスターを向け、発砲。

 手の甲を撃ち抜かれたアンスバッハが膝を突き、苦しむ。

「何をするか!」

 諸将らがいっせいにアンスバッハに飛びかかり、制圧する。

 アンスバッハの歯が毒を噛んだ。

「飲み込ませるな!」

 オーベルシュタインが立役者に厳しい眼光を向ける。

「キルヒアイス上級大将、武器の携帯は禁止したはずですが」

「通達の届いてない士官から譲ってもらったのです。慣例でしたので」

「キルヒアイス! オーベルシュタイン!」

 ラインハルトが高い声でふたりを呼び、威儀を正させる。

「後処理が終わったのち、私の執務室へ出頭せよ」

 

 ……執務室へ出頭したふたりをデスクの前に立たせ、ラインハルトは険しい面持ちで述べる。

「キルヒアイス、卿のブラスターだ。受け取れ」

 警備兵とぎこちない敬礼を交わし、キルヒアイスはブラスターを腰に収める。

「オーベルシュタイン、卿の軍籍を剥奪する。罪状はヴェスターラントへの核攻撃実行を幇助した罪だ。自室にて謹慎せよ」

 キルヒアイスが目を見開く。

「まだお若いローエングラム公には結局ご理解いただけなかったか。けっこう、彼ひとりを腹心と頼んで、狭い道をおゆきなさい」

 キルヒアイスは平手でオーベルシュタインの言葉を制する。

「参謀長は狭い道とおっしゃいますが、覇道と殺戮を求めるのも、暗く狭い道ではないのですか」

「その通りだキルヒアイス。俺は俺の道を行く」

 オーベルシュタインと警備兵が退室したのを待って、ラインハルトは切り出す。

「キルヒアイス、俺が間違えていた。ただひとつ訂正するなら、俺はヴェスターラントを救う措置を講じたが、奴に妨害された」

「そうでしたか。私こそローエングラム公に意見してしまい……」

「よせ、ラインハルトでいい」

「では、ラインハルト様……」

「あの時振る舞おうとしていた葡萄酒があるんだ。飲まないか?」

「ご相伴にあずかります」

 

 ……その後、ローエングラム公は諸将とともに帝都オーディンの宰相府を強襲。

 

 ラインハルト暗殺未遂事件の主犯を帝国宰相クラウス・フォン・リヒテンラーデとしたこの大それた作戦には、謹慎中のオーベルシュタインの進言によるところが大きい。

 オーベルシュタインは軍籍剥奪されながらも、策略家としてしばしばローエングラム陣営に重要な助言を与えつづけ、ついにローエングラム時代の意思決定中枢から離れることはなかった。

 

 帝国宰相にはキルヒアイス、帝国軍最高司令官にはラインハルトが就き、寡頭制が敷かれた。

 キルヒアイスはアンネローゼと結ばれ、幸せをかみしめている。

 

 そのような平和な時代に迫る地球教、フェザーンの影。

 彼らの未来はまだわからない……

 

 

 

 

 

 




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