TS転生ポッター妹   作:ts

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Dr.Stone見たりDark and Darkerを遊んだりしていたらいつの間にかこんなに経っていた。
時間が過ぎるのは早いですね。


ホグワーツ

 ダンブルドア先生と共に歩いていると、U〇Jや映画で見覚えのある大きな城が見えてきた。

 どこか白く輝いているように見えるホグワーツの城。城の下に広がる大きな湖が、日差しによって光り輝いている。

 

 牙の生えた猪に翼が生えた不思議な像の間を通ると、遠くの方に天井の無いコロッセオのような建物が見えてきた。

 

(あれがクディッチで使う場所なのかな?)

 

 箒に乗ってボールをゴールに入れ合う魔法界のスポーツ。試合中には普通に骨が折れることもあるかなり危険なスポーツだ。

 

(……え?)

 

 川に架けられた石橋を渡りながら「絶対にやらないだろうなぁ」と思いつつ、クディッチの競技場のあった右側から左側へと視線を移す。すると、遠くの湖でイカのような巨大な触手が水面から伸びていた。

 

(えっ、大きすぎじゃない……?)

 

 遠くに見える木々よりも、水面から出ている足の方が大きく見える。遠近感によるものだと思うが、それにしても大きすぎる。

 

 アイリスは実際に見る巨大イカの大きさに感嘆していると、重厚さと年月を感じさせる城壁へと辿り着いた。

 なんだか格好よく見える城壁を潜り抜けると、湿った土と甘い花の香りが鼻腔をくすぐってきた。そこは丁寧に作られた円形の広場で、真ん中には噴水、その周囲には円を描くように草花が植えられている。

 

 目の前の光景か、はたまた匂いによるものか、不思議と身体の力が抜けて瞼が閉じそうなのを我慢していると、扉の前に見覚えのある人物が立っているのが視界に映った。

 物語の魔女のようなとんがり帽子に黒いローブを着ており、顔には深い皺が刻まれていて生きた年月を感じさせる。だが背筋は鉄の棒でも入っているのかと思うほどピンと伸びており、身体の軸が全くブレる様子がない。

 

「おお、マクゴナガル先生。少し待たせてしまったかの?」

 

「お気になさらず。丁度日向ぼっこがしたかったところですから」

 

 声の聞こえる範囲まで近づくと、ダンブルドア先生はゆったりとした口調で話し始めた。アイリスが花壇に水をやる()()()()を見ていると、マクゴナガル先生が厳格そうに、しかし親しみを感じる口調で答えた。

 

「マクゴナガル先生、この子がアイリス・ポッターじゃ。アイリス、この方は変身術の教授であらせられるミネルバ・マクゴナガル教授じゃ。グリフィンドールの寮監も兼任しておられる」

 

 挨拶を終えると、ダンブルドア先生がアイリスの背中を優しく押してきた。挨拶をしなさいということだろう。

 

「えっと、はじめまして、マクゴナガル先生。アイリス・ポッターです」

 

 アイリスが日本式のお辞儀をしながら言うと、マクゴナガル先生はほんの少しだけ目を細めた。

 

「初めまして、アイリス。私はミネルバ・マクゴナガル。ホグワーツへようこそ。あなたを歓迎しますよ」

 

 そう言って、マクゴナガル先生は柔らかく微笑んだ。

 厳格そうな雰囲気の中に、優しい母のような温かさを感じる。

 

「さて、マクゴナガル先生。話したいこともあるじゃろうが、まずはアイリスをポンフリーの元へ連れて行かねばならんのでの」

 

「そうですね。念のため診てもらった方がよろしいでしょう」

 

 そうしてアイリスは二人に挟まれながら歩いていく。

 

(宇宙人の写真みたいになってる……)

 

 左を見れば優し気にアイリスを見ているマクゴナガル先生。右を見ると、一瞬だけ悲し気な表情をしていたダンブルドア先生。

 何故か二人と手を繋いでいるため、身長差的に前世で見た連れ去られる宇宙人みたいになっている。

 思わず笑いそうになるのを我慢して頬をぴくぴくとさせていると、マクゴナガル先生とダンブルドア先生が扉へと片手を添えて開いた。

 

「わぁ……!」

 

 扉が開いた瞬間、目に飛び込んできたのは不思議な光景。壁一面には今にも動き出しそうな盾や剣を持った石像が飾られており、中心にある絵画の中にいる女性がニコリと微笑んだ。

 

 左にあった階段を昇り、右側にケースの中に展示された猫の石像のある扉を開くと、そこには日差しで美しく輝くステンドグラスの廊下があった。

 先にランタンのぶら下がる棒を持った男性の金色の石像や、槍にもメイスにも見える武器を持った二つの金色の鎧が展示されている。

 

「ゴホンッ!」

 

「っ!?」

 

 鎧の前を通る時、鎧の一つが動いて驚いていると、もう一つの鎧が肘で脇腹の位置を突いた。

 その様子が何故か漫才のように見えて、アイリスはクスリと笑う。

 

 廊下の先へ進むと、今度はとても広い場所へと出た。中心にあるのは、周りを三人の人魚の石像が囲い、真ん中には四つのゴブリンのような石像が口から水を流し、ゴブリンの抱える円形の台座の上にはユニコーンと狼人間っぽい生物の石像が戦っているような形で飾られている。

 

「どぉれ、少し面白い物を見せよう」

 

 アイリスが石像を見ていると、ダンブルドア先生がお茶目にそう言った。

 そしていつの間にか手に持っていた杖を一振りした瞬間、

 

「おぉ!」

 

 人魚の石像が四つのゴブリン石像を中心に回り始めた。どう見ても機械的な感じはせず、駆動音の一つも聞こえない。とても滑らかに動いている。

 

「すごい……!」

 

「わしも初めて見た時は涙が溢れたものじゃ……」

 

 

 石像を見た後は階段を昇り、飾られていたギターを持った優男の絵画が奏でる音楽を清聴し、進んだ先にあった螺旋階段を昇って空中回廊を渡り、また螺旋階段を昇る。そしてその先にあったのは、遠い天井まで吹き抜けた場所であり、真ん中の柱には先の続いていない道があった。

 

「え?」

 

 手すりなんてものは無く、目視ができない道があるようにも思えない。恐る恐る下を覗いてみると、遠くの方に床が見えた。

 どう見ても落ちたら死ぬ高さである。

 

「ここは少し待つとよい。そうすれば」

 

 アイリスの手を握ってくれているダンブルドア先生が言葉を言い切る前に、どこからともなく現れた石造りのパーツが目の前で組み上がっていく。

 そうしてできたのは中心の柱を軸として出来上がった螺旋階段。二人と共に降り切ると、先ほどまで階段の形を成していた石のパーツは散り散りにどこかへと消えていった。

 

「……これ、落ちたら……」

 

「大丈夫じゃよ。ここから落ちて死んだ者は一人たりともおらん」

 

 ダンブルドア先生のことは信頼しているが、この言葉は信頼できそうにない。魔法界じゃ骨折すらすぐに治せるのだから、死んでいないだけで骨くらいは折れているだろう。

 例え骨すら折れないのだとしても、床までの距離が25mプールの数倍はありそうな所から落ちたくはないが。

 

 魔法界の楽しさと危険性を目の当たりにしたアイリスは、今後の生活を不安に思いつつ歩いていく。

 何度上がったか分からない螺旋階段を上がると、

 

「ここが医務室じゃ。もしも体調が悪くなったのならばここへ来ると良い」

 

 天井まではかなり広く、左右には幾つもの白いベッドが並んでいる。

 

 アイリスが部屋を見回していると、二人に優しく手を引かれていき、いつのまにかベッドへと辿り着いた。

 ベッドの周りにはカーテンが取り付けられており、まるで現代の病院のように見える。

 

 ダンブルドアとマクゴナガルに促されてベッドの上に登ると、とてもふかふかでふわふわとしている。さらには花だろうか? とても甘くて安心する香りが身体を包み込んでくる。

 まるで前世の高級宿のベッドのような、実に10年ぶりのマトモなベッドだ。

 

「さて、すぐにポンフリーを呼んでくるので、少し寝ておくと良い。組み分けまではまだ時間があるからの」

 

 そう言いながら、ダンブルドア先生は手で薄い掛布団をアイリスへと優しく掛けてくれた。

 自身に掛かった布団の手触りも素晴らしく良く、瞼が徐々に重たくなってくる。

 

「私はポピーが来るまでここにおりますよ」

 

「おお、ありがとう、マクゴナガル先生」

 

 閉じそうになる瞼を我慢しながら、ゆったりとした足運びで去っていくダンブルドア先生を見送る。

 後に残ったマクゴナガル先生は、目尻の下がった穏やかな表情でアイリスを見てきていた。

 

「時間が来たら起こしますので、今は眠ると良いでしょう」

 

 マクゴナガル先生の優しい声。10年ぶりのマトモな寝具。とても安心できる雰囲気。全てが合わさり、アイリスの瞼はどんどん重くなっていく。

 たがて耐えきれずに瞼を閉じ、意識が眠りに落ちていく間際、優しい声で「おやすみなさい」と聞こえた気がした。




この作品におけるホグワーツ城の外観、内装、部屋の位置は、全てホグワーツ・レガシーを参考にしています。
もしも"そこは違うよ!"とかがあれば教えて頂けると幸いです。
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