もしも、五条、宿儺、ダブラが同級生だったら?という世界線。

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リハビリ目的で書きました。深夜のテンションと勢いで書きました。原作よりキャラの設定をかなり変えています。











それではようこそ、人外魔境へ。


最強の世代

春。

 

 

それは暖かな日差しを受け、きれいな花が咲き誇る季節。厳しい冬を終えて、花や生き物が待ってましたと言わんばかりに生き生きとして、冬の生物を移り変わる。人間もそれに合わるかのように、取り巻く環境が変わり、新しい世界に一歩踏み入れ、新しい人と出会う季節。

 

ここ、東京都立呪術高等専門学校も春を迎えていた……

 

4月初め、入学式

 

雲一つない青空。入学式にふさわしい晴天のなか入学式が行われた。

 

入学式が終わり、自分がこれからたくさんのことを学び、苦楽を共にする教室に入って、ホームルームが行われた。

 

入ってすぐの学生というものは、何もかも新しい景色、隣には知らない同級生……自分が何も知らない環境に固まってしまうものである。借りてきた猫のように。いや、学生でなくとも、大人であっても同じことが起きるだろう。

 

それを知っている大人、先生は新しい生徒を緊張させないために温かいまなざし、温かい言葉で緊張していて固まっている新入生の心を溶かす。それが担任する教師としての務めである。

 

 

そのはずなのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい裏梅!入学式で学生服を着ないとはどういうことだ!!!」

 

 

 

 

 

 

なぜかここでは教師からの怒号から始まっていた。温かい空気で迎えられるはずの空気が、肌を刺すようなピリピリとした空気に包まれていた。新入生の三人は何も言うことができず、ただ座っておくことしかできない。

 

 

 

 

(先生、同意見です……)

 

 

 

 

 

怒られているのは今年の新入生の2級術師、七海健人ではなく……

 

 

 

 

(うん、それは僕も気になってた……)

 

 

 

同じく新入生の2級術師、灰原雄でもなく……

 

 

 

「……」

 

 

 

新入生にして1級術師、裏梅の事だった。裏梅は、高専の黒い服装ではなく、白を基調とした着物を着ていた。一人だけ着物を着ていたらもちろん、目立つ。それも悪いほうに。悪い目立ち方をしているのにも関わらず、裏梅は知らん顔していた。

 

「……私の事か?」

 

ようやく言葉を口にしたと思ったら、この発言だ。氷のように冷たい空気が流れる。教師と灰原、七海は「お前以外に誰がいるんだ?」というあまりも当然すぎることを考えた。

 

 

 

「お前!制服はどうした!!」

 

「しらん」

 

「知らんとはどういうことだ!説明しろ!裏梅!」

 

「しらん」

 

 

これは思春期の息子と母親の会話ではない。新入生と教師の会話である。まさしく異常な光景が広がっていた。

 

「まったくこの高専はどうなっているのだ!2年生は異次元で問題児!さらに今年も問題児が来るなんて……全く最近のやつときたらぶつぶつぶつ……」

 

教師は小言を言い始めた。最悪の空気が流れ始める。七海と灰原からすれば、「この空気どうすればいいんだ?」といった感じである。解決策はただひとつ、裏梅が教師に謝ることである。人間というのは過ちを犯すことものである。入学式から制服を着ないという異常行動をしたとしても、誠心誠意謝罪をし、行動に示すことさえできれば、印象は最悪になのは正直変わりないが、この場を収めることができる。二人はそれを期待した。さすがそのぐらい最低限の常識があると、期待していた。小さくて細い、希望の光を信じた。

 

 

教師に対して裏梅は……

 

 

「くどい」

 

 

二人の期待も、教師の小言もバッサリと切り伏せた。

 

「宿儺様が私のために歓迎会を開かれる。またせるわけにはいかん。だからこのホームルームをさっさと終わらせろ。」

 

冷たい目線でギロリと教師を睨め付ける。明らかな威嚇。それに負けず、教師が声を荒げる。

 

「教師に向かってなんて口をきくんだ!停学処分にするぞ!」

 

停学処分。それは学生にとっては強力な脅しである。よほどの不良でもない限り、心の底からビビるものだ。だが裏梅は「はあぁーーーーー」と大きく、そしてとても深ーいため息をついた。

 

 

 

その瞬間、鳥肌が立つような殺気と、体の液体がすべて凍るような冷気が教師に向けられた。

 

 

「聞こえなかったか三下。さっさと終わらせろといったんだ。時間を使わせるな。氷漬けになりたいか?」

 

 

 

全てが凍るような呪力が、裏梅の体から漏れ出ていた。この漏れ出た呪力だけで弱い呪霊は祓える。

 

そんな中で三人は動けるはずがなかった。七海と灰原は、ここで発言、動いたら間違いなく死ぬ、死の匂いを鼻で、いや体全体で感じ取っていた。

 

ただでさえ二人がこの状態、教師が耐えきれるはずもない。長くは持たない。だが精神がギリギリの状態で、なんとか口引っ付いている氷を引きはがすように口を開いた。

 

「わ、わかった。もう終わりにする。そこの二人も!もうホームルームは終わりだ!!」

 

そういって教師は一目散にドアに向かって駆け出した。しまっていたスライド式のドアを、ガチャ―――ンとけたたましい音を響かせて出ていった。

 

……

 

沈黙が流れる。誰もが唖然とするなか、休み時間が始まったかのようにやれやれと、裏梅が立ちあがった。そして、横に座っている二人に目を向ける。

 

「裏梅だ。」

 

突然の自己紹介。教師を脅して追い出してからの、自己紹介。二人は無量空処を食らったかのように、情報が完結しなかった。声が喉どころか腹でつっかえて出すことができない。

 

「上級生が下の階で歓迎会を準備している。私は先に行く。」

 

そう言い残すと、早々と教室を出ていった。七海と灰原は取り残される。七海はあまりの出来事が起きすぎてずっと息をしていなかった。水の中から這い出るようにはぷはあと息を漏らす。乾いた口の中の舌を引っ込め、唇をかんだ。はあと声を出すための空気を灰に入れ。小さく口を開く。

 

「あの、お手洗いに行きません?」

 

「あ、うん。行こうか」

 

七海が提案したのは、お手洗いの誘い。所謂、ツレションである。じつは七海は用を足すために誘ったわけではない。二人で話すために誘った。そして灰原はただのツレションではないことを理解していた。

 

トイレに入り、扉を閉める。灰原はふぅとここが唯一の安全場所かのように、息を吹いた。少しじめじめとした、春とは思えない薄暗いトイレで、二人は並んで立っていた。

 

「あ、その、あの、まずは自己紹介しましょうか。えっと、私は七海健人です。」

 

「あ、ああ。僕は灰原雄です。よろしく。」

 

「よろしく、灰原……くん。」

 

「あ、うん……呼び捨てでも大丈夫だよ。」

 

「あ……灰原、じゃあ、その、えと、私の事は七海と呼んでもらって大丈夫、です。」

 

「あ、うん、わかったよ、七海。」

 

 

「………」

 

 

「………」

 

 

「あの……」

 

「……」

 

「ここに誘ったのはトイレ目的ではない、です。」

 

「……うん、それは、なんとなくわかってたよ。」

 

「あ……それなら話は早いです、本題に入るのですが。」

 

「多分、言いたいことは同じだと思う。」

 

「……」

 

「じゃあ、思ってること同時に言ってみる?」

 

「なぜ同時なんです。」

 

「なんとなくかな。」

 

「そうですか……」

 

二人はすぅと息を吸い、顔を見て同時に叫ぶ。

 

 

 

 

「「この学校、やばくない(ですか)!?」」

 

 

 

 

全く同じことを口にした。そして二人は互いに顔を見る。大量に、滝のような汗をかいていることを二人はみた。

 

「いや、裏梅さんも強烈ですが。」

 

「うん、あれもすごかったけど。」

 

「それよりもやばいのが下の階、上級生にいます。」

 

 

二人がやばいと感じていたのは、裏梅の事ではない。いや裏梅もすごかったのだが。学校に入る前から肌で感じる、特級以上の呪力の圧だった。戦場に放り込まれたような感覚に陥っていた。七海と灰原はその圧で大量の汗をかいていた。

 

「先生ももしかしたら……」

 

「ええおそらくですが……」

 

二人は理解していた。教師が正常な精神状態ではなかったことを。この威圧感でおかしくなっていたのだ。普段あれほど荒れている人間では無い。

 

「七海、初対面にこんな泣き言をいうのは申し訳ないんだけど、もう無理かもしれない」

 

「落ち着いて、気をしっかり保ってください。」

 

一見すると、灰原を心配している優しい七海に見えるかもしれない。実際は「ただでさえきついのに、私を一人にする気ですか!?引っぱたきますよ!?」と、取り残された自分の未来の心配をしていた。年齢の割に大人の七海でさえ、他人を心配する余裕がなかった。

 

「まずは、歓迎会に行きましょう。」

 

「本当に行くの?七海」

 

灰原は気が弱くなり、声もいつもの半分以下になっていた。灰原雄は、いつも元気で明るい少年である。そんな灰原でさえ押しつぶされそうになっている。そんな中七海は何とか立ち上がろうといしていた。

 

「行くんですよ灰原、上級生の機嫌を損ねたりしたら、間違いなく殺される。」

 

トイレからなんとか灰原を連れだした。

 

 

 

二人はなんとか上級生の教室のドアの前まで着いた。

 

ドアの前からひしひしと感じる、呪力の圧。猛烈な死の匂い。

 

七海は自身の体から危険信号が鳴り響いていた。それでも扉に手をかけた。手の上に灰原の手が重なる。

 

「灰原」

 

「一緒に開けよう、七海」

 

「はい」

 

意を決して扉を開けた。

 

パァン!パァン!パァン!

「「「「入学おめでとう!!」」」」

 

 

開けた瞬間、クラッカーの音が空気を爆ぜた。ただでさえ緊張状態の人間に、クラッカーの音を響かせるとどうなるかというと……

 

「灰原!?しっかりしてください!灰原!!」

 

灰原は音にびっくりして気絶した。

 

「あれ、これやり過ぎた?」

 

「いや、普通の歓迎のはずなんだけど。」

 

「屑ども、これどーすんの?」

 

「まずいな、命の危険があるかもしれん。ひとまず家入、診てやってくれないか。」

 

上級生はなんでこうなったのかを理解していなかった。そして灰原がすぐに目覚める。

 

「あれ、七海……僕生きてる?」

 

「よかった……灰原。」

 

七海が安心している中、上級生が話かけてきた。

 

「大丈夫かい?」

 

「あ、大丈夫です。」

 

「すまないね、びっくりさせてしまって。」

 

「いえ……あのあなたは……」

 

「私の名前は夏油傑。2年生だ。」

 

「私は家入硝子。この屑どもと同じ2年生だよ~」

 

七海と灰原は二人を見る。ボンタンを履いている変な前髪の先輩。なぜかすでにタバコを吸っている女の先輩。このあまりに個性的すぎる先輩たちだが、この二人にとってはそこまで気にすることではなかった。

 

「俺はドゥーラ、2年生だ。とある国から日本に留学でこの学校に来ている。よろしく頼む。新入生たち。」

 

ライオンのような長い金髪と迫力を感じる、すごく礼儀正しい外国人、ドゥーラ。呪力はは日本人特有の力。外国人で呪術を扱えるというのは珍しい。確かに驚きはしたが、これも気にすることではなかった。

 

異質なのは三人。

 

「俺五条悟!最強だよ!」

 

目隠しをしている高身長の男、五条悟。見た目はもちろんの事、呪力の操作があまりにも精密、凪いているようだ。

 

そして、自己紹介する4人の奥にたたずんでいる二人の2mを超える大男、異形といってもいい人間離れしたもの。圧倒的な呪力と威圧感をはなっていた。手が四本、目が四つある大男が口を開く。

 

「おい五条悟、最近俺に負けたお前が最強を語るな。」

 

「はああああああ!?俺負けてねーし!?」

 

「引っ込め馬鹿目隠し!宿儺様になんて口を!」

 

さらっと宿儺の隣にいる裏梅が、五条に吠えた。

 

「あ、一応紹介しとくね。同級生だから知ってると思うけど、あの白いおかっぱが裏梅、宿儺のしもべ。」

 

「しもべではない!!私は料理人だ!」

 

「1年前からよく来るから俺たちはもう顔見知りみたいなもん。で、腕4本のやつが両面宿儺だよー。」

 

「……ふん。」

 

「で、あの角が生えてて三つ目のやつがダブラ、ドゥーラと同じ外国人で、1月からの留学生!めちゃくちゃ強いよ。」

 

「…………ダブラだ。」

 

ダブラは静かに自分の名前を口にした

 

((一番欲しい説明がなかった。))

 

 

七海と灰原は「よろしくお願いします」とつぶやくように小さく言った。

 

七海と灰原は本能で理解する。全員圧倒的な格上。二人がかりで挑んでも絶対に勝てない。とくにダブラ、宿儺、五条の機嫌を損ねたら間違いなく殺される。二人はこっそり目を合わせる。

 

(自己紹介、しておきましょうか。)

 

(だよね。)

 

二人は相手が不機嫌にならないような自己紹介を必死に考えた。今までの人生の中で一番頭が回った。この間0.1秒である。

 

「灰原雄です。よろしくお願いします。」

 

「七海健人です。よろしくお願いします。」

 

二人は慎重に自己紹介した。一挙手一投足がすべてが死因になりうる恐怖の中、安全に終わるには一番無難な自己紹介という結論に至った。

 

「改めて、入学おめでとう。お菓子を用意したからみんなで食べよう。」

 

夏油がテーブルのほうをさすと、確かに大量のお菓子が用意されていた。主役のはずの二人は全く食べる気が起きなかった。食べないのも何なのでひょいとつまんだ。

 

「やっぱり悟が持ってきたお菓子が一番おいしいね。」

 

「だよね~。五条に感謝だね。」

 

「五条悟、毎日持ってこい。」

 

「はっ。なーんでお前のために持ってこなきゃいけねーんだよ。お前は裏梅に作ってもらえばいいだろーが。」

 

「この甘さ、この食感、どうやって作っているのだ。今の私にこの味は出せない。くそっ!許さん……許さんぞ五条悟!」

 

「いやなんで矛先が俺なんだよ。」

 

「うまいなダブラ!日本のお菓子は!」

 

「……ああ、うまいな。」

 

(スページョにも食わせてやりたいな……。)

 

「ダブラーまた俺と手合わせしようぜ。」

 

「ああいいぞ。」

 

「次ダブラとやるのは俺だ。引っ込んでいろ五条悟。」

 

「ああ。」

 

「いーや俺だね。」

 

「俺だ。」

 

五条と宿儺に不穏な空気が流れる。そこでドゥーラが口を開いた。

 

「やめないか二人とも。今は歓迎会だ。楽しくやろうぜ。」

 

「ちっ。」

 

「ちぇー。」

 

一度微かによどんだ空気をリセットするように夏油が仕切る。

 

「二人とも、夜にはタコパやるから来てね。」

 

「待ってるよ~。」

 

歓迎会に和やか?に終わった。ただ後にも先にも、和やかなのはこの時だけだったであることを二人は知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

入学してから数日後、七海と灰原は先輩たちと合同で授業を受けることになった。先輩たちに呪術を教えてもらおうということである。

 

二人がグラウンドに着くと先輩たちはすでに集まっていた。といっても家入はさぼり、ドゥーラはたまたま任務がかぶっていて、欠席していた。

 

この授業を取り仕切るのは夜蛾正道。2年生の担任である。

 

「これより1年生と合同で授業を行う。2年生は1年生について教えるように。私はトイ……仕事があるので少し外れる。お前ら!何も壊すなよ!」

 

夜蛾が仕事で抜けるというのが嘘であることを七海は気づいていた。明らかに体調が悪そうだったから。問題児だらけの2年生の担任、ストレスがたまらないわけがない。

 

(夜蛾先生……お察しします。)

 

「だれが教えるんだ。」

 

「俺パス。ダブラと呪力なしの手合わせしとくわー。」

 

クソガキ五条、早々に放棄した。

 

「私の呪霊操術は練習相手にはなるんだけどね。術式に関しては……うーん、宿儺、呪力については君が教えてやってくれないか?」

 

「なぜ俺がやる必要がある。」

 

「君が一番呪術に詳しいだろ。なにより教えるのがうまい。」

 

「ふん、仕方ない。五条悟が教えて粗暴な餓鬼になっては困るからな、俺が教えよう。」

 

「ああ!!??お前もだろーが!!」

 

「私は宿儺様の近くにいます。何なりとお申し付けください。」

 

「傑ーお前も来いよ、一緒にやろうぜ。」

 

「うーん、さすがに宿儺と裏梅に押し付けるわけにもいかないしなー。」

 

「いらん、教えるなら一人でいい、ただお前は練習用に呪霊だけ置いていけ。」

 

「うーん宿儺がいいならいっか。今行くよ悟。」

 

正直七海は「えっ」と思った。理由は一番怖いからである。目の前でしゃべっているだけなのに気圧される。行動や言動を間違えるとただでは済まない。七海、灰原にとって五条の次に嫌だった。

 

「「よろしくお願いします。」」

 

といっても、拒否権はない。嫌であっても、大量の汗が出ていて、悪寒が全身を走っていても、はいと言わざる終えなかった。二人はもう帰りたくて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後……

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございます!宿儺先輩!すごく教えるのが上手なんですね!」

 

「私の術式にこんな使い方があったなんて……ご教授感謝します。宿儺先輩。」

 

「礼はいらん。呪力や術式を活かしきれてないやつが好かんだけだ。」

 

結果として、二人は宿儺になついた。教えるのがめっちゃくちゃうまかったのだ。

 

灰原は術式を持っていないため、呪力の扱いから流し方、精密な呪力操作のやり方を丁寧に教えた。七海は十劃呪法の詳細を伝えると、7:3の比率の点に強制的に弱点を作り出すこつや、拡張術式のヒントまで教えてくれた。宿儺は個人の呪力や術式を瞬時に理解し、言語化することにたけていた。

 

「あ、終わった?」

 

宿儺が七海と灰原を教えているところに、五条が割って入った。後ろにダブラもついてきている。

 

「宿儺~。一緒にやろうぜー。」

 

「今はやらん。まだ教えている最中なのが見てわからないのか。とんだ節穴だな。」

 

「あーー負けるの怖いんだ。」

 

ブチッ!!

 

宿儺の額に青筋が立った。

 

「あ?」

 

「まー俺は領域展開では負けるし?呪術センスはお前のほうが上だけどさ。領域なしだったら俺勝つし。「世界を絶つ斬撃」も油断してなきゃ当たんねーんだよ。」

 

ここで初めて目隠しを取った。すべてを情報を見ることができる六眼。透き通るような青い目をしている。

 

五条は少し強がっていた。3対7くらいで五条は負けている。宿儺を勝負に誘い出すときは、煽れば乗ってくる。いくら自分のほうがまけているとわかっていても煽った。宿儺とダブラ、三人でやりあうために。

 

「五条悟!貴様というやつは…」

 

「よい裏梅。下がれ。」

 

「しかし宿儺様…いえ、承知いたしました。」

 

「いいだろう、まだ差があることを理解してないのならお前が未熟者であることを教えてやろう。」

 

「勘違いしてるみたいだから言っとくけど、そっちが挑戦者(チャレンジャー)だから。」

 

 

「クソガキが。」

 

二人の呪力が立ち上る。五条とダブラと宿儺、この三人の戦いを止める力を七海と灰原は持っていない。二人は巻き込まれたら一瞬で肉も残らないことを理解していた。

 

(誰でもいいから来てくれ……頼む……)

 

七海は切に願った。

 

まさに今闘いが始まろうとしたその時

 

「何をしているんだい悟。」

 

夏油傑がやってきた。七海の願いがかなった。夏油はこの中ではまともよりの人間。今始まりそうな喧嘩を止めてくれると信じた。

 

「喧嘩はよくないよ悟。また校舎を全壊するつもりかい?」

 

「べつにいーだろ。今やが先いねーし。少しじゃれあうだけだよ。」

 

「けど教えている最中だろう?それを中断してまでやることじゃないだろう。」

 

(その調子です、夏油先輩。)

 

「教えるのはもう終わったぞ。何の問題もない。」

 

(宿儺先輩!?)

 

「はあー……悟、建物に影響は?」

 

「出さない!」

 

「夜蛾先が来たらすぐやめる?」

 

「やめる!」

 

「よし、行ってらっしゃい。やるなら勝つんだよ。」

 

「やったー!」

 

(夏油先輩!?)

 

そもそもこうなってしまった五条と夏油、ダブラを止めることができない。そのことを心底理解している。夏油の問いかけは縛りだ。別のところで戦闘をされるくらいならここで縛り付きでやってしまったほうがいいという考えだった。これを知らない七海は頭を抱える。「なんで!?」と声に出して言いたかった。大声を出したかった。だがこれを口にできるはずもなかった。七海無言の絶叫である。

 

「よっしゃーダブラ!やろうぜ!」

 

「嬉しそうだなダブラ。」

 

「ああ、お前らと戦う時が一番楽しいんだ。」

 

ダブラは嬉しそうにはにかんだ。それを見た五条と宿儺は心が躍る。

 

「そう来なくっちゃダブラ!」

 

瞬間、三人は地上から消えた。突風を残して消え去った。三人が生んだ強大な風に七海と灰原は目を細める。

 

「二人とも上を見てごらん。」

 

二人は上を見上げる。

 

 

 

「術式反転 赫」

 

 

 

 

「■■と光」

 

 

 

 

「解」

 

 

本気の殺し合いであることを、三人の攻撃からなる衝撃が空気を伝わり、肌で感じる。じゃれあいとは一ミリも感じない戦いが遥か上空で繰り広げられる。神々の戦いといえるだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人の術式がぶつかり合い相殺される。その直後、まず動いたのが五条悟。

 

(ダブラの亜光速はやばいけど流石にここでは使わないだろ。それ以外はなんとかなる。優先すべきは俺への攻撃手段持っている宿儺か。)

 

五条悟が術式順転蒼を利用した瞬間移動で宿儺に迫る。即座に宿儺は領域展延を使用。格闘戦では腕が四本ある宿儺のほうが有利。そのため五条は、腕でつかまれないように、長いリーチで立ち回る必要がある。攻撃してくる宿儺の攻撃を、高速ジャブで潰し、右足で胴体に蹴りを入れる。宿儺は攻撃のすきをついて攻撃をしてくる右足を殴りつける。

 

誰も加入できぬ二人の格闘戦。しかし、ダブラのは「質量をもった光」で二人同時に攻撃を行える。五条は無下限により当たらないが、宿儺には命中し攻撃により吹っ飛ばされた。元々領域展延を発動していたのでダメージは少ない。

 

(ここで五条が「紫」を使うことはない。「蒼」「赫」はどうとでもなる。問題はダブラの絨毯爆撃だな。五条悟と戦っている間にあれを連発されるのはまずい。)

 

五条悟は無下限でダブラの攻撃は効かない。「質量」をもった「呪力の込められた」光のため、オートバリアが発動するからである。一方的に攻撃されるのは宿儺のみ。五条に目もくれずにダブラに攻撃を仕掛ける。

 

「解」

 

ダブラを狙った宿儺の通常攻撃「解」。それは五条悟すら避けることはできない不可視不可避斬撃……のはずだった。

 

(いない……俺の術式を避けた……?)

 

その光景を見ていた五条悟。瞬間消えたはずのダブラが目の前に現れる。領域展延を発動し、五条に迫る。六眼を持っている五条だけが見えていた。

 

「ダブラ亜光速移動ものにしてんじゃん!やっぱお前はすげーよ!」

 

ダブラは日々度重なる特級案件や宿儺と五条のじゃれあいで亜光速移動をものにしていた。光速に近づくほど、空気は流体ではなく、個体のように振る舞う。そのため常に反転術式をまわさなければならない。反転術式をまわしていても足にはねじ切れるような痛みと、灼熱の温度に包まれるが、ダブラに痛みの恐怖と感覚はなかった。

 

(今回はたまたまうまく調節できた……やはりこの移動の扱いは難しいな。)

 

(宿儺の「解」と「世界を絶つ斬撃」は俺には当たらない。当たっても俺なら呪力強化と反転で戦闘を継続できる。直接触れる「捌」にだけ気を配っていればいい。優先は俺の攻撃が当たらない五条を先につぶす。)

 

「位相、黄昏」

 

五条悟、なんとダブラの前で術式順転「蒼」の詠唱を始める。

 

(なにを……)

 

予想外の行動に一瞬遅れた。この一瞬が命取りだった。すでに宿儺が二人に接近していた。二人に解の斬撃を放つ。

 

(これでいい、ダブラに直接「捌」を叩き込むのが一番いいが、そうなると気づかれてカウンターを食らうのは俺。だが「解」では大したダメージにはならんな。)

 

実際、ダブラに大したダメージにはなっていない。ダブラは領域転延をまとったまま、亜光速の徒手による攻撃。ダブラは宿儺に「捌」をされること警戒し、少しだけ体を動かした。急所を狙うはずの攻撃が五条の左肩にあたる。体にこぶし大の穴ができた。

 

「智慧の瞳」

 

体に穴が開いているのにも関わらず詠唱を続ける。そこに宿儺が「捌」でダブラを狙う。

 

「何っ!?」

 

「術式順転「蒼」

 

五条の術式順転「蒼」。無下限呪術に膨大な呪力を流し込み、周囲の空間を引き寄せる。ありえないほどの引力を生み出す。さらに詠唱により、通常の「蒼」よりも出力が上がっている。

 

しかしダブラは引力が発生する前に、亜光速移動を駆使して攻撃を避けていた。

 

「龍鱗、反発、番いの流星」

 

違和感

 

ダブラのすぐ近くにいた宿儺はどこに行ったのだろうか。五条は自身の放った「蒼」の呪力の渦の中にある違和感に気づいた。

 

「まじかよ!?」

 

ダブラは目撃する。五条の放った「蒼」から腕が生えてくるのを。

 

宿儺は術式順転「蒼」をよけずに、あえてに中に入った。「蒼」は先ほども言ったように強力な引力、中に入れば体が粉々になってしまう。中にはいるなど自殺行為である。だが宿儺は領域展延による術式の中和と、膨大な呪力量でカバーしていた。

 

「解」

 

それは「世界を断つ斬撃」。空間ごと切断するため、五条悟の無下限をも貫通する。五条は六眼でぎりぎりで気づき「蒼」による瞬間移動を行う。が、ほんの少しだけ遅かった。回避しきれず、左足首が切断された。

 

「俺の攻撃は当たらないのではなかったのか!!五条悟!!」

 

「不意打ちで粋がんなよ宿儺ぁ!!」

 

即座に反転で足を生やした五条悟は、呪力で空中を蹴り、宿儺に向かう。宿儺も五条悟を仕留めようと高速で動いた。

 

「俺も混ぜろ、まだ、戦いたいんだ」

 

そこにダブラも加わる。

 

三人が近づき、それぞれの拳が激突する……

 

 

 

 

 

「お前たち!何をやっている!こっちにこい!!」

 

トイレから戻った夜蛾が、空中にいる三人に叱る。夜蛾先生に迷惑をかけられない(戦ってる時点でかけているが)ためこれが終了の合図だった。

 

「ちぇっ、ここで終わりかー。けど楽しかったな!」

 

「ああ、だがまだまだ戦いたりない。」

 

「ケヒッ、次は俺が勝つぞ。」

 

この三人、全く懲りていない。反省文を書かされようとも、戦いを辞めることはない。悪童であり天才の三人はこれからもずっと戦い続けるだろう。

 

 

 

 

この明らかな戦いを七海と灰原はずっと見ていた。呼吸を忘れ、喉がからからになるまで目が離せなかった。もう言葉が出なかった。代わりに「はは…」と乾いた笑いがでる。

 

「あれはいつもやってるんですか」

 

「ん?ああ、ダブラが来てからは二人ともテンション上がっちゃってね、よくやるんだよ。夜峨先かドゥーラがその場にいればやらないんだけど。」

 

「あと……また全壊させる気かっていうのは?」

 

「それはね、まだダブラとドゥーラがいなかったとき、宿儺と悟が喧嘩して何回か全壊したんだよ。」

 

「……はい?」

 

「宿儺がうまいんだよね。一見するとちゃんとしてるけど、よく見ると穴がある縛り結ぶの。夜蛾先が縛り結んでもあんまり意味ないんだよ。」

 

「私が「物体の状態を元に戻す呪霊」を手に入れてからだいぶ復旧が楽になったんだけどね。」

 

「あれはないよねー。私たち一時期瓦礫の山で授業受けてたもん。」

 

「「……」」

 

「えと、裏梅さんはどう思います?」

 

「宿儺様が戦いたいのであれば何も思わない。」

 

「「……」」

 

「私はやりすぎだと思うよ。」

 

「「夏油先輩……」」

 

「けど私も悟との喧嘩で校舎を吹き飛ばしたことがあるし、人のこといえないかな。あとみんなとバカやるのが楽しいんだよ。」

 

「「……」」

 

「校舎全壊の時はちょっと怒ったけど、ぶっちゃけタバコ吸えてお酒飲めればなんでもいいかな。」

 

「「……」」

 

七海と灰原は同じことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

((早くこの学校辞めよう。))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人物紹介

五条悟 特級術師

 

高専入学前、とある田舎の山に未登録で特級以上の呪力があるので派遣された。そこにいた宿儺との戦闘で死亡、その後反転術式で覚醒。勢いで宿儺を呪術高専に誘い、一緒に入学。入学前から殺しあってる中なので、倫理観とかなくなっている。しかもクソガキのままなので原作よりもたちが悪い。仲間と高めあっているため、実力は原作以上。強者ゆえの孤独なんて感じない。夏油とはここでも親友。1月からの留学生、ダブラを気に入っている。急成長で自分に迫ってきているから。

 

「すっくなー、夜峨先いないからまた戦おうぜ!傑お前も来る?」

 

「傑もいるし、宿儺とダブラもいる、ほんっと高専に入ってよかったよ。」

 

「ダブラの良さは俺だけが理解している。」

 

 

両面宿儺 特級術師

 

この世界では過去に両面宿儺はいない。現代、とある地図にも載っていない村で生まれた。目と腕が四つ、腹の口を持つ異形、忌み子として恐れられ、小さいころ山に捨てられる。以降、宿儺は山で育った。言語は山に捨てられた本や教科書で学習した。ある日、派遣された五条と交戦、殺害するが、反転で復活した五条に高専に誘われ、入学する。高専では、図書館で呪術に関する本を読んでいる。呪術オタク。強者ゆえの孤独なんて感じない。最近はダブラがお気に入り。急成長で自分に迫ってきているから。

 

「お前らに教えてやる本物の呪術というものを」

 

「ずっと一人だった、生まれた時から忌み恐れられていた。だがいまは裏梅がいて、五条悟やダブラがいる。今はただただ、この場所が楽しい。」

 

「ダブラの良さは俺だけが理解している。」

 

ダブラ・カラバ 特級術師

 

ここでは宇宙人ではなく外国人。一月からの留学生。呪術が扱えるシムリア人である。難民であり呪術大国の日本と共存の第一歩として、上層部に掛け合い、留学生として呪術高専へやってきた。ドゥーラとは親友。最初は、五条と宿儺についていくことができなかったが、急成長で二人に並び立つ術師に。弱気な性格が五条と宿儺からばかにされていたが最近はそんなことはなくなった。むしろ笑顔で話しかけてくるようになった。強者ゆえの孤独なんて感じない。

 

「なあドゥーラ、転入してすぐの時馬鹿にしてきた二人が、最近笑顔で戦おうと話しかけてくるんだ。どう対応すればいいかわからない、助けてくれ。」

 

「ドゥーラがいて、宿儺や五条がいる。戦うことで新しい自分がたくさん見れるんだ。ここは楽しくて仕方がない。」

 

「家入硝子、反転術式のアウトプットはどうやるんだ。ひゅーとやってひょい?なるほど、こうか。……できた。なるほど、進んでいるな、日本の呪術は。」

 

 

夏油傑 特級術師

 

この世界線は呪術および呪霊のレベルが上がっているため、それを使役する夏油も強くなる。入学時から特級である。五条は入学前から覚醒しているため、おいて行かれたとかはない。あの三人といるせいかこいつも倫理観がいかれている。原作よりも劣等感を感じていない。最強という重い称号もなく、のびのびと自分を高めている。闇落ちしたところで、天井組三人と相手しなきゃいけないので無理。即連れ戻される。たまーに天井組と相手している。尚使役した特級呪霊が一瞬で殺されるため、あまりやりたがらない。ドゥーラとは仲がいいらしい。

 

「最強は誰か?そんなの悟に決まってるだろ。」

 

「ええ~いやだよ悟、わたしの主戦力である特級呪霊たちがいなくなるじゃないか。」

 

「最近呪霊玉を飲み込むのがきついんだ。……すまないドゥーラ、相談に乗ってくれて。」

 

 

裏梅 1級術師

 

宿儺が住んでいる山の近くで生まれる。術式の暴走により家族を氷漬けにしてしまう。山で自殺しようとしたところで宿儺と出会う。以降は、ずっと宿儺のそばにいて料理をふるまっている。宿儺が一つ上で高専に入学した際は「私も高専に行く」と無断で高専に出入りしていた。行き過ぎてほぼ公認となった。(夜蛾は最初のほうは帰らせていたが、途中からあきらめた。)さしす組とは仲が悪い。よくキレている。

 

「最強は誰か?宿儺様に決まっているだろう。」

 

「家入硝子!貴様宿儺様に荷物を持たせるなあ!!」

 

「宿儺様のために命をささげると誓った身だ。これくらいどうということはない。すべては宿儺様のために。」

 

 

ドゥーラ・ヴァル・ボビディ・メチカ 1級術師

 

ここでは宇宙人ではなく外国人。一月からの留学生。呪術が扱えるシムリア人である。難民であり呪術大国の日本と共存の第一歩として、上層部に掛け合い、留学生として呪術高専へやってきた。ダブラとは親友。この中で唯一のまとも。混沌の中の唯一の光であり、ムードメーカー。ガチのイケメン。建物を壊さないように説いたのもドゥーラである。こいつが死ぬと秩序がなくなる。

 

「最強は誰か?俺はダブラを推すぞ。」

 

「正直あそこまでの殺し合いは止めるべきだと思う。ただなぁ、ダブラのあんなに楽しそうな顔を見るとな、言えないよな、そんなこと。」

 

「いいんだ夏油、隣人の悩みは俺の悩みだ。無理しなくていい。自分のペースでいい、ゆっくり話してくれ。」

 

 

家入硝子 

 

屑ども二人にさらにやばいやつらが追加されているのに何も変化がない。実は一番やばいやつなのは家入なのかもしれない。変わったこといえば反転持ちが増えたため負担がかなり減った。宿儺とダブラには感謝している。

 

「宿儺とダブラ入ってくれてよかった~。おかげで私が楽だわ。」

 

「宿儺~、そこの大量の荷物運ぶの手伝ってくれない?手四本あるんだからたくさん運べるでしょ。」

 

「そんなにキレてるとしわが増えるよ裏梅。あ、たばこでも吸う?ストレス解消になるよ。」

 

 

夜蛾正道 呪術高専教員

 

五条世代の担任。この世界で一番可哀そうな人。さしす組でも大変なのに宿儺と裏梅、ダブラとドゥーラが入ってくるとかいう地獄。多分五条たちが卒業する前にストレスで死ぬと思う。胃薬が手放せない。だれか助けてやってほしい。

 

「はいもしもし東京都立呪術高等専門学校の夜蛾です。はい……え!?五条が他呪術師ともめた?しかも五条のほうから煽った?ほんとうに申し訳ございません。以下略 もしもし東京都立…え?宿儺が任務で建物を壊した?」

 

「ドゥーラにあいつら問題児の世話を任せている。……本当は教師の役目なのに、生徒に背負わせてしまっている。本当にすまない……。」

 

 

七海健人、灰原雄 2級術師

 

とんでもない場所に放り込まれた一般呪術師。なんだかんだやめずに卒業まで学校に行った。最強たちにもまれることにより急成長。最速で一級術師に昇格する。1級の土地神は二人でぼこぼこにして帰った。

 

「普段高専で化け物たちと一緒にいるせいか、一級が弱く感じますね。」

 

「あれ、一級呪霊ってこんなに弱かったかな七海?」

 




リハビリなのに13000字も書いてすごく疲れました。

一発ネタのつもりだけどもしかしたら続くかも

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