添い寝してもらわないと眠れない女の子in百合猛獣だらけの女子寮 〜案の定美味しく食べられてしまうと思いきや、女たらしの才能に目覚めてしまいます!?〜   作:鐘楼

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作戦会議?

「な、な、なにを……っ!?」

「いいですね!」

「きっ、希沙音!?」

 

 深白さんの言葉に、由衣ちゃんは急に慌てだす。それと同時に私は元気よく返事をしていた。

 

 三人で添い寝……深白さんの提案は衝撃的だったけど、考えれば考えるほど名案のような気がしてきた。私は今まで、添い寝とは二人でするものだと思い込んでいた。だけど、言われてみればそんな決まりはどこにもない。深白さんと由衣ちゃん、二人分の肌を感じて眠る……うん、とてもいい。すごくしたい。

 

「よし、決まりだ。巳遙! あたしら用事できたから、今日はここで解散な」

「へ? なに、うちだけ仲間はずれ?」

「……混ざりたいか?」

「うわ……じゃあパスで~」

「あ、おつかれさまでした!」

 

 

 深白さんが巳遙さんに別れを告げて、私達は三人で夜の街を歩き出す。巳遙さん、なんだか渋そうな顔をしていたけど、どうしたんだろうか。深白さんと由衣ちゃんが小声で何やら話している間に、あの表情の意味を考えてみる。

 

「ちょっと深白さん、どういうつもり……!?」

「いや、一回この目で攻めの希沙音を見てみたくて。希沙音、あたしの前だと完全に受けだし」

「そんな理由で……!? って、やっぱり二人はただの寮の仲間じゃ……最低、どうせ深白さんが襲ったんでしょう……!」

「そうだけど。じゃあシないのか? ……期待してるくせに」

「そんなこと……っ」

 

 何やら二人の様子が変わったことに気づいて、思考を中断して振り返ると、深白さんが由衣ちゃんの腰を抱き寄せていた。対する由衣ちゃんは、顔を赤らめながら涙ぐんだ表情で深白さんを睨みつけている。……その表情に、まるで甘いお菓子を目の前にしているかのような感覚になって、私は自然と喉を鳴らした。

 

「……由衣ちゃん」

「き、希沙音……っ」

 

 深白さんに捕まっている由衣ちゃんに歩み寄ると、私は心の赴くままに左手を由衣ちゃんの頬に添えた。

 

「楽しみだね、添い寝」

「~~~~っ!」

 

 そして、思ったままの言葉を伝える。今日ずっと『carse dony』のメンバーを演じていたからなのか、ちょっと気取った声色になってしまったけど……由衣ちゃんの瞳に悦びの色が混じるのを見て、これで正解なんだと私は学んだ。

 

「あーあー、由衣。今日壊れても責任取らねーから」

「……ふぁい……」

「わっ、由衣ちゃん大丈夫? 支えるね」

 

 フラついた由衣ちゃんを支えると、自然に私と深白さんで由衣ちゃんを挟むような形になる。そうして三人で歩いていると、私は進路が知っているものと違うことに気づいた。

 

「あれ? 深白さん、どこに向かってるんですか?」

「ん? あぁ、ホテル。今日は寮には帰らないぞ」

「ホテル……!」

 

 その単語を聞いて、密かに私のテンションが上がった。友達だけでホテルに泊まるなんて、初めての経験だ。やっぱり、深白さんは私に色んなことを教えてくれるんだなぁと、私は深白さんへの尊敬をまた一段深めるのだった。

 

 

「じゃ、あたしと希沙音で先にシャワー浴びるから。希沙音、行くぞ」

「あ、はい! 由衣ちゃん、待っててね」

 

 こくり、と頷く由衣ちゃんを置いて、私は深白さんに連れられるままにシャワー室へと入っていく。てきぱきと服を脱いでいく深白さんを見習って、私も上着を脱いでボタンに手をかける。

 

「それにしても、不思議な雰囲気ですね~。今まで家族で泊まったどんなホテルとも違います」

「いや……そりゃそうだろうな」

「あっ、そうだ。深白さん、手続きとか全部やってくれましたけど……お金とかどうなってるんですか? 手持ちで足りるのかな……」

 

 ホテルに入ってからというもの、私はぼーっとしている由衣ちゃんの隣でスムーズに手続きをする深白さんを見ているだけだった。その時にお金などの話を全くしていなかったので確認してみると、深白さんは小さく首を振った。

 

「いや、ここはあたしが払うから、気にしなくていいよ。金はあるからな……バンドが軌道に乗ってからは、特に」

 

 気にしなくていいと言ってくれた深白さんは、どこか顔色が暗い。お金について、なにか言いにくい事情があるのかな、なんて思っていると深白さんは表情から翳りを取っ払って私の方を向いて……そしてまた顔色を変えた。

 

「そんなことより希沙音……うわえっろ」 

「? 深白さん?」

「あーいや……とりあえず入るぞ。作戦会議だ」

 

 作戦会議。

 

 三人で添い寝をするための特別な作戦会議を、私と深白さんはシャワーを浴びせあいながら語り合うのだった。

 

 

 

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