葛葉サンゲツとの激突をライドウが未然に防がれ。
竜馬の父、龍麻の知古であることが示唆された竜馬は父の経歴の謎が増えたことに頭を痛めつつも、覚えのある氣を頼りに探す。
そこには綾瀬 夕映がいた。
私は退屈が嫌いなのです。
両親は酷い言い方をするなら平凡で唾棄すべき、とまでは行かないまでも、どこか苦手に感じているです。
私は図書館島という本が大量に所蔵されている島がある麻帆良へ行きたいと祖父に頼み込み、いざ入学しようとした矢先に祖父が亡くなり、失意のまま麻帆良に着き、そこでパルやこのか、そして……私の大事な親友、のどかと出会ったです。
しかし、満たされる感覚はあっても満ち満ちているという満足感のない日常を送ってきたです。
そんな二年間を過ごしてきた私の
それは三ヶ月ほど前のこと。
ネギ先生が麻帆良に来たことです。
私は最初は物珍しいだけだと感じていました。
しかし、彼は私の退屈を消し去ってくれる起爆剤となったです。
学年末試験の時、図書館島での探検から始まり。
遂に、私の退屈を打破する情報が舞い降りてきたです。
忍者に大鬼、気、そして……魔法。
私の予想が当たっているなら、ネギ先生は魔法使いです。
しかし、
あの場に居合わせた人々は『最近のSFXは凄いなぁ』だの『最近のプロジェクションマッピングはこんなに高度なのか!』などと無知蒙昧に宣ったのです。
しかし、以前の私なら馬鹿らしいと興味は失せていたはずです。
ですが、あの指向性を持つ暴風を真正面から受け止める大鬼、長瀬さんの分身。
類事項があっても彼にはそぐわなかった。
そして彼は再び私の、私たちの下に現れました。
目元まで隠れた男性にしては長い髪、その髪の間からは柔和な笑みを湛えている。
そんな彼がくーふぇさんに連れて来られたのです。
その時の彼は柔和な笑みはそのままに、困惑もしていました。
しかし、彼は何かを察知したのか、その柔和な笑みは消え、険しい顔付きに変わったです。
その後、くーふぇさんを怪我させることなく投げてお姫様抱っこのように抱えて近くの席に降ろしたです。
その目には柔和な印象とは真反対の鋭く、それでいて怜悧さを持った瞳で先頭車両を睨んでいたです。
その唯ならない表情を見てしまった私はお手洗いに行くと言い残して彼の尾行を開始したのです。
彼は早足で先頭車両へ向かいました。
その速さは陸上競技大会で見たアスナさんと遜色ないスピードで、誰にもぶつからずにスイスイと向かっていったです。
そして、異変は起こりました。
車両にいたはずのなのに、時空が捻じれたのか、それとも侵食された……と表現すべきなのか、世界が塗りつぶされたような感覚に襲われたです。
そこから先に進むと、異様な光景が広がっていたです。
乗客は全員、眠っており、先頭の乗降口前で跪くように祈る金髪の長身痩躯の異様な男性がそこにいた。
彼は男の人を少し観察し、それを口に出した。
「貴様、依代を喰ったか?」
その一言に男は喜色を浮かべ、狂ったような笑い声を上げる。
その瞬間、私の肌に突き刺すような圧力が襲い掛かったです。
答えを聞いた彼はその変化に動じず、左右の脇から銃のような何かと符を取り出し、符は前方へ、 銃らしき物の引き金を引く。
銃身は二つに割れ、そこから光が迸って三つの影を生み出し、符は宙を舞い、その姿を形作る。
現れたのは、大鬼と妖精、よく分からない二体の可愛らしいナニカが現れる。
その時、異様な男は彼が出現させた四つの存在を見た異様な男は驚愕の表情を浮かべながらこう叫んだ。
「貴様、サマナーか!?」
サマナー?
Summoner……召喚師……!!
彼は召喚師魔法か何かを使う、ネギ先生側の人間ですか!?
でも……なら何故彼は符やあの奇妙な銃を用いて召喚をしていたです?
彼は召喚魔法を使うわけではなさそうです。
その瞬間、景色は、世界は塗り替わったです。
それは河原の辺だった。
しかし川の向かいには地獄が広がり、コチラ側には死んだように眠る乗客たちが寝そべっているばかりです。
彼はあの大柄な鬼に向かって叫びながら男の方へと駆けてゆく。
「雷轟童子! 相手は国外の神性だ! 乗客を巻き込まないために距離を離すぞ!」
神性……神!?
あの姿と今の状況……。
私が思考を巡らせながら戦闘の様子を見ていると、誰かが駆けてくる音が聞こえてきたので、私は近くの岩場に身を隠しました。
そこへ駆けつけたのは、昨晩謎の合流を果たしたエヴァンジェリンさんと茶々丸さんでした。
それからは怒涛の展開に次ぐ展開、最後はエヴァンジェリンに憑依したであろう神は男に再び戻り、今回の経緯を話始める。
それらが終わると彼……緋勇さんは男にとてつもない一撃を放ち、戦闘不能状態にして、事は終わったようでした。
エヴァンジェリンさんは茶々丸さんに抱えられながら車両へと帰り、
そこからはクズノハと名乗る集団、ライドウさんと言う人が呼んだヤタガラスの使いと呼ばれた女性、クズノハ ライドウと名乗った男が口にした『悪魔召喚師』、使いの女性が口にした『魔人』。
考察のし甲斐がある話を聞いていると、緋勇さんは振り返るとコチラに迷いなく近づいてきたです。
私が隠れたのは客席の間だったようで、彼はすぐに顔を覗かせました。
「君は……」
彼はとても驚いた様子でした。
私は、どう説明すれば良いか迷っているです。
…
……
………
俺はこの混乱の中、知った『氣』を感じてその方向へ歩み、席と席の間を覗き込むと、その人物はいた。
黒みがかった紫髪を特徴のある纏め方で整えた髪型の少女。
ネギま!シリーズで有数の魔法巧者にしてアリアドネー騎士団の見習い騎士としては警備任務の数少ない席を勝ち取るほど成長する逸材。
仮契約でのアーティファクトは無限に更新され、知識が凝縮される一冊の大図書館と言う彼女の適性を鑑みても破格のアーティファクトを手に入れる、そんな素晴らしい人材の少女だ。
だが、この状況での彼女は俺や父さん、そして気付かれてはいけない存在にいち早く気が付くであろう危険因子だ。
マズイな。
「君は……ネギ少年の生徒……だったね」
俺がそれを聞くと綾瀬さんは辺りに視線を飛ばしながらコチラにしどろもどろになりながら答える。
「は、はいです!」
彼女は作中でも抜け目のなさは折り紙付きだ。
この娘は退屈をとても厭う傾向にある。
そうでなければナギ・スプリングフィールドの手掛かり捜索に、ましてや図書館島と言う危険な場所かつ魔法という超常の力が関与する場への同行など、よほどの酔狂か覚悟が極まってないとできない。
彼女は後者……だとは思いたい。
そんな事を考えながら、俺は極めて心を冷淡に、絶対零度を心に生み出すような冷酷な思考に切り替える。
「君は……どこまで知った?」
俺は拳を握り込み、離す。
その動作を繰り返しながら問う。
軽いジャブ程度に『俺は暴力も辞さない』と顕示しておく。
彼女はこの状況でも隠し通すに決まっている。
「正直、君には驚かされてるよ」
俺はGUNPを取り出し、突きつける。
彼女の反応は不動。
動かない。
動揺せず、されども恐怖による硬直ではない。
GUNPはその見た目はしっかり見れば銃ではないことは直ぐに理解できる。
だが、素人では銃の大まかな形は分かっても、良くて種別までしか分からない。
だが、彼女は微動だにしない。
注意を向けるのは引き金を引くかどうかだ。
GUNPの全体像を素早く見て、銃かそうでないかを確認してから引き金に掛けた指だけを見ている。
召喚の瞬間を見ていた。
それは確定して良い。
そうなれば、彼女は戦いを見ていたことを意味する。
故に、魔人や葛葉、悪魔召喚師、その他の俺に関する単語は押さえられてしまっていると判断して良い。
「僕自身、君を秘密裏に葬る……という選択肢はある」
俺は今、彼女の生殺与奪の権利を握っている。
俺は努めて冷酷な瞳を彼女に向ける。
彼女は多少の恐怖は感じているものの、常に状況打破の一手を脳内に描き続けているようだ。
ネギ少年を含め今後は追求が止まない事は明白だ。
ならば……。
「だが、俺と契約を交わしてもらう」
そう、彼女には今暫くは黙っていてもらうことにする。
「契約……ですか?」
「そう。 契約だ。」
俺の一言に逡巡しているようだ。
「俺とて、人の子だ。 人殺しに躊躇いが無いと言えば嘘になる」
これは本当だ。
俺はできる限りなら人は殺したくない。
俺はまだ良い。
だが、父さんや母さんにまで被害が波及し、東京や日本が破滅する可能性は是が非でも回避しなければならない。
「その言い方……貴方は何ですか?」
凄い胆力だ。
俺が人殺しさえ躊躇はしても必要ならやる人間だと言った傍からこの一言だ。
「君は死ぬのが怖いのか?」
「怖くない、なんて言うわけ無いです。 怖いです」
その瞳には、涙を湛えながらも瞳だけは俺を見据える。
そう……己の
「ハァ……」
俺は溜息が出る。
これは、呆れなどから来るものではない。
ある意味尊敬できる。
「君は危険だ、契約するしないに関わらず殺すのが正解なのだろう」
だが。
「それ以上に敬服するよ、君の勝ちだ。」
俺は負けてさんざめく心を落ち着けようと前髪を掻き上げて、GUNPをホルダーに仕舞い、席の間に座り込んでいる綾瀬さんに手を差し伸べる。
「一つだけ、君の質問に答える。 補足しておくと、ネギ少年を含めて何名かを呼んで質疑応答をするとは思う。 その際は君を呼ぼう。 それ故に、質問は振れる事なく、何を聞くかはしっかりと考えてくれ」
俺は出来うる限り自身に冷酷さを纏わせるように努め、話す。
「約束を破れば、どうなるかはあの男を見ていたら、分かるね」と脅しは掛ける。
型をビクリと震わせながらも質問を考えているようだ。
そして、俺の手を取って立ち上がり、一つの質問を俺に投げ掛けてきた。
「あの使役する三体の名前はなんですか?」
そう来たか!
彼女はまずは総称である悪魔の名前があるかを聞いてきた。
つまり、名前は存在しているか、名前があるならばそれらを辿ればライドウの連れていた悪魔達の正体を看破できなくても推察はできることになる。
つまりは、情報の数珠繋ぎ。
それをこんな緊張状態の中、即座に思い浮かぶとは、本当に畏れ入るよ、綾瀬さん。
「あの子達はピクシーとジャックフロスト、ジャックランタンだ」
俺が答え終わると、彼女は目を見開いてコチラを見る。
そして、その答えを咀嚼しながらコチラを見る。
あの感情の起伏の分かりづらい顔では無く、どこか優しげな、暖かなものを見るような目で。
「緋勇さんは……優しい人です」
優しい? 現在進行形で脅迫をしているのに、この娘は何を言っているんだ?
「何を……言っているんだ?」
俺が困惑をしていると、彼女はこう返した。
「だって、私はまだ、契約をするとはまだ言ってる無いです」
…………あっ。
俺は頭を抱えた。
片手で目を覆うように蟀谷に人差し指と親指を添える。
俺は彼女の観察に意識を裂きすぎたようだ。
こんな初歩的なミスをするとは……。
「ですが……約束するです。 私は時が来るまでは貴方の信頼に応え、黙することを誓うです」
あぁ、この娘は良い子だ。
コチラの不手際にも付け入らず、契約をしてくれる。
なら、俺はそれに応えるだけだ。
「俺からのサービスだ。 独り言だが、君に興味があるのならば近々、コイツを作った制作者の一人が麻帆良に来る、
俺は自分のGUNPを入れた懐に指を指す。
彼女は遅かれ早かれ魔法の世界に足を踏み入れ、初級の魔法を修めることになる。
魔法関係者は魔法を使う彼女を関係者として迎え入れるだろう。
「では、君は戻るんだ。 俺はホーム経由で戻るから気にしないように」
俺はそう言いながら綾瀬さんのクラスメイトが待つ、車両に帰るように促す。
「……一つ良いです?」
?
「何かな?」
俺は綾瀬さんの問いかけに聞き返す。
「その時が来たら、貴方に直接お聞きしても良いです?」
その問いに俺は……。
「俺の知る範囲で良ければ」
それを聞くと綾瀬さんは振り返り、元いた車両へと帰っていった。
何だったのだろうか?
俺はそう思いつつ、今回の顛末を御門師匠に報告すると、師匠は顔は見えていないが、サンゲツに関しては業界ではある意味有名だったようで、今後の対魔関係の仕事がやりやすくなる、とのことだ。
俺は綾瀬さんに宣言した通り、出発時間間際の数分で元の車両まで走り、俺やネギ少年たちは麻帆良に帰還した。
次回予告
修学旅行という一つのターニングポイントを乗り越えた竜馬はある場面に遭遇しつつ、彼の行く末を決める出来事が起きる。
次回、武道/心理
あとがき
いつも拙作を読んでいただき、誠にありがとうございます。
説明にも書いておりますが、本作をパイロット版として更新しつつ、全てをアップデートしたリメイク作品を鋭意執筆中です。
公開はまだまだ先になりますが、より濃密な内容と文章量、読者の方々に満足していただけるよう努力していきますので、お待ちいただけると幸いです。
近況報告としては以上になりますが、近々アンケート内容を変更しようかと考えております。
なお、現在行っているアンケートについては引き続き行っていきますので、良ければご協力のほどよろしくお願いします。
お気に入り登録や感想、誤字脱字報告、評価付けなど本作品に反応を返していただき、誠にありがとうございます。
本作は完結までは制作を止めないように頑張って行きますので、これからもよろしくお願いします。
この小説の文章力は?
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素材だけで成り立たせているだけ、ゴミ文章