姉様、姉様、ごめんなさい 作:イエスアマゾネス
※誤字報告、ありがとうございます。
※タグ追加しました(転生)
アルテミシアと出会ったのは、遙か昔だった筈だ。魔術的に彼女とあった時間は正しいが、出会った回数、時系列は正しくはなかった。
常に同じ格好、姿、容赦。フードを被って見えなかったが、綺麗な銀髪は妖精でも早々見られない。余程着飾った、お調子者な妖精でもなければ見れない、それ程美しかったのだから。
巡礼の旅、その最中で何度も彼女に助けられた。着名したばかりのギャラハッドも、エクターも、トトロットも彼女に助けられた。
棺で眠らせた後も、しばらくの間は彼女に寝食を、道筋も教えて貰えた。
ウーサーと結ばれる、その瞬間までに私は……彼女にギフトを送っていた。
名は──モードレット。妖精騎士モードレット。
たまにしか会えないが、いざという時に助けてくれた。純粋に、裏の無い祝福と祝儀を取り立ててくれた事に感謝しか無かった。
戴冠式当日、毒によるウーサーの死亡。
妖精騎士ギャラハッドを棺にて未来へと、そして彼女は時間稼ぎをしてそのまま行方不明となった。
だが、生きてこうやって私の調整をしてくれている。
生きて、生きて、生きてくれていたのだ。今、この瞬間にだって泣いて抱きしめたい程だ。
だが、俗世に明るかった彼女は当然、暴虐で支配した私の事などとうの前から知っているだろう。
彼女は敢えて、それを語らない。いや、語れないのだから。
語れば天球に見つかるのだから。例え冥界にいても、繋がる決定的な証拠があれば正体はバレる。
こうやって調整するのも命懸けだろう。異星の存在に発見されないように、魔術的に外観漂白に冥界化を絡めて「何も無い」状態にしているのだから。
だが、決定的な事実がある。
フードを外した。つまり、天球に存在が露呈したということ。或いは。天球にバレても対処出来る術が手に入ったか。
彼女がフードを被ってる時は、決まって何かしらに見られている時だった。それは私もわかっていた。天球が見ていたのだろう。
私が彼女を読み取ろうとするとレジストされる。何度やっても、やり方を変えても全部弾かれる。やはり魔術の腕、特に防御に関しては私を遥かに上回る。妖精國の外で高度な魔術を修めてからあの時代に来たのだろう。おかげで何度助けられた事か………
剣の腕前は、少なくともライネックが暴れてても抑えられるレベル。腕が良いというより、力で抑えていた感じ。今も後継たるウッドワスが全力を出しても勝てはしないだろうとは思う。昔と実力が変わらなければ、の話だが。
ああ、でも。今の今まで妖精騎士モードレッドを秘匿していて良かったと思う。存在を公にすれば天球が対策を講じてしまう。おそらくはもうしている可能性はあるが、その上を行くモノを揃えたのだろう。
だが、それでもだ。
彼女は──敵なのだろう。カルデア側に与する立場だ。汎人類史に居る以上はこの場所も含めて、相手にならなければならない。
何故、その立場で私を調整しているのか。何故、私を助けるのか。
その意味が、今わかった
バーヴァンシーが、目の前で死体同然となって、ウッドワスに致命傷を負わされ王の役割を失い、死にかけた私は、光になって消えるという演出で、アルテミシアの目の前に連れてこられたからだ。
「──なぜ」
「意味が、欲しい?」
「何故」
「救いが、欲しい?」
「何故──」
「ならば、1つ」
「呪いが目覚める」
気がついたら、玉座にいた。
そこには、予言の子が全身全霊を使って、ロンゴミニアドを放つも出力が足らずに、呪いの塊にトドメを刺しきれずにいた。
──ああ、最後の仕事があったのですね
予言の子に、何度も何度も巡礼をした私の全魔力を与える。
聖剣となった彼女なら、致命傷まで行けるはずです。
「モルガン……!?」
──これで終い、です
ありがとう、アルテミシア……
この世界を救う、一手にしてくれて
聖剣、装填
───
モルガン、そしてアルトリア・キャスターの消失を以てブラックバレルの発射。ケルヌンノスは撃破され、狐は呪いを受けた事による逃走。
カルデアは、崩落の原因そのものと対峙して、これを突破した。
崩れかかった大地を花畑と修正力を利用して再生させるとは、やっと仕事したかマーリンめ。
カルデアを真相に導く手助けはしていたようだが、メタ貼って来た相手には辛酸舐めさせられたか、それとも空白と見えていたか。
アルビオンの残骸。下手するとゼウスがどれだけ掛かっても倒しきれないレベルの化け物。その残骸を回収せずに消えるまで見届ける。
修正力によって、元通りになる異聞帯。これから少しづつ崩壊していく。これは他異聞帯と同じである。
「はぁ〜、参った参った」
「結構魔力を使ったみたいだな」
「君も、もう隠す必要が無くなったみたいだね」
「時間を巻き戻す無茶をやったのだろう?霊器が悲鳴を上げてるな」
「そりゃね。そうでもしなきゃ危なかったからね。それを見越してモルガンに仕掛けを入れてた君も中々だけど」
そう言って星の内海に帰るマーリンの背中を蹴って追い出し、飛び去っていくストームボーダーを見る。
最後の異聞帯、南米異聞帯。
そこで、やらなければならない出来事があるのだから。
──
よぉ、また会ったな。
で、姉妹達には会えたのか?
いや、野暮な事言ったな。会えなくて当然だ、お前は生者で、アイツらは死者だからな。
そもそも、お前はもう俺らと同じ立場だ。神の血が流れているだけじゃねぇ。お前は神なんだよ、前にミクトランパに来た段階で、殆どな。
で、目的は奴だろ?まぁお前も薄々気付いてるだろうが、遅かれ早かれ目覚めて暴れる。
どんな化け物かを知っているから、これまで旅をしてたんだろ?
対抗策、持ってきたんだろ?……だろうな、それしかないだろうな。
同規模か、それを超える破壊力。厳密に言えば分解機能か。
剣にする
それに耐えうる
更に軍神の剣だ。ここまで揃えてようやく、奴の足止めだからな。まぁお前の想定は汎人類史にいる奴だから、最低でもその規模が必要ってことだがな。
安心しろ、ここにいるのは心臓が無い状態だ。それでもきつい……だろう?
で、だ。姿を隠す事を辞めたってことは、腹を決めたか。それとも、奴らに顔見せすることにしたか。
まぁ良い。こっちはこっちで星の終わりをやってみるだけだ。俺らは滅び、そして再生するんだからな。
そっちはそっちで、色々とやってみろよ。な?
モルガン:ありがとう、これしか言葉が見つからない
ライネック:なんだこいつ!?
エクター:ライネック抑えられるとか本当に人間か?いや、妖精?違うか……?
マシュ:とても、頼りになる方でした。棺で眠って以来、姿すら見てないのでその後が分からないんです。
キャストリア:秘匿存在に言及はできません
マーリン:大仕事任せた☆
テスカ:やるだけやってみな