歌譚《サーガ》   作:ベート

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 お久しぶりで〜す! 筆が乗ったので息抜きも兼ねて書きましたー!

 いや〜、テストと勉強が辛い……。しくしく( ;∀;) みんな! 頑張ろうなっ!

 では、どうぞ!


委員長とマスコミと

 放課後、1年A組の教室では戦闘訓練の反省会が開かれた。ほとんど全員が残っている。

 

 帰ってしまったのは、爆豪と轟の二人。あとは、緑谷と私が保健室から帰ってきていない。理由は単純。私の個性で治ったはいいものの、どこか不具合が生じていないかの確認。ついでにクラスメイトの怪我やらなんやらを治している時の映像を渡して評価をしてもらうためでもある。

 

 緑谷は診てもらったし私の評価も特に言うことはないとのことなので教室に戻る。

 

 ちなみに緑谷はリカバリーガールにこっ酷く叱られていた。心なしか髪がしおれているように見えた。

 

「おお! 緑谷と言代来た! お疲れ! いやー、何喋ってるかわかんなかったけど、アツかったぜ! 俺ぁ、切島鋭次郎! 今、皆で反省会してたんだ!」

 

 切島を筆頭にわーと集まり、突然の自己紹介が始まる。

 

「デクくん、腕は大丈夫?」

 

「う、うん。あの、麗日さん。かっちゃ、えと、爆豪くんは……?」

 

「あー、呼んだんだけどね。さっき、帰っちゃった」

 

「っ! ごめん、ちょっと行ってくる!」

 

 そう言うと、体操服のまま緑谷は駆け出してしまった。私も着替えなくちゃ……。

 

「あの2人、何かあるのか?」

 

「男のインネンってヤツです」

 

「確か、幼馴染だという話だったな。我々には推し量れない、様々なものがあるのだろう」

 

「ほへぇ〜」

 

 あんな仲悪そうなのに幼馴染なんか。めちゃ苦労してそう……。今度頭でも撫でてあげよう。

 

「って、そうだ! 言代の個性で聞きてぇことがあるんだ!」

 

 そんな緑谷が発狂しそうなことを考えている言代に切島が話しかけた。

 

「ん? 個性? さっき話したことがほとんどだけど……」

 

「あぁ、いや、言代の個性で他に何ができるのかって」

 

「あー、そういう」

 

 なるほどね。確かにそれは話してなかったわ。

 

「割と色々できる。回復や結界に付与(エンチャント)然り。攻撃や防御なんかも」

 

「強力な個性だね……」

 

「逆に何ができないの……?」

 

「手数の多さで言ったら八百万さんには負けるけどね」

 

 そう言って言代は八百万を見た。

 

「では、改めて……初めまして(・・・・・)、八百万さん。これからどうぞ、よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、どうぞよろしくお願いしますわ」

 

「え? 二人って初対面なの?」

 

 言代家と八百万家。日本のみならず世界的にも割と有名な家系。同じ国に住んでいるので交流があってもおかしくない、が。

 

「私の方に事情があってね。八百万さんは私のこと、見たこともないよ」

 

「えー!!」

 

「ほんとなの、それ?」

 

「えぇ。ところで言代さん、先ほどの言い方ですと言代さんは私のことを見たことがある、という言い方ですが……」

 

「うん。影からこっそりね」

 

 あの時の私はとても人前(ひとまえ)に出せるような状態じゃなかった(・・・・・・・・・・・・・・・)からなぁ。八百万家と交流があると言っても、私にとってはその程度の交流。しかもたったの一度だけ。そのたったの一度で、四つという若さで賢さを感じさせた八百万は幼い頃からの努力家だったのだろう。

 

「言代」

 

「んー?」

 

 そんなことを考えているとカラスのような見た目の子が話しかけてきた。えーと、確か。

 

「常闇くん……だっけ」

 

「あぁ。一つ聞きたいことがある」

 

 ぬぉおー。とても真剣な顔をしておられる。背景に『カッ!!』とつきそうな迫真顔である。

 

「────詠唱とやらは自分で作ったのか?」

 

「…………ん? あっ、そんなこと? 違うけど……」

 

「…………」(ズゥーン)

 

「いや、そんな落ち込まんでも……。確かにかっこいいけども」

 

「ッ!!! わかるか、同士よッ!!!」

 

「勢いすご」

 

 そんなことかい。残念ながら私が考えたわけじゃありませ〜ん。てか、私が詠唱するたびに鼻息荒くしてたのこれか。

 

「ん? ってことは詠唱はどうやって知ってんの? お告げとか?」

 

「んー…………まぁ、そんな感じ」

 

「えー、教えてくんねーの?」

 

「話長くなっちゃうから。もうそろそろ時間だし」

 

 それに数日前まで中学生だった君たちには少し刺激が強い(・・・・・)だろうから。…………でも、ヒーロー志望の子たちだから、こういう話は積極的にした方がいいのかな?

 

「うお! マジじゃん、やべー!!」

 

 ……まあ、今はまだいいかな。

 

 上鳴の声が響き、周りの皆も慌ただしく動き出す。

 

 そんなこんなで2日目が終了したのだった。

 

 ◇

 

 有名人って大変そうだなー、と目の前の光景を見ながら言代はそう思った。

 

 朝の通学路。校門前にたくさんの人集(ひとだか)り。

 

「オールマイトの授業はどんな感じですかー!」

 

「『平和の象徴』が教壇に立っている様子などを!」

 

「教師オールマイトについて…………」

 

 ……………………あそこ通るの嫌なんだが。

 

 彼らの手にはカメラやマイクがあるので、おそらくマスコミの人間。半ば強引にインタビューを登校中の雄英生へ仕掛けているようだ。

 

 幸い、今の私は車の中にいるので標的にされていないが、チラチラとこちらを見ている人がいるので車を出た瞬間を狙っているのだろう。あっ、こっち来た。

 

「あ、あの! オールマイトについて……」

 

「おいっ、やめろ! その方は言代家のご令嬢だぞ! すみません! こいつ新人で! 命だけは……!」

 

 そう言いながら逃げるように離れていった。

 

 ────そんなことしないから!!! 私をなんだと思っているの!? 仮にもヒーロー志望だよ!?

 

 そんなことをしているうちにそろそろ時間がやばくなってきたので渋々車を降り、校門へ向かった。

 

 モーゼのように人波を割った。

 

 だからなんでだよっ…………!

 

 ◇

 

 朝のホームルームの時間。爆豪と緑谷が戦闘訓練のことで相澤先生から説教をかまされた後のこと。

 

「さて、ホームルームの本題だ。急で悪いが今日は君らに───学級委員長を決めてもらう」

 

「「「学校っぽいの来たーーー!!!」」」

 

 元気だねぇ。学級委員長ねぇ。こういうのって皆やりたがらないから、投票とか真面目そうな人への押し付けとかになりがちである。

 

 私? 絶っっっっ対にやりたくない! 面倒である! 誰か代わりに──

 

「委員長!!! やりたいですソレ俺!!!」

 

「ウチもやりたいス」

 

「俺も!!」

 

「リーダー!! やるやるー!!!」

 

「あの、僕も……」

 

 クラスのほぼ全員が物凄い勢いで一斉に手を挙げ、学級委員長に立候補し始めた。

 

 えぇ……。そういや皆向上心の塊だったな。あの爆豪も「やらせろ!」と息巻いていた。

 

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30cm!」

 

 君はアウト。学級委員長ってそういうんちゃう。

 

 結局、飯田の提案で投票によって学級委員長を決定する流れになった。私は元々やりたいとは思っていなかったから、八百万に投票することにした。彼女賢いし、適材適所ってやつ?

 

 最終的な結果は、緑谷が三票、八百万も三票、その他が一票かゼロ票。同率なのでじゃんけんをし、緑谷の勝利。委員長は緑谷、副委員長は八百万が務めることに決まった。

 

 ちなみに私は一票でした。

 

 えぇ?

 

 ◇

 

 お昼休みの食堂にて。

 

「それ美味しい?」

 

「う、うん!」

 

 さあ、やって参りました、食堂! 目の前には葉隠! 美味しそうな定食を『もっもっ』しながら食べております! 対してわたくし言代魔兎はメイお手製のお弁当です! うまうま〜♪

 

 こうなった経緯を説明しよう!

 

 まず、言代が教室でお弁当をウッキウキで取り出した。そこへ葉隠が『いいい一緒に食べない!?』とものすっごい勢いで話しかけてくれた。いいよー。お弁当じゃない? じゃあ、食堂行こうかー。ゴーゴーゴー! で、現在である。

 

「にしても皆、委員長やりたいんだねぇ」

 

「ま、魔兎ちゃんは違うの……?」

 

「性に合わないっていうかー、めんどーっていうかー。透は違うのー? 確か透はゼロ票だったよね? 別の人に入れたんだー?」

 

「やりたいとは思ったけど……」

 

「んー?」

 

「な、なんでもないっ!」

 

 ふふ。そんなこと言ったって君が私に票を入れてくれたことくらいわかっているんだぞー?

 

「可愛い子め〜♪」

 

「うぅ……!」

 

 そんなこんなでご飯も食べ終わり、教室に戻るぞー、というところで。

 

 ウゥーーー!!!

 

 校内全体に爆音の警報が鳴り響く。

 

「警報!?」

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』

 

 警報に続き、校内に緊急アナウンスが流れる。

 

 セキュリティ3とは、校舎内に侵入する者が現れたということだ。つまり、雄英の(・・・)防衛システムを突破した、ということ。

 

 そして当然、生徒達はパニックに陥る。そのため身の安全を確保するために生徒達が我先にと避難を始めた。結果、満員電車状態ができてしまい、逆に危険な状況が生まれてしまった。

 

 そんな状況の中、言代と葉隠はというと。

 

「んー。これじゃ動けないねぇ」

 

「すごい冷静だね!?」

 

「だってこの騒動の原因、マスコミだもん」

 

「えぇ……」

 

 身動きが取れないという状況ではあるが、(さいわ)い座っていた席が壁とソファー付きの席だったので、直感でソファー側に言代が避難したことにより難を逃れていた。

 

 ちなみに、葉隠と(はぐ)れないようにするためか無意識に葉隠の手を握っていたりする。

 

 葉隠は悶えかけた。ついでに不安もだいぶマシになった。

 

 ◇

 

 後に、飯田の機転で食堂周辺のパニックは沈静化され、到着した警察によりマスコミは撤退し、騒動は終息した。

 

 また、それを受けて緑谷が彼を委員長に推薦し、最終的に学級委員長は飯田が務めることに決定した。一つハプニングがあったが。

 

 だって、ねぇ? 緑谷と飯田が代わるのは別にいいと思うけど、それだと八百万が可哀想じゃん、と。

 

 ということなので、『じゃんけんでもして委員長を決めない?』と言代は提案。結局、八百万は負けてしまったが、どこかすっきりしたような顔をしていた。よかったよかった。

 

 そんなこんなで通常の授業に戻りつつある訳だが、言代は疑問が残っていた。

 

 ────マスコミ程度がどうやってあの雄英バリアを突破したのか。

 

 んー…………。私は某勇者みたいに親指が疼くっていうわけじゃないんだけど……嫌な感じがする。

 

 結局、言代は不安を(ぬぐ)いきれず、親指を見つめ続けていた。




 いかがでしたか? 今回は書き始めたら止まらなくなり、普段より文章量が多くなりました。さらさら書けるようになりたい……。

 また、次回の投稿も間が空くと思われます。すみません。

 次回も楽しみに! ばいちゃ!

 〜八百万家との交流〜

コトマト「(うっわ、めっちゃ賢そう……)」(物影からこっそり)

ヤオモモ「(畳の構造ってどのような感じでしたっけ?)」
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