シエルの父親・ヴィンセントに成り代わった物語   作:アルトリア・ブラック(Main)

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第14話

[chapter:ヒースフィールド男爵家]

 

「ここが無くなれば困る人がたくさんいるのよ」

 

ジェーンはメイリンはに向けて銃を向ける

 

「それでも、ここを潰すのかしら?」

 

「………」

 

メイリンは辺りを見渡す

 

(…ここは、明らかに敵の血液供給の工場ですだ、ここを潰してランマオさんを助けて坊ちゃんの元に帰るですだ)

 

眠っているメイド達を起こして助け出すのはかなり至難の技。

 

目の前にいるジェーンですらかなりの実力を持っている。

 

 

 

 

シエル達にスフィア・ミュージックホールの濡れ衣を着せてから数日後、ファントムハイヴ家にてシエル時代の書類等を読んでいた。

 

山のように積み重なる書類

 

「ヴィンズ、手伝おうか〜?」

 

後ろの窓際に寄りかかってくるいた葬儀屋がそう言ってくる

 

「珍しいこと言うね、昔の君だったらこんな事務仕事嫌がるだろうに」

 

真シエルが戻ってきたときに真シエルが葬儀屋に『(執事くらい)アンダーテーカー出来ないのか?』と言って「出来ないよ」と断ってたのを考えると本当に対応の差が激しくて笑える。

 

「そりゃそうだよ、何で紙と見つめ合いっこしないといけないのさ、かと言ってあんまり仕事にせいを出したらいけないよー」

 

「ご忠告痛みいるよ」

 

「にしても、ヒースフィールド男爵家はあのまま放置で大丈夫なのかい?」

 

「大丈夫だよ、血液工場の増設は進んでいるんだし、あの子の事だ同時に叩くようにしているだろう」

 

「ふーん、なら、こっちも手を打たないとまたポラリスが癇癪起こしちゃうよ?」

 

「まぁ、それは嫌だけど、ポラリスは人に当たる事はないし、まだ彼を仕向けるわけには行かないだろう?」

 

"まだ対処の仕様がある"

 

それから書類の片付けをしていると…

 

「ヴィンズ、今日はここでおしまいだよ」

 

葬儀屋が隣に立っていた。

 

「あ、本当だ」

腕を見ると血液が足りていない皮膚の色をしていた。

 

「はい」

そう言ってヴィンセントをお姫様抱っこする。

 

「……この運び方どうにかならない?」

 

「ヒッヒッ、普通に立ち上がったら立ちくらみするだろう?それに、血液が足りてない足で動こうとしたら良くないよ〜」

 

(…すごい恥ずかしい)

 

「やれやれ、君は少し血液のほかにもご飯を食べないとねぇ〜」

 

「タナカに頼んで作ってもらう事も視野に入れてるけど、血液が足りないときに脂っこい食事は厳禁だろう?」

 

「そうだねぇ〜まぁ、しばらくは点滴と血液だねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

一方、ヒースフィールド男爵家にて、メイリンはメイド兼用心棒のジェーンと戦闘をしていた。

 

「っ…!」

ランマオに首を絞められていたジェーンは物凄い勢いでランマオを倒す

 

「やーめた」

ジェーンはランマオを投げ飛ばした後、両手を上げて降参する。

 

「え?」

 

「私、給金に見合わないサービスはしない主義なの、アンタ達も私と同じ人種だと思ったけどどうやら違うようだし」

 

そう言って両手を上げながら立ち上がる

 

「自分の命と金を天秤にかけない。そういうタイプとやりあうのは得策じゃない」

 

呆れたポーズをとりながらジェーンはため息をつき

 

「降参よ、男爵にはお暇を頂くとするわ」

[newpage]

 

ランマオは咳き込みながら立ち上がり

 

「ゴホッ、多分嘘、殺そう」

 

「ま、待つだよ!」

 

メイリンはまっすぐジェーンを見ると

 

「ワタシ達の任務は敵の血液供給源を断つこと、それだけですだ、ジェーンに戦意がないなら殺す必要はない」

 

「戦意も何も、私は腕を買われて男爵に雇われただけ」

 

「買われたのは看護の腕前?それとも殺しの腕前?」

 

「人を殺したことはあっても、救った事はないわね」

 

「私を見逃してくれるならここについて知っている範疇で話すわ」

 

「……貴女は何者?」

 

「私は雇われメイド兼用心棒、私の仕事は秘密が外に漏れないように監視する事、色ボケ男爵は金払いが最高だったしあくびが出るくらい楽な仕事だった。アンタ達が来るまではね」

 

「じゃあ、あんたは血液収集自体には関与してねぇだか?」

 

「ええ、目的さえ知らない。警護だけよ」

 

そして、ジェーンの口から聞いたのは黒服の連中がここに出入りしていたということ

 

「それだけね、知ってることは」

 

ジェーンは不敵に笑い二人を見る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴィンセントはベットに入ると、いつも通り輸血が始まった

 

(…この流れ的に言えば、ポラリスが来て暴れ出すよな…)

 

足元で葬儀屋が爪を研いでいた

 

(…まぁ、しばらくは寝て休もう)

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜あ、また無職になっちゃった」

 

ジェーン達は屋敷から出てきて言う

 

「良い就職先を紹介してやってもいいだよ」

 

「結構よ、人使いが荒い主人はお断りよ」

 

ジェーンはメイドの服の紐をほどきながら

 

「次は"厄介な同僚"がいないところに行くわ、じゃあね」

 

 

 

 

 

 

シューシューという機械音がファントムハイヴ家に響く

 

葬儀屋は爪を整えていると

 

コンコンとドアがノックされる音が響く

 

「ただいま戻りました」

 

「おかえり、ポラリス」

 

フードを被ったポラリスは不満そうな表情をしていた。

 

「…ご報告が」

 

「あんまり良い知らせじゃなさそうだねぇ」

 

「……は」

 

「北の血液工場が何者かの襲撃を受け壊滅、ヒースフィールド男爵は逮捕されました」

[newpage]

 

ポラリスの会話にヴィンセントは寝ながら(どう言っても癇癪起こすよな…)

 

まぁ、何か言わないと物語的に進まないのでベットから起き上がると

 

「全然、悪い知らせじゃないじゃないか、初めての親子喧嘩であの子が歯向かってきた。こんなに喜ばしいことはないよ」

 

「ヒッヒッ、君らしいね」

 

すると、葬儀屋の声を遮るかのようにポラリスが大声を出す。

 

「何が喜ばしいものか!このままではシリウス様に捧げる煌めきが足りなくなってしまう!あの役立たずども!」

 

めちゃくちゃ暴れ出すポラリス

 

(あー…カーテンが)

 

「いいや今からでも遅くない!あいつらを全員ミンチにしてやる!!」

 

「ポラリス」

 

内心すっごいドキドキしていたが、ヴィンセントに成り代わったおかげで原作の真シエル以上に穏やかな声を出せた。

 

「俺はもう、シリウス様じゃない。それは息子の事だろう?」

 

「あ、ヴィンセント様、失礼しました…」

 

ガクガクと震えるポラリス

 

「顔が青いよ、新鮮な血液が手に入りやすいお前だって、まだそれほど活動時間が長いわけじゃない」

 

「……」

 

「今日はもう仕事を中断して下がって休め」

 

「私は……私は恐ろしいのです。もしまた主人を失ったら死んでも死にきれません」

 

「他に行くあてなどない。私は………死んでも執事ですから」

 

涙を流すポラリスを黙って見つめる葬儀屋とヴィンセント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポラリスが退出した後、ヴィンセントはベットに寄りかかる。

 

「ほら、言ったじゃないか、癇癪起こすんじゃないかって」

 

葬儀屋は立ち上がってポラリスがぐちゃぐちゃにした部屋を片付け始める。

 

「まぁね、まさか目の前で暴れ出すとは思わなかった。すごくビックリしたなぁ」

 

本気でビックリした。

 

確かにポラリスが暴れる音はスフィアでも聞いたけど

 

葬儀屋はある程度片付けた後、寄ってくると

 

「…この後、どうするの?ヴィンズ」

 

「あの子の意思を尊重すれば俺はここで去った方が良いのだけど、本当にあの子の意思なのか探りたい」

 

「というと?」

 

「悪魔が本当に邪魔だから、まずは悪魔を消すところからだね」

 

「………」

[newpage]

[chapter:考察物語・カノープス様はジェーン]

 

ジェーンはメイド服を脱ぎ捨て、まっすぐとファントムハイヴ家に戻ってくる

 

ポラリスと入れ違いでヴィンセントの部屋に入る。

 

「戻りました」

ポラリスと違って軽い口調で入ってくるジェーンにヴィンセントは笑い

 

「お帰り、カノープス」

 

ジェーンはその言葉にため息をつき

 

「カノープスは仮の名前、私としてはジェーンの方が良いのだけど」

 

「あはは、じゃあ、ミス・ジェーンで良いかな」

 

「やっぱりカノープスで」

 

「ヒッヒッ、どうだった?ヒースフィールド男爵家は」

 

「すっごい退屈、色ボケ男爵の趣味のおかげで多少は騙せたと思うし、あっちの使用人達は完膚なきまで破壊した素振りを見せてましたけど、ヤードに任せてしまう辺りまだまだですね」

 

「あはは、あの子と黒い執事君なら屋敷の人皆殺しまで行くだろうね」

 

ヴィンセントの微笑みにジェーンは呆れ気味に

 

「まぁ、使用人も人を辞めてるに近いというかなんというか、力技で消しにかかってくる時点でヤバいと思ったんで、降伏するそぶり見せて、その後、本気で殺されると思ったけど殺さないで見逃す辺り優しさ残ってるって思いましたね」

 

ジェーンは「首痛かった…」と呟く

 

「ポラリスは休みに行ったから、カノープスも休みに行っておいで、お前も私と同じで血液を集めにくいんだし」

 

「はい、そうさせてもらいますよ、ヒースフィールド男爵家にいた時もあっちにバレないように輸血作業してましたし、しばらくはお暇させてもらいます」

 

ジェーンは部屋を見渡し

 

「…ていうか、今気づきましたけど、この惨状なんですか?」

 

敵襲ですか、と聞いて来て笑う

 

「ポラリスが暴れてね、役立たずども!って激しくカーテンとか破り初めて大変だったよ」

 

「あ、その流れだと私も結構キレられそう」

 

その言葉に葬儀屋が笑い始める

 




ー考察というか妄想というかー

・ジェーンの不審点山盛りでカノープス様かなと思って書きました。

・まぁ、カノープスじゃなくて単なる用心棒かもしれないけど、発言の矛盾や違和感が拭えなかったので文章として起こしました。

『ここのお屋敷が無くなると困る人がたくさんいるのよ?』

「この屋敷の目的さえ知らない。何の為に血液を集めてたさえね」

???

あれ?知らないっつてたよな?何の為に血液を集めてたか知らないって言ってたのに『お屋敷が無くなると困る人がたくさんいる』って言えるんだろうかと首を傾げた。

知っているからこそ、言えるのでは?と思いました。

それに、スフィアの事件でも何かしらお星様が出てきたのにヒースフィールド男爵家の事件ではお星様が出て来なかったのでかなり怪しみました。

多分【一つ目の敵の生命線完全破壊】と書いてはいたからここは本当に終わりだとは思いますが、男爵が単なる色ボケジジイなだけなのも怪しいし…


後、『私の知ってる"範疇"で』の範疇って【同じような性質を持つものの部類に属すること】なんですよね

つまり、メイド兼用心棒としてヒースフィールド家にいただけで、どこから来たか云々は言っていないし、まぁ次回作に期待です。
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