巻き込まれたドブカス成り代わり 作:ドン引きやわ…
原作:魔法科高校の劣等生
タグ:R-15 オリ主 神様転生 残酷な描写 アンチ・ヘイト 転生 憑依 クロスオーバー 比企谷八幡 HACHIMAN 呪術廻戦 禪院直哉 投射呪法
レディーファイッ!
ーー今なら、禪院直哉の気持ちが分かる気がする。
羨ましかったんだよな。天から与えられたその才能で、自身の全てを上回っている人間が。
傍から見ればアイツらは努力をしなくても勝手に強くて、生きているだけで求められる存在だから。
妬ましかったんだよな。そこに後から到達した、かつて自身が偽物だと蔑んだ人間が。
アイツは初めから強かったわけではないけど、本来なら天賦の才能を持っていた側だ。
それがどうしようもなく許せなくて、否定したくなったんだよな。
今なら分かる気がするよ。醜いと分かっていても、この気持ちは抑えきれない。自分だって本質は同じなのに、この考えを抱かずにはいられない。
だって俺の目の前にいる存在は、本来この
ここではない別の所で、捻くれた考えを持ちながらも、最後にはヒロインと結ばれる。
そんな普通の存在なんだから。
喧嘩なんて出来ないだろう。仮に何かの間違いで時空が被ってこの世界にやってきたとしても、
少なくとも強者ではないだろう。
そんな人間なんだ。そんな人間であるべきなんだ。
だというのに……コイツは、比企谷八幡はそうではなかった。
明らかに本来の強さではない。端的に言えばチートじみた強さをしていた。
俗に言う”HACHIMAN”だ。
果たしてそんな事が許されるだろうか。
いいや、許されて良いはずがない。
オリ主や、転生者なら別に良かった。(ああ、チート貰って転生したんだろうな) で済んだ話だ。
俺という異物に対してどんなアクションを取るかは不明だが、良識ある人間ならば悪い方向には進まなかっただろう。なんなら向こうが同類の場合、愛する
けれどコイツはダメだ。ここに居てはいけない存在だ。
なんだよ”適応と術式の
性能盛り盛りすぎだろ。もう比企谷八幡というガワを使う必要ねえんじゃないか?
オリ主でやってくれよマジで。不要だろ。
というか内容が公表されていないとは言え、基本コードで再現出来る”不可視の弾丸”を模倣出来るのは百歩譲ってまだ分かる。
だがなんで里美スバルの”認識阻害”まで使えるんだよ。
BS魔法だぞ。異能だぞ?おかしいだろ。
クソが。どう足掻いても最初から勝ち目なんかなかったじゃねえか。
そもそもなんで普通の「魔法科」の世界じゃないんだよ。俺はなんか”禪院直哉”として生まれたし、多分誰かの二次創作だろここ。ふざけんなよクソ神が。人の心とかないんか?
誰だよこんな作品作ったやつ。一発殴らせろマジで。
「チッ」
そんなことを考えていたからか、思わず舌打ちが出る。
けど許して欲しい。こっちはずっと本気でやってるのに、忌々しい目の前の存在はまるで遊んでるかのように振る舞っているのだから。
というかこれでも死に至る威力を持つ魔法を除いた立ち合いの場合、一条にですら勝てるんだぞ。
そんな俺を弄べる実力があるなら森崎達を助けろよ。”破城槌”くらいオマエの”眼”で見破れただろうが。”術式解体”なり”術式爆散”なりで消し飛ばせよ。
あー、もう。ウダウダ考えてんじゃねえ。吉祥寺や一条が精一杯やった。沓子や一色、十七夜といった他の三高の面々も、原作より高い順位を記録している。
そのお陰と言ってはなんだが、ここで
そんな重要な場面で、俺が気張らなくてどうするよ。
「スゥー……」
出来る事なら使いたくはなかった。多分、いや絶対にお偉いさん達から目を付けられるから。
死にたくないから、いざという時のために鍛えはしたが、自分から厄介ごとに首を突っ込む気はさらさらない。だから一高じゃなくて三高を進路にした訳だけど。
だがまあ、
ーーここまで来たら、やるしかねえだろ
「シン・陰流」
それは、十文字お得意の”領域装甲”を基に、自分なりにアレンジして再現したーー”弱者の領域”
「簡易領域」
瞬間、比企谷が”小通連”を振り払う。しかしその攻撃は当たる事なく、俺の頭上を通過した。
比企谷の目が見開かれ、驚愕に染まる。いい気味だ。
だが無理もない。”認識阻害”のかかった太刀を、先程まで防御に精一杯だった奴がいきなり回避し始めたのだから。
本来、再現した”簡易領域”は、ただの”領域装甲”だった。
しかし俺はそこに”落花の情”を模したサイオンプログラムを組み込む事で、領域内に侵入したもののフルオートでの迎撃、もしくは回避を可能にすることに成功。
加えてサイオンプログラムに関しては魔法式を用いないサイオン操作の延長線上だ。すぐさま模倣される心配はない。
とりあえず状況はイーブンになった。だが時間をかければかけるほど、アイツの方が有利になっていく。
ならばどうするか。
模倣・適応の異能を持つ相手を破る唯一の方法。
ーー初見の技にて適応前に屠る。
「投射呪法」
俺は本気を出してはいたが、決して全力を出していた訳じゃない。
だが舐めプをしていた訳でもない。さっきも言ったように厄介ごとに巻き込まれたくなかっただけだ。
しかしその懸念は”簡易領域”の手札を切ったことで関係なくなった。あとはもう走り出すだけだ。
24fpsで動きを作る。
狙いはヘッドギア一直線。僅か30mというこの短い距離であれば、反撃される事なくそれを奪い取る事ができる筈だ。
そう判断し、術式を発動。比企谷の目の前まで瞬時に移動し、ヘッドギアに手を伸ばす。
しかし
「クソッ」
手を掛けた瞬間、蜃気楼のように比企谷の姿が霧散し、消えた。
おそらく使用したのは光の屈折を利用した幻影魔法。ならばそう遠くはない場所にいるだろうと、周囲を警戒しつつ再び”簡易領域”を展開する。
その刹那、俺が比企谷を見つけたと同時に、重力磁場が一帯に発生した。
(ドブカスがぁ……)
本当に性格が悪い。面で制圧してきやがった。確実に俺の動きを抑えに来てる。
だがまあ、“簡易領域”を展開していて助かった。仮にそうでなければ今の一撃で雌雄は決していただろう。
立ち上がって身体の状態を確認する。骨は折れてない、なら大丈夫だ。
まだ動ける。まだまだ走れる。まだまだ喰らい付ける。
(ダメで元々、負けなければそれでいい。当たって砕けろ)
掌を空気に当て、フリーズさせると同時にそれを叩き割る。
呪術廻戦に於いて、呪霊形態の直哉がやっていた、触れたものをフリーズさせる能力の応用を、
比企谷に向かって放つ。
空気が連鎖的に爆発し、比企谷の身体が吹き飛ばされた。だが何事もなく復帰してくる。
(なるほどな……”鋼気功”か。気功術で身体の表面を鋼のように固くすることでダメージをほぼ打ち消したっちゅーわけかい)
「どこで真似たんかは知らんけど、そろそろ手札尽きてきたんとちゃう?」
「虚勢だな」
正解、虚勢だよ。だがそう思わなければこっちは負け一択だ。
「どうやろ?真依ちゃんに聞いてみよか」
真依ちゃんなんていねーけど。禪院家はあるが。
押し問答の直後、比企谷がこちらにCADを向けたのを見て、咄嗟に横に移動し、そのまま術式を使って加速する。
投射呪法は過度に物理法則を無視した動きや軌道を作ることは出来ない。
速度も同じく、術式発動時の加速度には上限がある。
逆に言えば、耐えず術式を重ねることで出せる速度は青天井に上がっていき、物理法則に反しない限りはどんな動きも作る事ができる。
俺は駆け回りながら掌を空気に当てて、叩き割る動きを作ることで空気の連鎖爆発を絶え間なく起こし、攻撃をしつつ衝撃波を利用してさらに加速していく。
対する比企谷はずっしりと四股を踏み、重心を下に落とす”不知火型”の構えを取った。
(真っ向勝負っちゅーわけか!)
「来い」
空気の連鎖爆発によって霧散しなかった事から、構えている比企谷は本物。
ならば俺のすべき事はただ一つ。
真正面から、亜音速に達したスピードを活かして突っ込む。
重力磁場を使うかどうかは不安要素だが、今は使えないと勝手に結論づけちまおう。
どうせ使われたら詰みだし考えるだけ時間の無駄だ。
(最高速度でブチ抜いたる!)
トップスピードを維持したまま比企谷の正面に突っ込み、拳を当てる瞬間に開いて、掌を当てた。
そのまま飛び上がってヘッドギアに手を掛け、外そうとしたその刹那
「24回だろ」
不意に比企谷がそう呟いた。悪寒が身体中を駆け巡り、嫌な汗が吹き出て、背中を伝う。
だが投射呪法は途中で動きを変える事は出来ない。故に俺は比企谷が魔法を行使するよりも先に、ヘッドギアが外れる事を祈るばかりであった。
「速いだけじゃない、違和感があった。一秒間に24回動きを刻んでいた」
(早く外れろ!頼む!)
「8回見てようやく気付いたよ」
「このッ……偽」
ヘッドギアが比企谷の頭部から外れると同時に、魔法の発動が完了し、重力磁場が発生する。
「も゛っ」
声にならない悲鳴を上げて身体が押し潰された。
同時に試合終了の合図が鳴り響き、すぐさま結果がアナウンスされる。
『なんという事でしょう!!前代未聞、同時!同時です!』
「誇れ、禪院直哉。オマエは強い」
意識を失う直前。比企谷からそう声を掛けられる。発せられたセリフは、この世界にはないもの。偶々かもしれない。だが、この瞬間に於いては、ただの偶然とは到底思えなかった。
(なんやねん。HACHIMANちゃうやん)
「はよ言えやぁ……」
HACHIMANだと思った?残念、こっちは騙す前提で動き作っとんのや
HACHIMAN好き?
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大大大大!大好きだよぉぉぉおおお!
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好きよ!
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普通です!
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嫌いやね
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首括って4んだらええねん