あらすじ
後漢末期――黄巾の乱によって大陸は荒れ果て、民は飢え、役人は腐り、弱者は踏みにじられていた。
太行山脈を根城にする巨大賊軍「黒山党」。
その頭領こそ、“黒山の狼”と恐れられる男、張燕――真名を《時雨》。
残虐。狡猾。冷酷。
官軍も諸侯も嫌う外道。
だが彼は、ただの盗賊ではなかった。
民を見捨てる漢王朝。
名門の誇りに酔う諸侯。
正義を掲げながら弱者を踏み潰す英雄たち。
その全てを、時雨は心底から嗤っていた。
「正義? そんなモンで腹は膨れねぇだろ」
彼は奪う。
生き残るために。
仲間を守るために。
そして、乱世そのものを喰らうために。
そんな時雨の前に現れたのは、流浪の槍使い――趙雲、《星》。
高潔なる武人である彼女は、黒山賊の非道を止めようと時雨へ槍を向ける。
しかし星は次第に気付いていく。
本当に民を苦しめているのは誰なのか。
本当に腐っているのは賊か、国家か。
そして時雨もまた、理想を捨てきれない星の生き方を面白がり始める。
これは――
“英雄”になれなかった男が、乱世を塗り替える物語。
| 第一話 黒山の狼 | |
| 第二話 狼と白銀の槍 | |
| 第三話 黒山の狩人 | |
| 第四話 黄巾の乱 | |
| 第五話 黒山に集う者たち | |
| 第六話 白馬と黒狼 | |
| 第七話 星降る夜の白銀 | |
| 第八話 常山の雨、常山の星 | |
| 第九話 白馬と黒狼、乱世を駆ける | |
| 第十話 黒山、旗を掲げる | |
| 第十一話 桃園の風 | |
| 第十二話 乱の終わり、時代の始まり |