Sword Art Online ― 灰月の剣潭 ―​   作:アキ1113

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 今回は、前回の続きからになります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第4話 灰の剣士

 

 「戦い方は……見た限り相変わらずみたいだな?」

 

 「……」

 

 キリトと再会したサツキは、再会早々そんな言葉を言われた。その言葉に黙ったままでいると……

 

 「えっと……」

 

 「「!」」

 

 落ち着いたアスナとミトが声を掛けてきたため、2人の方に顔を向けた。 

 

 「助けてくれてありがとう。それにミトのことも……」

 

 「私からも、アスナのことを助けてくれてありがとう」

 

 アスナとミトが、自分たちを助けてくれた2人に続けてお礼を言った。

 

 「あ、そうだ……私はミト。この娘が親友のアスナ」

 

 「俺はキリト、そしてこっちが……」

 

 「……サツキ」

 

 すると……

 

 「もしかしてだけど……あなたがあの灰の剣士?」

 

 ミトはサツキの格好から、サツキ=灰の剣士だと思ったのか本人にそう訊いたのだが……

 

 「……灰の剣士……?」

 

 「あ、あれ……?」

 

 サツキは自身のその噂を知らないため、首を傾げながらそう呟いた。

 

 「サツキ……まさか知らないのか?」

 

 「……?」

 

 「はぁ………多分あってるよ。灰の剣士はサツキのことだ」

 

 「そ、そう……あなたもありがとね」

 

 キリトは呆れながらも、サツキが灰の剣士であることを2人に説明した。ミトは困惑しながらも、改めてサツキに礼を言うと……

 

 「……別に礼はいいよ。じゃあ、僕は行くから――――」

 

 「ちょ、待て待て!」

 

 「っ……」

 

 サツキは短くそう返し、やるべきことは終わったと思ったのかすぐにこの場を去ろうとしたが、キリトに肩を掴まれ止められたのだ。

 

 「せめてさ、この2人を街まで送らないか?それに、俺もサツキが今までどうしてたかも訊きたいしな」

 

 「……」

 

 サツキはそれに対し…… 

 

 「……いいよ。ただ、話せることは特にないと思うけど」

 

 渋々ながらもそう返し、アスナとミトを近くの街まで送ることになった……。

 

 

 

 

 

     ◇

 

 

 

 

 

 「しっ!」

 

 「……あまり突っ込み過ぎるなよ?」

 

 「倒せてるから問題ないよ」

 

 「そういう話じゃないんだけどな……」

 

 アスナとミトを街に送り届ける道中、サツキとキリトは見事な連携――――キリトがサツキに合わせたり、サツキがキリトの動きを利用したりして戦っているだけで、連携ではないが――――によって、襲いかかるモンスターを倒し続けていた。

 

 「2人とも強いわね……」

 

 「うん……でも、サツキ君の方は――――」

 

 アスナがサツキの方に目を向けると……

 

 「……」

 

 そこには曲刀を血振りをするように振るってから、鞘に納めているサツキの姿があった。そして、サツキが再び進もうとした時……

 

 「……ねぇ、一つ訊いてもいい?」

 

 「……何?」

 

 「何でそんなに、危ない戦い方をするの?」

 

 アスナが急サツキの戦い方を見て思うことがあったのか、そう訊いてきたのだ。

 

 「誰か(・・)と一緒に戦ったりもできるのに……わざわざそんな戦い方をしなくても――――」

 

 「ダメだ」

 

 「えっ……?」

 

 「それだけは、絶対に……」

 

 「サツキ……?」

 

 サツキはアスナのその言葉を聞くと、ほんの少しおかしな様子を見せたが……

 

 『GyAAAAA!!』

 

 「……来るよ」

 

 モンスターが現れたことで、その会話を中断してサツキはモンスターへ駆け出していった。

 

 その後はサツキやキリトを中心にモンスターたちを倒していき、十数分後には4人は一番近くの街まで戻ってくることができた。

 

 「2人とも助かったわ」

 

 「本当にありがとう」

 

 「礼なんていいって」

 

 「……」

 

 サツキはそんなやり取りを見た後、今度こそ3人から離れて行ってしまう。そんなサツキに……

 

 「死ぬなよ、サツキ!」

 

 キリトはその身を案じて、そう声をかけるのだった……。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 SAOがデスゲームと化してから1ヶ月が経った……その間にも犠牲者は増え、その数は約1700人にものぼっており、最初の第1層も突破されずにいた。そんな中、第1層にあるトールバーナーという街にある広場では、第1層の攻略会議が行われようとしていた。そこには……

 

 「お、おい、あれって……?」

 

 「まさか、灰の剣士か……!?」

 

 「……」

 

 灰色のローブを深く被って顔を隠したサツキもおり、集まったプレイヤーたちからは小声ながらも驚かれていた。そんな中……

 

 「今日は呼びかけに応じてくれてありがとう」

 

 ステージの上に、青髪で上半身に騎士のような鎧に片手剣と盾を装備した青年が立った。

 

 「俺の名はディアベル。職業は……気持ち的に『ナイト』やってます!」

 

 「SAOに職業システムなんてねーだろ!」

 

 この攻略会議はディアベルが呼びかけたものであり、自己紹介でプレイヤーたちの緊張や不安を払拭していることから、リーダーとしての素質も高い人物であることがうかがえた。

 

 「さて……今日集まってもらった理由は他でもない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺たちのパーティーが、迷宮区の最上階でボス部屋を発見した

 

 『!?』

 

 その言葉を聞き、プレイヤーたちは大なり小なり反応を見せた。

 

 「俺たちはボスを倒し、このデスゲームがいつかクリアできるってことを、みんなに伝えなきゃならない!それが今、ここにいる者たちの義務なんだ!そうだろみんな!」

 

 ディアベルはそう言い、プレイヤーたちの士気を高めていた……が、 

 

 「ちょお待ってんか!!」

 

 『!?』

 

 突然そんな声が聞こえ、プレイヤーたちは一斉にそちらの方を向く。そこにはサボテンのような髪型をしたプレイヤーがいた。

 

 「発言があるなら、まずは名乗ってくれないか?」

 

 「ワイはキバオウってもんや!ボスと戦う前に、言わせてもらいたいことがある!」

 

 「……」

 

 プレイヤーたちの視線が先ほどよりもキバオウに集中していく。サツキはキバオウの言葉に嫌な予感がしながらも、まずは話を黙って聞くことにした。

 

 「よく聞け!!こん中に今まで死んでいった2千人にワビ入れなあかんやつらがおるはずや!!」

 

 「キバオウさん。君の言う『やつら』とはつまり、元ベータテスターの人たちのことかな……?」

 

 「その通りや!やつらはこのデスゲームが始まったあの日、真っ先にウマい狩り場やクエストを独占しくさった……!そのせいで、この1ヶ月で1700人も死んでいった!!こん中にもおるはずや!そいつらがワビ入れてアイテムやコルを全部差し出さんと、パーティーメンバーとして命は預けられん!」

 

 それに対し、数人のプレイヤーが賛同するように声を上げた……が、 

 

 「ちょっといい?」

 

 サツキは立ち上がってそう言うと、極めて落ち着いた様子でステージへと歩いていく。その行動を見たプレイヤーたちは、驚きを隠せずにいた。

 

 「な、なんやお前……?」

 

 「僕はサツキ。キバオウさん……だっけ?さっきの言葉だけど……それ、本気で言ってるの?」

 

 「あぁそうや!もしお前もベータテスターなら、ここで賠償してもらおか!!」

 

 その返答を聞き……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……くだらない」

 

 『!?』

 

 「なっ!?」

 

 サツキは一言、そう言い放ったのだ。

 

 「な、何を言うとるんやお前!?大勢のプレイヤーが死んで――――」

 

 「誰かを責めたところで、この状況が変わるわけじゃない」

 

 『……!』

 

 サツキの言葉を聞いたキバオウは思わず押し黙る……。

 

 「今すべきなのは何なのか……そのくらい分かるでしょ?」

 

 何人かのプレイヤーは、サツキの言葉に納得した様子を見せる者もいた。すると……

 

 「俺もその兄ちゃんの意見に同意だ」

 

 サツキの意見に賛同したであろう、スキンヘッドで身長が190cmある斧使いのプレイヤーが声を上げた。

 

 「俺はエギルだ……キバオウさん、俺から言わせてもらえば、金やアイテムならまだしも情報ならあったぞ?」

 

 エギルはそう言いながら、1つの手のひらサイズの本を出した。

 

 「このガイドブック……あんたも貰っただろ?道具屋で無料配布しているモンだが……」

 

 「ワイも貰ろたで!それがどうかしたんか?」

 

 「……これを配布していたのは、元ベータテスターたちだ」

 

 『!?』

 

 「いいか?情報は誰にでも手に入れられたんだ。なのに大勢のプレイヤーが死んだ……だが今は、その責任を追求してる場合じゃないだろ?この兄ちゃんの言う通り、これからどうすべきなのか……俺はそれがこの場で議論されると思ってたんだがな……」

 

 「ぐ……」

 

 その正論に、キバオウは何も言い返すことが出来なくなっていた。

 

 「キバオウさん、君の言う事も理解できる……でも2人の言う通り、今は前を見るべきだ!元ベータテスターの協力は、ボスの攻略に必要だからな」

 

 「ちっ……ここはあんさんに従うといたるわ」

 

 キバオウはそう言い残すと元いた場所へと戻って行き、サツキとエギルも同じく自分の座っていた場所に戻って行った。

 

 「……それじゃあ再開するよ。ボスについての情報だが……実は先ほど、ガイドブックの最新版が配布された!」

 

 『!?』

 

 「これにはボスの名前、ソードスキル、ダメージ量、取り巻きMobまで記されている………すごい情報量だ……各自、目を通しておいてくれ」

 

 「すげぇ……」

 

 「これならいけるんじゃ……!?」

 

 最新版のガイドブックを見たプレイヤーは、記されたボスの情報の多さに驚愕していた。 

 

 「よし、これを踏まえてレイドの構成をしよう。まずは自由にパーティーを組んでくれ」

 

 プレイヤーたちはディアベルの言葉に従い、各々パーティーを組み始めていく。すると……

 

 「サツキ」

 

 「!」

 

 「久し振りね、サツキ君」

 

 「相変わらず無茶してるみたいだけどね?」

 

 横からキリト、アスナ、ミトの3人が声をかけてきたのだ。この3人もこの攻略会議に参加していたらしく……

 

 「……何か用?」

 

 「何かって……そりゃ、パーティーの誘いだよ」

 

 「……!」

 

 サツキはとパーティーを組もうとしているようだ。サツキはその提案に、何故か少し驚いた様子でいた。

 

 「……まさか、1人で戦おうとしていたわけじゃないわよね?」

 

 「……」

 

 (((あ、図星だこれ)))

 

 すると……

 

 「すまない、君たちは4人のパーティーかな?」 

 

 「?いや――――」

 

 「そうだけど、何か用か?」

 

 サツキはディアベルの言葉を否定しようとしたが、キリトがギリギリのところで肯定したのだ。そんなキリトに、サツキはフードの中で僅かながら不服そうな表情をしていた。

 

 「そ、そうか……君たちには、取り巻きのコボルト潰しのサポートをお願いしてもいいかな?これも重要な役目なんだ」

 

 ディアベルからそう頼まれたキリトは……

 

 「あぁ、分かった」

 

 「すまない……助かるよ」

 

 キリトの返事を聞いたディアベルはそう言い、ステージへと戻って行った。

 

 「……何か不満そうな顔だな……」

 

 「だってあれ、戦力外って言ってるようなものじゃない……」

 

 不満そうな表情をしていたアスナにキリトが声を掛けると、案の定納得していない様子でいた。

 

 「……どうするの、これ……」

 

 「ここにも不満そうなやつがいたか……どちらにしろ、俺がサツキがいて頼もしいよ」

 

 「よろしくね、サツキ君」

 

 「頼りにしてるわ、灰の剣士様?」

 

 その後も会議は進んでいき…… 

 

 「じゃ、会議はこれにて……解散!」

 

 この場は解散になるのだった……。

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます!

 今回で攻略会議まで進みました。次回は、第1層ボス戦前まで書いていこうと思います。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。
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