元アストレアファミリアの拗らせ末っ子のクソデカ感情 作:なかりょた
了解、このままの流れを崩さずに、文体は今まで通りで整えて続けるね
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「そうまさん!今日は私のお友達のところに案内するのでついてきてください!」
ロクジョウノ家に来てから1週間がたった。春姫ちゃんも最初は気まずくて全然話してくれなかったけど3日目ぐらいには話しかけてくれて、今ではこんなに積極的に話してくれるようになっていた。呼び方も蒼真様から蒼真さんに変えてもらっていて、その小さな変化だけでもこの場所に少しずつ馴染んできている気がした。
春姫ちゃんの後をついていくと大きな道場のようなところについた。となりには古びた小さな家がある。
「春姫ちゃん、ここは?」
「ここは、タケミカヅチ様が運営している孤児院です!私のお友達がここにいるんです」
家の扉を開け、庭と思われる場所に出ると、そこには特徴的な髪型をした男性と、はしゃぐ子供たちがいた。
「あ、春姫ちゃんだ。一緒に遊ぼう!」
子供たちは春姫を見つけるや否や一斉に駆け寄り、そのまま彼女の手を引いていってしまった。残された僕は少しだけ場違いな空気を感じながら、縁側に座っている男性へと視線を向けた。
その瞬間だった。
顔を認識したと同時に、身体が勝手に動いていた。
「タ、タケミカヅチ様!?も、申し訳ございません、非礼をお許しください!」
気づけば膝をついて頭を下げていた。
縁側に座っていた男は、タケミカヅチその人だった。
「いやいや、顔を上げなよ青年。俺はアマテラスでもなんでもないただの神さ」
軽い口調だった。威圧も何もない、ただそこにいるだけの神という言い方が一番近い気がした。
「で、ですが……」
「気にすんなって。それよりここらじゃ見ない顔だな?春姫と一緒に来てたぐらいだし、悪い奴じゃないんだろうが、君はどこのだい?」
「ゴジョウノ・蒼真と申します。今はロクジョウノ家にお世話になっていて、一応春姫様の護衛の任を預かっております」
「おぉ、護衛ってことは戦えるのか」
その一言で嫌な予感がした。
「い、いえ!自分はそんなに強く──」
「え、そうまさん戦うんですか!?」
言い切る前に春姫ちゃんが目を輝かせて戻ってきてしまい、その後ろから子供たちまで一斉に押し寄せてくる。
「兄ちゃん強ぇの?」
「戦って!戦って!」
あっという間に周囲を囲まれ、完全に逃げ道が消えた。
「……わかりました。一戦だけですよ?」
自分でも諦めに近い声が出た。
「よし、じゃあ隣の道場に行くぞ」
タケミカヅチに促されるまま移動すると、道場の中にはすでに一人の少年が立っていた。静かに素振りを繰り返していて、無駄のない動きだけが積み重なっている。
「この子がうちの中じゃ一番強いかな?ステータスも低いから身体能力じゃなくて単純な技術で頼むぜ?」
その言葉を聞いた瞬間、少年がこちらに視線を向けた。感情の薄い目だったが、そこには確かな圧があった。
僕はゆっくりと息を吐き、腰の刀に手を添える。
「……分かりました」
余計な言葉はいらなかった。
タケミカヅチが軽く手を上げる。
「二人とも真剣を使ってるんだから寸止めで頼むぞ?じゃ、始めるぞ」
タケミカヅチの手が軽く振り下ろされた瞬間、空気が一段だけ静かになった気がした。
少年は構えを変えないまま、ただ一歩だけ前に出る。
その一歩がやけに重い。
次の瞬間にはもう距離が詰まっていた。
速い。
いや、速いというより無駄がない。
最短距離で喉元を取りに来る動きだった。
僕は半歩だけずらす。
刃が空を切る音が遅れて耳に届いた。
「……っ」
少年の目がわずかに動く。驚きではない、修正だった。
すぐに次の一手が来る。
斜めからの切り上げ、続けて足元への踏み込み、そして視線を外させるための一瞬の間。
全部が繋がっている。
ただの連撃じゃない。
型として完成している動きだった。
『・・・強いな』
素直にそう思った。
才能じゃない。積み重ねだ。
姉さんとは違う種類の強さだった。
少年の刃が再び迫る。
今度は受けない。
受ける前にこっちが斬る
「一閃」
言葉は小さく、ほとんど息のように漏れた。
次の瞬間、世界が一度だけ途切れた。
金属の音が遅れて鳴る。
少年の動きが止まる。
刃は僕の肩口の少し手前で空を切っていた。
そしてそのまま、少年は一歩も動かずに静止した。
タケミカヅチ様だけが、面白そうに息を吐いた。
「……今のは綺麗だな」
その一言で、ようやく空気が戻る。
少年はゆっくりと刀を下ろし、僕を見た。
悔しさも怒りもない目だった。
ただ、納得だけがあった。
「……ありがとうございました」
小さく頭を下げる。
僕もそれに合わせて軽く礼を返した。
その瞬間、背後から一斉に声が弾ける。
「すげぇ!」
「今の見えなかった!」
「もう一回!」
子供たちが一気に押し寄せてくる。
さっきまでの静けさが嘘みたいだった。
春姫ちゃんも目を輝かせている。
「そうまさん、すごいです!」
その言葉だけがやけにまっすぐで、少しだけ居心地が悪い。
僕は視線を逸らしながら、小さく息を吐いた。
(……こういう場所じゃないはずなんだけどな)
ーーー
立ち合いも終わり、隣の家の縁側でのんびりしていると、タケミカヅチ様が隣に腰を下ろしてきた
「さっきのは見事だったなあ。でも、俺には迷いがあったようにみえたぜ?刀を振るときに一番大事なのは何かわかるか、蒼真?」
「正確さ、でしょうか?」
「うーん、正解であり不正解だ。刀を振るときに重要なのは心だ、イメージだ。自分の刀をどうしたいか、蒼真、いつも刀を振るとき何をイメージしてる?」
そう言われて、僕は少しだけ言葉に詰まった。
刀を振るとき、何を見ていたのか。
思い返してみれば、そこにあったのはいつも自分の未熟さと、届かないものばかりだった気がする。
「じゃあ目標はあるか?」
目標。
そう問われて、最初に浮かんだのはやはり姉さんだった。
「……はい」
「じゃあそれをイメージしろ。それに追いつこうと歯を食いしばれ。といってももう蒼真はやってるかもしれないけどな。しがない神からのアドバイス程度に受け取ってくれ」
軽い口調だったけど、不思議と軽くは聞こえなかった。
タケミカヅチは少しだけ空を見上げて、それから声を落とす。
「よし、それなら春姫も安心だな!……ここだけの話、ロクジョウノ家が春姫を含む新サンジョウノ家を保護してるのは政治利用を避けるためってのもあるが、それだけじゃねえ」
「……どういうことですか?」
「切り札だよ。何かあったときのな。あの家は綺麗ごとだけで動く連中じゃない」
縁側の空気が少しだけ重くなる。
「気をつけろよ」
その一言は、いつもの軽さとは違っていた。
「……はい、肝に銘じておきます」
「っと、ガキにする話じゃねえな!ほら、お前も遊んで来い!」
「はい?僕はもうガキじゃ」
言い終わる前に、背中を軽く押される。
庭の方へと押し出される形になり、視界が一気に開けた。
そこにはさっきまで道場で見ていた子供たちが数人集まっていた。
「こ、こんにちは!私はヤマト・命と申します。よろしくお願いします、そうまどの」
丁寧すぎる挨拶に、思わず一瞬固まる。
その横から、勢いよく別の少年が割り込んできた。
「さっきのすごかったな!どうやってやんだ!あ、俺はカシマ・桜花だ。よろしくな!」
距離が近い。というか近すぎる。
次々と視線が集まり、逃げ場は当然ない。
さっきの戦闘よりよほど精神的に負荷が高い気がした。
「……どうやって、って言われてもですね」
言いかけたところで、命が真剣な顔になる。
「技術ですか?それとも、才能ですか?」
一瞬だけ、言葉が詰まった。
どちらでもない、と言えなかった。
どちらかだと決めるには、まだ自分が何者なのか分かっていない。
その沈黙を見て、桜花が笑う。
「どっちでもいいじゃねえか!強ぇのは強ぇんだろ?」
単純で、まっすぐで、余計なものがない言葉だった。
僕は少しだけ目を細める。
「……そうですね」
そう答えた瞬間、庭の空気が少しだけ変わった気がした。
ここの人たちは僕をただの蒼真として見てくれる
パソコンが逝って書いてたメモとか消えたので設定の矛盾とかあったらごめんなさい