帰り道を送ってくれるという彼の行為に甘えて送って貰う最中、進学について話す流れになったので士傑高校に行こうと思ってるって言われた私は思わず口から一緒に雄英高校へ行こうと出た。
「それはまたなんでだ、一人でもライバルは減った方が良いだろうに」
理解できないとばかりに首を振りそう聞いてきた。
「北風くんとね一緒に通いたいと思ったんだ、それでね競い合いたい」
そう告げる私の声には熱が籠っていた、視線は熱く手がぎゅっと握りしめられていて彼はその言葉にフッと笑みを零し、優しい目をした。
「いいなそれは、ライバルってやつだ」
「そうライバル!だからお願いがあるんだ」
「なんだ?聞かせてくれ」
「私を鍛えてください」
私は戦い方を教えて欲しいと口に出した、それはまるで今まではただのクラスに居る友達だった彼へ1歩踏み出して近づいた気がするきっかけだった。
「俺に?」
「うん、北風くんに鍛えて欲しいの」
その言葉に動揺をしつつも頷くとしっかりと返事をする北風くん、私を見るその瞳は何処か眩しいものを見る目でその瞳がとても印象に残った。
「……そうか、俺でよければ」
北風くんだからいいんだよ、私たちを守ってくれたあの背中が忘れられないから……何よりこの心にある暖かさがあなたと居るとより暖かくなるから。
「うん!よろしく北風くん!」
「……あぁ」
でも、今まではクラスの友達で話し相手だったのにこんな師弟みたいになるとは思ってなかった。
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「はぁ……」
「どーしたの!」
最初、北風くんは入学式へ現れず噂になっていた、喧嘩して停学になったからだとか病気になっているからとか根も葉もない噂ばかりであまり聞きたくもなかった。でも、彼はため息をついていた、独りになっている今の状態に。
「おお、葉隠さんか」
「ため息なんてついちゃって幸せが逃げちゃうよ!」
「いやね、このまんまぼっちでいいのかなって思ってね」
それなら私と友達になろうと思った。だって独りぼっちは寂しいもんね。
「ふむふむ、なら私と友達になろーよ」
「え、」
私の言葉に驚いた北風くんは戸惑って返答に詰まっていた、なんで詰まるのかなー。
「なにさー私じゃ不満なの?」
「違う、葉隠さんほどの良い人にそう言われると驚いてしまったんだよ」
私の頬っぺを膨らませて怒ったような様子を見た彼は慌てて弁解をする。
「ふーん、ならいいんだけど」
「不満なんてありませんありません」
少し大袈裟に首を振った後に手を差し出し握手を求めて来たので両手を握ってぶんぶんと手を振った。
「これからよろしく葉隠さん」
「うん、北風くん」
という感じの流れで友達になったのは敵から助けてもらう前だった。
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トレーニングをつけてもらう約束をしてもらった次の日、教室に着くと既に北風くんは教室の自分の席に座っていてなにかノートに書きながら何か考えてるようだった。始業のチャイム音がなりクラスメイト達も席に着いていく私も隣の席に着き北風くんへ視線をむける。
「おはよ北風くん」
「おはよ、葉隠さん」
簡単な挨拶を交わすとお互いに前を向き先生の話を聞きホームルームが始まる。
「さて、2年生になった君たちも進路について考える時期だ帰りのホームルームでプリントを配るので覚えておくように」
「「はい」」
「うん、それじゃあホームルームは終わり」
そう先生が言うと出席簿を持ち扉へと向かい職員室に戻って行った、それを見送るよりも先に生徒たちはそれぞれの話を始める。
それこそ私ももちろん北風くんへ顔を向け話を始めた。
「ねぇ、北風くんは進路を雄英高校にするんだよね」
「あぁ、そのつもりだよ、熱烈に誘われたからね」
その言葉を聞いた私は恥ずかしさとそんな言い方をする北風くんにちょっとプンプンと怒ったフリをする。ただこうやって話したりしていると時々目線が合う気してるけど見えてるわけないよね?
「あー、そーいうこと言うんだね、いじわる」
「間違ってるかな?」
「まぁ?、あながち間違えとは言えないなー」
「そうだね」
おどける私の様子に思わず笑いが溢れてクスッとした彼の様子に釣られて二人して一緒に笑っていた。
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放課後になり約束したので北風くんに鍛えてもらうためにもジムへと一緒に向かう。
「北風くん、何するの?」
「先ずは組み手をしようかな」
不思議だった、なんで最初から組手をするのか分からなかった、だって最初は基礎的なトレーニングかと思ったから。
「最初から?」
「うん、どのくらい動けるのか見たくてね」
言われてみればたしかにそれはそう、私がどれくらい格闘できるかは知らないから。
「なるほどー」
「まぁ、全力でかかってきなよ」
「む、これでも結構運動神経良いんだよ!」
私は怒ってますとばかりに腰に手を当て胸を張る私の姿に少しドギマギした北風くんだけども平静になったのか余裕たっぷりにニヤリと笑みを浮かべる。
「フフ、そうだとしても、そう簡単に負けやしないよ」
「言ったなー?負けないからねー!」
ファイティングポーズをしてシャドーする姿は意外と様になっていたのか感心したようだった。
「いくらでもかかってきな」
「やったるぞー!」
おー!とばかりに拳をあげて気合いを込めた私は動きやすい服装に着替えて合流したら準備運動をして体ほぐした後、リングに上がらせて貰った。
互いに向き合い礼をすると構えをとる北風くん、今回は私の実力を図る為に自分から動くことはしない。
「やぁぁ!」
「ふっ!」
北風くんへと勇気を振り絞り1歩踏み出して右腕を振りかぶりストレートパンチを繰り出すのを見切られ手で弾かれた、それで終わらずにすかさず左腕で顔面を狙い打つ。
「良い流れだ!見えてなかったら当たってたぞ!」
顔面を狙ってまっすぐに拳を当てに行くと上体を逸らしてパンチを避ける、2撃とも対処されて私は警戒する様に1歩引いて見つめる。
「全然、当たらない」
「そう簡単に当たってたまるか」
「これならどうだ!」
左足を軸に右足を出して低い位置に蹴りを繰り出すと半歩引いて避けてから1歩踏み出す、そのテンポに惑わされた私は尻もちを着いて倒れてしまう。
「あぅ!」
「まぁ、ここら辺でいいかな」
「ある程度だけど動けることはわかった、その上で強くなるには俺とひたすらに組手をする、後は体力をつけるためにもランニングかな?」
「いっちょやったりますか!頑張るよー!」
メニューを頑張るためにもやる気が起きガッツポーズをしてエイエイオーとばかりに腕を突き上げた。
「やる気があるのは結構、大きな怪我しないようにね」
「もっちろん!」
そこから2人のトレーニングの日々が始まった。
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それから1年、雄英高校の門を眺める私たちは説明を受け筆記試験を乗り越えて実技試験へと望んだ。
「実技試験は別々なんだ」
「そうだね、互いに全力で頑張ろう」
「うん!やったるよー!」
そうして私は実技試験会場へと向かうと更衣室で準備を整え会場入りをした。
「はぁ〜、ひっろいやー……」
でも、油断はしてないいつ何が起きるかわからないのだから、ここはヒーローを育てる場所だからこそいきなりスタートしてもおかしくないだって私たちが初めて会った時は敵がいきなり現れた時だもん。
「はいスタート」
来た!クラウチングスタートで駆け出した私は真っ直ぐにロボットたちへと向かった、その勢いのまま脆そうなところをパンチして見ると意外と脆くてすぐに動かなくなった。
「ユ゛ル゛サ゛ン゛!!」
「やったるぞー!」
ロボットに私の体が見えてるかは分からないけど腕と足の1部は露出して見えないようにしてるからか私の攻撃がとても当たりやすい。
「言った通り、手足だけでも出しとけば当たるんだ」
「ヤレ!」
「ノガスナ!」
「ひゃぁ!」
しかも私の胴体と靴部分しか見えてないからかかすることもなく避けられる、それでも怖いものは怖いが。
暫くすると大きなロボットが出てきた、私は逃げつつも逃げ遅れたりした人が居ないか見回しつつ転けた人を助け起こしたり、避難場所の呼びかけを行った。
「タイムアーーーーーップ!!」
そう聞こえた時は安堵からかその場に腰を下ろした。
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それから暫くすると合格通知が届いて現役ヒーローからの合格発表は流石の雄英高校だと思った。
家族で喜んでると北風くんから通話が届いたので合格を伝えると彼も合格したようだった、思わず飛び跳ねて喜んだ。