テラー化が今よりも身近になったキヴォトスを舞台に送られる日常を描いてみました!

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もしも、テラー化がもっと身近なものになったらどうなるのだろう。そう考えたことはないだろうか?

今回はテラー化が身近になったキヴォトスを見ていこう


第1話

私がその知らせを聞いたのは、突然のことだった。

サヤが『簡易テラー化薬』なるものを完成させ、実用化までに至ったようだ。

 

その薬は早速、キヴォトス中に広まり…あっという間に身近な薬品になった。

 

世間では通称『T3』と呼ばれている

その効果は絶大で『T3』を使用した生徒たちは約1時間弱いテラー化状態になることが出来る。また、『T3』には『テラー化知覚』と呼ばれる特殊能力を得ることが出来る。これは、個人によって異なるが基礎体力の向上を図る能力や、心を読む能力、精神系の能力など多岐に渡る。

 

『T3』から得られる能力は特殊能力だけではない。『T3』にもともと備わっている能力も得ることが出来る。例えば、回復力、回復速度の上昇や基礎的な身体能力の向上なとが期待される。

 

このようにテラー化という仕組みそのものを利用し、キヴォトス人の身体能力を底上げする画期的な薬だった。

しかし、この薬にも欠点はある

使い過ぎると自我を失ったり、よりテラー化状態が加速する恐れがある。

 

そんな諸刃の剣の薬はあっという間にブーム…いや、生活になくてはならない必需品になった。

 

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ある日のことだ。

私がトリニティの会議からの帰り道、不良生徒たちに出くわした。こちらに敵意は無いようだが、銃を向けている。

 

「あの…どうして銃を向けてるの?」

私は訊ねた

 

すると彼女たちは

「うっさいなぁ…お前を拉致れば金になるからに決まってんだろ!」

「大人しく付いてこいよ!」

 

どうやら身代金目当てのようだ

どうしたものかと困っていると、ちょうどスズミが通りかかった。

 

「先生?こんな所でなにを…」

 

「スズミ!ちょうどよかった!この子たちがどうやら私を誘拐しようとしているらしくてね…どうにか説得してやってはくれないだろうか?」

 

「ん?お前は…もしかして、守月スズミか?その顔覚えているぞ…こないだはよくもやってくれたな!」

 

「な…なんのことでしょうか?」

 

「てめ…惚けるなよ!忘れたとは言わせねぇぞ…」

 

「は…はぁ…」

 

「な…なんだその態度は!ムカつく奴だなぁ…!こうなったら力尽くだ!」

「先生を持ってヅラカレ!」

 

!?

「そうはさせません!」

スズミはどこからともなく取り出した『T3』を首元に注射した。

 

闇に吞まれてゆくようなそんな感覚らしい

簡易的なテラー化という生徒にとって圧倒的なアドバンテージになる薬だ。

しかし、これはとても高価なものなのでスケバン等貧乏な生活をしている生徒たちにとっては手が出せない代物なのだ。

 

因みに、『T3』を配布する学校もあるらしい。

 

少し話が逸れたが、スズミのテラー化知覚は認識阻害。相手に姿を眩ませ攻撃へと移る能力。

 

気がつけばスズミによってあらかたのスケバン達は倒されていた。

 

「もう大丈夫ですよ。先生」

 

「ありがとう!スズミ!」

「危うく拉致られる所だったよ…」

「本当にありがとう!」

 

「いえ、それほどのことでは…」

 

「スズミさん?こんな所で会うなんて珍しいですね!」

レイサがやって来た

ここら辺で会うのは珍しいことらしい

ゲヘナとの境界だからだろうか

 

「スズミさんが『T3』を?」

「スズミさんのテラー化知覚見たかったです…」

どうやらまだレイサはスズミのテラー化知覚を知らないらしい。

 

私もレイサのテラー化知覚を知らない

今度教えて貰うことにしよう

 

そうして、この日は幕を閉じたのであった

 

___________________

また別の日

FOX小隊のみんなと任務をこなす日だった。

 

連邦生徒会の方から『T3』の使用許可と結構な本数の『T3』を支給された。

そんなに厳しい任務なのだろうか

 

聞き込みをして回っていると、ヤツは現れた。

ドラム缶に六本の脚が付いている

所謂、これが【ドラム缶蟹】だ

 

私は腰を抜かしそうになるが、なんとか声を出し

「T3の使用を許可するよ!」

こう言った

 

するとFOX小隊のみんなは次々にソレを打ち込んでいく。

 

みな頬の辺りに紋様が浮かび上がる

狐の紋様が共通して浮かんでいるようだ

あとは、細かな違いだろう

 

ユキノのテラー化知覚は、自身だけ時間を遅らせることができる。というもの

思考したり相手の動きを読んだりすることができる。

 

ニコは翻訳のテラー化知覚

生物だけでなく物までの翻訳ができる

心を読む感覚に近いだろうか

 

クルミは自身の強化に関するテラー化知覚

打たれ強いスキルで、自らが傷つくことで回復速度が加速したり、防御力が上昇したりする。

ポイントマンのクルミに向いたテラー化知覚だ。

 

オトギは視覚のテラー化知覚

数キロ…いや、数十キロ先まで見通せる能力を持つ。

索敵担当のオトギらしい能力だ。

 

「FOX4、ヤツの弱点を捜せ」

 

「了解!」

オトギのテラー化知覚なら、この蟹の弱点を見つけることは容易いだろう。

 

問題は、相手がデカすぎること

攻撃方法がまるでわからなかった。

 

弱点がもし高い位置にあれば、そこを狙って攻撃するのは容易なことではない。

 

さてどうしたものかと困っていると…

オトギが弱点を発見した。

どうやら足元のようだ

これでいける!となったのも束の間、ヤツは巨大なグラブを振りかざしクルミへと向かう。

だが、クルミは受ける気概を溢れんばかりに周囲へ飛ばしていた。

グラブは見事クルミへと直撃した

クルミは盾で耐えているが、あと一刻も持ちそうにない。

 

「FOX3!撤退だ!」

ユキノの無線が飛ぶ

 

「FOX1!こっちは…大丈夫よ!」

「あなた達は逃げなさいっ!耐えて見せるわ!」

クルミの本領は耐えることではなかった

そう、自ら 傷つく ことにあるのだ。

 

脚を打ち抜き

ヤツは息を止めた

作戦は成功だ

 

「クルミちゃん!怪我してない?」

ニコがすぐに駆け寄った

 

「平気よ!むしろ、強くなれたわ!」

「これも、連邦生徒会が余分に『T3』を出してくれたお陰ね!」

 

「でも、使いすぎはダメだよ!」

「元に戻れなくなるかも知れないから…」

ニコは少し沈んだ表情をした

 

「そうだね…ニコの言うとおりだ」

「先生としてはあまり使って欲しくないんだけどね」

やはり、テラー化が世間で甘く認識されるのは怖い

もし、暴走する者が現れればキヴォトスは確実に崩壊への一歩を歩むことになるだろう。

 

「まぁまぁ…小言はそのぐらいにしてさ」

「ご飯驕ってくれるんでしょ?せんせ?」

オトギは少し図々しい

 

「うん、もちろん。みんな何が食べたい?」

 

「私はね…おいなりさんかな?」

 

「オトギ?いつでも食べれるでしょ?」

 

「えへへ…ニコのおいなりさん美味しいからつい…」

こうして、一任務を終えたのであった

 

 

 

 

 




おまけ
「カズサちゃんのテラー化知覚見て見たいなぁ…」

「ア、アイリ?」
「別に見たって面白いもんじゃないよ?」

「まぁ、確かに。気にはなるわね」

「恐ろしい化け猫にでもなるんだろうか…」

「ナツ…後で校舎裏来て」

「こ…これは、昭和の高校生たちがやる告白の誘い…!」
ボゴッ!

「うぅ…」

「ナツは懲りないわね…」

「まあでも、見せない理由もないか」
「はい」
首元に注射をする
足先から闇に呑み込まれてゆくようなそんな感覚
誰もがこの感覚を味わうのだろう

「私のテラー化知覚はね、【相手の強さが分かる】ヤツ」

「何それ、戦闘全振りじゃない」
「もっと穏やかなの無かったの?」

「仕方ないでしょ!テラー化知覚なんて選べるもんじゃないし」
「あくまでも、テラー化してるんだし」

「カズサちゃん…なんかとっても格好いいね!」

「ありがと。アイリ」
「アイリのためなら化け物にだってなるよ」

「なんか…ちょいダサな気がするのは私だけ?」

「ヨシミ君…それは口に出さない方が…ボゴッ」

「ナツはいつ復活して、なんでまた殴られてるのよ…」
そんなこんでテラー化が身近になったキヴォトスでした…

おしまい

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