勇者アリス、冒険を開始します!   作:ブルアカ×他作品クロスを広め隊

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時期的には、メイプルちゃんがNWOにログインする一週間前だと思ってください。

アリスちゃんの冒険が今、はじまる!



アリス、冒険を開始します!

 

 

「じーっ…。」

 

ありふれたゲームショップのガラスケースの前で、一人の少女が目を輝かせながらあるゲームのパッケージを見つめていた。

少女はかれこれ十数分間はガラスケースの前で立ち止まっているのである。

そのゲームショップの店員達は、その少女をうっとうしげな目では見ておらず、何処か見守るような優しい目で少女を見ていた。

実は少女はここのゲームショップの常連であり、店員達にも明るく接しているため、ある意味ここのゲームショップの癒やしとも言える存在になっていた。

そんな癒し的存在である少女は、十数分間見つめていたゲームパッケージから目を離すと、誰かを探すように辺りをキョロキョロと見回し始めた。

そして、目的の人物を見つけるとその人物に駆け寄るように走っていき、その勢いのまま抱き付いたのである。

 

「おっと……、やぁ有栖(ありす)。」

 

「こんにちは詩羽(うたは)さん!」

 

少女に抱き付かれた人物である詩羽は、抱き付かれたときは少し吃驚したものの、抱き付いた人物がうちの店の常連兼癒しであると分かると、頬を緩ませながら少女…有栖の名前を呼びながら挨拶をした。

有栖は詩羽に気付いてもらえると、嬉しそうに笑顔になると詩羽に対して挨拶を返したのであった。

 

「今日はどうしたんだい?」

 

「はい!今日は何かお宝がないか見に来ました!」

 

「ふふっ、それでそのお宝は見つかったのかい?」

 

「はい!あそこにあるゲームがそうです!」

 

有栖は先ほどまで立っていたガラスケースを指差すと、詩羽はそこに向かって歩いてき、ガラスケースを開けて中にあったゲームパッケージを取りだした。

ゲームパッケージにはファンタジー味が感じられるキャラクター達がパッケージデザインになっているゲームであり、題名はNewWorld Onlineと記されていた。

 

「おぉ、お目が高いね有栖、これは最近うちのゲームショップに入荷したゲームだよ。」

 

「おぉ…!」

 

「ふふっ、既に興味津々みたいだね。どうだい?実は入荷されたのは良いけどここのゲームショップはあまりお客さんが来ないからね…。だから、有栖には特別に三割引で売ってあげるよ。」

 

「いいんですか?」

 

「構わないさ、私の店は大体趣味で出来ているからね。」

 

「詩羽さん、ありがとうございます!」

 

少女はそう礼を言うと、そのまま別の店員がいるレジの方まで向かっていき、ゲームを購入してから店を後にした。

詩羽は嬉しそうな表情をしながら走っている少女を見て微笑みながらその背中を見守っていた。

 

「…詩羽店長、良いんですか?」

 

「いや、構わないさ。こんなちっぽけな店であの人気沸騰中のゲームがこんな所で埋もれているのが可哀想だったからね。有栖だったら、あのゲームのことを任せられると思ったんだよ。」

 

「…確かに、有栖ちゃんだったら任せられますね。」

 

詩羽に近寄って話し掛けていた店員は、詩羽の言葉に納得すると、もう遠くまで離れてしまった有栖の背を見ながら詩羽と同じように微笑んでいたのであった。

 

 

─────────────────────────

 

「NewWorld Online…一体どんなゲームなのでしょうか…?」

 

住宅街まで走った有栖は、少し走り疲れたため近くにあった公園で一休みしながらビニール袋に入ったゲームパッケージを見つめていた。

 

「見た目からしてRPGでしょうか…?それとも柚香(ゆず)達が作ったテイルズ・サガ・クロニクルやその続編のテイルズ・サガ・クロニクル2のような物なのでしょうか…?」

 

「あーりすっ!」

 

「わっ!?」

 

ベンチに座りながらぶつぶつと独り言を言う有栖川だったが、いつの間にか近くに居た二人組の人物の一人に肩を叩かれたため驚きの悲鳴が上がった。

有栖は肩を叩いた人物の顔を見るために振り向くと、そこには桃色と緑色の猫耳の形をしたヘッドホンを付けた二人の姉妹がいた。

 

「やぁやぁ有栖、こんな所で何を見ていたの~?」

 

「お姉ちゃんがごめんね有栖ちゃん。」

 

桃井(ももい)(みどり)?どうしてここに居るんですか?」

 

「いや~…ゲーセンの帰りに有栖を見かけたから近づいたんだけど中々気付かなかったからねー。にしても珍しいね、有栖が私達に気付かないくらいに集中してたなんて。」

 

双子の姉妹の内、姉である桃井はそう物珍しそうな目で有栖に尋ねた。

有栖はにぱっと笑顔になると、ビニール袋の中に入っていたゲームパッケージであるNewWorld Onlineを二人の前に見せつけた。

 

「はい!実は詩羽さんがいるゲームショップで見つけたゲームを見ていました!」

 

「おおっ、ソレって最近人気沸騰中ゲームのNewWorld Onlineじゃん!有栖も買ったんだね!」

 

「もしかして、桃井達も持ってるんですか?」

 

「そうだよ有栖ちゃん。…まぁ、お姉ちゃんが最近ゲームのやり過ぎのせいで成績が落ちちゃったせいでゲーム禁止になっちゃったから私もお姉ちゃんも出来てないんだよねー…。」

 

「アハハ…いやー、困ったもんだね。」

 

「他人事じゃ無いんだよお姉ちゃん。」

 

「そうなんですね…。」

 

どうやら、桃井達も有栖が買ったゲームであるNewWorld Onlineを持っていたようだったが桃井のゲームのやり過ぎによる成績不良改善のためのゲーム禁止によってまだプレイが出来ていなかったようだった。

有栖は少し落ち込む様子を見せたが、その様子を見た翠は少し付け加える形で有栖にあることを伝えた。

 

「でも、私達の部長の柚香はやってるかも知れないよ。」

 

「柚香がですか?」

 

「うん、あのVRゲームにはあまり手を付けなかった柚香が最近その話題を出すようになったからもしかしたら…だけどね。」

 

「そうなんですね!なら、明日柚香に聞いてみます!」

 

「私達もゲーム禁止期間が終わったらやるつもりだから、皆揃ったら一緒にやろうね。」

 

「はい!約束です!」

 

有栖川は蔓延の笑みでそう翠にいうと、翠も有栖川に向かって「うん、約束だよ。」と言った。

 

「じゃあまた明日、有栖ちゃん。」

 

「またねー有栖!!」

 

「はい!また明日!」

 

それから、有栖は桃井と翠に別れを告げると回復した体力を使って小走りで有栖が住んでいるアパートへと向かっていったのであった。

 

─────────────────────────

 

「ただいま戻りました!」

 

有栖はアパートの三階まで上り、“自分達”が住んでいる部屋へと向かうと扉を開けて元気な声で帰ってきたときにいつも言う挨拶を言った。

少しすると、部屋の奥からパタパタと誰かが玄関に向かってくる音が聞こえてきた。

 

「…やっと帰ってきましたね、…お帰りなさい有栖。」

 

「ただいまです、(けい)!」

 

奥からやってきたのは、有栖と瓜二つの容姿を持った少女であり有栖の妹でもある慧だった。

慧は有栖に帰ってくるのが遅いと文句を言ったがその後には柔らかな笑みを浮かべながら有栖に対して迎えの言葉を述べた。

有栖は履いていた外履きを脱いで下駄箱にしまうと、そのままリビングに向かって走っていった。

 

「走ったら危ないですよ、有栖。」

 

「あっ…そうでしたね。」

 

「それで、今日は何か買ってきたみたいですが何を買ってきたんですか?」

 

「はい!今日は詩羽さんのお店でゲームソフトを買ってきました!」

 

「ゲーム…、またレトロゲームですか?」

 

「いえ、今回はVRゲームです!」

 

そう嬉しそうに伝えた有栖に慧はギョッとした目を向けるが、少し咳払いをして冷静になってから有栖にそのゲームのことについて色々と聞いたのであった。

 

「…コホン、有栖。」

 

「なんですか?」

 

「また、詩羽店長にまけてもらいましたね?」

 

「そうですが…。」

 

慧は有栖の返答を聞くと、溜息を履きながらいつも自分の姉である有栖に甘くしてくれている詩羽に向かって申し訳なさと感謝の念を向けた。

 

「…今度、菓子折でも持ってお礼に行きますか…。」

 

「慧!ご飯を食べ終わったら早速やってみてもいいですか?」

 

「…いいですよ、明日は高校が珍しく休校ですからね。」

 

「休校…ですか?」

 

有栖はなぜ自分が通っている高校が休校になっているのかわからかった。

慧はそんな様子の有栖を見て、なぜ休校になったのかを分かりやすく伝えたのであった。

 

「どうやら、高校の問題部がトラブルを起こしてようで、それで休校になったそうです。」

 

「なるほど…。」

 

有栖が納得したのを見た慧は、台所に行って既に用意してある夕ご飯を持ってきた。

 

「取りあえず夕ご飯を済ませて、お風呂に入ってからゲームをしてくださいね。最低でも、これくらいは守ってくださいね。」

 

「はい!わかりました!」

 

「よろしい。では、冷めないうちに食べましょうか。」

 

慧はそう言うと、姉の有栖と一緒に合掌をして夕ご飯を食べ始めたのだった。

 

 

──────────────────────────

 

「ふぅ…デイリークエストは全てクリアしました。これで心置きなくこのゲームが出来るわけです!」

 

風呂から上がり、髪を乾かした後自室に入った有栖は机の上に置いてあるハードの点検をしてから改めてハードの近くにおいてあるゲームパッケージを見つめた。

そして、手を伸ばしてパッケージを掴み包装を破ってから中にあるゲームソフトを取りだした。

 

「ハードは問題無し、ソフトも損傷は見当たりませんね。」

 

そう言った後、有栖川はハードにソフトを差し込み、ハードを起動した。

 

「NewWorld Online…どんな世界が待ってるか楽しみです!」

 

有栖はハードを被り、ベットに横たわり改めてゲームを起動し設定を始めたのであった。

 

──────────────────────────

 

「まずは名前ですね、何にしましょうか…。」

 

有栖の目の前には名前を入力する欄が映し出されており、有栖はどんな名前にするか悩んでいた。

 

「慧からは、あまり分かりやすい名前にはしないように言われていますからね…。うーん…あっ!なら前になったゲームで使った名前にしましょう!」

 

有栖は名前を入力する欄に【AL-1S】を入力してOKのボタンを押した。

次に出てきたのは初期装備を選ぶ項目であった。

そこには多種多様な武器が映し出されており、ソレを見た有栖は目を輝かせながら選んでいた。

 

「大剣も良いですが杖も良いですね…。ですが、今までやってきたゲームで一番扱っている武器なら安全ですね。…なら、勇者らしく【大剣】で行きましょう!」

 

そうして大剣を選ぶと最後にステータスポイントを振り分ける項目が出てきた。

HP(体力)】【MP(魔力)】【STR()】【VIT(防御)】【AGI(俊敏性)】【DEX(器用度)】【INT(知力)】の七つのステータスに100ポイントが振れるようになっていた。

 

「うーん…、【STR】と【DEX】、あと【MP】に重点的に振っておいた方が良いですね。残った分は…【VIT】に振りましょう。」

 

全ての設定が完了した有栖は、最終チェックの項目の決定ボタンを押すと辺りが光に包まれていく感覚に包まれた。

これから冒険が始まると理解した有栖川はワクワクしながらいつもゲームが始まるときに言っている自分にとってのお決まりの台詞を言ったのであった。

 

「アリス、冒険を開始します!!」

 





【キャラ紹介】

・天童有栖(てんどうありす)
ご存じブルアカの勇者兼今作の主人公。
見た目はブルアカのアリスと大差はありませんが、ヘイローが無かったり、制服がミレニアムのような物では無かったりします。
部活はブルアカと同じゲーム開発部に所属しています。
ブルアカ本編とは違ってちゃんと入学してから部活に入っているのでご安心を。

・天童慧(てんどうけい)
ブルアカのツンデレ枠であり、今作の主人公であるアリスちゃんの妹。
見た目はデカグラマトン編後の見た目ではなく、ソレよりも前のパヴァーヌ編の見た目に近い。
部活はブルアカ本編とは違い、アリスと同じゲーム開発部に入っている模様。

・才羽桃井(さいはねももい)
ブルアカでミームにされているその人であり、今作のアリスちゃんのクラスメイト兼友人。
見た目は普通にブルアカ本編と全く同じで、猫耳型のヘッドホンは着用せずに肩にかけてある。
尻尾は流石についていない。

・才羽翠(さいはねみどり)
ブルアカの卑し枠で、今作のモモイの妹でアリスのクラスメイト兼友人。
見た目はモモイと同じでブルアカ本編と全く同じ。
尻尾はついていない。

・花岡柚香(はなおかゆず)
ブルアカのゲーム開発部の部長であり、今作でもゲーム開発部の部長を務めており、アリスの友人である。
追々紹介するつもり。
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