唐突に受信したコーラルから垣間見えたもの。
周波数を合わせてまた受信するまで続きはない。


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なんか、唐突に受信したナマモノ(1年前)。
ここから先を受信できなかったので他の方達に共有し、ぜひとも各々が新たなるコーラルの情報を受信出来る機会が訪れることを祈って。



V:VII(♀)「誤解です閣下!!閣下ァッ!!!!」

 

[第7隊長、第2隊長閣下からの呼び出しです。至急、ブリッジへ移動してください]

 

緊急放送が狭い室内に響く。

普段より早く起きたことによって堪能できた至福の時間が、無情にもなくなってしまった。

ため息交じりに立ち上がり、体にぴっちりと張り付くスーツに着替え、ぽやんとした頭を起こすため残っている熱いフィーカを一気に飲み干す。

スネイル閣下は時間に厳しい、いや基本的にいずれの隊長も厳しいが、閣下はそれに輪をかけて厳しい。

フィーカを飲み終えたらマグカップを自動洗浄機へ入れ、歩きながら身だしなみを整える。

後は急ぐのみ。

スライドドアから廊下へ出る。

部屋と同じ銀色の壁が挨拶し、天井と足元の淡い光から励ましを貰う。

…親しい人が少ないからといって、いくらなんでも寂しすぎるだろうか、この発想は。

まあいい、馬鹿なことは考えずブリッジへ急ごう。

 

目的地へたどり着けば、ルビコンへと降り立つ準備に慌ただしい乗員達のいる中、ヴェスパー部隊の第5隊長、第6隊長が後方で作戦会議用の円卓を囲っていた。

 

「お早いですね、お二方」

「おや、おはようスウィンバーン、よく眠れたかい…ん?」

「おはようございますスウィンバーンさん…んん…あの、後でお話が…」

「第6隊長殿?…わかりました」

 

なんだろうか、確か二日前に彼女と簡単な打ち合わせをしたが…特別問題はなかったはずだが…?

それとも身だしなみ関係か?

それなら前のようにナイトキャップを被りっぱなしで来てはないし、なんなんだ?

 

「集まりましたね、ではルビコンへと降り立つ前の最後のブリーフィングを行います…はぁ、第7隊長、集中しなさい」

「はっはい閣下!」

 

確認してる間にスネイル閣下がブリッジに到着したようだ、これ以上の小言は勘弁願いたい。

 

「全く…さて、我々は後72時間で惑星ルビコンへと降り立ちます。企業の表向きの面目としては、惑星封鎖機構による強制退去に従うものの、何らかの理由により移動できなかった避難民を別の星へと送るボランティア活動…となりますが、真の目的はコーラルです。我々ヴェスパー部隊に求められるのは、目標の権利を独占するために敵対勢力への対処、並びに目標を安全に輸出する施設を設ける事です。予想されている敵対勢力はおおよそ三勢力…ベイラムのレッドガン部隊、"アイビスの火"以降もルビコンから離れないルビコニアン達、そしてルビコンを封鎖している惑星封鎖機構…。これらの情報はこの場にいない第3、第4、第8隊長により報告されています。我々よりも先にルビコンへと侵入した彼等はこのような偵察の他にも封鎖機構への牽制及び拠点作成を担っています。ここまではよろしいですね」

「はい」

「大丈夫です閣下」

「では本題です、今回は逃げ遅れた避難民の救助を面目に必要な物資をこの輸送船に乗せています。目的地である拠点へ到着後、乗せてきた物資を降ろし、本格的にルビコンでの活動拠点を作成します。その物資の管理を第5隊長に、周辺の警備を第6隊長と第7隊長にお任せします。現場での予想外な事態に対しては必ず報告を、そうでなくとも夜9時には定期報告を行うように。以上……ああそれと、第7隊長」

「は、はい閣下!」

 

 

 

 

 

 

「アーキ坊やのアップリケを付けたスーツは私服として着用するように」

 

 

 

 

 

 

「…は!?」

「ああ、先に言われてしまいました」

「おや、その反応を見るに気付いていなかったのかいスウィンバーン?」

 

慌てて左胸を見る。

そこにはうっかりフィーカのシミをつけ、落とせなかったのを隠すために縫い付けたアーキ坊やが、私の胸によって湾曲しのっぺりとした笑顔を浮かべていた…。

 

「いや違うのです閣下!これはたまたまフィーカがこぼれその時のシミが中々落とせなくてどうしても隠したくてつけたものです!決して私の趣味ではありません!確かに愛らしいとは感じますが!ぬいぐるみも購入してはいますが!決して私の趣味ではないのです!」

「それでは各位、速やかに解散するように」

「お待ちください閣下!誤解です閣下!!閣下ァッ!!!」

「諦めることを勧めるよスウィンバーン、実際、君によく似合っているさ…」

「はい、よくお似合いですよスウィンバーンさん」

「いや待ってくれ第5隊長殿に第6隊長殿、ほらこの丁度パイロットスーツここだけアーキバスロゴで真っ白じゃないですか!他の箇所は黒や灰色、紺色でシミがそこまで目立たないのに丁度、丁度目立つ白色のロゴ部分にフィーカがかかってしまったんです!どうしても目立ってしまったのでどうにか隠せないかと机を見たときにあったのがこの子なんです!!」

「お、落ち着いてくださいスウィンバーンさん、息をしましょう」

「まあまあ、どうしても気になるのなら着替えてきたらどうだい?」

「そうします!!失礼します!!」

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

「全く…ああいう所があるせいで合理的に切り捨てられない、あれはとにかく甘い所があると言うのに。実際、今回の()()()()が許可されたのも封鎖機構がただ新しい人的資源を確保したいだけだろう。でなければ今までの隔離が何だったのかという話になる…大方、あの惑星よりも設備の整った基地で教育なり研究を…人体へのコーラルの汚染状態の解析か?それとも生体パーツとしてのさらなる利用実験だろうか…まあいい。どうせあれは甘い思考で土着共を幾匹も連れて帰るのだろう、それを星外で治療するとでも言えば渡す筈…はあ、最後には企業のためになるのだから厄介なものだ、あの男は…………いや、今は女だったか」

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

転生した当初は、巨大ロボが存在することに純粋に喜んでいたと思う。

恒星間航行が当たり前にできる技術力、私はここが未来の地球だとは俄には信じなかった。

実際、私が生まれたのはスウィンバーン家という名家だが、地球の生まれではなかった。

火星で指導と教育を受け、大切に育てられつつも、ノブレス・オブリージュとして危険地帯と言われるような場所で職務を全うした。

事務員から始まり、あらかじめ取っておいた資格も合わせ会計士を務める程になれたが、やることは会計だけでなく材料や資源の在庫管理、必要であれば更に免許を取って機材の運転、運用もした。

こんなに頑張れたのは、あのお母様のおかげだろう。

生前あれだけだらけていたのに、それがワーカーホリックとなるほど追い込み鍛え上げたのはお母様の手腕に違いない…現に思い出すだけで鳥肌と震えが止まらないのだから。

 

そうして鍛えられた私は、誰にも恥じない仕事人間となった。

そのおかげか私はお得意様の巨大企業からヘッドハンティングされたのだ、あのアーキバス・コーポレーションへだ!

嬉しかった、待遇が良くなることではなく、私のこれまでの働きについても、生前ではどんなに頑張ろうと評価されなかったこの「仕事」という事で、その腕を見込まれたという事実にだ。

さぁ待っていてくれ我が新しい職場!

 

…そう浮かれていられたのはほんの数日だった。

目が死んでる人が多かった。

常に何かに怯える人がいた。

突然隣の先輩が姿を消した。

何か、何かが起こっている…私は不安で仕方なかった。

そうこうしている内に、私はある僻地の惑星へと派遣された。

そこで見た惨状に、一瞬で理解してしまったのだ。

なぜ、あんなにも目が死んでしまっていたのか。

なぜ、謝罪しか言えなくなったのか。

なぜ、先輩が姿を消したのか。

この巨大企業は、利益のために、地獄を作っていたのだ。

 

…私は、この派遣期間が終わり次第、退職届を出すつもりでいた。

しかし、それを出そうとする頃には…私はこの職場を離れることが出来ないほど、アーキバスの闇に呑まれてしまった。

 

だからこそ私は、私の出来る限りで企業に反逆した。

実績を積み、職務を全うし、地位を上げる。

そうして得た地位で企業の資金をバレない程度に着服し、アーキバスが作った地獄…紛争地帯や危険地帯から人を避難させ、その土地へ寄付をしていた。

初めはよく罵られるメッセージが届いた。

お前たちが来なければこうはならなかった、今更偽善者気取りか、家族を返せ、友を返せ、故郷を返せ。

当然だと受け入れていたが、何年も続けていくうちにそれらが少なくなり、別のメッセージが届くようになった。

畑を整える事が出来た、家を建てる事が出来た、学校へ通わせる事が出来た、すまない、ありがとう。

時折届くメッセージに、嬉しく思うも辛くなる。

自ら地獄を作り、それをなかったかのように手を出していく…マッチポンプだ、どんなに笑顔を向けられても、感謝されようと、私の両手はドロドロに汚れている。

それを長らく続けていたある日、スネイル閣下と出会った。

私は閣下から今までの着服の証拠を突きつけられ、彼の言う通り強化人間手術を受けることになった。

なにせ17年だ、塵も積もればと言うやつで、私が着服した額はもはや笑い事には出来ない額だった。

まあ着服事態が笑い事ではないし、それを元に私を脅しに来た閣下も笑い事ではなかった。

もうここで白状し警察のお世話になろうかと思っていたが、流石は閣下、私の実家を抑えており私が変な事をすればどうなるか、という脅しまでしてきたのだ。

もう私は強化試験をするしかなかったのだ。

 

それで受けたのが、第7世代の強化手術。

コーラル代替技術という、今までのコーラルを使った強化手術とは全く違う、成否の分からない実験的な手術だった。

結果として手術は成功したが、その結果アーキバスの専属AC部隊へと異動となった。

そこでの適性試験の結果、第7隊長とその部隊の会計責任者を兼任することに…着服してた人間に会計任せてしまって大丈夫なのか?

まあなってしまったのだからと開き直り、ACの操縦訓練をしながら業務をこなしていった。

それから更に数年、上がった給料で寄付を続け、強化手術が第8世代となり限りなく安定した結果を得られるようになった頃。

私は……肉体の老化に悩まされていた。

強化手術であっても、年に勝つためには局部に対して更に手術する必要があるようだ。

 

そのために私は、また手術をお願いすることにした。

まず手術とリハビリ期間も考え少し長めに有給を取った。

続けて強化手術を受けた機関へ連絡を取り、手続きを行い…。

 

手術完了後、私は女になっていた。

 

…。

……。

後日、機関へ連絡し問診票を確認すれば、手術希望欄にある腰痛改善のすぐ下、性転換手術の欄にもチェックをうっかり入れてしまっていたようだ。

 

…やってしまった〜!!!

 

 

 

 

 

さて、過去の失態を振り返りつつも着替え終わり、もう一度フィーカを淹れる。

カップを手にイスに腰掛ける…この美魔女ボディにも慣れたものだ。

あの第6隊長殿のようなスラッとした素晴らしく美しい容姿と違い、今の私は男性の劣情を煽るような美しくも下品な容姿をしている。

薄さを気にし始めていた髪は、クセのある紺色の長髪へ。

くびれはあるが少し下品に思えるほど大きい臀部。

絶対にここまでいらない大き過ぎる胸部。

そして、少し童顔気味で垂れ目な美女の顔。

…ぬーん…やはり、これは主治医の趣味ではないか?

こんなのゲームのキャラにしかいないだろう。

 

…ゲーム?

 

……アーキバス…スネイル…ヴェスパー…AC…。

 

「ここアーマード・コア6じゃないか!!!」

 

今気付くか!?

もうとっくに五十路だぞ!?

どうするんだ私スウィンバーンだけどもう性別からして原作崩壊してるが!?

って慌ててたら内股にこぼれたアツアツフィーカがぁぁああああ!!!!

 

 





V:VII(♀) スウィンバーン

容姿:わかりにくいなら各々が好きな人妻や未亡人を思い浮かべれば大体合ってる。

愛機:ガイダンス

()()():フウリン


作者が困ってること:スネイル閣下の文字にメガネ度が足りない、本編でも声だけでメガネ掛けてるのが分かるし、他作品の閣下も文字やセリフにメガネ掛けてるのが分かる。私も閣下にメガネを掛けることが出来ているかがとても心配。

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