第1話になります!
今回は転生後の莫騎の話になります。
それでは本編をどうぞ!
夢を見た
それは1人の男の人生を物語にしたような夢だ。
男はどこかの村の住人だった。
明るくて優しく、腕っぷしも強かった男。
そしてその男には1人の親友がいた。
親友は頭が良く、その時代では到底存在しなさそうな技術を持っていた。
そんな2人を含んだ村人に、村の長から予言が告げられた。
『この世界に暗黒の存在舞い降りし時、1人の騎士と1人の魔導士が現れ世界を救う』
その話を聞いた男と友人は、その日から同じ夢を見るようになった。
男は左手に盾を右手に剣を持った紫と銀の鎧に身を包んだ騎士が、左手に本を持つ魔導士と共に怪物に立ち向かう夢だった。
夢を見るようになってから男は、友人に話をしたら友人も同じ夢を見ていた事を知る。
暫くし、2人は導かれるように村近くの洞窟へ足を運び、そこで2人の夢に出てきた剣と盾、本に似た物があった。
男の友人は剣と盾、本を持ち帰り部屋へ引きこもってしまった。
それから3日後、部屋から友人が出てきた。
友人の手には洞窟で見つけた剣と盾、本があり剣と盾を男へ渡す。
すると男の姿が夢で見た騎士の姿へと変わった。
男は一瞬驚くも理解した。
『コレが俺の
それ以降、男は友人と共に旅に出て、旅の先々で様々な仲間を作り次々と現れる敵を倒していった。
そして旅の終着点。
草木は枯れ果て、崩れた建物ばかり赤黒い雲が空を覆ている街。
その街に唯一存在する城に男と友人、仲間が今まで戦ってきた敵とは比べ物にならない強大な敵がいた。
男と仲間達は臆することなく強大な敵へと立ち向かったが、敵の力は彼らが想像していたよりも強く、いとも簡単に吹き飛ばされてしまった。
男と仲間は立ち上がり、互いにカバーしあいながらあらゆる技や戦術を駆使して強大な敵へと攻撃する。
しかし、どの技や戦術も強大な敵を仕留めるまでには至らず、逆に強大な敵の攻撃により1人、また1人と仲間達が倒れていった。
その状況にまずいと思った男は、旅の途中で得た力を解放した。
そのおかげか、強大な敵は男から感じるプレッシャーに冷や汗を流し始め、男は友人が魔導書より作り上げた5人の騎士達の援護を受けながら強大な敵と互角の戦いを繰り広げる。
長い時間が経過し、男はやっとの思いで強大な敵を打ち取った。
敵が消えると空を覆っていた赤黒い雲は無くなり、枯れた草木や崩れた建物が元の姿を取り戻し、今までそこにいなかった筈の騎士や住民、王がそこに現れた。
友人が話を聞くと、王達は敵の魔法により敵の中に囚われ敵の力の源にさせられていたとの事だった。
敵を倒し、消えた住民達が戻り、枯れた草木や崩れた建物が元通りになった事で友人や仲間達は勿論、戻ってきた住民達がその場で歓喜の声をあげ喜ぶ。
そんな中、一番の功労者と言ってもいい男だけが静かに空を見上げていた。
いつもであれば共に喜ぶ筈の男の様子に違和感を覚えた友人は、男へ近づき肩に手を置く。
途端、男はその場へ倒れこんでしまった。
突然の事に友人は驚き、男を抱き起す。
一部始終を見ていた仲間達、解放された住民達が男と友人の元に駆け寄る。
表情が分からない為、友人が仮面を取り外すと男は目・鼻・口から血を流しており、目がうつろっていた。
異常だと判断した友人と魔法が使える仲間は、全力で回復魔法を男にかけるが回復する様子が見られなかった。
回復しない男を見て焦る友人と仲間達に、友人に抱きかかえられている男が静かに語りだした。
自身が使用したのは禁断の力である事、使用する為に自身の体へかなりの負担かけ寿命を代償にしなくてはならない事、使用時間が長ければ長い程代償がきつくなっていく事、力を解除した際に寿命がほんのわずかしか残ってなければどんな回復魔法や回復薬でも治す事ができない事。
最後まで説明を聞いた仲間達、解放された住民達は涙を流す。
特に男を慕っていた女性の仲間や男をライバルと思っていた仲間、後から男に追いつき共に戦った妹はひどく悲しんだ。
そして男を抱きかかえる友人に至っては、目に涙をため流さないようにしていた。
目がうつろになり見えていなかった男だが、長年共に過ごし旅してきた友人との今の状態を察し、友人と妹、仲間達に聞こえるように声を発する。
『ごめんな皆・・・・・・こんな結末・・・・・・俺も望んでいなかった・・・・・・だけどこれしか・・・・・・皆を守るにはこれしかなかった・・・・・・・・・・・・・・■■■・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・・・なんだい■■?』
『お前との日々は・・・・・・・・・・毎日が新鮮で・・・・・・・・・・・・・楽しかった・・・・・・・・・・・・』
『・・・・・・・・・・・・僕もさ』
『ありがとう・・・・・・・・・・・・・・皆・・・・・・・・・元気・・・・・で・・・・・』
『―――っ!?・・・・・さらばだ・・・・・我が友よ』
男は友人の腕の中で息を引き取り、友人は目に溜めた涙を流しながら男を看取ったのだった。
物語のような夢。
転生した俺は毎日のようにこの夢を見て、見るたびに何故か「懐かしい」と感じていた。
何時もはそこで目を覚ます。
しかし今回は違った。
『誰か·····僕の声を聞いて········力を貸して··········!魔法の········力を···········!』
謎の声が脳内に響く。
それと同時に光が俺を包み込み、目を開くと見慣れた天井が視界にあった。
「またあの夢…………もう何回目か分からないな」
転生して約9年、俺こと混万 莫騎はずっとあの夢を見ている。
「(あの夢は俺に何か関係があるか?··········それに初めて聞いたあの声はいったい·············)」
『マスター、何か考え込んでるようだけど大丈夫?』
「大丈夫。心配してくれてありがとう、ゼラ」
夢と初めて聞いた謎の声について考えていた俺を心配し声をかけてきたのは、この世界のアイテムとしてアップデートされたゼッツドライバーことゼラだ。
この世界のアイテムにアップデートしてから対話が可能となり、時折心配してくれる。
俺はベッドから起き上がって洗面所で顔を洗い、部屋に戻って通っている私立聖祥大附属小学校の制服に着替えリビングに向かう。
リビングに着くと、家事全般をしてくれている2人の女性、タマモとシトナがテーブルに朝食を乗せた皿を並べてくれていた。
「おはよう、タマモ、シトナ」
「あ、おはようございますマスター♪」
「おはようございます莫騎様♪」
2人に挨拶し、俺は席へとついた。
するとリビングの扉が開き、俺と同じ私立聖祥大附属小学校の制服を着た妹の
「おはよう、光」
「おはようお兄ちゃん!タマモとシトナもおはよう!」
「はい♪おはようございます光さん♪」
「おはようございます!光様!」
2人は俺達に挨拶をしてから、各自の席につく。
「では、いただきます」
「「いただきます!」」
手を合わせ挨拶をしてから、朝食を食べ始める俺達。
今この家に親はいない。
2人とも海外へ旅行に行っていていないのだ。
その為、家事は基本タマモかシトナ、俺が作っている。
他にいる
すると再びリビングの扉が開き、服が着崩れした少女が目を擦りながら入ってきた。
「ふわぁ〜·········おはようございます、莫騎さん、光さん、タマモさん、シトナさん·········」
「おはよう、イリス」
「イリス、おはよう!」
「おはようございます♪イリスさん♪」
「こらイリス!服着崩れしてんぞ!ちゃんと直せ!」
「ほえ〜?」
「たく!寝ぼけやがって!」
シトナは入ってきた少女、イリスに近寄り着崩れした服を直す。
こうして見ると、姉妹のように見えてしまう。
そう考えていると、俺はある事に気づき辺りを見渡した。
「タマモ、そう言えば
「あの方でしたら、地下室で新装備を開発してますわ」
「昨日の夜から籠っているけど、大丈夫か?」
「後で
「頼むね」
タマモに頼んだ俺は、食事を再開した。
数分後、食事をすませた俺達は歯を磨き、鞄を持って出発の準備をしていた。
「光〜、置いてくぞ〜?」
「ち、ちょっと待ってー!」
声をかけると慌てて走ってくる光と、光の鞄を持って歩いてくるシトナがやって来た。
「光様、鞄をどうぞ」
「ありがとうシトナ!」
「随分時間かかっていたが、何してたんだ?」
「髪が上手く纏まらなくて〜。でもシトナのおかげで上手くできたよ!」
「··········ごめん、良く分からない」
「もう!お兄ちゃんの馬鹿!そんなんじゃ女の子悲しませるよ!」
「そうですよ?そういうの分からないと、いつか痛い目にあいますよ!」
俺の発言が気に入らなかったのか、怒りながら言う光とシトナ。
だが
「ま、まぁ私は、どんな莫騎様でも受け入れつもりですが///////」
途端、シトナ顔を赤くしながらクネクネしだした。
そんなシトナに光は首を傾げ、俺は身の危険を感じた。
するとタイミング良く、タマモが弁当箱を持ってリビングから出てくる。
「マスター、光さん、お弁当忘れていますよ」
「ゴメンね。ありがとう、タマモ」
「いえいえ。さあさあ暴走したシトナさんは私が何とかしておきますので、お2人は学校へ」
「分かった。行こう光」
「うん!じゃあタマモ、行ってきま〜す!」
「行ってらっしゃいませ〜」
俺と光はタマモに見送られながら家を出て、学校へ向かって歩く。
暫く歩くと、俺と光は校門までやって来た。
すると校門の前に3人の少女がおり、その中の1人が此方に向かって手を振ってきていた。
「莫騎君!光ちゃん!おはようなの!」
「おはよう、莫騎、光」
「おはよう、莫騎君♪光ちゃん♪」
「高町、バニングス、月村、おはよう」
「なのはちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、おはよう!」
声をかけてきたのは、クラスメイトで友人の
高町とは一度、公園で悲しそうにしているのを見つけ、相談に乗り、数年後学校で再会して、バニングスと月村の2人は小学2年からの付き合いでだ。
「ねぇ莫騎君、いい加減名前で呼んでほしいの」
「考えておくよ」
「アンタ!いつもそう言って呼ばないじゃない!」
「まぁまぁアリサちゃん」
「ほらほら、教室行かないと遅刻扱いだから行くよ」
「あっ!コラ!話をそらすんじゃないわよ!」
「待ってよ莫騎君〜!」
「ふふふ♪いつもと変わらないね♪」
「そうだね」
俺はバニングスの発言に答える事なく校内へと入っていき、バニングス達は後を追う形で校内へと入って来る。
教室へ着いた俺達は暫く話をし、担任が来てから各々の席へと戻って授業を受けるのだった。
何も変わらない
しかしこの日の夜を境に、この世界の《物語の1つ》が動き出す事を、この時の俺は知る由もないなかった。
to be next mission
今回はここまでです!
次回は莫騎が原作に加入します。
バトルするかは未定です。
次回も是非読んでください!