魔王の裁刃と呼ばれた魔人の正体は堕天総督の息子で、制服フェチの厨二病持ちです。 作:戦魔王ゼロ
いよいよ、小猫の試練回です。何故、小猫は試練に失敗し、石化されたのか、その答えが、今回、明らかになります。
「この格好、確か魁人先輩が好きなラノベ・・・『天空監獄の魔術画廊』に登場するヒロインの一人、レオナが着ていた囚人服ですね・・・やっぱり、ゼロの正体って、魁人先輩なのかな・・・」
そう言って、小猫は自身の格好に言及しながら、暗い、暗い森の中を突き進んでいる。
ゼロもとい魁人の手によって、グレモリー眷属は、様々な監獄空間に飛ばされて、各々の試練相手と対峙している。
その中で、小猫が飛ばされたのは、日本式の墓が幾つもの建てられた暗い森の中だった。
この空間内に飛ばされた際に意識を失っていた小猫が目を覚ますと、『天空監獄の魔術画廊』のヒロインの一人、レオナが着ている黒いゴスロリを彷彿とさせる囚人服を着用した状態で倒れていた。
最初、何故、この格好かつ、墓がいくつも建っている森の中に飛ばされたのか、色々と疑問が湧いてきたが、この空間に飛ばされる前に言われたゼロの言葉を思い出し、この空間内で、自分に試練が課されていることを認識し、その試練が何なのかを考えながら、この空間から、どう脱出する為のヒントがないかと森の中を彷徨っていた。
そんな中、小猫は、自身の着せられた囚人服からゼロの正体が、もしかしたら、自身の友人の先輩であり、何度も、その友人を通じて可愛がって貰っている制服研究部の部長、麻羽魁人ではないかと考えていた。
何故、そう考えに至ったかは、それは、小猫が魁人と初めて出会ってから一ヶ月前に遡る。
ーーー4月の中旬、駒王学園高等部の1年生として、学園に入学してきた小猫はクラスで知り合った友人を通じて、とある変人と出会った。
初めての邂逅は、その友人が所属している制服研究部の部室として使っている被服室だった。
第一印象は、まさか、ギャーくん以外にも、女子制服を着ている変態がいるなんてーーーしかもギャーくんと同様に滅茶苦茶似合っていて、初見で女子生徒と言われても分からないぐらい可愛い。
小猫は、自分と同じ1年生でかつ魁人と同じ男子生徒なのに女子制服を着ているグレモリー眷属の一人を思い出して、若干、魁人に対して、引いた態度をとってしまう。
流石に、その態度は失礼だと思い、小猫は、頭を下げて謝った。
だが、魁人は慣れたように、小猫に微笑みながら、優しく謝罪を受け入れていた。
そこから、小猫は、自身の所属するオカルト研究部以外にも、制服研究部に何度も足を運び、色々と魁人に勉強を教えてもらったり、制服研究部の部員全員とゲーム等で遊んだりして仲良くなっていた。
ちなみに、制服研究部は、学校の制服は勿論のこと、様々な職業の制服、架空の制服、つまり、アニメ、マンガ、そして、ゲームに登場する制服を研究し、自らオリジナルの制服をデザインして造る活動をしており、去年の文化祭では、実際のお化けを利用したお化け屋敷の運営で生徒会から怒られたオカルト研究部とは、また、別の意味で、学生とは思えない完成度の高さから、制服・衣装関係の業界人、主に、その手で有名なデザイナーたちが直接、スカウトまたは視察に来るぐらい注目されている。
その部長である魁人は、制服の中でも奴隷服や囚人服を、何故か、自分で好んで着るほど性癖がねじ曲がっており、よく小猫にも、その衣服が登場するアニメやマンガ、ラノベ作品を紹介していた。
その一つが、『天空監獄の魔術画廊』という作品で、魁人は、そのヒロイン達が着ている囚人服を、特にメインヒロインのキリカとレオナが着る囚人服を熱く自分に語っていたのを今でも覚えている。
「流石に、偶然ではないよねーーーそれと、いつまで、後を尾けてくるつもりですかーーーえっ・・・・」
魁人の事を考えていた小猫は、後ろから迫る気配に気が付き、振り向く。
思わず、絶句してしまった。
何故ならーーー
「久しぶりねーーー白音。迎えに来たにゃん!」
「なんで、黒歌姉様がーーー」
主であった上級悪魔を殺して、脱走し、最近、危険度がーーーSS級ランクの認定を受けたはぐれ悪魔
黒髪のツインテールで、猫又特有の黒い獣耳と長い二又の尻尾を持つ和服を着た巨乳の美女、それが自身の姉だったはぐれ悪魔ーーー黒歌
それが、まさかのゼロが展開した空間内に居た。
「なんで、黒歌姉様が、魔王眷属が展開した空間内に!?」
自身の姉である黒歌に思わず、怒りの形相で睨みつける小猫ーーーだが、それと同時に、恐怖を感じて身体が震えていた。
それを見た黒歌はーーー
「取引したにゃんーーーある組織に潜入することと引き換えにーーー」
「取引ーーー馬鹿な、そんな事、悪魔政府が認める筈がーーー」
「ゼローーーあの男の肩書を忘れたかにゃん?」
「
「そうにゃんーーーこれで、条件はつくけど、表立って、追っ手に追われる事は無くなったにゃんーーーだから、白音、ようやくーーー」
そう言って、小猫を手を取ろうとする黒歌ーーー
だが、小猫は、その手を払いーーー
「今さら、どんな面を下げて戻ってきたんですか!?私が、貴女に置いてかれて、どんな目にあったか知らないくせにーーー私を置いていった貴女なんかより部長達がーーー私のーーー」
激怒し、黒歌に食いかかろうとするも、身体が震える子猫ーーーそれを見て、黒歌はーーー
「その主がピンチな時でも、私達の猫又、猫魈の力を振るおうとしない・・・いや、私みたいに暴れるのが怖くて、使えないが、正しいかにゃん?それで、あのグレモリー眷属達を家族として護る?片腹痛いにゃんーーー護られるか弱い存在の間違いじゃないの?」
そう言って、黒歌は、軽く手を叩いただけで、何十とも言える魔方陣や特殊な呪詛の塊が、周りの空間を埋め尽くすように、発生し、それ等が小猫の元へと飛んでいく。
身体を震わせながらも、直撃しないように走っては避ける。
だが、運悪く、呪詛の一つが小猫のお腹に直撃し、その呪詛に蝕まれて、倒れ伏す。
その後、倒れた小猫に、襲い掛かるように術式の塊が何度も直撃するのだった。
術式の影響で、辺り一帯が、その時の衝撃で生じた土煙によって、見えなくなっている。
小猫は、ボロボロになりながらも黒歌から距離を離すために、音を立てずに移動しようとする。
だがーーー位置が分かるのか、土煙の中でも黒歌の攻撃が、小猫に目掛けて飛んでいき、直撃する。
「ーーー諦めて、白音。心から自分の力に恐怖して使えないようじゃ、この先、グレモリー眷属の中で置いてかれて落ちこぼれと呼ばれるにゃんーーー結局、あの女も白音を捨てるに決まってるにゃ!!!」
「私を置いていった貴女が、リアス部長を悪く言うな!!」
そう言って、再度、黒歌に激怒する小猫。だけど、やっぱり、姉が暴走した切っ掛けとなった猫魈の力が怖くて、身体が震えていた。
「ーーー」
「やっぱり、まだ、力を出し惜しみするにゃんーーーいい加減に認めるにゃんーーー自分の身が大事で、大切な家族の為に力を振るえない臆病者であるとーーー」
妹に容赦のない言葉をぶつけまくる黒歌ーーーそれに対して、小猫は、何も言い返せないのだった。
「ーーー」
何も言い返せなくなり、恐怖で身体を震わせて、崩れ落ちる小猫ーーー
それを見て、黒歌はーーー
『試練失敗ーーー塔城小猫、失格とするーーー』
黒歌から、男の声が聞こえたーーー
その男の声を聞いて、小猫は、思わず、顔を見上げるーーー
そう自身の目の前に居た黒歌の全身に黒い布が巻かれ、それが黒歌の全身を包み込む。
そして、次の瞬間、布の中から白い光が漏れ出て、それが辺り一帯全て包むように全体的に光が照らされていく。
そして、光が消えると、そこにはーーー
「魁人先輩?」
「嗚呼。小猫が知っている魁人本人だよーーー」
グレーのブラウスに紺のジャンパースカートの女子制服を着た魁人が、申し訳なさそうな表情をしながら小猫に話しかけてくるのだった。
「やはり、魁人先輩がゼロなんですねーーー」
「嗚呼、そうだ。魔王セラフォルー・レヴィアタン様の
小猫の指摘した通りに、魁人は自身の正体がゼロであることを明かす。
「やっぱりーーー黒歌姉様の件は、どこまでが本当なのですか?何故、先輩が黒歌姉様の姿をーーー」
腑に落ちた小猫は、今度は、恐怖で身体をビクビクと震えながら、今回の件の詳細を聞いてきた。
「ーーー分かった。まず、先程の取引の件は本当だ。黒歌の元主であるナベリウス家分家の元主はーーー裏で違法な研究に手を染めていた。黒歌は、その被害者の一人でーーー自身の言うことを聞かなければ、小猫ーーーお前の事も被験者として、同じ目に合わせると脅迫されていたーーー」
魁人は、少し目を瞑り、考えをまとめた後、今回の試練も含めて、黒歌の件を伝える為、詳細を明かし始めるーーー
「ーーー初耳です。てっきり、力に溺れた姉様が元主に反逆してーーー」
「力を身に着けて、反逆したのは事実だからなーーーただ、元主には、何処と繋がっているかまでは明かせないが、その経由で違法な研究開発を任されていた。そして、黒歌と小猫は、その研究に携わっていた者の血縁者としてーーー保護もとい捕獲したと、俺が独自に手に入れた捜査資料の中に記載されていたーーー」
「知りませんでしたーーー血縁者という事は、私のーー父か母が携わっていたと?」
「嗚呼。研究者として、君の父が主に携わっていて、その母はーーーその父をサポートする助手として、研究を進めていた。なお、君達の母は妖怪、猫魈で、父は人間だったとーーー」
「私の父が、研究に関わっていてーーー母が、妖怪だったとーーー」
「これ以上は、詳細は明かせないが、実験の事故で、君の両親は死亡。その両親の死後に、何かしらの研究データを隠しているのではないかと、その元主は考えて、唯一の血縁者である君達の身柄を押さえたのではないかと、俺は思っているーーーー」
「姉様は、私を巻き込まない為に、わざとーーー」
「ーーーこれ以上は、君たち家族の関係だからこそ、口にできることは少ないが、少なくとも力に溺れて、元主に弓を引いたのではないことは、保障しようーーーだが、君が、その後に受けた仕打ちを思えば、受け入れられないのは当然だーーー」
そう言って、小猫に申し訳なさそうに頭を撫でる魁人。思わず、撫でられたことに恥ずかしくなった小猫は、次の質問を魁人にした。
「私の試練は、私の力を受け入れることですか?」
「厳密には、向き合うという事だ。その姿勢だけ見られれば、試練はクリアし、君が扱える力を与えていた。だが、今回は文字通り、失敗だ。その状態で力を与えても上手く扱えず、枷になるだろうからねーーー」
「向き合わず、恐怖に震えていたからーーー」
「ーーー力に恐怖することは悪いことではない。むしろ、君の戦闘スタイルである肉弾戦を行う格闘家又は武術家達は、その恐怖を受け入れた上で、上手く力として取り入れている。例えば、恐怖による危機察知での攻撃回避とか挙げられるねーーー」
「だけど、失敗ーーーしました」
「嗚呼。君の場合は、その恐怖によって、立ち向かうこと、又は逃げる事も放棄していたからねーーー眷属には、各駒には、役割がある。王は、眷属の旗頭であり、眷属の意志を示し続けるために、最後まで生き残り続けなければならない。女王は、その王を支え、護るために、また、眷属を生き延びさせるための司令塔の一つとして、盤面を広く見ないといけない。そして、戦車はーーー」
「眷属の守る為の盾としてーーー引いてはならない」
「そうだ。例え、どんな強大な力でも臆さずに、その身を以て、その脅威を跳ね除けて、主、そして、仲間を護る事が戦車の役割ーーーだけど、今の君に、それが出来るかな?」
「ーーー無理です。自身の力に怯えて、何もできなかった私ではーーー失格も当然ですーーー」
そう言って、小猫は、魁人の言葉を受け入れていた。
魁人は、小猫が失格の理由を受け入れたことを認識し、自身の手の平に魔力を集中させる。
「ーーー君のトラウマを刺激した事は謝罪しよう。だが、試練の失格を訂正する気はない。そして、試練失敗の
「罰とは?」
「俺が最も使用する力は、
「ガーゴイルを力を付与された制服?」
「そう。俺と君は、今から、このガーゴイルの力で石化された人柱として、この空間を維持している装置の魔力源となる。ちなみに、元々、この空間の維持している装置の魔力源は、俺が受け持っているからーーー正確に言うなら、君には、他の
「それが、私の罰ですか?」
「そうだ。そして、君が結界に組み込まれたことで、結界も、君の力が付与された事になる。この意味が分かるかな?」
「ーーー結界に、私の戦車の駒の特性が付与される?それじゃあ、私が眷属皆の試練突破の妨害する事にーーー」
「それが君に与える罰だ。恐怖に立ち向かうことができなかった君に与える最も重い罰だと俺は考えているーーー」
それを魁人に告げられた小猫は、自身の弱さに涙を流した。そして、ガーゴイルの力を付与されたことによる石化で、意識を失う前にーーー
「部長、皆、ごめんなさい。私が皆の足を引っ張る形にーーーイッセー先輩ーーー助け、てーーー」
眷属の皆に対する謝罪と、何故か、変態だけど、何処か気になっているイッセーに助けを求めて、意識を失った。
小猫が意識を失って、石化した時ーーー
「おい、魁人!!」
魁人と修行中のイッセーが突然激昂して、魁人の胸ぐらを掴んだ。
理由はーーー
「何故か、知らねえがな、小猫ちゃんの助けを呼ぶ声がした。お前、小猫ちゃんに何をした!!!」
「ーーー小猫は、試練に失敗した。そして、その罰を与えたーーー」
「てめぇ!!!」
魁人に激昂し殴りかかるが、上手く交わされて、反撃の蹴りを腹に喰らうイッセー。
「ーーーお前が、何故、小猫の声を聞いたかまでは理由は知らんが、覚醒に近づいているのは確かだろう。俺は言った筈だぞ。試練を与えるとーーー試練に失敗したらどうなるかまで、リスクを込みで受け入れたんだろ?」
「くっーーーけど、小猫ちゃんの声は苦しそうだった。お前が、何かを小猫ちゃんにして苦しめたのは間違いない。違うか?」
「ーーーそうだ。主に小猫のトラウマを刺激することをーーー」
そう言いかけた瞬間に、魁人の顔面に強力な赤い一撃が直撃する。
顔面を思い切り殴られ、吹っ飛ぶ魁人。直前に魔力障壁を幾つか展開したことで、直撃による顔の陥没は無かったが、それでも衝撃を殺しきれずに割られてふっ飛ばされた。
そして、割れた障壁の破片で、魁人の頬に大きな切傷ができる
「ーーー許さねぇ。例え、俺たちの為の試練でも可愛い後輩を泣かせた事だけは絶対にーーー」
「なら、どうする?」
「お前を倒した後に、この空間から出て小猫ちゃんを助ける。そして、この巫山戯た試練をぶち壊してやる!!!」
そう言って、魁人に自身の拳を向けるイッセー。それに対して、魁人は、少し笑みを浮かべてーーー
「やってみろや、
「やってやるさ、
イッセーと拳を合わせるかのように、そのまま魁人も左拳で、イッセーを殴りつけた。
その瞬間、生じた衝撃で空間が歪んでいったーーー
魁人とイッセーの修行もとい殴り合いが過熱している時ーーー
「少し、遅かったかーーーまた、面倒な事になるなーーー」
「ーーーくっーーーー」
「ライザー兄様、ライザー兄様!!」
魁人が監視として、エージェントを派遣していたが、遅かった。
何故ならーーー
「何故、ライザー兄様が!?」
ライザー・フェニックスが、何者かに襲撃されていた。妹のレイヴェル・フェニックスは、波を流しながら、ライザーに呼び掛けている。
命に別状は無いが、1週間後に行われる婚約を賭けたレーティングゲームの参加は絶望的だろう。
「ーーーゼロに報告だな」
「これは、まさか
「いや、違う。だが、ゼロの名を貶めたい奴らの仕業だろうーーーおそらく、今回の襲撃の件を、ゼロの犯行と罪を被せてーーー」
「ライザー兄様は、そのような足の引っ張り合いに巻き込まれたのですか?」
「ーーーすぐには答えは出ないだろう。だからこそ、今は、ライザーの応急処置を優先する。レイヴェル嬢は急いで、フェニックス卿に、この事を伝えるんだーーー」
「ーーー分かりましたわ。それと、貴方の事は何と呼べば?」
「エージェント・ペンデュラム、ゼロの眷属、
「マリオ様。分かりましたわーーー兄をよろしくお願いします」
そう言って、レイヴェルは、急いでフェニックス卿に連絡を取るために、静かな場所に向かっていく。
「さて、この1週間後、魁人は、どう対処するかなーーー」
自身の主であり、悪友の頭を抱えてしまう光景に内心、笑い掛けるが、ポーカーフェイスを維持したまま、ライザーの応急処置を済ませた。その後、転移魔方陣を起動させて、そのまま、近くの医療機関に飛んでいくのだった。
少し長くなりました。
小猫の試練をどうするか考えた結果、自身に宿る力と向き合う形で、黒歌(偽)と対峙させましたが、結果的に、失敗しました。
小猫ファンの方には申し訳ないと思いますが、魁人の立場を考えると厳しい面も出さないと、魔王眷属として甘い存在として、周りの貴族悪魔に舐められる事もある為、今回の結末に至りました。
小猫の助けを、何故か感じ取ったイッセー。それには、修業によって開花した力が関係します。
次回、それが明らかになります。あと、ライザーが襲撃されたことで、レーティングゲームはどうなってしまえのか?
それも含めて、話を進めていきます。お楽しみに!!
P.S.
今回登場したエージェント兼魁人の兵士であるマリオ・A・百目木は「コードギアスロストストリーズ」のマリオ・ディゼルをモデルにしています。また、マリオだけでない隠し要素もあるのですが、それらは次回以降に明らかにします。