古き上級悪魔たちがそう言い聞かせる家系──マルバス
若手悪魔交流会に現れたのは、赤龍帝すら本能で敗北を悟る純血悪魔と、常識外れの眷属たちだった
──恐怖
──畏敬
──そして、僅かな憧れ
“世界は広い”──
リアスたちはその意味を知ることになる
若手悪魔交流会 〜マルバス家、緊急参加〜
魔王領上空──巨大空中宮殿にて開催される、若手悪魔交流会。
未来ある若き悪魔たちが、
『家柄』
『才能』
『実力』
『眷属』
『レーティングゲーム戦績』
を語り合い未来の魔界を形作る社交界──のはずだった。
しかし今日は違う。会場全体が、異様な緊張感に包まれていた。
「……追加招待者?………………ッ⁉︎」
リアス・グレモリーは、送られてきた名簿を見て表情を変えた。そしてその様子を隣で見ていた朱乃が首を傾げる。
「リアス?」
リアスは静かに答える。
「………マルバス家が来るわ」
小猫が耳を動かし、木場が眉をひそめた。
「マルバス……ですか?」
聞いたことがない。
だが、それを耳にしたソーナとサイラオーグは話を中断し、そして古参悪魔たちはその名前を聞いた瞬間に沈黙していた。
ソーナは即座に会場の術式班へ指示を飛ばす。
「会場結界を再点検してくれますか?あと、空間固定の強化もお願いします」
焦るソーナに眷属たちが驚く。
「そこまで必要なんですか?」
「必要よ」
即答だった。
それを聞いていたサイラオーグも、腕を組みながら静かに呟く。
「“敵対するな”と、昔から言われている家だ」
リアス眷属席──そこには、赤龍帝がいた。
赤い籠手を持つ青年は、苦笑しながら肩を竦める。
「なんですかマルバスって?やばいんすか?」
リアスは首を横に振る。
「違う」
数秒の間沈黙し──
「……もっと面倒」
その時、アザゼルが後ろから現れた。そして珍しく真顔だった。
「お前ら、忠告しとく………『挑発するな』『喧嘩売るな』『あと目をつけられるな』」
赤龍帝が眉をひそめる。
「だからなんなんですか?マルバスって?」
アザゼルはため息を吐きながらシンプルに答える。
「“敵対したら終わり”側だ」
──そして司会悪魔へ連絡が届く。司会は聞いているうちに顔色が変わっていく。
上級悪魔たちは立ち上がり、サーゼクスが静かに目を閉じる。
「………来ましたか」
「………えー……皆様………急遽、追加参加者が到着いたしました」
突然のことでざわめく会場。開始時刻に大幅に遅れているのに、この期に及んで誰が到着したのだと古参悪魔は非難をし始め、若手悪魔は遅れて来た家にマウントを取るため興味を向け始める。
「現マルバス家当主──イッセー・マルバス様。」
初めて耳にする名前に若手悪魔たちは反応が薄い──
──知らないからだ。
だが、グレモリー・シトリー・バアルそして古参悪魔たちだけが、完全に沈黙した。
重い扉が開き最初に現れたのは、金色のツインテールと蒼い瞳を持つ、小悪魔めいた少女。
黒を基調としたフリルドレスを優雅に広げ、その姿はまるで人形のように華やかで愛らしい。
無邪気な笑みの奥には強気な気質と気品が覗き、可憐さと傲慢さを同時に感じさせる堕天使──ミッテルト
リアス眷属がその姿を見て凍る。
「……ッ!?」
リアス・朱乃・アーシアの顔が青ざめ、木場の目が細まり警戒を始める。
転生前の赤龍帝を殺したレイナーレ陣営その一員。
だがそのことを知らない若手悪魔たちはざわめく。
「片翼?」
「欠陥じゃないか⁉︎何故そんな奴がこんな場所にいるんだよ⁉︎」
よく見るとミッテルトの羽根は片翼しかない。そこで違和感を感じ、リアスたちは思い出す──『そういえば彼女だけ羽根を出していなかった』ことを──
──次の瞬間。
六枚の羽根が広がった。その光景を見て空気が凍る。
「最上位が眷属……だと⁉︎」
古参悪魔たちが青ざめ、アザゼルが椅子を後方に勢いよく倒す。
「マジ………かよ?」
ミッテルトは騒ぎ始めた周囲を無視し、後ろを振り返る。
「お館様、段差ッスよ」
「あぁ、ありがとうミッテルト」
彼女の言葉に促されるように扉の奥から静かに茶髪を無造作に伸ばした、爽やかな雰囲気の青年が現れた。
仕立ての良い黒いスーツを着崩しなく纏い、その自然な笑みからは余裕と社交性が感じられる。
柔らかな物腰の裏に、状況を冷静に見極める抜け目なさを感じさせる印象の人物──イッセー・マルバス
その瞬間会場の空気そのものが変わる。
──圧ではない
──威圧でもない
──存在格。
それは“世界の裏側”そのものが、歩いてきたような感覚。
赤龍帝が息を呑む。
神器は無く龍の気配も無い。なのに、本能が理解した。
──死を
そんな中リアスが立ち上がる。
「ようこそお越しくださいました、マルバス卿」
若手悪魔たちがざわつく。
グレモリー家次期当主が、ここまで低姿勢──異常だった。
続いて扉を通ってきたのは艶のある黒髪と金色の瞳を持つ、感情の薄い少女──朔月美遊
白い巫女装束に身を包み、その静かな佇まいは清廉さと同時に、人間離れした冷たさを感じさせる。
まるで感情を切り離した“依代”のような、神秘的で近寄りがたい雰囲気を纏っていた。
その瞬間高位悪魔たちの顔色が変わる──濃密すぎる神性。
だが本人は、イッセーの袖を掴みながら呟く。
「お兄ちゃん、人多い……」
続いて現れたのは紫色の髪と特徴的な瞳孔の大きな瞳を持つ、小柄で奇抜な雰囲気の人形を抱いた少女──寶月夜宵
ぶかぶかのジャケットと極端に厚い靴がアンバランスな印象を与え、どこか機械仕掛けの人形めいた不思議さを感じさせる。
無表情に近い顔立ちながら、その瞳には狂気と純粋さが同居していた。
彼女を視界に入れた瞬間霊感持ちの悪魔・転生悪魔たちが青ざめた。
『ナニカ』が大量に“後ろ”にいる。
──しかも………全部が災厄級。
『やぁやぁ、みんなちゃんとしてるね』
軽い声と共に現れたのは黒髪と鋭い紫の瞳を持つ、痩せぎすな少年──球磨川禊
詰襟の学生服を纏っているが、その不自然に細長い体躯と飄々とした笑みが、人間離れした異質さを感じさせる。
軽薄そうな態度の裏に、底知れない狂気と危うさを隠しているようで、
笑顔──なのに神器持ちたちの本能が、一斉に警鐘を鳴らしていた。
『で?この会って友達作る感じ?』
ただ喋るだけで、空気が不穏になる。
「へぇ〜現代悪魔術式かぁ」
いつの間にか会場に入っていた長い紫髪と赤い瞳を持つ、柔和な雰囲気の女性──篠ノ之束
青と白を基調としたメイド風の衣装に奇妙な兎耳型の装飾を合わせ、その姿は親しみやすさと機械的な異質さを同時に感じさせる。
穏やかな笑みの奥には、どこか掴みきれない不安定さが漂っていた。
そして篠ノ之束が会場結界を見上げる。
──数秒後
「ここ二重化した方が効率いいのに」
最初はなんのことか理解が追いつかなかったがそれが何かを気付いた瞬間術式班悪魔たちが凍りついた。
「見ただけで解析した……?」
また扉から一人入ってきた。今度は淡い桃色の短髪と紫の瞳を持ち、巨大盾を背負った小柄な少女──マシュ・キリエライト
黒と紫を基調とした軽装甲を纏い、その姿は華奢ながらも歴戦の戦士を思わせる。
柔らかな微笑みの裏には、静かな覚悟と危ういほどの強さが秘められていた。
そんな彼女が入った瞬間、会場結界が安定する。
『守護概念そのもの』──それを感じさせる存在。
「今お持ちしましただよ〜わっ⁉︎」
赤みがかった髪を結い、大きな白いヘッドドレスとメガネをかけたメイド服の少女──メイリンが皿が入ったトレイを持ちながら転びかける。
だがトレイからは一皿も零れない。
しかも、転ぶ途中で会場全狙撃ポイントを把握していた。
そのことを理解した護衛悪魔たちが青ざめる。
続いて現れたのは左目にうっすらと残った刃物傷を持ち、黒髪を短く整えた細身の青年。
無機質なスーツ姿と鋭い目つきが、冷静で計算高い印象を与える──水木
──妖怪と人間の境界側
その隣には、艶のある黒髪を肩口まで伸ばした、穏やかな雰囲気の少女。
鮮やかな桃色の着物と大きな帯飾りが華やかさを引き立て、柔らかな笑みには世間知らずな純真さが滲んでいる。
どこか箱入り娘めいた上品さと、儚げな危うさを感じさせる佇まいを感じさせる穏やかな女性──龍賀沙代
夜宵の霊たちが、彼女へだけ妙に静かだった。
「初めましてぇ!」
「「きゃ⁉︎」」
リアスとソーナの後ろから突如現れたのは白銀の髪と灰色の瞳を持つ、中性的な美貌の少年。
少年は紅い燕尾風コートを纏った天才芸術家めいた装いで、自信に満ちた笑みを浮かべている ──フランソワ・プレラーティ
彼を視認した瞬間術式系悪魔たちが顔を引きつらせた。
──根本術式が違う
──存在体系そのものが異質
「これ壊したらどうなるかな!」
笑顔──次の瞬間その笑みが変わる………いや、笑みだけではない。
「……でも、壊すだけじゃ芸がないよね?」
そう言葉をこぼすと身体が少しずつ変わっていき、先ほどまで少年だったのに今はどこから見ても少女に──
少女は純白のフリルドレスと黒いリボンを纏い、人形のような可憐さと妖しさを併せ持つ ──フランチェスカ・プレラーティ
彼女が現れた瞬間空気が妖しく歪む。
「悪魔術式と天界術式、混ぜたらと〜っても綺麗でしょうねぇ?」
「フラン」
短く重い嗜めるようなイッセーの声。
「はぁい♪」
フランチェスカはフランソワへと即座に戻るが誰も安心できない。
会場が重苦しくなってきたタイミングで更に圧を扉の外から感じる。
それは──妖気
立っているだけで妖怪系の転生悪魔たちが息を呑み膝を突き頭を垂れる。
現れたのは腰まで届く漆黒の長髪を持つ、影のように静かな女性。黒一色の装いと感情を読ませない微笑みが、妖艶さと不気味さを同時に漂わせている。
まるで闇そのものが人の姿を取ったかのような、底知れない存在感を放つ──羽衣乙女
『九尾の始祖』
『妖怪女王』
立っているだけで、妖怪系悪魔たちが息を呑む。
だが、彼女は柔らかく微笑む。
「皆、怖がらせちゃ駄目よ?」
その瞬間彼女の身体から伸びる“影”が笑った。
──空間温度が下がる
──血筋の影響で色濃く感じる朱乃の背筋が凍る
──そして本能が叫ぶ
──『アレ』は駄目
そして全員が会場へ入場し席につく。
若手悪魔たちはようやく理解する。これは若手交流会じゃない──
──“世界の裏側”が、たまたま顔を出しただけだと。
交流会は滞りなく始まった。だが、誰も普段通りではいられない。
「お兄ちゃん、甘いの」
「ああ」
イッセーが自然にケーキを取り美遊が嬉しそうに頷く。側から見れば普通の兄妹みたいだった──神稚児と純血悪魔当主なのに──
ミッテルトは、当然のように腰に下げたポシェットからブラシを取り出す。
「お館様、髪」
「後でな」
「だめッス」
「……そうか」
イッセーが折れる。その光景を見て若手悪魔たちは固まる。
片翼六枚の怪物と純血悪魔が──兄に髪を梳いてとわがままを言ってそれに渋々応えていると見て取れる光景に──
『青春だねぇ』
球磨川が手を広げながら目頭を熱くし高らかに笑う。感動的な場面なのにその瞬間だけ、空気が死ぬ。
「禊」
『はーい』
イッセーの一言で、球磨川は大人しく座り直した。
それだけで若手悪魔たちは理解する。
──あれを制御できるのは、マルバス卿だけだということを──
その時、ミッテルトが、ふとイッセーたちを見ている何かに気づく。
「あ」
気づかれた小猫が僅かに身構える。ミッテルトは目を丸くした。
「白音ちゃん、大きくなったね」
会場が静まり返る。
木場が眉をひそめる。
「……白音?」
小猫の肩が揺れる。
その名前は今ではほとんど呼ばれない昔の名前。
イッセーが静かに視線を向ける。
「今は、塔城小猫だったか?」
──小猫は答えられない
イッセーは静かに続けた。
「……元気そうでよかった」
それだけ、ただそれだけだった。
リアスはそこで理解する。
マルバス家は、小猫を“所有物”として見ていない。
“守る対象”として見ている。
──だからこそ今グレモリー眷属にいることも、否定しない。
小猫の脳裏に蘇る。
──寒い夜
──行き場もなく
──白猫姿で震えていた頃
──何も聞かず
──ただ頭を撫でてくれた男
「……優しい人」
小猫から発せられた小さな呟き。朱乃が少し驚き、リアスも否定できなかった。
その時、
「わっ!」
メイリンが再び転ぶ。その動きに警戒していた若手悪魔たちが反射的に動く。
──だが料理は落ちない
──グラスも割れない
しかも──
──転びながら、会場護衛全員の死角を把握していた。
その事実を感じてしまった護衛悪魔たちが青ざめる。
「雑だなぁ」
束が肉を刺したフォークを持ちながら急に立ち上がるともう片方の手の指でパチンと鳴らした。
その瞬間会場全域へ、新しい術式が展開される。
悪魔術式ではなく誰にも理解できない。だが──結界強度だけが跳ね上がった。
今まで沈黙を保っていた(料理を美味しそうに黙々と食べていた)夜宵がぽつりと呟く。
「……いる」
突如発せられた夜宵の言葉に会場の緊張が走る。
「覗いてる」
その視線は結界外からこちらを、交流会を観測していた。
「──ありがとう………捕まえた」
夜宵の背後にいる“卒業生”たちが笑った。遠くで響く悲鳴──そして静寂。
若手悪魔たちの顔が引きつる。理解した。
この陣営──敵対したら終わる。
だがその空気を和らげたのは、マシュだった。
「皆さん、大丈夫です」
巨大盾が静かに光る──その瞬間
会場全体へ、絶対防衛の安心感が広がった。
若手悪魔たちが、思わず息を吐く。
──交流会は、最後まで“大事件”なく進んだ。
……いや厳密には、普通の基準なら十分事件だらけだった。
・外部監視者が何人か消えた
・会場結界が勝手に強化された
・術式班が数回泣きかけた
・護衛悪魔たちが自信を喪失した
・若手悪魔たちの世界観が壊れた
だが、マルバス陣営基準では極めて平和だった。
会場内──最初の緊張感は、少しずつ薄れていた。
もちろん怖い。
怖いのだが話してみると──案外普通
美遊は静かにイッセーの隣で球磨川が軽食コーナーから持ってきたケーキを食べ、ミッテルトはずっとイッセーに髪を梳いてもらっていた。
メイリンは何度も転びそうになり、束は術式班へ改善案を送り続け、夜宵は静かに人形を撫でる。
マシュは礼儀正しく頭を下げ続け、羽衣乙女は微笑みながらフランソワとフランチェスカと紅茶を飲み、水木と沙代は、穏やかにクリームソーダを食べながら話していた。
リアスは、静かにその光景を見ていた。
──『恐ろしい』
本当に恐ろしい陣営だ。
だが、同時にどこか羨ましかった。
──強者の集団ではない
──居場所を失った者たちが
──彼の元へ集まり
──そして家族になった
小猫もまた、無言でイッセーを見ていた。
イッセーは、小猫を無理に戻そうとしない。今の居場所を否定しない。
ただ──『元気でよかった』
とだけ言った。
それが胸に刺さっていた………
交流会終盤、サーゼクスが立ち上がる。
「皆さん」
自然と会場が静まる。
「本日の交流会は、これにて終了となります」
若手悪魔たちが、どこかほっとした顔をした。
緊張しっぱなしだったのだ。
だが同時に『終わってほしくない』──そんな感情もあった。
「本日は、非常に有意義な会となりました」
サーゼクスが微笑む。
その視線が、一瞬だけマルバス陣営へ向く。
「若い世代にとって、世界の広さを知る良い機会だったと思います」
若手悪魔たちが苦笑した。
本当に広すぎた。
解散の空気が流れ始める。
若手悪魔たちが、少しずつ席を立ち始めた。
その時、サイラオーグがイッセーへ歩み寄る。
「マルバス卿」
「なんだ?」
獅子王の眼が静かに燃える。
「次は手合わせを願いたい」
会場が静まる。
サイラオーグが、ここまで真正面から求める相手。
それだけで異常だった。
イッセーは数秒黙り答えた。
「機会があれば」
イッセーの返答にサイラオーグが笑う。
「十分だ」
彼の顔は満足そうだった。
ソーナもイッセーへ静かに一礼する。
「本日はありがとうございました」
「結界、悪くなかったぞ」
「……光栄です」
だが、束が横から口を挟む。
「でも三箇所ズレてたよ?」
直球な言葉にソーナのこめかみが引きつった。
その時小猫が小さく前へ出た。
リアス眷属が少し驚く。
小猫は、イッセーを見上げる。
「……ありがとうございました」
それは小さな声。だが、確かに届いた。
イッセーは静かに目を細め小猫の頭を撫でる。
「たまには帰ってこいよ?」
小猫の目が揺れる。
リアスもまた、静かに頭を下げた。
その言葉に敵意も、執着も、何もなかったから………
その光景を見て羽衣乙女が微笑む。
「良い子に育ったわねぇ」
その瞬間乙女の影が蠢き、ナニかの顔が出てくる。
「食べ「乙女」……はぁい」
近くにいた若手悪魔たちがその影を見て青ざめる。
『じゃあねぇ、主人公くん』
球磨川が、赤龍帝へ手を振る。
「……誰が主人公だ」
『君じゃない?』
球磨川は笑う。
『頑張ってね』
軽い声なのに、妙に重かった。
赤龍帝は、去っていくマルバス陣営を見つめる。
羽衣乙女
寶月夜宵
篠ノ之束
球磨川禊
ミッテルト
マシュ・キリエライト
メイリン
フランソワ・プレラーティ
フランチェスカ・プレラーティ
水木
龍賀沙代
朔月美遊
そして──イッセー・マルバス
──誰もが怪物
──誰もが危険
なのにどこか暖かい。
今まで沈黙していたドライグが低く笑う。
『くく……世界は広いな、相棒』
赤龍帝は、静かに籠手を見る。
──悔しい
──だが悪くない
──いつかあの背中へ届きたい
そう思ってしまった………
マルバス陣営が去った後会場には、奇妙な静寂だけが残っていた。
若手悪魔たちは、誰もすぐには動けない。
今日知ってしまったからだ。
──魔王
──二天龍
──神
それだけが、世界の頂点じゃない。
──もっと古く
──もっと深く
──もっと危険で
そして──もっと優しい怪物たちが、世界の裏側には存在している。
リアスは静かに息を吐く。
「……本当に、広い世界ね」
ソーナも頷きサイラオーグは楽しそうに笑う。
小猫だけが少し寂しそうに、閉じた扉を見つめていた。
──これは若手悪魔たちが初めて、“世界の裏側”へ触れた日の記録である
ミッテルト
片翼のみを持って生まれた元堕天使の転生悪魔。通常の堕天使が一対十二枚の翼を持つのに対し、彼女は“片翼六枚”──つまり片側に本来の一対分に匹敵する強さを有しており、その資質は実質的に最上位クラスとされる。
しかし、その特異な姿は周囲から“欠陥”として扱われ、眷属となる以前は同族から疎まれ、孤立と虐めを受け続けていた。誰もが外見だけで彼女を判断する中、イッセーだけはその異質さの奥にある本質と才能を見抜き、自らの眷属として迎え入れる。
現在は“騎士”の駒を二つ与えられた変則転生悪魔となっており、低空飛行による高い機動力と潜在能力を秘める。
趣味は自撮りとブラッシング。特にブラッシングは“する側”ではなく“される側”を好み、翼や髪を丁寧に手入れされる時間を密かな至福としている。普段はどこか気怠げでマイペースだが、自分を認めてくれた者への忠誠心は深い。
羽衣乙女
古き時代より存在する“九尾”の始祖たる妖狐の女王。絶大な妖力と神秘を宿した存在であり、現在も妖怪社会において頂点級の影響力を持つ。
その内面には二つの人格が存在しており、威厳と冷徹さを備えた“女王”としての人格と、穏やかで情愛深い“乙女”としての人格が共存している。普段表に出るのは後者であり、その柔らかな振る舞いからは始祖級妖狐としての圧倒的格を感じさせない。しかし一度“女王”が表へ現れれば、空気そのものを支配するような威圧感を放つ。
イッセーとは深い関係を築いており、彼との間には娘──八坂が存在する。母としての彼女は非常に甘く、娘に対しては始祖の威厳よりも一人の女性としての愛情を優先することが多い。
美貌と妖艶さ、そして底知れぬ神秘性を併せ持つ一方で、愛した相手の前ではどこか年相応の少女らしさを覗かせる存在。
寶月 夜宵
幼い少女の姿をした霊能力者にして、常軌を逸した数の悪霊“卒業生”の支配者。生者よりも死者に近い感性を持ち、常人では視認すら叶わぬ霊的存在を自在に使役する異端の少女である。
兵藤一誠の眷属となった際には、“兵士”の駒を四つ消費するという破格の転生を果たしており、その存在価値は下級悪魔の枠を大きく逸脱している。
彼女の最大の脅威は、封印・収集した災厄級悪霊“卒業生”たちの存在にある。
【太歳星君】
星そのものを呪詛として振るう災厄級の神霊。接触した土地や生命に破滅をもたらす。
【邪経文大僧正】
狂信と呪詛を司る怨霊僧。経文そのものが精神汚染となり、聞くだけで正気を削る。
【殉国禁獄鬼軍曹】
死してなお戦争を続ける軍鬼。規律と殺意に支配された亡霊兵団を率いる。
【魄啜繚乱弟切花魁】
魂を啜り、美貌と狂気で獲物を堕とす妖艶なる遊女の怪異。
【千魂華厳自刃童子】
無数の自害霊を内包した異形の女性。距離を無視した無数の手による斬撃を刻みつける。
【斎弄晒レ頭】
人の顔の皮を蒐集する変態級の殺人鬼。空間を連結させる能力を持ち、逃げ場を完全に消し去る。また、蒐集した顔の皮を被るとその皮を持っていた者の能力の一部を行使できるようになる。
【月蝕尽絶黒阿修羅】
飢餓感に飢えた少年霊。事前に入力を行っていなければ味方すら巻き込む破壊を行う。
【過渡期の御霊(新皇)】
未だ完全覚醒には至っていない、“王”へ至る途中の御霊。詳細不明ながら、夜宵自身が最後の切り札として扱っている。
普段の夜宵は年相応に淡々としており感情表現も乏しいが、その本質は“怪異を恐れない”のではなく、“怪異と共に生きる”側の存在である。人外や悪霊に対しても異様なまでの理解を示す一方、自分の大切なものへ害意を向ける相手には容赦がない。
朔月 美遊
静かな山間に存在した“因習村”の唯一の生き残りにして、“神稚児”として育てられた少女。幼い頃から神へ捧げる器として扱われ、人としての幸福よりも儀式と信仰を優先される環境で生きてきた。
透き通るような翠の瞳を持ち、その眼差しにはどこか人離れした神秘性が宿る。普段は感情表現に乏しく物静かだが、内面には年相応の寂しさと強い愛情を抱えている。
現在は僧侶として霊的技術を扱い、浄化・結界・鎮魂などの術に高い適性を持つ。特に“穢れ”や“呪い”への耐性が異常に高く、神稚児として積み重ねられた儀式経験がその力の根幹となっている。
かつて村では“神の子”として崇められる一方、人間として接されることはほとんどなかった。そんな彼女を一人の少女として扱い、救い出したのがイッセーである。
そのため彼女はイッセーを“お兄ちゃん”と呼び、非常に強い信頼と愛着を寄せている。普段は控えめながら、彼のことになると年相応に感情を露わにすることも多い。
儚げな外見に反して精神は強く、一度守ると決めた相手のためなら、自らの身を削ることすら厭わない。
篠ノ之 束
世界を一変させた次世代兵器“IS”を生み出した天才科学者にして、常識そのものを嘲笑う規格外の技術者。イッセーの眷属においては“戦車”の駒として扱われているが、その本質は単なる火力特化ではなく、“戦場そのものを書き換える存在”に近い。
思考速度、演算能力、発想力のすべてが人類の域を逸脱しており、本人曰く“細胞レベルからのチートお姉さん”。理論構築から実装までを単独で完結させる異常性を持ち、時には魔術・科学・神器理論すら融合した兵装を軽い思いつき感覚で作り上げる。
普段は飄々として掴みどころがなく、子供のように無邪気な振る舞いを見せるが、その実態は誰よりも冷静に世界構造を理解している観測者型の天才である。
一方で、織斑一夏――通称“いっくん”への愛情は極めて重く深い。特に幼い頃の彼を溺愛しており、“ショタいっくん”に対しては天才らしからぬ暴走を見せることも少なくない。周囲を煙に巻くことが多い彼女だが、一夏関連になると感情が露骨に表へ出る。(現在、織斑一夏は冥界にある小学校に通っている)
その圧倒的知性ゆえに他者との間へ距離を作りがちな人物でもあるが、本当に大切だと認めた相手には不器用ながらも深い執着と愛情を向ける。
球磨川 禊
常に飄々とした態度を崩さない、掴みどころのない放浪者。イッセーの眷属においては“兵士”の駒一つのみで転生したが、その危険性は駒の価値だけでは到底測れない異質な存在である。
定住することを好まず、気の向くまま各地を渡り歩く放浪癖を持つ。ふらりと現れては騒動へ首を突っ込み、また何事もなかったかのように姿を消すため、味方からも敵からも行動を読まれない。
彼の持つ神器【大嘘吐き】は、“なかったことにする”という概念干渉型の能力。傷、死、結果、事象――果ては存在そのものにすら干渉し、“最初から無かった”へ改変する極めて危険な神器である。
さらに禁手化【脚本作り】に至ると、その力は単なる否定を超え、“物語そのもの”へ介入する領域へ到達する。戦況、因果、感情の流れすら自身に都合の良い“脚本”として再構築し始めるため、対峙した者は現実感覚そのものを狂わされる。
しかし本人は、その力を誇るどころかどこか自嘲気味に扱っている。勝利にも敗北にも執着が薄く、自分自身を“主人公になれない人間”として語ることが多い。
軽薄で冗談めかした態度の裏には、他人以上に人の痛みを理解してしまう歪な優しさを抱えており、本当に守りたい相手のためなら、自分が悪役になることすら躊躇わない。
マシュ・キリエライト
天界が極秘裏に進めていた禁忌実験によって生み出された少女。自然出生ではなく、英雄の力を宿す器として設計された“試験管ベビー”であり、その身体には人為的に“英雄の魂”が融合されている。
本来なら人の身で扱えるはずのない霊格を宿しているため、彼女の存在そのものが天界における重大な禁忌として扱われている。
イッセーの眷属では“戦車”の駒として転生。圧倒的な防御性能と耐久力を誇り、最前線で味方を守り抜く守護者として機能している。
彼女の神器【ロード・キャメロット】は、“守る”という概念を極限まで昇華した盾型神器。展開された防壁は単なる物理障壁ではなく、使用者の信念そのものを強度へ変換する性質を持つ。そのため、守護の意志が強いほど絶対防御へ近づいていく。
禁手化については未だ詳細不明。だが、一部では融合された英雄の魂が完全覚醒した際、“城塞”そのものへ至る形態になるのではないかと噂されている。
性格は非常に真面目で礼儀正しく、自分より他人を優先する傾向が強い。生まれながら“兵器”として扱われてきた影響から自己評価が低く、自らの幸福を後回しにしがちである。
しかしイッセーと出会い、“守るために生きていい”と認められたことで、少しずつ一人の少女として感情を表に出せるようになっていった。
その在り方は、誰かを守る盾であると同時に、“人間として生きたい”という願いそのものでもある。
水木
人と怪異、その狭間を歩き続ける男。イッセーの眷属では“兵士”の駒一つで転生したが、その本質は単純な戦力ではなく、“妖怪と人間を繋ぐ媒介者”に近い存在である。
元はごく普通の人間だったが、数多の怪異や妖異と関わる中で常人離れした胆力と霊的耐性を獲得していった。危険な怪異を前にしても完全には恐怖で折れず、“理解しようとする”姿勢を失わない稀有な人物。
沙代との間には娘がおり、その血は後に“狂骨”として受け継がれている。人と妖の境界を越えて築かれた家族であり、水木にとって何よりも守りたかった居場所でもある。
普段は飄々として皮肉混じりな言動も多いが、本質的には非常に情が深く、弱者や行き場を失った存在を見捨てられない性格。特に“怪物として扱われる側”への理解が深く、人間社会から弾かれた者たちへ自然と肩入れしてしまう。
戦闘能力自体は突出して高いわけではない。しかし土壇場での機転、生存力、そして人外相手にも怯まず向き合う精神力は、多くの強者たちから一目置かれている。
人間でありながら怪異の世界へ踏み込み、それでもなお“人として生き続ける”ことを選んだ男。
龍賀 沙代
哭倉村の因習と呪いに囚われながらも、最後まで“人として生きること”を諦めなかった女性。兵藤一誠の眷属においては“兵士”の駒一つで転生した悪魔である。
本来ならば消滅する運命にあった彼女だが、水木が哭倉村へ向かう夜行汽車の中で、ゲゲ郎と同行していたイッセーから“もしもの時のため”として兵士の駒を託されており、そして最期の瞬間、水木がその駒を彼女へ投げ渡したことで転生が成立。死の淵から救い上げられる形で、新たな命を得ることとなった。
現在は水木の妻であり、一児の母でもある。娘には後に“狂骨”として知られる力が受け継がれており、人と怪異、両方の血を継ぐ存在となっている。
沙代自身は非常に穏やかで献身的な性格をしており、どこか儚げな雰囲気を纏う女性。しかし内面には強い芯を秘めており、大切な者を守るためなら恐怖や痛みにも耐え抜く覚悟を持つ。
長く因習の中で“モノ”として扱われ続けてきた影響から、自分の幸せへ罪悪感を抱く節があるものの、水木や娘と過ごす日々の中で少しずつ“普通の幸せ”を受け入れられるようになっていった。
怪異に翻弄された人生の果て、それでもなお愛する人と共に生きる道を掴み取った女性。
メイリン
イッセーの眷属に属する、“兵士”の駒一つで転生したメイド兼狙撃手。穏やかで人当たりの良い性格をしているが、その実態は超長距離狙撃を得意とする一流のスナイパーである。
最大の特徴は、致命的なまでの“ド近眼”。日常生活ではしょっちゅう物にぶつかり、人違いをし、段差で転び、メイド業務でも失敗を繰り返す典型的なドジっ子である。
しかし眼鏡を外しスコープを覗いた瞬間、その様子は一変する。驚異的な集中力と空間把握能力を発揮し、数キロ先の標的すら正確に撃ち抜く“戦場の目”へ変貌する。
本人曰く、「普段は見えないけど、狙う時だけはちゃんと見えるだよ」とのこと。
メイドとしては世話焼きで献身的だが、天然気味な性格のせいで空回りすることも多い。お茶を運べば転び、掃除をすれば家具を壊し、それでも一生懸命に頑張るため周囲からは妙に愛されている。
戦闘時は冷静かつ寡黙な狙撃手として振る舞う一方、普段はどこか小動物じみた危なっかしさを漂わせる少女。本人は“完璧なメイド”を目指しているらしいが、現状は“放っておけないメイド”として認識されている。
フランソワ(フランチェスカ)・プレラーティ
イッセーの眷属に属する“僧侶”。少年にも少女にも見える中性的な容姿を持ち、本人ですら「自分が男なのか女なのかわからない」と語る特異な存在。肉体や精神の在り方が極めて不安定であり、その時々で性別や口調、雰囲気までも微妙に変化する。
常に愉快犯めいた軽薄さを纏っており、何かを語った後には決まって「──嘘だけどね‼︎」と付け加える癖がある。しかし周囲には、その言葉すら“どこまで本当かわからない”と思わせる得体の知れなさを漂わせている。
人間時代から悪魔召喚や降霊術へ異常な執着を抱いており、禁術・外法・異界召喚を独学で研究していた危険人物。ある日、大規模な召喚陣を構築していた際、偶発的にマルバス家の禁書庫と空間接続を引き起こしてしまう。
普通なら即座に焼き払われてもおかしくない侵入だったが、本人は恐れるどころか興味本位で禁書庫へ侵入。そのまま膨大な魔導書を夢中で読み漁り、全て読み終えた頃になって初めてイッセーに声をかけられた。
なお当人はその時のことを、「いやぁ、怒られるかなーって思ったんだけど、先に“面白いか?”って聞かれちゃってさ!」と笑いながら語っている。
魔術理論、召喚術、空間干渉、呪術において極めて高い才能を持ち、とりわけ“異界との接続”に関しては天才的。常識外れの発想で術式を組み替えるため、敵味方問わず「何をしでかすかわからない」と警戒されている。
飄々とした態度の裏では、“未知”そのものを純粋に愛しており、危険や禁忌すら知的好奇心の前では優先順位が下がる。善悪よりも“面白いかどうか”で動く傾向が強いが、一度気に入った相手には驚くほど情が深い。
塔城 小猫(白音)
現在はリアス・グレモリーの眷属として活動する少女悪魔。しかし三年前までは、マルバス家の庇護下で生活していた過去を持つ。
元は化け猫の一族に連なる猫魈であり、姉・黒歌の暴走によって“自分もいつか同じ怪物になるのではないか”と周囲から恐れられ、迫害されかけていた。そんな彼女を引き取ったのがマルバス家――そしてイッセー・マルバスである。
当時の小猫は他者への警戒心が極めて強く、感情表現も乏しかった。しかしイッセーは力ではなく“居場所”を与える形で彼女を受け入れ、結果として小猫にとってマルバス家は“保護施設”ではなく、“帰る場所”となっていった。
現在でもその関係は続いており、リアス眷属となった後も時折マルバス家へ戻ってきている。その様子はどこか、“実家へ顔を出す一人暮らしの娘”に近い。
普段は原作同様に寡黙で淡々としているが、マルバス家にいる時だけは比較的感情が柔らかく、警戒心も薄い。特に眠気に弱く、リラックスしきった状態では無意識にイッセーへ寄りかかったまま眠ってしまうこともある。
黒歌との関係も完全ではないながら改善されており、現在は和解済み。直接姿を現すことは少ないものの、小猫は時折“遠くから見られている感覚”を覚えており、それが姉による見守りだと何となく理解している。
戦闘面では原作以上に成長しており、仙術・怪力・身体強化の精度が向上。マルバス家時代に叩き込まれた実戦経験もあり、近接戦闘能力は同世代の中でも高水準に位置する。
無表情で口数も少ないが、その内側には“失いたくない居場所”への強い執着を抱えている少女。だからこそ彼女は、マルバス家を侮辱する者に対してだけは珍しく感情を露わにする。
イッセー・マルバス
現マルバス家当主にして、純血悪魔として生まれた異端の存在。その本質は“言葉と支配”に近い。
その実力は既に“魔王級”という枠組みを超越しており、上級悪魔たちの間では半ば公然と“魔王以上”と評されている。実際、単独で国家規模戦力に匹敵するとまで噂されており、古参悪魔や神話勢力ですら真正面からの敵対を避ける存在。
悪魔社会では彼に関して、ある種の共通認識が存在する。
──「敵対したら、おしまい」
それは単純な戦闘能力だけを意味しない。
彼の恐ろしさは、“敵対した時点で既に詰んでいる”ことにある。
呪言による精神支配
情報操作
契約干渉
眷属運用
人脈
そして何より、“相手が最も不利になる形”を瞬時に選択できる思考速度
真正面から戦えば圧倒され、策を巡らせれば先回りされ、逃げれば追跡される。気付いた頃には戦力、立場、居場所の全てを崩壊させられている──それがイッセー・マルバスという男への評価だった。
彼の扱う呪言は、単なる音声魔術ではない。“言葉そのものへ強制力を宿す”権能級能力であり、命令・暗示・呪詛・契約を自在に操る。実力差次第では対象の精神や肉体、果ては存在定義すら捻じ曲げる危険性を持つため、上級悪魔からも警戒されている。ただし、一度に使える文字数には制限が存在する。
さらに獅子化の能力を持ち、戦闘時には巨大な黒獅子を思わせる異形へ変貌。膨大な魔力と捕食性を解放し、理性を保ったまま“獣王”として暴れ回る。
そして保有魔術の中でも特に恐れられているのが、死霊系秘術【心臓掌握(グラスブ・ハート)】。対象の心臓を遠隔から握り潰す即死級呪術であり、防御や耐性を突破した際には格上すら一撃で葬る。
また、肉体年齢を自在に変化させる年齢操作能力を有しており、少年から青年、時には壮年に至るまで外見を変化可能。そのため周囲からは「本当の年齢も素顔も読めない男」と評されることも多い。
一方で私生活では妙に面倒見が良く、行き場のない者や“普通から外れた存在”を放っておけない性格をしている。ミッテルト、夜宵、沙代など、多くの異端を受け入れているのもその気質によるもの。
羽衣乙女との間には娘──八坂が存在しており、父親としては意外なほど甘い。特に娘絡みになると普段の威圧感が薄れ、周囲から呆れられるほど過保護になることもある。
飄々とした態度の裏で、常に周囲全体を俯瞰している支配者型の人物。しかしその本質は“力による支配”ではなく、“居場所を与える王”に近い。
だからこそ、彼の元には──人間にも、怪異にも、悪魔にも、“普通の世界から弾かれた者たち”が集まっている。
マルバス家
魔王級を超える実力を持つイッセー・マルバスを中心に、“世界から弾かれた異端者たち”が集う危険勢力。
怪異、禁忌、実験体、迫害対象──本来なら孤立していた者たちへ居場所を与えており、その結束は異常なまでに強い。構成員の質は神話勢力級であり、外部からは
「敵対したら終わり」
「怪物収容所」
と恐れられている。
しかしその内側では、構成員たちは驚くほど平穏な日常を送っている。
食卓を囲み、くだらないことで笑い合い、眠り、帰る場所としてそこにいる──マルバス家とは、“異端者たちが普通でいられる家”でもある。
転生者 転生特典に赤龍帝の籠手を望み、兵藤一誠を何かしらで関わらせてほしいとの望みも頼み転生した そのことが評価されて追加でボーナスを得る だが、その記憶は転生時に失われている