午後だけTSする病【貞操観念逆転】   作:耳野笑

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【三行で分かる前回のあらすじ】

澪「私いま汗臭いから近寄るなよ」

吉乃「ごめん澪っ! もうガマンできないッ!」

澪「きゃ~~~~~~~ッ!!!!!」


第8話 【問題】女はふたりきりなのに人狼ゲームをやろうと提案してきた。いったいなぜ?

 ある休日のこと。

 

 私は吉乃の家に来た。今日は一日ゲームで遊ぶ約束をしている。

 

「なんか女のお前がうち来るの久々な気がする」

 

「いつもは放課後に来てるからな」

 

 私は午後だけTSするため、放課後は男の体である。しかし、今は午前なので女の体だ。私も、この状態で吉乃の家へ上がるのは久しぶりな気がした。

 

 そして、カードゲームやボードゲームで遊ぶこと数時間。

 

 時刻は十一時半を過ぎた。あと一ゲームくらいしたら、お昼を食べに行ってもいい頃合いだ。すると――。

 

「なあ澪、ふと思ったんだけど、野球拳ってリアルでやったことなくね?」

 

「野球拳? あ~、確かにないな」

 

「やってみようぜ」

 

「え~? 楽しいかそれ?」

 

「人生で一回くらいはやってみたいじゃん」

 

「まあいいけど」

 

 いま私は女の体なので、特に拒否する理由はない。仮に裸を見られても問題ないし。

 

 私たちは立ち上がり、拳を構える。

 

「ジャンケン、ポン!」

 

 私が勝った。吉乃は靴下を片方脱ぎながら――。

 

「くっ……殺せっ……!」

 

「一枚目で?????」

 

 続けて、私たちは何回かジャンケンをした。吉乃の方がやや負けており、上下ともに下着の状態だ。

 

 吉乃は腕を組み、胸を下から持ち上げる。豊かな双丘が、むにゅんと柔らかく形を変えた。

 

 コイツ、意外とおっぱいデカいのムカつくな……。

 

 ――さらに勝負は続く。

 

「ジャンケン、ポン!」

 

 今度は私が負けた。下半身は既にタイツとパンツの状態なので、上の服を脱いだ。なんの飾りもないスポブラが現れる。悲しいことに、サイズはAだ。毎日牛乳飲んでるのに。

 

 すると、吉乃は私の胸を見ながら――。

 

「可哀想な胸だな」

 

「殺すぞお前!!!!!!」

 

 私は脱いだ服を吉乃に投げつけた。彼女は爆笑している。

 

「いやあ、すまん澪(笑) あまりに小さくて(笑)」

 

「でもお前陥没だろうが!!!」

 

「おいそれイジるのはライン越えだろ!!! というか日本人の20%は陥没なんだよ!」

 

 私たちは下らない内容で怒鳴り合う。せっかくの休日に何をやっているんだろうか。

 

 でも、こういうアホなノリ久々だな。私が男の体の時って、吉乃が私を男扱いするせいでこういう雰囲気にならないし。

 

 なんか、親友っぽくていいな。

 

「じゃあほら、次行くぞ」

 

 吉乃は急に早口になって勝負を急かす。

 

「ジャンケン、ポン!」

 

 同時に手を出す。私の負けだ。

 

「なんかお前急いでない?」

 

「そんなことない、ほら行くぞ。ジャンケン――」

 

 ん……?

 

 私は時計を見る。時刻は正午の寸前だ。

 

「お、お前まさか……!!!!!」

 

 次の瞬間――音もなく、私の体は男に変わった。

 

 男性らしく硬い身体になる。チ○ポが生えたことにより、パンツの中に圧迫感が生まれる。

 

 私は咄嗟に自分の体を抱きしめて、その場にしゃがんだ。一方――。

 

「くっそおおおおおおッ! あと二枚だったのにぃいいいいいいいいいいいいいいッ!」

 

 吉乃は膝を突いて慟哭している。

 

 そうか。初めから、これが狙いだったのか。

 

 正午直前に野球拳を初めて、私がTSするタイミングを待ち、男の裸を見ようとしていたのだ。

 

「くそっ……ちくしょうっ……! 惜しかったのに……!」

 

 吉乃は私の姿を見上げる。ひどく哀しそうな顔だった。

 

「頼む、澪。続きやってくれ」

 

「……いいよ」

 

「えっ!?!?!?」

 

「中途半端なまま終わるのつまんないもんな。最後までやろう」

 

「マジ!?!?!?!?!?」

 

 吉乃は満面の笑みになった。大きな瞳がキラキラと輝き出す。

 

 大丈夫。――このゲームには、必勝法がある。

 

「ジャンケン、ポン!」

 

「うわ、最悪」

 

 下振れた。ここさえ切り抜ければ完勝できたはずだったが――この一敗は仕方ない。苦汁を飲むしかないようだ。

 

 私はタイツに手を掛け、ゆっくりと下ろした。

 

「うおおおッ……! 生脱ぎエッロ……! パンツエロッ……!」

 

「くそっ……!!!」

 

 なぜコイツにストリップショーを見せてやらなければいけないのか。

 

 屈辱と羞恥で顔が熱い。

 

 吉乃はだらしなく鼻を伸ばし、私の脱衣を眺めている。そして、私はタイツを脱ぎ、床に落とした。これで私は、スポブラとパンツのみの状態だ。

 

「うひょ~~~~ッ! 男子の下着姿エッロ!!! 最高すぎ!」

 

 吉乃は嬉しそうに私の下着姿を楽しんでいる。

 

 ムカつく。

 

 絶対裸に剥いてやる。コイツの陥没乳首を白日の下に晒してやらねば気が済まない。

 

 ――そして、一分後。

 

「ち゛く゛し゛ょ゛お゛ッ゛! と゛う゛し゛て゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ッ゛」

 

 勝負に敗北し、裸のままこたつへ入って身を隠す吉乃の姿があった。

 

 予定通り勝てた。私はスポブラとパンツだけの状態だ。無事におっぱいとチ○ポは守り切った。

 

 実は、吉乃にはある癖がある。連続でジャンケンをする時、吉乃は勝った場合、次は違う手を出す。負けた場合は、次も同じ手を出す。このルールに従えば、私の負けはない。計画通りだ。

 

「ちくしょおおおおおッ!!! チ○ポ見せろよぉおおおおおおッ!」

 

「残念だったな、吉乃」

 

「せめておっぱい見せろ!!!」

 

「見せねえよ。まあいつか男の裸見れるといいな(笑)」

 

「くそおおおおおおおおおおおおおッ!」

 

 *

 

 私は男性服に着替え、吉乃も元通り着直した。そして、一緒にラーメン店へ来た。

 

「奢れよ、吉乃」

 

「え~? もっと可愛くお願いしてくれればいいぞ」

 

「しねえよ。私の下着姿見たんだから、その分の代金だ」

 

「じゃあデザートつけるからおっぱい見せてくれ」

 

「見せるかアホ」

 

 なんだかんだ言いつつ、吉乃は普通に奢ってくれた。まあ男の下着姿見れたんだから、これでもお得だろ。

 

 そして、私たちはカラオケへ寄る。思えば、初めて吉乃にTS病のことを話したのもここだった。

 

「なあ澪、人狼ゲームしない?」

 

「え? 人狼ゲームってふたりじゃできなくない?」

 

「狼になった方は、市民になった方を襲ってもいいってルールにしよう」

 

「キモっ」

 

「もちろんお前が狼になったら私のこと襲っていいぞ」

 

「私に何の得があるんだよ!!!」

 

 もちろん吉乃のアホな提案は却下し、普通に歌って楽しんだ。

 

 すると、彼女は何かを思い出したようにスマホを取り出した。

 

「そういえば、そろそろインスタのアイコン撮るか」

 

「あ~そうだな」

 

 今の私は男だけど……まあいいか。女の時も改めて撮ればいいし。

 

 私は吉乃に近付く。肩が触れ合う距離だ。

 

「ツーショットでも撮るか」

 

「あ、うん」

 

 スマホを掲げて、ふたりとも映るように撮る。何枚か角度を調整しながら撮影した。

 

「こんなもんでいいかな?」

 

「どれどれ」

 

 吉乃にスマホを渡して確認してもらう。画面をスワイプし、どれがいいか見比べていくのだが――。

 

「えっ」

 

「あっ」

 

 私たちは同時に声を上げた。

 

 画面に、私のエロ自撮りが表示された。

 

「なにこれエロッ!?」

 

「返せっ!!!!!」

 

 私は咄嗟にスマホを取り返そうとするが、吉乃は身を捻って躱した。さらに立ち上がり、私から逃げていく。

 

「うわすごっ!!! なんだこの枚数!?」

 

「ちょっ、待てっ! 見んなっ!!!」

 

 私たちはテーブルの周りを回るように追いかけっこをする。無情にも、吉乃は動きながらスワイプし、画像を眺めていく。

 

「うおエロっ! すげえっ! このアングルエロっ!」

 

「うわぁあああああああああッ! 見るなアホっ!」

 

「#極上の男体 #魅惑の太もも」

 

「ピクシブのタグみたいに言うな!!!」

 

「#1000users入り」

 

「誰がそんなにブクマするんだ!!!」

 

 しばらく追いかけっこしてから、吉乃はイスに座った。私はスマホを奪おうとするが、彼女はスマホを私から引き離して渡そうとしない。

 

「澪、お前エロい自撮りしてたんだな」

 

「くそっ……! 最悪だ……!」

 

 私は力なくボックスソファーに倒れた。吉乃は極上のオカズを見つけたかのように、目を輝かせ、鼻の下を伸ばしながら画面を見ている。

 

 別にエロ自撮りをしていることがバレるのは問題ない。TSしたら誰だってこれくらいはするだろうし。

 

 最悪なのは、私を性的な目で見るコイツに写真を見られたという点だ。

 

「やっぱエロいよなあ、お前」

 

「見るなよぉ……!」

 

「頼む、澪。この画像私にもくれ」

 

「あげるわけないだろ!!! いい加減返せっ!」

 

「あっ……!!!」

 

 私は吉乃へタックルし、強引にスマホを奪い返した。

 

「大体お前、この画像貰ってどうするつもりなんだよ」

 

「そりゃあ、まあ……」

 

 吉乃は口ごもり、目を逸らした。顔はうっすら赤らんでいる。

 

「お前まさか、私で抜いてないだろうな?」

 

「………………」

 

 答えは沈黙だった。

 

「うわきっしょ!!! もう私の半径20メートル以内に近付くなよ!」

 

「ちょっ、待って!」

 

 私は吉乃から全力で距離を取る。彼女は焦った顔で、こちらに手を伸ばしながら必死で弁明を始める。

 

「ご、ごめん! よくないとは思ってる! でもお前エロすぎるんだよ!」

 

「それはダメだろ! 親友をオカズにするな!」

 

「私だって流石にダメだと思って、ずっとしてなかったんだよ! でも、雨でインナー濡れ透けしたり、着替え見ちゃったりしたら、もうガマンできなくて……」

 

「きっしょッ~~~~~~~~!!!」

 

 私は自分の体を抱きしめて、逃げるように身を引く。

 

 ま、マジか……私、吉乃にオカズにされてたのか……。

 

「待って澪……。引かないで……」

 

 吉乃は若干涙目になりながら哀願してくる。

 

 ま、まあ私だって女だし気持ちは分かる。女子高生というのは、マ○コでしかものを考えられない生き物なのだ。私も女の時、男の私のエロ自撮りオカズにしてるし。

 

「はぁ……とりあえず、オカズにされたことは許してやるから、エロ自撮りのことは誰にも言うなよ」

 

「あ、うん」

 

「ふたりだけの秘密だからな?」

 

「……なんかその言い方エロいな」

 

「親友やめようかな」

 

「ごめんウソウソ! 約束するから許して澪!」

 

 私がゴミを見る目で吉乃を睨むと、彼女は慌てて許しを乞うてきた。

 

「まったく……私以外だったら絶対許してないからなこれ」

 

「ありがとう、澪」

 

「じゃあそろそろ帰るか」

 

 *

 

 私は帰宅後、自室の机に突っ伏していた。

 

 はぁ……そっかあ……私、吉乃にオカズにされてたのか……。

 

 今日は野球拳で下着姿見られたし、エロい自撮りも見られたし……絶対今日もオカズにされるんだろうなあ……。

 

 吉乃が私の体を求めている。そのことを考えると、だんだん顔が熱くなってくる。

 

 私はスマホのアルバムを開いた。エロ自撮りがずらっと並んでいる。

 

 一枚くらいあげてもいいかな……。アイツ、猿みたいに必死でオカズにするんだろうな。それで、だんだん私のことしか考えられなくなって……。

 

 いや、バカバカ。私もちょっとおかしくなってる。何考えてるんだ。……。……これも全部、吉乃のせいだ。

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