Mハシ氏の寸劇を小説にしました。
皆も寸劇見よう!

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Mハシ氏の歴戦王アルシュベルドの寸劇を小説にしたもの。
動画の方も是非見てみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=1ZvjUHeWOZk

動画の1:22秒あたりからの内容になります。


歴戦王アルシュベルド

 目の前には1人の飛竜が立っている。

 彼の名は“鎖刃竜アルシュベルド”。

 かつて絶滅した飛竜だが、造竜種として造られて復活、一部が原種帰りして野生に帰った。

 しかし、どういう訳か目の前の個体は自身を生み出した者達がかつて住んでいた場所、

“竜都の跡形”に戻ってきていた。

 彼は何かを思い出すように鎖刃を動かしていた。

 

「今思えば…」

 

 唐突に彼は口を開いた。

 

「あの手紙は俺自身からのものだったのかもしれない」

 

 手紙?

 何のことだ?

 

「皮肉なものだよ」

 

 質問する前に、彼は再び語り始めた。

 

「俺は戦うために作られ、人生を呪い、人を呪い、せっかくその理から外れたのに」

 

 言葉を重ねる度に語気がどんどん強くなっていく。

 

「また戦うためにこの地に舞い戻ってきた!」

 

 彼はきっと、まだ彼ら……竜都の民に憎しみの感情を抱いているのだろうか。

 もう、彼らは居ないと言うのに。

 

「憎しみを捨てろ!」

 

 私は彼に言った。

 

「もうお前たちを創造した者達はいな…」

 

「恐れているな…誰かから憎まれ続けることを」

 

 その瞬間、心の底を見透かされているような感覚に陥る。

 狼狽える私に、彼は続けた。

 

「安心したまえ。俺は人の醜さを知っている」

「どれだけ善人の面を被っていようが、根底にあるのは己の欲望だけだ」

 

 私は、狼狽えながらも反論した。

 

「だが、誰しもではないはずだ」

「ならお前が誰かの依頼や相談を受けたとき」

 

 私の反論から間髪入れずに彼は言った。

 

「見返りを求めずにいられるか?」

「何もなかった時、心の奥底にモヤモヤが残らないと言えるのか?」

 

 再び何も言えなくなった私に、彼は続けた。

 

「思うはずだ…」

「親身に寄り添ってあげたのだから」

「これだけ尽くしてあげたのだから」

「“感謝の一言“ぐらい、あってもいいじゃないか…」

 

「それぐらい…思ったっていいはずだ」

 

 それは自分への擁護も含まれた、苦しい言い訳に近いものだった。

 

「醜いな」

 

 それを彼は簡単に一蹴した。

 そして、続けた。

 

「手を差し伸べたのはお前だ」

「救おうとしたのはお前自身だ」

「なら貸しを作るな、何も求めるな!」

 

 どんなに善行をしようと、どんなに“英雄”として手を差し伸べても。

 心のどこかで見返りを求めていた。

 そんな私の心を的確に引き裂くように彼の言葉は放たれた。

 そんな私とは反対に、彼の角には彼の高笑いと脈動のような音と共に

淡い色の血管のようなものが光っていく。

 

「悔やまなくたっていい!そんなもんだ」

「醜くないものはいない!」

「欲望をぶつけたまえ‼︎」

 

 彼の顔には狂気的な、しかし何かを理解しているような笑みが広がっていた。

 

「敬れたい?偉業を成し遂げたい?」

「人生には目標が必要だと皆言う」

 

 彼は少し言葉を溜めてからはっきりと言い放った。

 

「クソくらえッ‼︎」

「生きる目標なんてなぁ…“死にたくない“だけで十分なんだよ‼︎」

 

 彼は鎖刃を構えてこちらへ歩み出した。

 私は反射的に武器を構えた。

 

「自信が強くなったと勘違いし、腑抜けたハンターには誰かが教えてあげなくちゃいけない‼︎」

 

 彼の鎖刃が1対から2対に。

 

「生きることの難しさを!」

「命のやりとりをッ‼︎」

 

 彼の体が黒く、淡い血管のようなものがより強く発光する。

 

「来い…」

 

 鎖刃が赤黒い龍雷を纏う。

 

「相手してやる」




それは、孤独から出でし君という自由。

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