ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜 作:クズ吉
2014年9月 愛知県
新潟戦の翌日の1日オフを挟んで今日は9時30分からミーティング。
ミーティングルームに選手、スタッフ一同が集合した。
「試合後も言ったが、新潟戦の負けは重く受け止めないといけない。今日から変えるべき所は変えて、週末の神戸戦に勝利できるように皆で力を合わせよう。よし、まずは新潟戦の振り返りから始める」
二階堂監督は力強い目で選手達を見つめながらそう言う。
そしてプロジェクターで新潟戦の映像を映し出し、皆でそれを見る。
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「皆分かっているだろうと思う。このチームの問題点は守備だ。守備が固ければ拾えた勝ち点は数しれない。ただ以前も伝えたが、優れた守備組織を作れてないのは監督である俺の責任だ。選手の皆が過度に責任を感じる必要はない」
映像を見終えた後に二階堂監督が選手達に語りかける。
「これから残りのNリーグ8試合を戦い抜くために、コーチ陣と一緒にもう一度強固な守備を構築する。選手の皆もついて来てくれ」
二階堂監督の言葉には敗戦で失意の中にいる選手達を奮い立たせる力があった。
しかし俺は心の中で首を振る。
強固な守備を構築出来ていないのは監督だけの責任ではない。
それにきっと監督とコーチ陣についていくだけでは強固な守備は構築できない。
俺達選手一人一人が責任を持って守備意識を高めないと。
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ミーティングの後は練習の時間だ。
「声出していきましょー!」
世界一のサッカー選手になるために俺が今出来ること。
それは練習の段階から誰よりも真剣にサッカーに取り組むこと。
もちろん今までも真剣に取り組んできたが、先日の両親との会話の後に気づいたのだ。
俺は世界一のサッカー選手になる事を先延ばしにしていたのではないか、と。
世界一のサッカー選手の称号、それを手に入れるために指標の一つとなるのは数々の名選手達が受賞した栄誉あるフランスの賞『バロンドール』を授賞することだ。
そのためには少なくとも欧州CLの王者になる事かW杯を優勝する事が必要で、それを実現するにはレベルの高い欧州のクラブに移籍することが必要だ。
だからNリーグ優勝は足がかり、俺のキャリアの土台に過ぎない。
Nリーグ名古屋アハトに所属している間は世界一になるための準備段階であり、我慢の時だ。
心のどこかでそのように考えていた。
そんなだから新潟戦でチームを勝たせることが出来なかったのかもしれない。
今の自分ではリコエス・メッティのようにクラブチームも代表チームも救う選手にはなれない。
昨日の休みの時間を一杯使って俺は考えた。
本当に欧州に行かなければ世界一のサッカー選手になれないのか?と。
よくよく考えれば俺は既に世界一のサッカー選手の称号の一つを手に入れている。
『W杯得点王』だ。
俺はNリーグ名古屋アハトに所属しながらその称号を手に入れた。
ならばシュートが世界一上手くなることも、日本にいるうちから出来るはずだ。
パスもトラップもドリブル、守備だってそうだ。
確かに欧州に行かなければバロンドールの称号は手に入れる事は難しいかもしれない。
だが世界一サッカーが上手い選手になることなら今、この練習場からでも出来るのだ。
だからこそ俺は練習の段階から誰よりも上手くなることを意識し、誰よりも真剣に取り組む。
そう決めた。
パシッ!
「おお!大雅今日パスがいつもに増して正確だな!」
俺はもっと出来る!
ピタッ!
「いいぞ!大雅ナイストラップ!」
もっと、もっとだ!
俺は一つ一つのプレーを世界一レベルに引き上げる。
そしてチームメイトへの声かけもいつも以上に増やす。
「立木さん!もっと守備への切り替えを早くしないと!今までのままじゃダメですって!」
「ダミ!もっと寄せて!」
「成田さんナイス戻り!」
世界一のサッカー選手になるために少しずつ変えていく。俺を、このチームを。