両利きのテニス初心者だけど、気づいたら美少女参謀とプロを目指してた 作:二刀流れ
ざわざわ
ざわざわ
有明テニスの村公園
センターコートは人でごった返していた。
「ねぇねぇ聞いた?」
「今日の全国ジュニアの決勝戦、なんかすごい人がでるらしいよ」
「あぁ二ノ宮くんのこと? まぁ優勝候補だからねー」
「ちがうちがう、なんか両利きの選手なんだって」
「うっそーそんな選手いるの? すっごーい」
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「今日もあっちーな、利士のヤツこんなとこで試合すんのかよ」
「いやー千両君もとうとうここまで来たっすね、まーじで信じられないっすよ」
「きっしんはわしがそだてた!」
「いやー千両もほんとすごいよねーあと一歩で日本一だぞー、うらーどこだー千両ー!」
「か、かぐちゃん。立ったら後ろの人がみえなくなっちゃうよ……」
「うふふ、千両君ったら、たった一年でここまで来ちゃうなんて本当に楽しませてくれるんだから……」
「うむ、千両君は本当に練習を頑張っていたからな、よくここまできたものだ」
「あ、みなさん。今日は利士の応援、来ていただいてありがとうございます」
「あぁ千両君のお母さん、ここどうぞ、みんなで応援しましょう」
*
「あら、みなさまお揃いで、今日は彼の応援かしら」
「あ、貴方院さんこんにちわー」
「はい、ごきげんよう、ほら東堂も、ご挨拶」
「どうも」
「——申し訳ないですわ。昨日の試合で千両君に負けたことずっと根にもってますの。ほら東堂、男らしく応援しなさいな」ゲシッ
「うっ、今日は誠心誠意、千両君を応援させていただきます」
「まったく……、まぁあのにっくき二ノ宮との対戦カード、なかなかないものですからね。そういえば藤崎さんは……?」
「ましろっちはきっしんとミーティングしてるよー」
「なるほどなるほど……、しっかり作戦練ってということですわね」
「うーん……どうだろ……?」
「? どういうことですの……」
*
「藤崎、じゃあいってくる」
「えぇ、がんばって頂戴。……ここまできたんだもの、たくさん練習してきて、課題も全部つぶして、パラメータもたくさん上げて、しっかり作戦立てて……、ええとそれから……」
「……」
「大丈夫……、大丈夫よ……、きっと大丈夫……」
俺は震える藤崎の手を、ぎゅっと握った。
「藤崎、俺を信じてくれ、あいつに勝ってくる。まかせろ」
「……うん、千両君、いってらっしゃい」
「あぁ」
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ゲーム<5-4> 千両サービスゲーム
「はぁ、はぁ」
「ふぅ、ダッ!!」
「おぉーーーーすげぇーーーー今日最速じゃないか!」
「やっべー千両! これでサービスエース10本目じゃんかよ!」
「おいおい、200km/hなんてプロでもめったにお目にかかれないぞ!」
「これが高校レベルの試合かよ……今日見に来てよかった……」
「でもこれ取る二ノ宮も半端ねぇよマジで」
「さすがだな……二ノ宮君」
「絶対にとらせないよ……千両君」
……
……
……
「ダッ!」
「ぐっ」
「ここだっ!」 ズバン!!
「わーーーーーー」
「でたぞ、千両選手の十八番、ショートクロス!!」
「両手フォアからのキッツいアングルは誰もとれねぇよ!!」
「おい、これでマッチポイントだぞ」
「さぁ、サーブで締めるのかショートクロスがもっかいみれるのか……」
「見てるこっちがドキドキするぜ……」
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全国ジュニア 総合スレッド
95:ただのテニス好きさん
おい見たか、今年の全国ジュニア
96:ただのテニス好きさん
あぁ、みたみた、やばかったな
97:ただのテニス好きさん
千両のサーブと両手フォアがやばすぎ泣いた
98:ただのテニス好きさん
あんなん絶対取れんわ、角度エグすぎ
ボールはやすぎ
99:ただのテニス好きさん
コートカバーリング広すぎなんよ
あいつだけ別世界で生きてる
100:ただのテニス好きさん
ほんまそれな
しかも動き出しはやすぎなんよ
101:ただのテニス好きさん
相手が打つ前に動いてね?
102:ただのテニス好きさん
だな
あきらかに打つより前に動いてた
103:ただのテニス好きさん
サーブもな
なんやねん200km/hオーバーて……
104:ただのテニス好きさん
最後210いってたな……
105:ただのテニス好きさん
高校生が出せるスピード超えてて草
106:ただのテニス好きさん
さすがの二ノ宮もあれには追いつけんわ
107:ただのテニス好きさん
最後の方、二ノ宮追いついてきてたな
108:ただのテニス好きさん
ってか追いつける奴は全員プロレベルだろ
109:ただのテニス好きさん
それって千両選手がすでにプロレベルってことじゃ?
110:ただのテニス好きさん
千両選手はわしが育てた
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『はい、こちら実況室です。』
『ここからお送りするは実況の田中と、解説の諸星武尊(もろほしたける)さんを特別ゲストでお呼びしています』
『はいー! よろしゅう、よろしゅうな!』
『さぁついにやってきましたATPツアーズファイナル。今日のマッチアップはなんと日本人初出場の選手です』
『ですねー!』
『そして相対するのはランキング35位、ガダル・フェデラックス選手、20歳と若手ながらも、ここ最近で特に伸びている選手です』
『はいはい! そしてつい先日、おれが負けた相手でもございます! ほんまにクヤシイワー!』
『そうでしたね、諸星選手もランキング300位! いやー日本人選手の活躍が目覚ましい! これは我々もなんだか鼻が高くなります!』
『千両もようここまで来たもんやで!』
『そうですね! 久々の日本人選手がここまでやってきましたね。』
『ついでにおれ!おれも来てるからな!』
『簡単に千両選手のご紹介をしましょう。彼は日本の高校2年、全国ジュニアで突如彗星のように現れ、優勝をもぎ取っていきました。』
『ほんまムカつくやっちゃで!』
『両手フォアという独特のスタイルを持ちながら、その洗練されたコートカバーリングはどんなボールにも追いつき、逆にカウンターのようなショートクロスが彼の代名詞ともなっています』
『あれほんまとれんのよっ! えげつないでぇな……!』
『彼は全国ジュニア優勝後、所属高校の姉妹校であるアメリカSTCに単身留学。そこでプロとしてのキャリアをスタートさせました』
『あいつ、おれとの勝負から逃げよってからに……、ほんまにゆるせん!!』
『プロデビューから2年、下位大会を周遊後、着実にポイントをため、なんとついにここまできた!』
『くっそ、アメリカからスタートとか、やらしいやっちゃでー』
『何が彼の躍進の秘密なんでしょうね……いやほんとすごいですよね、この経歴』
『おれのネットプレーもすごいでな!』
『なんとここまでこれたのは専属トレーナーであり、パートナーとして彼をずっと支えてきた元ジュニア選手という話があります』
『いやほんまね……、あれだけがどーーーしてもゆるせん! 藤崎さぁん!』
『なんでも彼の母校の聖蹊学園高校が毎年有名選手を輩出しているのはその人のおかげだとか』
『あそこの高校、おじょ高やからなー』
『えぇ最近ではこのトレーニングメソッドが海外でも特に注目を浴びてるだとかで、育成論もかなり活発になっています』
『おれのトレーニングもみてーなー』
『今日の試合、10:00スタート。とても楽しみです。この大会で優勝し、さらなる飛躍の糧にするのか。グランドスラムへの挑戦の足掛かりとなるのか! 見逃せません!』
『楽しんでってなー!』
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イタリア・トリノ イナリピ・アリーナ
センターコート 入場ゲート前
「じゃあ、真白、いってくる」
「えぇ、利士、いってらっしゃい」
完
【作者あとがき】
お疲れ様です。二刀流れです。
突然ですが、「両利きのテニス初心者だけど、気づいたら美少女参謀とプロを目指してた」
今話にて最終話となります。
これも皆様が応援してくださったおかげです。本当にありがとうございました。
書ききったー!!!
ヤッター!!
現在かなりハイテンションになっています。
初めての小説でしたが、とても良い経験ができました。
次はもっと人気の出るような作品が書きたいなぁといろいろと構想を考えております。
もし少しでも「楽しかった」「次回作も期待」と思っていただけましたら、
作品・作者フォロー&評価をしてお待ちいただけると嬉しいです!
感想もぜひぜひよろしくお願いします。
ではまたよろしくお願いします。