異世界?転生しましたが、難しい技術は知りません。

なんやかんや病死…して、ふと気づいたら子供になっていました――

いっちょ知識チートでもと意気込むものの、濡れ手に粟はできそうにない。残念、生業のお針子に専念して静かに暮らしますか、と思ったものの、前世と全く関係のない(本当に?)とかそういうアレのせいでなんだかやっぱり面倒を背負いそうな予感(予言)です。

その場の流れに流されつつ、厄介事に対応しつつ、目指すは平穏で安穏な生活。
人生に波乱も刺激も欲しくなくても、向こうから頼んでないのにやってくる。
異世界転生?少女の明日はどっちだ。

これが原作です、読んでください。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885629385

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崩落と6/10/12/13…19歳の結論

「あのっ、ケルシー先生の部屋はこちらであっていますでしょうか?」

「ん?」

黒い髪に着崩した服のサルカズ(ブラッドブルード)は首を傾げる

自分は今確かに女性の声を聞いたはずなのに、どこから声がしたかわからなかった。

そして周りを見ると

 

「うわっ、いつからいたの!?」

自身の背後、廊下の隅で縮こまっている人物を見つけた。白いレースのヴェールを被り、その顔や髪はよく見えないが、おそらく女性だろう。

「ずっとここに…」

「え、そんなわけ。」

「あ!?アーツユニット、起動しっぱなし!これのせいか…」

 

ブラッドブルード、クロージャは警戒していた。

戦闘が本職でないとは言え、彼女はこのなんでもありなロドスで長年活動してきたのだ、船の構造もそれでできるステルスも余所者よりかは余程把握しており、そんな彼女の感覚とセンサーを無視できたこの少女は何者であるのかと。

 

「む、ここに居たか。」

気づけば、灰色の髪に羽の様な角を生やした青年、ロゴスがどこからともなく現れた。

「Logos、この子君の知り合い?」

「うむ、先ほど病棟の子供達の遊びに付き合っておってな、しかし彼女を招待したのは。」

「ケルシー先生です、その、手紙をずっともらってて、お返事したくて。」

よく見れば、ヴェールの下からは深い黒髪とロゴスとよく似た羽の様な角が見えていた。

「君もサルカズ(バンシー)?ケルシーに河谷からのお客さんなんて珍しいね。」

「あ、いえ、私はリターニアから来たんです、その、色々あって…」

「…苦労してるみたいだね、ケルシーの部屋はあっちだよ、それとそのアーツは止めといたほうがいいかもね。」

「はい、案内ありがとうございます!」

 

 

 

「ねえ、彼女って何者?足捌きとか意識を逸らすアーツとか、ちょっとチグハグだけど本職の諜報員だよね。」

「ボリバルやクルビアで古のカズデルを追い求めた部族の末裔、我やナスティとも異なるバンシー。」

「ひゃ〜、また珍しいのが来たね。」

「名前はスサーナ、スサーナ・オンラード(正直)。」

「ボリバル、厳密にはイベリア風の名前かな?。」

「彼女の父が古くからのボリバルの民である故にな、もっとも彼女自身はリターニアの高塔に属すると聞いておる。」

「あー言ってたらドッソレスにバカンスに行きたくなってきたよ…」

「それはいいが、移設作業はまだ終わっておらぬのではないか?」

「うわっそうだった!ちょっと手伝って!」

「我でよければ。」

 


 

「そこにかけてくれ、スサーナ。」

緑がかった銀髪のフェリーン、ケルシーが部屋でスサーナを出迎えた。

「はいっ…あの、ずっとお会いしたかったんです。」

感極まった、という様子でスサーナは駆け寄る。

「君はもう十分に一人立ちしているだろう、私が手伝えることなど無いと思っていたが。」

「そうです、でも私は私の知らない、私のルーツ、何処へ行っても私は属性で判断されてきました。」

「この大地では往々にしてよくある事だ。」

 

「けれどその中心には、いつだって母がいました、強く、聡明で、美しい母。」

「しかし、母の名前をドッソレスにいる祖母も叔父も知らない、覚えていない。」

「過去を辿ってクルビアやカズデルの誰に聞いても、忘れてしまっていました。」

「数少ない父の知り合いも、リターニアのリッチ達も例外ではありませんでした。」

 

 

 

「…それはバンシーの古い呪術だろう、名前を秘匿し、守るアーツだ。」

 

「ケルシー先生、貴女なら、

 

かつて消えたカズデルの名を

その末裔の姫の名を

私の母の名前を

 

覚えているのではありませんか?」

 

 

 

「それが理由か?」

「はい、私は母を、家族を知るべきなんです。」

 

「バベルの最前線で、テレジア(魔王)を守っていた母の事を。」


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