ダンジョンで史上最強を目指すのは間違っているだろうか? 作:華々
「ふぅなんとか宿暮らしは抜け出せたな。」
「お布団ふかふか〜」
昨日5時間連続でキラーアントの怪物の宴を対処しドロップアイテムや魔石を売った金で借家を借りることができた。ヒュプノスは基本的には寛大で起きているときに子供たちにいたずらをされたり、まずいご飯を食べさせられたとしても怒ることなく許してくれるが、寝床のことになると細かくなる。
何せ自分の布団は毎日干されておひさまの匂いのするものじゃなきゃやだとか、枕の硬さが合ってないだとか更に言うと布団の生産地にまで細かく言うのだ。長年付き添っては来たがヒュプノスの布団に対する寝床に対する執念にだけは辟易しているのだが。
だが嬉しそうに布団に飛び乗りゴロゴロするヒュプノスを見るとそれも別に良いかなと考えてしまうのがアクルスの主神に甘いところなのだ。
「ヒュプノス今日はどうする? どこかでかけたりするか? 」
「ん〜そうだなぁ〜。折角オラリオにまで来たし同郷の神もいるんだろうし、試しに会いに行ってみる。」
「そうか、じゃあ俺はダンジョンにでも行くかね。」
「今日はどこまで行くの? 」
「そうだな。取り敢えず中層のセーフティゾーンの18階層まで行ってみるよ。」
「そう。気をつけて行ってきてね。
「あいよ。そっちも慣れない場所だからって迷子になるなよ。それともしかしたら帰りが遅くなるからその時は先に飯でも食べててくれ。」
それだけ言うとアクルスは装備を身に着けダンジョンへと向かった。
「……あっ。お小遣いもらってない。」
ダンジョン中層。ここは最初の死線(ファーストライン)と呼ばれている階層域。ギルドの定めている適正基準はLv.2。
上層とはモンスターの強さや遭遇率が格段に上がり、更に出現するモンスターも徒党を組み襲ってくるタイプや、魔法に近い遠距離攻撃を繰り出してくるタイプも出現してくる。
そのためギルドが定めている適正基準はレベル2であるが強力なモンスターに対抗するためパーティーを組むのが必須になるのだが。
「ん〜やっぱ中層でも最初の方はこのていどか……」
アクルスの目線の先にはアクルスの身の丈と同じ程の大きさの大剣によってそのすべてが一刀の下に断割され血の海に沈められたヘルハウンドの群れ。
「まあ取り敢えずはもっと下まで降りてみるか。できたらゴライアスとかと戦えたらいいんだけど……」
やれやれと肩をすくめながら大剣を担ぎ直しヘルハウンドの死体からドロップした魔石を拾い袋に入れるとそのまま新たなモンスターを求めて下の階層に潜って行った。