ダンジョンに強さを求めるのは間違っているだろうか |迷宮神聖譚《ソード・オラトリオ》 作:ベル虐サイコ〜!!!
どう考えてもイシュタルファミリアは崩壊させるとして、その過程でどうやるかだわな。
マジでむずい、どうやってイシュタルがロキに喧嘩を売るかを考えさせないと出しなぁ。
やっぱ春姫ちゃんが居ないとこの先詰むし…、どうしたものか……。
まぁそんときゃ適当にオッタルさんとベル君を強化すれば良いか!!最悪レオンを早く出せば良いだけの事よ。
今回か次回でベル君のステイタスを出します。(いや、なんでお前が知らんねん)
白い布を被せたテント、そこに刻まえたエンブレムには滑稽な
ここは【
誰よりも強く、誰よりも優しいヒューマンの男の子。
レベル7の第一級冒険者であり、オラリオ最大戦力の一人ベル クラネル。
二つ名は【
敬称であり、侮蔑であり、嫉妬の結晶でもある、誰よりも何よりも強さを求めた少年が行き着いたある種の極地。
そんなに彼は今、見張りを交代してもらい、静かな時間を過ごしていた。
「やっぱり雑音がないのは良いな、そう思うだろ?ジュピター」
『儂はお前さんから離れられんしな、そもそもおなごがおらん所で儂が楽しめる訳なかろう』
(だろうな、でも僕は好きだよ、この静かさが)
『お前さんがそう言うならそれで良いんじゃないか?儂はそれについて行く、それだけた』
(そうだな、そうだったな)
そんなやり取りをする相手の名はジュピター、大精霊であり、雷霆の名を冠する者でもあった。
ベルが都市最速と言われるに至る上で欠かせない力の一つ。
そんな彼は今、わざわざ見張りを交代してもらってまで一人で考え込んでいた、その内容とは。
(やっぱり、嫌な予感がする、直感に過ぎないけど、これはヤバい気がする)
『そうだな、あまりにも静か過ぎる、お前さんで言う所の「雑音がない」と言ったところか?』
(いや、なさ過ぎると言ったほうが正しいな)
壁に覆われ、緑に覆われ、自然豊かなダンジョンの楽園、それが今彼らが陣取っている場所、51階層にはモンスターが生まれない、生まれないと言っても他の階層からは降りたり登ったりしてくるので、一概に安全とは言えない。
その中、静寂に包まれたダンジョンを見て、一抹の不安がベルの脳裏をよぎる。
(まあ、フィンが何もないって言っていたんなら大丈夫だろ)
『そうだな、あのパルゥムの言うことは大抵当たる、何もないなら少なくとも、儂らの脅威ではないということだろう』
―――――――――――――――――――――
「ベル、どこに行ったんだろ?」
「アルゴノゥト君なら、多分見張りでも代わってるんじゃない?」
「あいつも変わり者よね〜、わざわざ面倒を自分から引き受けるなんて」
「そんな、ベルさんは皆さんの為やってくれているんですよ?!」
「なのに、なんであんなに下位団員達から怖がられてるのよ」
「それは…アルゴノゥト君が口下手…だから?」
そんな事を談笑するアイズやティオネ、ティオナにレフィーヤ。
ベルが作ったシチューを食べながら木陰で休んでいた。
そんな中、周りより少し元気のないアイズを見兼ねて、ティオナが話しかける。
「気にしたってしょうがないよ!!アルゴノゥト君はいつもひょっこり戻ってくるじゃん、いつもの事だよ!!!」
「そうね、あいつが重傷で帰ってきたのは…オッタルと戦った時だっけ、あれば鮮烈だったわね」
「流石に…、取れた左腕を右手で握手しながら「取れちゃったからアミッドさんに治してもらう」って言った時のリヴェリア様の顔は…あれは忘れられません」
「あれは流石に笑ったわ、片眼も潰れかけてなかった?」
「はい…、その後ベルさんは確か、リヴェリア様に怒られてダンジョンに潜るのを一週間禁止させられてましたね」
「流石に仕方ないよ、あれはアルゴノゥト君が悪いからね」
そんな談笑を続ける一同の中、それでも浮かばれない顔をしているアイズは、何かを考え込む様に目を伏せる。
ベルは強い、都市最強にも届くほどに、それは皆わかってる事、だけど…、それが悔しい訳では無い。
ベルに…、置いて行かれたくない、あの人の隣に立って私も戦いたい…、でもそれは出来ない、ベルにとって私達は足手まといに、フィンやリヴェリア、ガレスでようやくついて行けるくらい。
レベルが一つ違えば、それは生物としての格が違う事を意味する、それが二つも違うのだ、それはもう世界が違うのと同義。
追い付きたい、あの背中に、ベルに追い付いて私も隣で戦いたい…、いつからだろう、黒い風が…消えて、強くなりたい理由はいつしかベルに追い付くことへと変わっていた。
なのに――
―――ベルは私を見向きもしない。
―――――――――――――――――――――
50階層、僕らは今ダンジョンの深層にて探索をしていました。
その内容とはアミッドさんから
なのにどうして僕らはこうして極彩色の芋虫に追われているのだろうか……。
「ラウル、大丈夫かい?」
「はい、でも腕が……」
フィンが心配そうに声をかける、ラウルは苦しみながらもなんとか声を絞り出す様に答えた。
僕らは今、フィンさん、ガレスさん、ラウルさん、そして
なんでかと言うと俺は虫が大の苦手だからだ、田舎育ちで虫が怖い?馬鹿かと思うがあれは別格。
あんな極彩色の巨蟲が僕を追ってきてるんだよ?!怖いに決まってるじゃん!!!
『ベルよ、流石にそれはダサくないかのぉ?』
(いいんです!どうせ皆どうせ死にませんし、それにあいつらには僕らの武器が溶かされるんですか!!攻撃が効かない化け物相手に真っ向から挑んでも僕溶かされますよ?!)
『お主のその漆黒の
(じゃあ僕の代わりにあいつら倒して下さい!!!)
僕は逃げながらジュピターと掛け合い漫才をしていた、ただ闇雲に逃げているだけでもない、元々耳が良かった僕のレベル7の聴覚を使いアイズさん達を探していた。
「聞こえた、ティオネさんの声が……これは…喜んでる?フィンさん、後で褒めてあげてください」
「いったい何があったんだろうね?嫌な予感がするよ…」
「さあのぉ、もしかしたら
「知るかよ!!あの馬鹿ゾネス共のことなんかよ、それよりもベル!お前じゃなくて俺でも良いだろ?!んで俺に押し付けた?」
「ベート、俺はお前に託した。後は任せたからな!!!」
「お前ぇぇぇえ、後でしばくからな!!」
「その時はティオネさんとティオナさんに泣きつくので大丈夫です」(◡ ω ◡)
そんなベートさんの怒号が飛び交っていると、目の前からアイズさん達が現れた。
ティオネさんの手には確かに何かの外皮を持っていた、フィンさん、頑張れ!!
「団長!!」
「いっ…芋虫?!」
ティオネの声、レフィーヤの困惑の声が響く中、一瞬のためらいも無くティオナがその
「ッァ!あんの馬鹿ゾネス、ちっとは人の話を聞け」
「なにさ!助けてあげだんでしょ――ってあ!!私のウルガがぁぁぁぁぁって溶けた〜〜〜」
溶け出した、芋虫の体内を駆け巡る酸性の体液を持ってアダマンタイトの武器が溶かされた。
その体液がティオナに触れる瞬間、あたり一帯の芋虫が雷霆と共に消え去った。
「【
ベルの漆黒の長剣は芋虫の体液でも溶かされない、漆黒の長剣に雷霆の付与魔法を施した剣は何物にも侵されることなく敵を排除した。
「っと…、
「わ…私のウルガが……、どうしよう」
「たく馬鹿ゾネスが、イキって装備失ってるんじゃねぇよ、つうかそれならやっぱお前が
ベルの言葉にベートが怒鳴り散らす。
「皆さん!!――」
「どうしたんじゃラウル」
ラウルが苦痛に喘ぐ中声を張った、それを聞いて全員がラウルの方を見た。
「あの芋虫……、拠点の方から来ませんでした?」
「ハハハ…これは…、少し不味いな、すぐにキャンプ地に戻る!!急ぐぞ」
ラウルさんの最悪の予測、その予想がどうか外れていることを願うばかりだが、そういう時に限って予感は当たる、ラウルさんはフィンさん後継といして育てられているため、その思考も似通っているところがあった。
だけど一番似ている所は、最悪を予見した時、その予測は大体当たっている。
「これは……本格的に不味いな」
そこには芋虫が山のようにいた、リヴェリアさん達は中央の高い山へと避難しながら僕らの帰りを待っていた。
そんな中アイズさんが一番にリヴェリアさん達の元へと駆け出した。
「って…、仕方ない、レフィーヤはここで詠唱を、ガレスが守ってくれ、それ以外は僕と一緒にアイズを追うぞ!!」
刹那、団長 フィン・ディムナの一声に、先程までの困惑が投げ出さなかった一団がまるで別人のように駆け出した。
「ベル!そいつを寄越せ!!」
そういうとベートはベルの雷霆をそのブーツに宿して敵を蹴り殺していった。
「どうだ見たか!クソ芋虫どもめ!!」
「五月蝿いベート」
「他人の力借りてイキってんじゃないわよ」
「うるせぇ、ぶっ飛ばすぞ馬鹿ゾネス共」
芋虫型のモンスターに八つ当たりをするベート、それを遠巻きに見ながらベルはアイズの後を追った。
「アイズ!!!前に出過ぎだ、幾ら風があってもそれは危険だ!!」
ベルの制止を意にも返さずアイズは芋虫の中を斬り進んだ。
斬って、斬って、斬り続けた。
駄目、こんなんじゃ足りない、あの子は…ベルには追いつけない。
半年前、私は見ていることしか出来なかった、このまま置いていかれるのは嫌!!私は追い付きたい、ベルに追い付いて隣で戦いたい。
私には才能がない、ベルの様な抜き身出た才能が…。
ベルが黄金のウダイオスを撃った時の一撃、私の風をどこまで強化してもあれには劣る。
私じゃまだベルに追いつけない、置いていかれる、
あの日の様に、お父さんみたいに。
「【
その一撃は芋虫の溶解液ごと吹き飛ばし、薙ぎ祓い、そしてリヴェリアのもとまで着いた。
「アイズ…、ありがとう、助かった」
崩壊寸前の防衛陣を守った、それはとても大事なこと、仲間を守るのは大事だ、だけども。
昨日フィンに思いっきり怒られたんじゃなかったの?!やっぱり俺が甘やかしすぎた?
49階層の時、陣形が乱れかけていた所を、フィンさんは戦線維持の指令を出した、アイズさんはその命令を無視して敵を殲滅した。
そのことについて昨日怒られたばかりだというのに、あの日の反省をどこでやら、無理をしてでもアイズは敵を討ち続けた。
本来なら詠唱時間を稼ぐのに魔剣を用いれば良い、だが今回は僕の武器を打つためにヴェルフが遠征への帯同を見送った為、もちろん僕の長剣を打つために魔剣を打つ暇もなく武器を打っている、今も尚打ち続けている最中の筈だ、いつもならこんな事にはならない、だけど今回はイレギュラーが続いた、そのせいでこんな事態になってしまった。
(ジュピター、力を貸して、全力で行く!!)
『分かったわい、行くぞ!!』
ベルは纏っていた雷霆の力を更に上げ、周りのキショい巨蟲のモンスターを斬り伏せ続けた。
そうして出来た一瞬の隙、そこにロキ・ファミリア二番手の魔力バカの一撃が加わる。
レフィーヤ・ウィリディス、冠する二つ名は【
「【焼きつくせ、スルトの剣――我が名はアールヴ】―――【レア ラーヴァテイン】!!!」
炎属性の広域砲撃魔法。数十にも及ぶ炎の柱を持って芋虫型のモンスターを掃討した。
「あっぶなかった、危うく俺まで焼かれるところだったよ」
『思い出すなぁ、初めての遠征の帰りで、ラウルの坊主達に連れられてあのおなご達を覗いたことが』
(しばきますよ、というかあの時はまじで僕、知らなかったんですよ!!僕はただ『着いてくるっすベル君、僕らがオトナの階段を登らせるっす』とか言ってついて行ったら僕、危うくレフィーヤに
中に宿る精霊とそんな雑談を繰り広げている所、ベルはフィン達の元へと戻った。
「ティオネの奴、どうしたんですか?」
「奴らの頭の魔石を直接取り除いたんだと、後でこってりと説教だね、あれは」
「それってティオネさんにとってはご褒美じゃないっすか?」
ベル達はティオネの喜んだ顔を見て苦笑した。
何はともあれ皆さんが無事なら良かった、そんな事を考えていると、ダンジョンが…いや、モンスターが哭いた。
そこに映るのは極彩色のモンスター、その全長は優に8Mを越えていた。
「あれも下の階層から来たっていうの?」
「通路を壊しながらだったらワンチャン?」
「んな訳あるか、バカ言ってんじゃねぇ」
三人が各々考察を繰り広げている中ラウルがまたしても最悪の予想を立てる。
「あれも腐食液を飛ばすんすかね?そしたら…あの大きさでそんなことしたら………被害が…」
その場にいた全員が戦慄した。
あの躯体であれば階層全域とは言わずとも、ファミリアの半分近くが被害に遭うはずだ。
それが最悪の未来。
そしてその極彩色の巨大モンスターはフィン達に向かって光る粉粒を振りまく。
その一撃に何らかの作為があるも思ったガレスが手に持っていた大盾を全員の前で展開。
その数秒後、爆発した、幸いガレスの直感のお陰で被害はないがこのままでは全滅する。
そう感じ取ったロキ・ファミリアの団長、フィン ディムナは命令を下した。
「総員撤退だ、速やかにキャンプを破棄、最小限の荷物を持って離脱する」
強く、聡いフィンだからこそ、その決断を即座に下せた、それを聞いたベートやティオナは声を荒げた。
「おいフィン!逃げんのかよ」
「そうだよ、あのモンスターを放って置くの?」
「でもあのモンスターを討伐して、更に被害を最小限に抑えるにはこれしかない、月並みの言葉で悪いけどね――」
そのモンスターを見てフィンが一言。
「ベル、君があれを討て」
「分かった、俺が討とう」
沈黙はなかった、フィンの言葉を分かっていたかの如くベルは頷く。
それを聞いたベートやティオネ、ティオナにアイズ、レフィーヤは声を荒げた。
「ふざけんな!!俺等で殺った方がいいに決まってんだろ?!」
「そうですよ団長!どうかご再考を!!!!」
「そうだよ、なんでアルゴノゥト君だけなの?」
「私も行く、ベル一人じゃ危ない」
「せめて援護射撃だけでも…」
そんな彼ら彼女らの言葉をフィンは咎めるように再度通告する。
「二度も言わせないでくれ……、
「「「「「――――――ッ?!」」」」」
そんな中、盾を持ったドワーフが一人、ガレスがフィンに尋ねる。
「また、
「ああ、少し疼くんだ」
ガレスの問いにフィンは応える、それで何かを察した彼らはフィンの親指へと目を向ける。
その指は確かに震えていた、何かの危険に怯えるように、虫の知らせを感じ取っていた。
それを見た彼らは、割り切れない気持ちを割り切り、奥歯を噛み締めながらその場を後にする。
「ベル、撤退が完了次第合図を上げる、そしたらやつを討て」
「分かった、それまでは時間を稼ごう」
そんな中、金髪金眼の少女が一人、ベルの双眼異色の瞳を見つめながら何かを訴える。
それを感じだったベルは、優しく咎めるように声をかける。
「アイズ、聞き分けがないにも限度があるぞ、これは
「――ッ?!それは…分かってるけど…それでも私は、ベルを…一人には……」
「はぁ~、分かったよ、そこで見ていれば良い、だけど危ないと思ったらすぐに撤退しろ、いいね?」
「うん…分かった」
アイズがそう言うと、ベルは「はぁ~」とため息をつきながらアイズの頭をそっと撫でる。
(温かい、それに安心する)
アイズは少し頬を赤らめながらそれを受け入れる。
するとモンスターのほうが痺れを切らしたのか、再度あの粉粒を極彩色の触手から撒き散らす。
それがベルの方へと届き、爆発する…筈だった。
「【
一言、ベルは右手を前に出しながら唱えた。
それは超短文詠唱の結界魔法であり付与魔法でもあるベルが持つ三種の魔法の一つ。
【
たったの一言でその攻撃を掻き消されたのに驚愕した極彩色のモンスターは再度、確かめる様に粉粒を撒き散らす。
「くどいぞ、大方知性を有しているのであろう?少しは頭を使え、阿呆が」
その粉粒を剣の一振りで薙ぎ払った、そして露わになった漆黒の長剣【
圧倒的な力を前に驚愕したのはモンスターだけでなく、隣に居たアイズも目を見開いていた。
それも当然、ベルは「正体バレるのは嫌だ」との理由で人前でこれを使ったことはなく、そもそもベルがこれを使う相手がオッタルやレオン ヴァーデンベルクしか居らず、ベル自身もこれを使うのは「少しズルい気がする」と言ってあまり使うことはなかった。
そんな魔法を見て、極彩色のモンスターは再度焦りを見せる。
「仕掛けないのか?それなら俺の方から行かせてもらうぞ―――【ファイアボル卜】」
ベルがそう言って右手を前に出す、そして魔法を放つ瞬間、ベルの足元からは純白の魔法陣が顕現する。
本来、生粋の前衛枠のベルが『
発動自体は任意であり、このスキルを使うことでベルは魔法を使う前衛ではなく、神速で戦場を駆ける魔法剣士へとなるのだ。
その一撃は二対の触手の内の片方を焼き尽くす威力を持ち、一撃で極彩色のモンスターの攻撃力を半減させた。
そんな中、ベルは一人苦悶の表情をうかべていた。
(静か過ぎる…、さっきまであった音が…消えた?)
先程からこちらを伺うように視線を向けていた者の気配が消えた…いや、気配を消した?
レベル7の聴覚と気配察知能力をさも当たり前かのように潜り抜ける程の実力者、間違いない。
(俺と同じレベル7?!)
『これは不味いぞベル?!嫌な気配が木霊し始めた、今すぐにでも奴を討て!!!』
「(クッ?!分かった)アイズ!!すぐに逃げろ?!あれは――」
『アアアーーァァァァァァア!!!!!!!!』
刹那、耳を抉る轟音が、地を揺らす悲鳴が、苦痛に喘ぐモンスターの声が階層中に響いた。
極彩色のモンスターが、その姿を大きく変えていた。
上半身が女体型の姿に変貌した極彩色のモンスター、その風貌は確かに先程のよりも強い”神性さ”を感じさせた。
間違いない、あれは精霊だ、でもどうして?ここはダンジョンの深層、ここに来れる精霊?いや、あれは堕ちた精霊だ、魂魔でもが凌辱され尽くした穢れた精霊。
(あれは…ここで僕らが討伐する!!!)
『そうじゃな、それしかあるまい』
「ごめんアイズ!少しじっとしてて」
「え?!って――えぇ!!////」
ベルは急いでアイズをお姫様抱っこしながらフィル達の元へと向かった。
そこにはあのモンスターを立ち尽くしながら目を見開いているフィン達がいた。
「ベル?!どうしてここに?奴は……」
フィンは驚いた様にベルに問う。
「状況が変わった、あれは危険すぎる、アイズを頼む!!」
「分かったがお前はどうする?まさか
「その通りです!!あれは危険すぎる、ここで討たなければ被害が拡大する一方だ!!」
ベルの言葉に全員が驚愕する、”あれは危険”それは皆が分かっている事、あの見た目を危険と思わない方が無理と言うもの。
そんな中、ベルは一人で討つと言ったのだ、それを咎めようとするもの、共に戦おうとする者は既に武器を取っていた。
そんな彼らを咎めように、それでいてベルが今までにない程に切羽詰まった顔で言う。
「あれは精霊だ!!しかもモンスターと混合している。あれを今からもとに戻す事など―――」
そのベルの一言を、背後の化物が止めた…いや、かき消したのだ、その麗しくも汚い声で。
『アリア!!!アリア!!!!アリアァァァァァァア!!!!そこに居るの?そこに居るねぇぇぇぇえ!!!!』
その双眼は俺を見ていなかった、その双眼の
アイズは目を見開きながら穢れた精霊をその双眼で捉えていた。
自分の母の名を呼ぶその怪物が、奇妙で仕方なかったから。
そんな中、その精霊は産声の如くその声を発し、詠唱を始めた。
【火ヨ、来タレー
「ちょ…超長文詠唱をあの速度で?!」
「リヴェリア!!結界を!!!」
「駄目だ間に合わない!!」
レフィーヤの驚愕の声が、フィンの指示が、リヴェリアの苦悶の声が響く中、一人の少年がその前へと立ちはだかる。
「『【突き進め
『ファイアーストーム』
「『【
――片や、全てを焼き尽くさんとする地獄の炎。
――片や、神界を統べし雷霆の神器を模した雷槍。
その攻防は正しく一瞬、その勝敗は――
「『俺等の勝ちだ、阿呆』」
雷霆の神の力が僅かに勝り、その一撃は穢れた精霊にも届いた。
その声はベルだけではなかった、他にも何か混ざっていた。
(異常だ…!!貴方のその
一人、たった一人のエルフは、その山吹色の長髪を揺らしながら、その紺碧の瞳はたった一人の白髪の少年を見据えていた。
イカれたベルの周りの女達を紹介するぜ!!!!!
エントリーNo.1 無自覚系ヒロイン
【アイズ ヴァレンシュタイン】
・ベルに対しては恋愛と言うよりも依存と言ったほうが近いですね。兄のように慕っているベルの隣に率先して座り、ベルに甘えたりしていて、よくベルに苦笑されながらも甘え続けている(ベルは別に甘えられる事は何とも思っておらず、その際に自身の内側で壮絶な論争を繰り広げる狒々爺のことに対して苦笑している)。
エントリーNo.2 兎絶対焼却
【レフィーヤ ウィリディス】
・尊敬しながらもアイズに対して少し近すぎるのに嫉妬しています。ベルの言葉「口下手のお人好し」と思っています。好きと言うわけではないが、尊敬はかなりしており、兄のように慕っている。学区ではベルと一度会っており、その際はリヴェリアに手を引かれるベルを見て盛大に嫉妬、後に見た偉業を前にレフィーヤは腰を抜かしてしまった。
エントリーNo.3 圧倒的後方母親面、ベルは私が育てた
【リヴェリア リヨス アールヴ】
・ベルの事は本当に息子のように思っている(まだ未婚だけど)。そんなベルの意見を大事に思う反面、早くアイズを任せたいと思う母心。ベルは大人になった、なりすぎたとすら思っており、あまり母親らしいことはしてやれていないと思っている(ベルはリヴェリアを第二の母だと思っている)。
エントリーNo.4 クーデレポンコツエルフ
【リュー リオン】
・ベルはある一件からミアによく酒場のお手伝いをさせられている。泊まりである時も多く、その時はよくベルに髪を乾かして貰っている(それをアリーゼ達に見つかり「ショタに欲情する変態エルフ」と弄られている)。ベルの事は「異性だけど触れられても大丈夫」な人としてよく甘えている。
エントリーNo.5 聖女の皮を被った聖女
【アミッド テアサナーレ】
・昔っから大怪我をよくするベルの治療し続けてきた。ベルの事は弟の様に思っている。その銀髪もあり、本当に姉弟の様に見える、アイズは少し嫉妬している。アミッドは基本的に世話焼きであり、ベルはそんなアミッドを「優しいけど俺の前だとマジで怖い」と思っている。
エントリーNo.6 美の化身見たいなババア
【フレイヤ】
・昔リヴェリアと一緒にいたベルを【フレイヤファミリア】に勧誘した所、「お義母さんのほうが綺麗だった、それにリヴェリアの方が綺麗、だから行かない」と思いっ切り振られている。なのでよくバベルの上から見ている(ベルはいつも煩わしいと思っている)。よくフレイヤはベルに睨まれる為、その次の日は某酒場の店員に扮して甘えている(ベルは気づいていない)。
エントリーNo.7 天真爛漫な
【ティオナ ヒリュテ】
・よく英雄譚のお話をする、その時のベルの笑顔を好ましく思っている(アイズはそれを見てまたしても嫉妬している)。ベルの事は「口下手だけど英雄譚のお話をする時は饒舌」だと思っている。
エントリーNo.8 じゃが丸君を売る
【ヘスティア】
・ベルの事は「少年君」と呼んでおり、アイズと共によくじゃが丸君を買いに来る為、その顔は既にお互いに覚えている。都市では「物言わぬ傑物」と称される彼を色眼鏡なしで接するヘスティアにベルも心を開いている。ロキの所の眷属と言う事以外はベルの事を気に入っている(母親の様な感じ)。
エントリーNo.9 クソボケ変態糞親父女神
【ロキ】
・ベルの事を本当に愛している。ベルの過去をしる唯一の神物であり、ロキが詮索したわけではなく、ベルが「主神に隠し事をするのは道理に合わない」との事でベルはその全てを話した。ロキはベルの事をいつも心配しており、ベルの事を「誰でも助けるお人好しだが、怒らずとリヴェリアよりも怖い」と思っている。
エントリーNo.10 叔母さ…ゲフンゲフン、お義母様!!!
【アルフィア】
・今頃どっかの竜の丘でベルの活躍が乗った記事を読みながら笑いを浮かべている。何故会いに行かないかと言うと…それはまた今度!!!いつかベルの過去編や、暗黒期についてもやる予定です!!!その時に全てを話します。
あらかた紹介したかな?これからもベル君被害者の会は増え続けるので!!
やっぱりベル君の口調には気を使いますね。むずいですよ、俺々系だけどしっかりと元のベル君を垣間見えされるのが本当にむずい。
それでは次回まで、お楽しみに!!!!