やはり俺の界境防衛生活は間違っている。   作:RAKU0221

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そういえば三門市って千葉からほど近い場所って設定だったな………千葉?ハチマン?と謎に思いつき書き始めたは作品なので勢い任せです。


比企谷八幡はボーダー隊員である。

 

「お、比企谷じゃないか、この後暇なら飯でもどうだ?二宮と三輪も来るんだ、確か三輪とは同い年だろ?」

「え、なんですかそのメンツ…………俺が行っても会話生まれないんで、加古さんでも誘って下さいよ」

 

 

 あのネイバー絶許マンと表情筋どっかに置いてきた人と飯行くとかどんな修行だよ。俺のコミュ力増強訓練ですか?いきなりボスラッシュは勘弁してください。

 

 

「そうか、じゃあ次の機会だな。お疲れさん」

「うす」

 

 

 東さんは一ミリもいやな顔をせずにその場を後にした。ボーダーに入ってから常々思うことだが、あの人絶対大学院生とか嘘だよな、あんなできた25歳存在するわけないし、大体影浦先輩のSE抜けるスナイパーて何?プロの傭兵だったとかじゃないと説明付かないレベル。

 

 ここは界境防衛機関ボーダー、ゲートと呼ばれる穴から進軍してくるネイバーと呼ばれる化け物から俺が今住む町である三門市を守るための機関である。

 

 現在俺は、この街にある六頴館高等学校に通っている。もともと家から通える距離にある総武高校か、海浜総合高校にでも行こうと思っていたが、同じ中学の奴が進学するかもという話を耳して急遽志望校を変更したのだ。総武高校ならうちの中学から行くやつは毎年1人いるかどうかなので大丈夫だと思っていたんだが..........まあ今更言っても仕方がない。

 ここ三門市は俺の実家からそう遠くない位置にあったのと、六頴館は総武高校と同じくらいの難易度で頑張ったら進学できそうだったのだ。

 

 ただ実家から通うとなると少々手間だったので現在は一人暮らしだ。

 両親は良くも悪くも放任主義だったのと、親父は小町を溺愛するあまり息子である俺にさえたまに敵意を向けるまであるためそこまで摩擦もなく家を出ることができた。小町は最後まで少々反対気味だった、嗚呼小町、お兄ちゃんも離れたくなかったよ。

 

 

 そんな俺がなぜボーダーにいるのかというと、端的に言えば金のためだ。

 ボーダーには三つのランクがあり、それぞれC級、B級、A級となっている。S級という特別な枠もあるらしいが基本はこの三つだ。

 そして、B級からは給料が出る。普段の防衛任務などでのネイバーの討伐数に応じて支払われる仕組みだ。A級になるとここに固定給が乗っかってくる。A級はB級に比べて業務量がとんでもないのである。同じ学校にいるA級の綾辻や三上を見ればなんとなくその激務具合は伺える。たまに書類仕事を手伝うことがあるが、あれは俺もやりたくない。

 

 社畜適正レベルには自信があったのだが、ボーダーに入ってから上には上がいることを思い知ったまである。何この組織怖い、やめようかな。

 

 まあ何はともあれ、出来高制とはいえそこらのバイトより実入りが良いため、去年の六月にダメもとで入隊試験を受けた。俺はトリオン能力がそこそこあったようでなんとか合格、C級での訓練と、個人戦を経て現在ソロのB級隊員として働いている。

 ボーダー隊員の多くは部隊を組んでおり、普段の防衛任務やランク戦に勤しんでいるようだが、俺はもう1年ほどずっとソロだ。どっかの黒髪二刀流ハーレム主人公に並ぶ勢いである。

 

 ソロはソロで利点がある。ネイバー討伐の取り分は丸ごと収入になるし、部隊特有の報告書の提出やらの事務作業もない。任務では他の部隊にお邪魔する為気まずいが、仕事さえやっていれば特に問題はない。まぁ苦手な奴ももちろん存在するので、シフト見てたまにゲンナリすることも珍しくないが。

 

 

「帰るか」

 

 

 

 ボーダー本部から程なくして、俺は自分の家に辿り着いた。ここはボーダー本部が所有する寮で、基本的にここは数年前にあった大規模侵攻の際に身寄りや家を無くした隊員や、県外からスカウトされてやってきた隊員が住んでいる。

 入隊直後、ボーダーには俺の個人情報を提出したがその際に本部長を務める忍田さんから「空き部屋はあるし、高校生の一人暮らしは何かと大変だろう」と寮は住まわせてもらう許可をもらったのだ。

 

 家賃や学費、後は仕送りももらう予定だったが、寮ならそこらの賃貸よりよほど安い上に設備も整っていたためありがたくお言葉に甘えることにしたのだ。

 

 

「………飯にするか」

 

 

 冷蔵庫を開け、材料を確認する。

 米はあるし、少し野菜と肉も残ってる。今日のところは適当に野菜炒めにでもするか。

 

 肉と野菜を切り、油を引いたフライパンで炒めながらさっと味付けをする。ここに住んで一年、元々小学六年生レベルの料理の腕だったがあれから少しは上達したと思う。手の込んだものは無理だが、この程度ならパパッと作れるようになった。

 

 

「いただきます」

 

 

 飯を食いながら録り溜めしていたアニメを見る、これがルーティンになっていた。その後は風呂に入って歯を磨いて、本を読んで寝る。なんのことはない普通の日々。寝る前には防衛任務のシフトを確認するのも忘れない。

 

 

「………………げっ」

 

 

 そこにあったのは、明日防衛任務を共にする部隊とそのメンバーの名前が表記されていた。

 

 前述の通り、ボーダーには勿論俺が苦手とする人種も存在する。そんなやつと仕事をための心構えを作るために、こうして寝る前にシフトを確認するという意味もあるのだ。

 

 

「明日はアイツらとか………はぁ、寝るか。明日のことは明日の俺に任せるに限る」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 翌日

 今日は学校が終わったら、本部へ行き時間を少々潰した後に防衛任務だ。

 

 俺は誰にも気付かれないまま教室へ入り席に着く、そして道中買っておいたマッカンをちびちびと飲む。その異常な甘ったるさが、俺の荒んだ心を癒してくれる。

 人生は苦いんだ、コーヒーくらい甘くていい。まじでボーダーに案件来ないかな…………まぁ俺広報担当じゃないし俺の腐った目をお茶の間に流すわけにもいかないが。

 机に突っ伏そうとした矢先、頭の上から声が聞こえた。

 

 

「おはよう、比企谷くん」

「………三上か、おはよう」

 

 

 A級風間隊のオペレーター、そして俺のクラスメイトである三上歌歩。彼女は俺の前の席のため、学校に来れば自ずと挨拶してくる。

 この人まじ良い人なんだよな、仕事できるし優しいし、そしてその可憐な見た目から、学校でもボーダーでも男どもからの人気はあるらしい。ただボーダーでもし彼女に下手に手を出そうとすれば、三上の騎士こと真木理佐に処される………らしい。なにそれあいつ都市伝説?

 

 

「なんか疲れた顔してるね、何かあった?」

「安心してくれ、この腐った目は元からだ」

「そ、そこまで言ってないけど………相変わらず好きだね、まっくすこーひー?だっけ?」

 

 

 千葉のソウルドリンクことMAXコーヒー、三門に引っ越すとなった時にこいつを買えなくなる可能性がある事が心配だったが、千葉からさほど離れていない街というのもあってか普通に自販機やスーパーでも買えたため非常に助かった。

 ただ、俺の周りでこれを常飲している奴を見た事はない。まぁ俺の周りといってもボーダーに入ってからもそこまで交友関係は広くないため単に知見が狭いだけだろうが。

 

 

「ああ、こいつは千葉のソウルドリンクだからな。千葉県民はみんな飲む」

「嘘をつくな。というか比企谷、それ1日3本くらい飲んでるだろう。糖尿病になるぞ」

「あ、おはよう!奈良坂くん」

「…………大きなお世話だ」

 

 

 そしてもう1人のクラスメイト兼同僚、A級7位三輪隊の狙撃手奈良坂透。ネイバー絶許マンこと三輪秀次のチームメイトで、ボーダーNo.2狙撃手でもある。俺も狙撃銃を扱うが、コイツと狙撃対決とかは絶対にしたくない。自分の能力の低さに絶望して死にたくなるレベルだから。

 おまけにコイツはめちゃくちゃイケメンだ。なんなのこの差、天はイケメンに二物も三物も与えすぎだと思います。

 

 

「それはそうと比企谷、今日の3限の数学は小テストだが大丈夫なのか?」

「お前と三上がご丁寧に、俺の容量の小さい脳に情報をぶち込んでくれたんでな。多分なんとかなるだろ」

「比企谷くん、理数系はちょっと苦手だもんね。文系はすごいできるのに………」

「気を遣う必要はない三上、正直比企谷の理数系は本当に壊滅的だ。本当にこの学校に受かったのか疑わしい」

「おい、三上程気を遣えとは言わんが、お前はもう少しオブラートに包め。俺のガラスのハートがメンタルブレイクするぞ。もう1年この学校いるんですが?」

 

 

 六頴館はボーダー提携の中高一貫校であり、高校受験で入るとなると相当難しい。そしてクラスは成績で分けられており、A.B.C.Dの4つのクラスがある。俺はB組だ。

 

 入学直後は中学からすでに出来上がっていたコミュニティに入るなど到底できず、俺は安定で至高のボッチだった。5月の入隊試験でボーダーに入隊し、ほどなくしてこの2人に遭遇した。俺は知らなかったが、三上が俺に見覚えがあったらしく、そのままずるずると付き合いが続いたというわけだ。

 三上が俺の理数系のレベルの低さに気づき、米屋やその他バカの面倒を見ていた奈良坂のもとへ俺を連行したのが俺と奈良坂の初邂逅だった。

 

 奈良坂先生のスパルタ塾のおかげで、テスト自体は平均前後をキープできている。そこに元々得意な文系の点数が乗っかり、B組にいるというわけだ。

 

 

「比企谷、この前の中間テストの現代文はどうだったんだ?」

「93点、学年2位」

「え!?すごい!1位って綾辻ちゃんだよね?」

「......なぜ理数系は壊滅的なんだ」

「あれはもう呪文だろ、お前のスパルタ塾がなかったら今頃赤点三昧で留年だ」

 

 

 数学っていうならせめて数字使ってほしい。アルファベットとか変な記号を多用する高校数学は俺には難解すぎる。奈良坂のスパルタ塾だってマッカンがなかったら到底乗り越えられん。

 

 

「テストは何とかなる。俺は今防衛任務をサボる言い訳を考えるので忙しい」

「サボるのは良くないと思うけど.......」

「今日はどこと一緒なんだ?」

 

 

 

「........香取隊」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校終了後、俺はフラフラと本部へ向かった。2人はチームメイトと待ち合わせるらしい、いや一緒に行くのは編に視線集めるからいつも断っているのだが。

 片や超絶美形狙撃手、片やセコム付き超絶美人、それに挟まって歩く腐り目の俺はさながら地元で支持を得る警察官に連行されてる小悪党だ。小悪党なのかよ。

 

 本部に着いたは良いが、集合まで1時間ほど時間がある。狙撃の訓練場にでも行くか、それともロビーでだらだらするか。部隊を組めば隊室を与えられるが、あいにく俺は孤高のぼっちだからそんなものはない。

 

 

「お、ヒッキーやん。お疲れさん」

「うっす、お疲れ様です。生駒さん、その呼び方やめてくれませんかね」

「なんでやねん、ええやろヒッキー。なんか可愛いやん」

「………王子先輩恨むぞマジで」

 

 

 ボーダーの渾名職人王子一彰。彼が俺にヒッキーという渾名を付け、何故かそれが広まった結果一部の人は俺をヒッキーと呼ぶようになってしまった。この生駒達人も、その渾名で呼ぶ人間の1人だ。というか生駒隊の人間は全員ヒッキーと呼んでくる。

 

 

「どしたん、暇なん?」

「いや、今アレがアレでアレなんで忙しいです」

「そんなこと言わんで、5本だけ付き合ってくれん?あの練乳コーヒー奢ったるから〜」

「クネクネしながら来ないでくださいよ…………5本なら、まぁ。ていうか、俺とやってもつまらんでしょ。俺本職のアタッカーじゃないし、ていうか近距離苦手だし」

「いやいや、ヒッキーの戦い方結構おもろいしな。たまに戦いたくなんねん」

「どーも、さっさとやっちゃいますか」

 

 

 個人戦ブースに入り、生駒に対戦を申し込む。程なくして俺の体は仮想空間に転送された。

 なんの変哲もない市街地、そのど真ん中からのスタートだ。こういった平坦なフィールドはあまり得意じゃないし、生駒との相性も悪い。あの人マジでこっちの小細工全部ぶった斬ってくるんだよな。

 

 

「とりあえず、やることはいつもと変わんねぇ」

 

 

 バッグワームを装着し、身を潜めつつ索敵を開始する。生駒は圧倒的に格上、勝つためにまずは索敵でアドバンテージを取るのは絶対条件だ。

 ランク戦に使われる仮想空間ほどここは広くない、生駒を索敵すること自体は容易だった。狙撃を警戒しているのだろう、足を止めることはせず孤月に手をかけたまま俺を探していた。

 

 

「まずは一手目」

 

 

 すでに俺の手にはイーグレットが握られている。駆け回る生駒の頭を的確に狙うのは難しい、だが大事なのは一手目で崩すことだ。狙いは胴体、集中して引き金を引く。

 弾はまっすぐに生駒に吸い寄せられていく。だがそこはさすがアタッカーNo.6というべきか、反応したのか予測していたのかは分からないがシールドで弾を防いできた。

 

 だが生駒の視線の先にもう俺はいない。一発撃ったら即退散は、狙撃手の鉄則だ。とはいえ一発目で分かった。気を張ってる生駒を狙撃で落とすのは難しい。

 

 スニークを続けつつ俺はイーグレットをアサルトライフルへと持ち帰る。二手目以降も奇襲は絶対条件、正面からやり合うのは勝ち目が無さすぎる。

 

 

「………やっぱおもろいわ、ヒッキー」

「げっ、もう見つかんのかよ」

 

 

 やっぱこの人ただの脳筋じゃねぇな。狙撃の角度と方向から俺の位置絞ったのか、こういうのサッとできる辺り、シンプルすぎるトリガーセットの人らの自力の高さが伺える。

 

 アサルトライフルをスコーピオンにチェンジ、後方に飛びながら投げつけつつバッグワームを脱ぎ捨てハンドガンに持ち替え。

 投げスコーピオンを難なく防ぎ生駒は距離を潰してくる、ハンドガンの連射もかわされるかシールドで塞がれた。

 

 

「切り合おか」

「遠慮したいですねッ!」

 

 

 スコーピオンと孤月がぶつかり合う。そこから打ち合うこと数秒、やはり削られるのは俺だけだ。10,000p越えの人とまともにやりあえるわけないだろアホか。

 スコーピオンを解除し、ハンドガンを連射する。狙いは手足や肩だ、このレベルの人は致命の攻撃に対しての反応とんでもないから狙っても無駄。まぁこの人の場合全部外してくるから変わんないか。

 

 

「俺と近距離やらんのも分かるけどな、もう遅いでっ!」

「どうでしょうね、まだ入れる保険あるかもですよ」

「………っ!?」

 

 

 狙いを散らした数発の弾丸、そのうちの肩を狙った一発を生駒さんは反射で孤月で防ぐ。だがその弾丸が刀身に着弾すると同時、それは重い枷となる。

 

 

「レッドバレットかい!やられたわ」

 

 

 次の瞬間、生駒の首が胴体から切り離された。

 

 

 

 

 

「いやーやっぱヒッキーと戦うと頭使うわー、良い訓練になった。おおきに」

「2本目以降ボコボコにしといてよく言いますね。ポイント収支マイナスなんですが」

 

 

 1本目は取らせてもらえたが、2本目以降は面白いくらいボコボコにされた。さすがに同じ手は通じないな。やっぱこの人の旋空おかしくない?抜刀したと思ったらもう体切られてるんですけど。

 奢ってもらったマッカンを煽りながら一息つく、なぜか生駒は未だにここにいる。

 

 

「………あの、なんでまだ居るんです?」

「俺今日暇やねん」

「…………はぁ」

「相手して♡」

「めんどくせぇ………あと俺この後防衛任務なんで、もう行きますよ」

「あらそうなん?ほなしゃあないな、また相手してなー」

「うっす」

 

 

 

 

  

 香取隊の隊室に行くと、すでに香取隊の面々は全員揃っていた。集合時間の10分前だというのに律儀な事だ。

 

 

「………おつかれさん」

「遅い!」

「いや、集合時間には間に合ってるだろ」

「間に合えばいいってもんじゃ無いでしょ!」

「お前は昭和の上司か」

「比企谷、毎度すまん………」

「お前も苦労するな、若村」

「どーいう意味よ!」

 

 

 俺が席に着くと、オペレーターの染井華がお茶を出してくれた。俺が香取と言い合っている間に入れてくれたらしい。コイツの入れる紅茶美味いんだよな。

 

 

「さんきゅ」

「いえ、比企谷先輩また古文教えていただいても良いですか?」

「俺が教えなくても十分成績いいだろ、お前は」

 

 

 ちなみに彼女は六頴館の1年だ。だからってわけでもないが、最近たまに小寺と共に俺に現国を教わりにくるようになった。小寺は奈良坂から俺の文系の成績を聞いたらしい。

 

 

「文系は、先輩に聞くのが分かりやすいので」

「そうかい………まぁ、時間が合えばな」

「はい」

「理数系は米屋先輩レベルのくせに」

「おいやめろ、それだけは言うな。テストの時はちゃんと勉強してんだよアレと一緒にするな」

「身について無いなら同じよ!」

「まぁまぁ葉子ちゃん、そろそろミーティング始めようよ」

 

 

 そこからは巡回ルートの打ち合わせを軽くして、防衛任務開始だ。基本的には警察官がやるパトロールなんかと変わらん。もしゲートが発生したなら対処し、発生しなければ歩いて終わり。なんとも単純で楽な仕事である。しかも俺の場合、報告書を書くなどの雑務は俺とシフトが被ってる部隊に丸投げできるしな。

 

 

『特に異常はなさそうね』

「モールモットの1匹でも出てきてくれれば、このムシャクシャをぶつけられるのに………」

(こいつだいたいいっつも不機嫌だろ、そこまで関係値ないから知らんけど)

 

 

 俺が防衛任務に当たる際には、同行する部隊と無理なく連携できるような動きをする。荒船隊などのピーキーな部隊との仕事なら、俺も狙撃手として動くし、風間隊などのコンセプト部隊となら彼らの連携を乱さない為に無理なく無難に合わせられる銃手としての動きをする。

 ボーダーの器用貧乏とは俺のことだ。実際、マスタークラスに至ってるトリガーは一つもないがどのポジションも平均的にできるくらいの実力だしな。

 

 

「そういえば比企谷、今日うちの隊室寄る前生駒さんと5本勝負してたんだって?」

「なんで知ってんだよ」

「C級の奴らが個人ブースで話してんの聞いたんだよ、目が腐ってる奴がアタッカーNo.6から先制1本取ったって………そんな奴お前しかいないだろ」

「2本目以降はボコボコだ、誇れるもんでもない」

「いやいや、生駒さんから1本でも取るなんてすごいよ。比企谷くん、ポジション的に相性悪いのに」

 

 

 ボーダーには、扱う武器によってポジション分けが為されている。基本は4種類で、近距離戦を担う攻撃手、中距離で盤面を動かす銃手、遠距離を担う狙撃手、弾トリガーを自在に扱う射手。万能手や、その他テクニカルなポジションもあるにはあるが数は少ない。

 

 俺はポジションで言えば万能手だ。万能手の条件は、近距離トリガーと中距離トリガーがどちらも6,000pを超えていること。万能手の中にも、攻撃手寄りのやつと中距離寄りのやつがおり、俺は遠中距離型。動き方のベースは銃手寄りな為、攻撃手には相性が悪い。というか、一対一の戦いに向いているとは言えない。ゲリラ戦や乱戦ならば、いくらかマシだろう。

 

 

「万能手って言ったって、マスタークラスまでやる根性なくてフラフラしてただけでしょ」

「おい葉子!」

「いや、まぁぶっちゃけそうだから何も言えん」

 

 

 それにコイツ、最近銃手でもマスター行ったらしいしな。同じ万能手として、能力は圧倒的にコイツの方が高い。狙撃手はやったことないだろうが、やってやれない事はないだろう。才能マンめ。

 

 

『4人共、おしゃべりはおしまい。ゲート発生、そこから南東へ200m』

「ッ!…………行くわよ!」

「「了解」」

「働きますか」

 

 

 出現したのはモールモット5体とバムスター2体。少々多めだが、まぁ問題はないだろう。香取隊はいつも通りに香取1人が特攻、それを他2人がフォローする陣形だ。

 アサルトライフルを連射し、モールモット2匹を釣る。バムスターはデカブツだが、攻撃性能は無いためまずは素早いコイツらから処理する。とはいえ、俺の弾トリガーの威力は並だ。モールモットの装甲をそのまま貫くほどの威力はない。足のブレードも厄介だ、ならやる事はまず動きを止めるか、末端を削る事。

 

 左手にハンドガンを装備しレッドバレットを放つ。モールモットにシールドの機能は無いため、いとも容易く動きを止められた。すかさずスコーピオンを片手に前へ出る。モールモットの刃圏に入ると奴らはブレードを振り回してくるが、足が動いてないため避けるのは容易い事だ。そのまま2体のモールモットを処理し、香取隊の面々の様子を伺う。他3体のモールモットは既に処理されており、バムスターの処理に当たっている最中だった。

 

 

「………俺はもう要らないか」

『先輩は狙撃等で援護を』

「あ、はい」

 

 

 バムスターは大型のトリオン兵だ、強くは無いがデカいってのはそれだけで脅威になる。実際、香取達の実力なら処理は容易いが、デカい故に2体同時に処理するには少しラグが発生する。

 俺は香取達が処理していない方のバムスター、そのコアに狙いを定めイーグレットを構える。動きは遅いしデカいので狙いやすい、ある程度訓練を積んだ狙撃手からすれば初心者用の的みたいなもんだ。

 息を吸うと同時に引き金を引く、その弾丸は正確にコアのど真ん中を撃ち抜いた。それとほぼ同時にもう1体のバムスターの処理も完了していた。

 

 

「比企谷くんやっぱり手際いいなぁ、ソロなのが勿体無いよ」

「全くだ、部隊を組むなり入るなりすれば結構良いとこまで行けるんじゃ無いか?」

「フンッ!アンタなんかと部隊組んだら、そいつらまで目が腐りそうだわ」

「同感だ、他のやつにまでこの目を伝染させるわけにはいかん。俺からはヒキガヤ菌が出てるからな、小学校の時クラスメイトだった田中が言ってた」

「誰だよ、あと重い」

 

 

 

 その後はゲートが発生することもなく、無事に防衛任務を終えた。あとやっぱ香取は苦手だ。罵倒されるのは慣れているが、アイツ顔こええよ、美人の不機嫌な顔って迫力あるんだよな。後年下に強く言い返せない自分が情けなくなる。

 

 

 さて、帰ってアニメ見るか。





この時空の八幡は入学式の日に事故ってはいませんが、何分六頴館は中高一貫なんでね、無事にぼっちからスタートしました。ですがそこはさすがミカミカ、優しく拾い上げてくれたというわけです。

八幡のトリガーセットについては、そのうち比企谷八幡隊員プロフィール的な回を書こうと思うのでその時に詳しいステータスは載せたいと思いますが、一応もう固まってます。
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